MENU

オリーブの木の上手な育て方|剪定や植え替え、挿し木の方法など紹介

観賞用や食用に自宅栽培できる植物として、オリーブが人気を博しています。きれいな実がなるよう育てるには、定期的なお手入れやコツが必要です。上手な育て方やトラブルの対処法などを学び、自宅でオリーブの木を育てましょう。

オリーブの木の基礎知識

オリーブの木の基礎知識

オリーブに限らず、植物を育てるときはその品種の基礎知識が必要です。オリーブの基礎知識を学び、オリーブ栽培をより楽しみましょう。

花、葉、実の特徴

オリーブは『常緑高木(じょうりょくこうぼく)』に分類される植物です。年間を通して葉を付ける常緑樹のうち、樹高の高いものを指します。オリーブの場合、樹高は15m以上になることもあります。

オリーブの花は、黄白色や白色です。約3~5mmと小ぶりで、房状にたくさん咲きます。先端のとがった硬い葉も、オリーブの特徴の一つです。葉の表面は光沢感のある緑色、裏面は銀白色です。

オリーブは丸い実を付けます。緑色から黄緑・赤・紫と変色し、完熟時の色は黒です。オリーブオイルやピクルスに加工され、食卓に並ぶこともあります。

開花時期

品種によってオリーブの開花時期は異なるものの、初夏とされています。具体的には、5~6月頃です。オリーブの花が咲くのは、約1週間と短めです。匂いは強くないため、花が咲いても気づかず見落としてしまう場合もあるでしょう。

オリーブの花はあまり強くなく、雨に当たるとすぐに花が落ちてしまいます。オリーブの花の観賞を楽しみたい場合は、雨の当たりにくい場所に鉢を置くのがおすすめです。

キンモクセイのように、咲き終えたオリーブの花は落ちます。育てる場所に関係なく、落ちた花びらの回収や掃除が必要です。開花時期が近づいたらオリーブをよく観察し、オリーブの花を見逃さないようにしましょう。

花言葉

オリーブの花言葉は、平和・安らぎ・知恵・勝利などがあります。

諸説ありますが、平和と安らぎの由来は、旧約聖書の神話『ノアの方舟』です。人類を滅ぼそうと神が起こした大洪水を耐えしのいだノアは、地上に鳩を放ちます。ノアの元に帰った鳩がオリーブの葉をくわえていたことで、洪水の収束をノアは悟りました。この逸話から、オリーブは平和や安らぎのシンボルとされています。

知恵と勝利はギリシャ神話が由来という説が有名です。ある都市の支配権を巡る争いで、『より人々に役立つ贈り物をした神』に支配権が認められることになりました。この争いに勝利した神の贈り物こそがオリーブです。このエピソードから、オリーブは知恵と勝利の象徴とされています。

オリーブの上手な育て方とお手入れ方法

上手な育て方とお手入れ方法

育て方やお手入れ方法を間違えると、せっかく育ったオリーブが枯れてしまったり実がならなくなったりします。上手な育て方とお手入れ方法を知り、オリーブを長持ちさせましょう。

日当たりや置き場所

上手にオリーブを育てるには、日当たりや置き場所が重要です。品種を問わず、スペインやギリシャといった地中海沿岸部がオリーブの原産地です。

年間を通して過ごしやすい気候の地中海沿岸部は、雨量が少なく乾燥しています。地中海沿岸部のような、オリーブ好みの環境をできる限り整えましょう。

屋内にせよ屋外にせよ、日当たりと風通しのよい場所にオリーブを置くのがおすすめです。オリーブは寒さに弱いため、冬の寒さが厳しい地域でオリーブを育てる場合、寒い季節は室内で育てるとよいでしょう。

庭に地植えする場合は、冬囲いでオリーブを寒さから守りましょう。

水やりの方法

水やりの方法も、うまくオリーブを育てるポイントの一つといえるでしょう。乾燥した地中海沿岸部を原産地とするオリーブは、乾燥にはある程度強いです。しかし、乾燥させすぎてしまうと、育たなかったり枯れたりする原因になります。

土の表面が乾いたら、たっぷり水をあげましょう。鉢で育てている場合は、鉢の底から水が流れるくらいが目安です。ただし、オリーブは湿気に弱いため、受け皿にたまった水は捨てましょう。

水やりの頻度は、夏はほぼ毎日、冬は1週間~10日に1回程度です。

肥料の与え方

肥料の与え方は、オリーブ栽培において欠かせないポイントです。オリーブには、年に3回程度は肥料をあげましょう。

肥料をあげるタイミングは、オリーブが芽吹く3月、開花後の6月、実の収穫が終わる10月頃です。肥料の与えすぎはよくないため、オリーブの成長や様子を見て量を調整しましょう。

オリーブはアルカリ性の土壌を好むため、年に1回程度は石灰を混ぜて土を中和させます。石灰質を含む土を選んでもよいでしょう。肥料選びに迷うようであれば、オリーブ専用の肥料を与えるのもおすすめです。

摘果作業

大きな果実を実らせるための間引きを『摘果(てきか)』といいます。食用でもオリーブを楽しみたい人にとって、特に摘果作業は重要といえるでしょう。

オリーブには、果実の豊作と不作を繰り返す『隔年結果』を起こしやすい品種があります。豊作の年に摘果作業をすると、隔年結果しやすい品種でも隔年結果の影響を抑えやすくなるでしょう。

摘果作業におすすめの時期は、7~8月頃です。果実一つに対して残す葉の枚数を示す『葉果比(ようかひ)』に従い、摘果します。オリーブの葉果比は8です。果実一つに対して、葉が8枚になるよう摘果しましょう。

オリーブの木の剪定方法

枝が伸びてきたら剪定しよう

オリーブの枝が伸びてきたら、剪定(せんてい)しましょう。剪定もまた、オリーブを上手に育てるのに重要なポイントです。

剪定の目的

植物の枝や葉を切って整えることを剪定といいます。剪定の主な目的は、次の三つです。

  • 枝の広がりを抑える
  • 日当たりや風通しをよくする
  • 害虫の被害を受けたり枯れたりした枝を取り除く

オリーブに限らず、育てれば植物は大きく成長します。しかし、放置しておくと必要以上に大きくなり、部屋や庭のスペースを占領してしまうでしょう。育てやすい大きさにオリーブを調整するために剪定を行います。

切り落とした枝の分、枝の間の日当たりや風通しがよくなるため、害虫や病気の被害を予防可能です。すでに害虫の被害を受けたり枯れたりした枝を取り除くのも、剪定の目的といえるでしょう。

適した時期

『強剪定』と『軽剪定』の2種類が剪定にはあります。適期は強剪定が2~3月頃、軽剪定が5~10月頃です。

オリーブの成長が止まる時期に、生育促進のために行うのが強剪定です。多くの枝を切り落として樹木の骨格を形成する意味があり、『骨格剪定』『整枝剪定』とも呼ばれます。成長中の時期に行うと切り口から枯れたり腐ったりするため、強剪定は休眠期に行いましょう。

オリーブが成長中の時期に、樹木の姿を整えるために行うのが軽剪定です。暖かくなって伸びすぎた枝を適宜切り落とし、日当たりや風通しをよくしましょう。夏や秋頃に行うため、『夏期剪定』『整枝剪定』『弱剪定』とも呼ばれます。

剪定のやり方

清潔な剪定ばさみと癒合剤(ゆごうざい)を用意しましょう。癒合剤は剪定後の切り口を保護するもので、病原菌が入り込むのを防いだり、切り口の修復を手助けしてくれたりします。

1 2
よかったらシェアしてね!