ガザニアとは?花の特徴・花言葉・育て方・手入れ方法を紹介!
日光の下で元気に咲く姿が印象的なガザニアは、豊富な花色や咲き方が魅力の多年草です。強い性質を持ち手入れもしやすいことから、花壇などに好んで用いられます。そんなガザニアをどのように育てていけばよいのか、花言葉などの情報とあわせて紹介します。
ガザニアとはどんな花?
栽培を始めるまえに、ガザニアについて基本的なことを知っておきましょう。苗からでも種からでも育てられ、苗は春から初夏にかけて、種は通年手に入ります。それでは、学名や原産地などの情報や花の特徴、ガザニアにつけられた花言葉などを確認していきます。
ガザニアの基本情報
科・属 | キク科:ガザニア属 |
和名 | クンショウギク(勲章菊) |
英名 | Gazania、Treasure flower |
学名 | Gazania |
花の色 | オレンジ、黄、赤、ピンク、白、バイカラー、ストライプなど |
原産地 | 南アフリカ |
開花期 | 4~10月上旬 |
暖地では宿根草になるガザニアですが、耐寒性が弱日本でも寒冷地では冬に枯れてしまいます。また、暖地でも夏は高温多湿で株が弱ってしまうため、一年草として扱われています。ただし、近年「宿根ガザニア」として販売されているものは耐暑性や耐寒性に優れ、多年草として栽培しやすい品種です。
ガザニアの特徴
ガザニアは、春から秋にかけて鮮やかな花を咲かせる多年草です。まるで勲章のような花は豊富な花色を持ち、日があたると開き、日が落ちた後に閉じる性質を持っています。そのため、曇りの日には開かないこともあります。花の名前は、アリストテレスの著作をラテン語に翻訳した15世紀のギリシャ人、セオドルス・ガザ由来です。
葉の形状は切れ込みのある羽状もしくはヘラ状で、茎がほとんど伸びないため葉が茂るのは地際あたりです。葉色は品種により違い、灰緑や銀を帯びたもの、光沢の美しいものなどがあります。
南アフリカが原産なので高温や乾燥には強い反面、多湿を嫌います。梅雨がある日本では、夏を迎える前に腐ってしまうことも珍しくありません。シルバーリーフと呼ばれる銀葉のガザニアは、とくに多湿が苦手です。耐寒性はあまり強くありませんが、徐々に鳴らすことで関東以西であれば戸外でも冬越しできます。単独での栽培やほかの花との寄せ植え以外にも、品種によってはグランドカバーにできる花です。
ガザニアの開花時期や見頃の季節
ガザニアの花が咲くのは、4~10月頃です。基本の花色は黄色やオレンジですが、多種との交雑により赤やピンク、白、褐色など、数多くの花色が誕生しています。15~30cmほどの草丈のなかに長い花柄を出し、花の直径は5~15cmほどです。
ガザニアの花言葉と由来
ガザニアの最もメジャーは花言葉は、「あなたを誇りに思う」と「笑顔で答える」です。「あなたを誇りに思う」は勲章のような花姿、「笑顔で答える」は見る人に元気を与えてくれる花色に由来するといわれています。
このほかにも、「身近な愛」や「博学天才」、「きらびやか」「豪華」「蜜月」など、実に多くの花言葉がつけられています。
ガザニアの品種・種類
ガザニアは、原産地の南アフリカに約40種が自生しています。現在普及しているのは原種をもとにした園芸品種です。今回は、園芸種のもとである2つの原種、リゲンス種とリネアリス種、葉の美しさも楽しめるタレントミックスの3種類を紹介します。
リゲンス種
和名ではジャノメクンショウギクと呼ばれ、現在普及している多くの園芸品種の親となる原種です。花茎が高く伸びて花も大きく、横に広がりにくいので、鉢植えやプランター栽培にするとよく映えます。花色は黄色やオレンジ、赤などの暖色系です。
リネアリス種
リゲンス種と同じく、園芸品種の親となる原種です。茎の根元からカーペット状に広がるのでグランドカバーに使いやすいほか、草丈が15cm程度なので鉢植栽培にも向いています。花径は8cmほどで、細長い花弁は黄色やオレンジです。
タレントミックス
銀色の葉が美しく、リーフプランツとしても楽しめる品種です。次々に枝分かれして沢山の花をつけ、花の中心には複雑な蛇の目模様が入っています。草丈は15~20cmとコンパクトで、花径は6~8cmと大き目です。やや多湿に弱い傾向にあります。
ガザニアの育て方・栽培方法
栽培に適した土壌や用土、種まきの方法や植え付け方などを確認していきましょう。ガザニアは、鉢植えと庭植えどちらでも栽培できます。ポイントをチェックして、夏の庭を華やかに彩りましょう。
用土
ガザニアには、水はけがよく通気性があり、保水性が適度にある用土が適しています。小粒の赤玉土5:腐葉土3:パーライトもしくは小粒の日向土2などの割合で配合するとよいでしょう。市販の草花用培養土を使う場合には、パーライトや川砂を混ぜて水はけをよくしましょう。庭植えで育てたい場合は、掘り上げた土に3割ほどの腐葉土を混ぜておきます。水はけが悪い場合には、パーライトや軽石を混ぜて土質を改良しておきましょう。
植え付け方法と時期
種まき
種から育てる場合は、4月中旬~5月中旬、もしくは9月下旬~11月上旬に種まきをします。種まき後に霜にあたる可能性がある場合は、春まきするのがおすすめです。セルトレイや育苗ポットに市販の種まき用土や小粒の赤玉土を入れ、土を湿らせてから一粒ずつ種をまきます。種は日に当たると発芽しないので、必ず覆土しましょう。その後の管理は土を乾かさないように日陰で行い、3~7日程度で発芽します。本場が2~3枚になったら、庭や植木鉢などに定植しましょう。
苗植え
苗の植え付けは3~5月の間が適期です。過湿を嫌うので、株元にある芽が土に埋まらないように注意しましょう。鉢植えの場合は、苗よりも一回り大きな植木鉢を用意してください。鉢底ネットや鉢底石を敷いて植え付けたら、その後は日あたりや風通しのよい場所で管理します。環境が整えば、屋内外どちらでも栽培できます。
庭植えにする場合も、日あたりと風通しのよい場所を選んで植えましょう。苗よりひと回り大きく穴を掘り、複数株を植える場合は20cm程度の間隔をあけましょう。
肥料と水やり
肥料
植え付け時に元肥として緩効性化成肥料を用土に加えます。市販の培養土を使う場合は、元肥は必要ありません。追肥は花が咲いている間に与えるようにし、花が終わった秋以降の施肥は行いません。追肥には液体肥料を用い、10日に1度の間隔で与えましょう。開花期間の長いガザニアは次々に花を咲かせるので、花付きのためにも肥料切れを起こさないようにします。ただし、真夏の高温期に成長が鈍くなったり弱ったりしている株は、与えない方がよいでしょう。
水やり
鉢植えの場合、過湿が続くと株が傷んでしまうため、表土が乾いたのを確認してから水やりをしましょう。与える時には鉢底から流れるまでたっぷりと与え、土の中の老廃物を流して新鮮な空気に入れ替えます。受け皿がある場合には、水を溜めないようにします。生育期が終わった冬の間は、水を吸い上げる力が弱まります。表土が乾いてから2~3日置いて水やりをしましょう。
庭植えの場合には、水やりは必要ありません。
ガザニアの手入れ方法や増やし方
日頃のちょっとした手入れが、株を元気に育て花数も増やしてくれます。害虫による食害や、株を弱める病気にも注意したいところです。ガザニアに必要な植え替えや剪定の仕方、気をつけたい病害虫について、株の増やし方と合わせて解説していきます。
植え替えや鉢替え
庭植えにする場合や一年草として育てる場合には、植え替えは必要ありません。しかし、鉢植えでは成長が進むと根詰まりを起こすため。2~3年に1度は植え替えましょう。植え付けと同じく3~5月、もしくは花後の10月頃に行います。ひと回り大きな鉢に植えるか、株分けをして新たに植え付けてもよいでしょう。
剪定・切り戻し
ガザニアは生育が旺盛で、あっという間に茂ります。しかし蒸れに弱いので、梅雨に入る前に切り戻しを兼ねた剪定をしましょう。草丈の2/3~半分程度まで、葉も花も思い切って剪定します。一時的に花はなくなりますが、すぐに新しく出てくるので問題ありません。剪定をすることで株の風通しがよくなり、病害虫の予防にも繋がります。また、剪定した後は分枝しながら茎葉が伸びてくるので、夏以降の花数もぐっと増えてくれます。
注意したい病害虫
害虫
ガザニアを栽培する上で注意したい主な害虫は、アブラムシとハマキムシです。アブラムシは吸汁性の害虫で、植物の新芽や蕾を好んで寄生します。寄生されると株が弱るだけではなく、アブラムシの排泄物はすす病を誘発し、ウィルス病を媒介する可能性もあります。一方のハマキムシは、葉を巻いたり綴りあわせたりした中に住みつき、葉や芽などを食害します。どちらも見つけたらすぐに駆除しましょう。
病気
かかりやすい病気には、うどんこ病があります。気温20~25℃の間で発生しやすく、ガザニアの葉が侵されると光合成ができなくなり株を弱めます。感染した部位は取り除いて処分し、薬剤などを散布して感染拡大を防止しましょう。被害が大きすぎる場合には、株の処分が必要になることもあります。
ガザニアの増やし方
ガザニアは、株分けや挿し木、種の採取によって増やせます。長年育てた株の花付きが悪くなった時には、株分けするのがおすすめです。種は咲き終わった花をそのままにして種を採取しましょう。