バラの種類について知ろう。分類別の主な品種や特徴を紹介

2020 11/18
バラの種類について知ろう。分類別の主な品種や特徴を紹介

バラにはたくさんの種類があります。樹形や咲き方などの分類ごとに代表的な種類を紹介するので、品種を増やす時の参考にしましょう。品種選びの参考になるよう花言葉も紹介します。さまざまな種類のバラについて特徴を見ていきましょう。

目次

バラの基礎知識

いろいろな種類について見ていくために、まずはバラの基礎知識を紹介します。美しい花や豊かな芳香など魅力たっぷりのバラは、どのような特徴を持つ植物なのでしょうか?

多くの種類があり贈り物としても人気

バラは、バラ科バラ属の落葉性低木や花木のことを指します。葉や茎にとげがありますが、美しい花を咲かせることから、世界中に熱心なファンがいる植物です。

原種の数が多いことと、古くから交配されてきたことにより種類が豊富という点も特徴といえます。登録されている品種だけでも『4万種以上』もあるのです。

観賞用として美しい色や形を長期間キープすることに特化した種類もあれば、香料を採取するために香りのよさを重視した種類もあります。

色や形のバリエーションが豊富なバラは、アレンジメントやブーケにもよく使われる花です。1枝プラスするだけでぱっと華やかさをプラスできます。特別なプレゼントに使われることも多いでしょう。

由来で見る主な種類

由来で分類すると、バラにはどのような種類があるのでしょうか?それぞれの特徴や代表的な品種を紹介します。

原種

4万種類以上もの品種があるバラですが、もともとは北半球の各地に自生していた150~200種類ほどの『原種』から始まりました。

例えば、接ぎ木の台木として使われるノイバラは日本の代表的な原種です。また、中国に自生していた原種である庚申バラは、さまざまな品種に四季咲き性を与えたルーツとして知られています。

バラと聞いて思い浮かべる華やかなタイプではありませんが、シンプルな美しさを持つものばかりです。自然の中で育った種類のため、病気への耐性が強いタイプもあります。

樹形は半自立性のしなやかな枝をしたタイプやつるバラがほとんどです。先に紹介した庚申バラ以外は、春にのみ花が咲く一季咲きです。

原種系交雑種

原種のバラが自然の環境の中で交雑されて生まれたのが『原種系交雑種』です。人の手を介さずにできたさまざまな種類があります。

日本国内の原種系交雑種として知られているのはハマナスに代表される『ハイブリッド・ルゴサ』です。寒さに強い種類のため、ヨーロッパの寒い地域でも重宝されています。

他に、純黄色の花色が貴重な『ハイブリッド・フェティダ』や、葉に青りんごのような香りがある『ハイブリッド・エグランテリア』、ヨーロッパに分布する『ハイブリッド・スピノシマ』などが代表的です。

オールドローズ

古くからある品種を『オールドローズ』といいます。1867年に誕生した『ラ・フランス』より前に作られた品種です。香りのよい品種が多く、つる性という特徴があります。

また、作出された時期により、前期・後期の2種類に分類可能です。前期オールドローズは、一季咲きが多くつるがしなやかで誘引しやすい特徴を持っています。

代表的な品種は、赤バラの祖『ガリカ』、白バラの祖『アルバ』、香料として使用される『ダマスク』、100枚の花びらという意味の名を持つ『ケンティフォリア』という基本4種です。

庚申バラとの交配が始まり、四季咲き品種ができて以降を後期オールドローズといいます。『ポートランド』『ブルボン』『ムスク』などが代表的です。

樹形で見る主な種類

樹形によって種類を分類することもあります。自宅のガーデニングスペースに合わせて育てるバラを決める時には、樹形を参考に選ぶとよいでしょう。

ブッシュ樹形

木立性のタイプで、しっかりした太い枝が上を向いて自立しているのが『ブッシュ樹形』です。四季咲きのバラの多くがブッシュ樹形をしています。

また、『ハイブリッド・ティー』や『フロリバンダ』といった複数の系統があり、それぞれ樹高や花の付き方が異なるのが特徴です。

例えば、ハイブリッド・ティー系統は1.5m以上もの高さに成長し、1本の茎に1輪の大輪の花を咲かせます。代表的な品種は『エスメラルダ』や『ガーデンパーティー』などです。

一方、フロリバンダ系統は横張りするタイプで、樹高は1mほどまでしか成長しません。花付きはよく、1本の茎に複数の花が房状に咲きます。『ニコール』や『ゴールド・バニー』などが代表的です。

シュラブ樹形

ブッシュ樹形より枝がしなやかで、1~2mほど長く伸びるタイプを『シュラブ樹形』といいます。オベリスク・小型のアーチ・低いフェンスなどに誘引するのに向いているタイプです。

つるバラよりコンパクトに仕立てやすいため、スペースが限られている場合にも栽培しやすい樹形です。

誘引せず自立させても仕立てられます。ただし、枝が細く長いため、花が咲くと枝が垂れ下がるのが特徴です。

また、伝統的な品種であるオールドローズのほとんどはシュラブ樹形です。モダンローズの中では『グレイス』や『メアリーローズ』など、イングリッシュローズの多くもシュラブ樹形をしています。

クライミング樹形

壁面やアーチなど高さがある広い面積にはわせるのに向いているのが、つるバラとも呼ばれる『クライミング樹形』です。

硬くて太い枝が株元から立ち上がり、3~5mほど枝を伸ばします。枝先に向けて徐々に細くなり垂れ下がる樹形です。

品種により花の大きさにはバリエーションがあります。大輪の花が咲く『ピエール・ドゥ・ロンサール』や『シティ・オブ・ヨーク』の他、中輪の『アンジェラ』や小輪の『スイートドリーム』などです。

開花期も品種により異なり、一季咲きも四季咲きもあります。

咲き方で見る主な種類

バリエーション豊富なバラの花には、さまざまな咲き方があります。花弁の形・配置・枚数などで分類されているのです。

高芯咲きや抱え咲き

花の中心部の芯と呼ばれる部分の高さによって分類されているのが『高芯咲き(こうしんざき)』や『抱え咲き』です。

高芯咲きは花の芯が周囲より高い形状で、モダンローズの特徴的な咲き方といえます。アレンジメントやブーケに使われるバラの多くは高芯咲きのため、よく目にする形のバラです。

芯が高く渦巻くような花弁が優雅なスタイルを確立した『オフェリア』や、切り花にもぴったりの『ソニア』などがあります。

一方、抱え咲きは渦を巻く形状の芯が周囲の花弁より低くなっている、クラシカルな雰囲気の咲き方です。

オールドローズとモダンローズを分ける歴史的な品種である『ラ・フランス』は、抱え咲きの咲き方をしています。

ロゼット咲きやカップ咲き

芯が一つで花弁の枚数が多い『ロゼット咲き』は、中心部に小さな花弁がぎっしり詰まっている華やかな咲き方です。

『ホワイト・ジャック・カルティエ』は、見本のように整った美しいロゼット咲きを観賞できます。限られたスペースでも栽培しやすい『モリニュー』は、四季咲きでコンパクトな樹形の品種です。

『カップ咲き』はシャクヤクに似た咲き方で、たくさんの花弁がカップ状に丸く咲きます。カップが浅いものがシャロー・カップ咲き、深いものがディープ・カップ咲きです。

かんきつ系の香りが特徴的な『クリスティアーナ』や、日持ちがよくアレンジメントにも向いている『クイーン・オブ・スウェーデン』などがあります。

一重咲きや八重咲き

花弁の枚数によっても咲き方が分類可能です。花弁が5~9枚のバラを『一重咲き』といいます。シンプルな咲き方の花が可憐な印象です。芯が見える咲き方のため、花弁と芯のコントラストも楽しめます。

チョウのようにひらひらとしたピンクの花弁が優雅な『デンティ・ベス』や、クリアピンクの小さな花が株を覆いつくすように咲く『バレリーナ』、ピンクをベースに花の中心部が白い『安曇野』などが代表的です。

花弁が20枚以上あるのは『八重咲き』です。ただし、バラは多くの品種が20枚以上の花弁を持っているため、八重咲きといわれることはあまりありません。より詳細に咲き方を分類されることが多いのです。

色別で見る主な種類

カラーバリエーションが豊富なのもバラの特徴です。ない色はない、というほど多くの色があります。同じ色でもトーンや濃さの違いにより、さまざまな印象を受けるでしょう。

赤のバラ

バラというと赤というイメージがある人もいるほど、ポピュラーなカラーです。

ベルベットのような光沢があるタイプや、オレンジがかった朱色っぽいもの、黒みがかった大人っぽい印象のものなど、さまざまな赤いバラがあります。

愛の告白やプロポーズなどと一緒に贈る特別な花として位置付けられているため、フォーマルシーンにもよく合う色です。

濃く黒みがかった赤が美しくボリューム感もある『ガーネットジェム』や、花弁の枚数が多く華やかな印象の『ブリランテ』、繊細な雰囲気のロゼット咲きが美しい『ルージュリアン』などがあります。

ピンクのバラ

バラの色を表す『ローズ色』がピンク系の色であることからも分かる通り、ピンクはバラの代表的な色です。かわいらしさや柔らかさを感じられるカラーのため、アレンジメントやブーケにもよく用いられています。

人気の色のため品種が多く、淡色から濃色まで幅広く取りそろえられているのです。

例えば、『チェリッシュ』は剣弁高芯咲きでサーモンピンクの色をしています。多くの人がイメージするバラに近い姿でしょう。

また、『ロージー・カーペット』は鮮やかなローズピンクをしています。一重咲きで花持ちがよいのも特徴です。淡いピンクの花を咲かせる『花嫁』や『ミッシェル・メイヤン』などもあります。

オレンジや黄色のバラ

オレンジ系の色は、はっきりした色ならビタミンカラーとして、淡い色なら優しい印象やロマンティックな雰囲気を演出する色として、バラでも人気です。

濃いオレンジ色で半八重咲きの『プリンセス・ミチコ』や、アプリコットからオレンジに色が変化していく『万葉』、アプリコット色でシャクヤクのように咲く『杏』などがあります。

黄色のバラも、淡く優しい印象から濃く元気な印象まで、さまざまなバリエーションがあるカラーです。

クリームイエローの色がふんわり優しい印象の『エリナ』や、はっきりとした鮮やかな黄色の『サプライズ』といった品種があります。

白や紫のバラ

西洋では聖母マリアの花とされている白いバラは、ブライダル用に人気があります。白の花弁が純粋さや可憐な様子を演出できるでしょう。

代表的な品種は、大輪の白い花が凛とした印象で美しい『正雪』や、4cmほどの小さな花をたくさん咲かせる様子がかわいらしい『スノー・グース』などです。

紫色は上品さや高貴さから人気があります。赤みの抜けた薄い紫や、藤色・赤紫などバリエーション豊富です。青みが強い紫が特徴的な『スイート・ムーン』や、赤紫色の『イントゥリーグ』などがあります。

色で違う花言葉

バラには、情熱・愛・幸福などの花言葉がありますが、色によって意味が変わります。同じバラでも選ぶ色によってはまったく異なる意味になることがあるのです。

赤やピンクの花言葉

特別な思いとともに贈ることが多い赤いバラには、『あなたを愛しています』『愛情』など愛にまつわる花言葉があります。

炎のように燃え上がるような色というイメージから『情熱』『熱烈な恋』『ロマンス』といった言葉も連想されるようです。

一方、ピンクのバラは色の印象の通り、かわいらしいイメージの花言葉が多く並んでいます。『かわいい人』『美しい少女』などです。

柔らかで優しい印象もあるため『温かな心』『しとやか』『上品』といった花言葉もあります。

オレンジや黄色の花言葉

黄色のバラには『友情』『平和』『愛の告白』など、はつらつとした色によく合う明るくポジティブ花言葉があります。ただし、『不貞』『嫉妬』といったネガティブな意味もあるため注意しましょう。

オレンジのバラは色の濃淡によって花言葉が異なります。淡いオレンジは『無邪気』や『爽やか』という花言葉です。一方、オレンジには『絆』『信頼』『魅惑』などの花言葉があります。

白や紫の花言葉

白いバラの花言葉は『純潔』『清純』『私はあなたにふさわしい』など、結婚式にもよく合うものばかりです。『相思相愛』『尊敬』『約束』といった花言葉もあり、順風満帆な結婚生活も思わせます。

また、白の純粋なイメージから『無邪気』『素朴』『少女時代』といった花言葉もあります。

紫は古くから高貴な色とされてきたため、紫のバラにも『誇り』『気品』『尊敬』といった花言葉が付けられています。また、淡い紫の花言葉は『気まぐれな美しさ』です。

本数によっても異なる花言葉

色だけでなく本数によっても花言葉は異なりますが、全体を通して、愛や情熱を伝える花言葉が付けられているのが特徴です。

例えば、1本は『一目ぼれ』や『私にはあなたしかいません』、2本は『この世界に2人だけ』、3本は『愛しています』という花言葉があります。

108本用意すると『結婚してください』という意味になり、プロポーズにぴったりです。

ただし、中には愛情が報われない意味の花言葉もあるため注意しましょう。15本の『ごめんなさい』や、16本の『ころころ変わる不安な愛』、17本の『絶望的な愛』がそうです。

花言葉の意味を込めてバラを用意する時には、本数による意味の違いも考慮して選ぶとよいでしょう。

バラの栽培を楽しもう

盛んに品種改良がされてきたバラには、たくさんの種類があることが分かりました。ここではタイプ別に人気の品種を紹介します。栽培する品種選びの参考にしましょう。

切り花で人気のバラ

庭やベランダでの栽培を楽しむのと同時に、切り花として室内にも飾りたいなら、ガーデンにも切り花にも向いている品種を選びましょう。

例えば『イブピアッチェ』がぴったりです。青みのある濃いピンクと深い香りを部屋の中でも楽しめます。

花付きがよい『マダムヴィオレ』は薄紫色が上品なバラです。微香タイプで香りは乏しいのですが、切り花として飾る時には、他の香りを邪魔せず食卓にも飾りやすいという利点になります。

『ルージュロワイヤル』や『ラ・マリエ』なども人気です。

ガーデン向けのバラ

栽培したバラを庭や鉢植えで楽しみたいなら、原種やオールドローズにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

これらの種類は多くが一季咲きで、生産目的で咲かせるのには向いていません。そのため、切り花としては流通しにくいものばかりです。自分で栽培しているからこそ楽しめるバラといえます。

カップ状の丸い形とダマスクの香りが特徴の『ラ・レーヌ・ビクトリア』や、品のよい白い花が咲く『ムーンライト』などがぴったりです。

散る姿まで楽しめるイングリッシュローズにも、ガーデン向きの品種がそろっています。

香りを楽しむなら

香りをメインに楽しむなら、強香というタイプを選ぶのが正解です。

比較的新しい品種の分類であるモダンローズの香りは、ダマスククラシック・ダマスクモダン・ティー・フルーティー・ブルー・スパイシー・ミルラの7種類があります。この中から好みを見つけるとよいでしょう。

香り高いバラの中でも、『パローレ』『シャルルドゴール』『マイガーデン』などが人気です。

イングリッシュローズも香りがよい品種が多いことで知られています。バランスの取れた香りの『ガートルードジェキル』や、レモンとラズベリーが混ざり合ったような『ジュビリーセレブレーション』などがあります。

まとめ

バラの種類は非常に多く、品種登録されているものだけでも4万種類以上です。世界中で人気の花のため古くから交配が行われており、さまざまな系統があります。

また、それぞれの品種は、由来・樹形・花の咲き方・色などで分類可能です。

植物としての分類以外にも、ガーデン用・切り花用・香りを楽しむ用など、目的に合ったタイプを知っていると、好みのバラを選びやすくなります。

紹介したさまざまな品種を参考に、栽培する種類を見つけてみましょう。

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