バラの育て方のポイントとは。初心者向けの3種とともに紹介
バラは数え切れないほどたくさんの品種があり、花の女王と称されるくらい美しい花を楽しめる植物です。育て方のポイントを押さえれば、初心者でも比較的簡単に栽培できます。育て方のコツや、おすすめの品種を見ていきましょう。
バラの選び方を知ろう
バラはたくさんの種類があるので、さまざまな品種の中から選ぶ楽しみがあります。イメージにぴったりのバラを入手するために、基本的な選び方を押さえていきましょう。
バラの品種とは
バラはバラ科バラ属の植物です。もともと自生している種類だけでなく、野生種を改良して誕生した多数の園芸品種があります。品種によって、色・形・香り・咲き方など、さまざまです。
人気が高い植物だけに、毎年のように新たな品種が誕生しています。交配の歴史が古く、登録されているものだけでも4万品種もの品種があるのです。
1867年以降に誕生したバラを『モダンローズ』と呼んでいます。大型で見ごたえのある花を咲かせ、1年のうち何度も咲く性質を持っていることが特徴です。
モダンローズが誕生する以前に誕生したバラの品種は、『オールドローズ』と呼ばれています。
選ぶ際のポイント
バラを選ぶ時の参考にしたいものが、開花時期と樹形の二つです。バラの開花時期は品種によって、『一季咲き・返り咲き・四季咲き』の三つがあります。
一季咲きの開花時期は5~6月です。返り咲きは栽培条件に応じて、何度も咲くことがあります。四季咲きは四季を通じて咲き、春と秋が見ごろです。
樹形は、『つる性・半つる性・木立性』の三つに分けられます。木立性はブッシュ樹形とも呼ばれ、自立して咲くことが特徴です。
『新苗』はバラ農園で1年ほど育てた小さな苗のことで、春先に販売しています。数年ほど育てた苗は『大苗』と呼び、販売時期は秋ごろです。
大苗を選ぶと葉や枝が充実した状態から育てられるので、初心者にも扱いやすいでしょう。
バラの育て方
どんな苗を購入するか決めたら、すぐにバラの栽培を始められるように、必要なものも一緒に準備しておきましょう。バラの植え替えに際して必要なアイテムや、基本的な育て方を紹介します。
鉢や土、肥料の準備
バラの苗を購入したら、『一回り大きな鉢』に植え替えて育てます。6号サイズの苗なら、7~8号鉢が必要です。用土は、バラ栽培向けの培養土を購入すると簡単に植えられるでしょう。
鉢底の穴の上に敷く鉢底ネットや、排水性を高めるための鉢底石も用意します。肥料はバラ用の固形肥料を用意しておきましょう。
地植えする場合、たい肥・乾燥牛糞・腐葉土などの土壌改良剤や、元肥となるバラ用の肥料を準備します。水はけが悪い場合、パーライトや軽石などで土壌の排水性を高めましょう。
苗の植え替え
必要なものが準備できたら、植え替えの方法を見ていきましょう。
鉢植えの場合
- 鉢底ネットを敷き、鉢底石や赤玉土の大粒を入れる
- 鉢の中に1/3~1/2程度の土を入れ、苗を置く
- 接ぎ木の部分を埋めないように土を入れる
- 鉢底から流れ出るくらい水を与える
地植えの場合
- 根鉢の大きさに合わせ、30~40cmの穴を掘る
- 掘り上げた土にたい肥・腐葉土・元肥を混ぜる
- 穴の中央に苗を置き、土をかぶせる
地植えの場合、あらかじめ土作りをしておきます。土壌改良する場合、土作りに1カ月程度の時間をかけると、より植物の栽培に適した土ができるでしょう。
鉢植え・地植えともに、新苗は根を崩さないように植え、大苗は根を軽くほぐしてから植えます。
品種による剪定の違い
品種によって花が咲く時期が違うため、剪定の仕方も異なります。四季咲きのバラは『9月上旬ごろ』と、『12月~2月ごろ』の2回に分けて剪定しましょう。
秋は風通しを良くするために、込み入った枝葉のみを落としましょう。冬は大胆に枝を落とし、1/2程度まで『強剪定』します。
冬の剪定の際、樹高が2m近くになるつる性や半つる性のバラは、枝の先を10~20cm切り落とすだけでも構いません。理想の樹形を思い描きながら剪定しましょう。切る位置は、芽の上5mm程度を目安にします。
一季咲きのバラは春の開花に備え、冬に剪定することが基本です。不要な枝を落とし、樹形を整えます。
栽培のポイント
置き場所や世話の仕方を間違えると、思ったような姿に育たないことがあります。
バラを生き生きとした姿に育てるためには、健康的な生育に必要な日照時間や、水やりの仕方などを押さえておくことが大事です。栽培のポイントを紹介します。
日当たりと水やり
バラは日当たりを好む植物です。最低でも『1日に3時間以上の日照時間が確保できる屋外』に置いて育てましょう。半日陰でも耐える品種もありますが、日当たりが良い方が丈夫に育ちます。
ただし、夏の西日を浴びると株が蒸れてしまうことがあるので注意しましょう。日よけシェードを使用したり他の植物を置いたりして、西日を遮ることをおすすめします。
水やりは朝に1回、鉢底から水が流れ出るくらい、たっぷりと与えましょう。盛夏は夕方に用土が乾いてしまうことがあるので、葉の様子を見て、しおれているようだったら与えます。
地植えの場合も土の様子を見て、乾いているようであれば水やりをしましょう。
病気や害虫対策
乾燥する時期に、うどんこ病になることがあります。葉が粉をまぶしたように白っぽくなっていたら、うどんこ病にかかっている可能性が高いです。