オリーブに適した土は?植え替えや押し木のやり方、おすすめ土3選
常緑木のオリーブは成長が早く、ぐんぐんと大きく成長して小さな白い花や果実も楽しめる人気の植物です。ただしオリーブが元気よく成長するためには、養分となる土が重要です。これからオリーブを育てる人のために適した土について解説します。
オリーブに適した土とは?
オリーブは比較的丈夫な植物ですが、どんな土でも育つわけではありません。オリーブを上手に育てるためには、成長に必要な養分が入った土台となる土選びがポイントです。
オリーブを上手に育てたい人のために、ここではオリーブに適した土について解説します。
適した土壌は弱アルカリ性
土は酸性・中性・アルカリ性に分けられます。酸やアルカリの強さは、ph(ペーハー)で表されており、ph7.0が中性です。数値が小さくなると酸性、高くなるとアルカリ性に傾きます。オリーブを育てるのに適した土はph7.5前後の弱アルカリ性の土です。
またオリーブの土には水はけや水もちのよさも求められます。オリーブを育てる際には、専用の土を使用すると便利です。あらかじめオリーブが育ちやすいphに調整されており、水はけや水もちのよい団粒構造の土なのでだれでも手軽に育てられます。
自分でブレンドする場合
オリーブ用の土を自作する場合、大きく分けて二つの方法があります。
まずは赤玉土(小粒)と腐葉土などの肥料を混ぜる方法です。まず赤玉土と腐葉土を6:4の割合を目安に土をブレンドして、さらに有機石灰などを加えて完成です。
土をブレンドするときのポイントは『ph7.5、弱アルカリ性になっているか』という点です。植え付ける部分から15cmほどの深さの土を、市販の酸度測定液などでチェックしておくとよいでしょい。
庭植えの場合は、日本の土は酸性なので、庭に植える場合には「ドロマイト」をph7.5になるようにまいて調整します。鉢植えの場合は、市販の「果樹・花木用の土」にドロマイトを混ぜてphを調整しましょう。
成長が早いオリーブは植え替えが必要
オリーブは成長が早いため、成長に合わせた植え替えが必要です。オリーブに限らず植え替えは、適した時期に正しい方法で行わないと枯れてしまうこともあります。
ここではオリーブの植え替えの時期や方法とともに、注意すべきポイントを紹介します。
頻度と時期
オリーブの植え替えは、成長度によっても異なりますが『1~2年に1度が目安』です。寒さが弱まった春先の『3~4月頃』に行いましょう。植え替えの理由は、土の入れ替えと根詰まりによる成長不良を防ぐためです。
オリーブの下側に生えている葉が黄色く変色してきたり、枯れてきたりした場合は、土が養分を吸い取られて酸性になってしまっています。そのため植え替えで土を入れ替えて、肥料に弱アルカリ性にしてあげましょう。
また土中の根も成長スピードが早いため、スペースがなくなると表面に浮き出してきます。このまま放置すると根詰まりを起こして、成長に必要な養分や水分を根が吸収できず枯れてしまうため注意しましょう。
植え替えのやり方
植え替えに必要な道具をそろえましょう。必要な道具は以下の「6点」です。
- 使用中の鉢よりもひとまわり大きな新しい鉢
- オリーブ用の土
- シャベル
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 清潔なハサミ
植え替え方法は以下の手順で行います。
- 鉢底ネットを入れた新しい鉢に鉢底石を深さ約3cmほど敷く
- 新しい鉢に1/3から1/2ほどオリーブ用の土を入れる
- 古い鉢からゆっくりとオリーブの木を抜く
- 根をほぐして、枯れた部分や腐った部分をハサミで切り落とす
- 新しい鉢の中心にオリーブの木を入れる
- 木の周りから鉢の縁下約3cmほどまでオリーブの土を入れる
- 手で土の表面を押して隙間を埋める
- 水をたっぷりと与える
根は養分と水分を吸収する大切な役割があります。根をほぐすときには、根が切れないように丁寧にほぐしていきましょう。
注意ポイント
植え替えで注意すべきポイントは、『鉢選び』と『植え替え後の手入れ方法』です。植え替えでは、新しい鉢には使用している鉢よりも1号サイズ大きなものを選びましょう。鉢の材質にはバリエーションが豊富です。
安くて軽いプラスチック製の鉢でも問題はありませんが、素焼きタイプならばより通気性や水はけに優れているためオリーブが元気に育ちます。
また植え替えたばかりのオリーブは新しい環境にまだ慣れていないため、根が張っていません。水をたっぷりと与えて、通気性に優れた日陰に置いておきましょう。
オリーブをもっと増やしたいなら挿し木をしよう
オリーブが大きく成長してきたら、挿し木(さしき)をすれば鉢を増やせます。挿し木とは切り取った枝を土にさして新しい株をつくる方法です。
オリーブを増やしたいときには、新しい株を買うのではなく、今まで育ててきたオリーブの枝を押し木として活用してみましょう。オリーブの押し木について紹介します。
適した時期
オリーブの押し木に適した時期は、休眠期である春先と成長期である夏頃です。休眠期の押し木は『休眠枝挿し』、成長期の押し木を『緑枝挿し』と呼びます。
オリーブの場合は、剪定と同時期に行う休眠枝挿しが一般的といわれます。住んでいる場所の気候によっても時期は異なりますが、温暖地では3~4月、寒冷地では4~5月に休眠枝挿しを行います。
一方、緑枝挿しは枝の成長が止まる6〜7月頃に行うのが最適です。
挿し木のやり方
挿し木に必要な道具は以下の「5点」です。
- 剪定用の清潔なハサミ
- 清潔なナイフ
- バケツ
- 新しい鉢
- 鹿沼土もしくは挿し木用土
- 軽石
- 発根促進剤
挿し木のやり方は以下の手順で行います。
- 剪定で切り落とした枝から、まっすぐと伸びた新しい枝を選ぶ
- 先端から中間の枝を取り除いて約10~15cmほど剪定ばさみで切る
- ナイフで斜めに切って、水をためたバケツに切り口を入れる
- 軽石を入れた鉢に、湿らせた鹿沼土もしくは押し木用土を入れる
- 挿し木の切り口に発根促進剤を塗る
- 少し間をあけて挿し木を挿す
挿し木をした鉢は、半日陰に置きましょう。
注意ポイント
挿し木での注意ポイントは以下の「3点」です。
- 清潔なハサミやナイフを使う
- こまめに水やりをする
- 挿し木に触らない
挿し木の切り口は、雑菌が入り込みやすい状態です。消毒をした清潔なハサミやナイフを使うようにしましょう。
またオリーブは乾燥にも比較的強い植物ですが、発根するまではたっぷりの水分が必要です。挿し木が乾燥しないように、こまめに水やりしましょう。
最後の注意点は、『挿し木に触れないこと』です。上手に発根したか気になるかもしれませんが、枝を抜いて確認してはいけません。せっかく成長した根が傷つき、枯れてしまいます。