トマトを挿し木で増やす方法とは?脇芽を使って失敗しないコツ
ガーデニング初心者でも、脇芽を使って挿し木をすれば、トマトは簡単に増やせます。ただし、やり方を間違えるとしおれることもあるため、正しいやり方を知っておくことが大切です。この記事では、脇芽を使って挿し木でトマトの苗を増やす方法を解説します。
トマトの脇芽を挿し木して増やそう
トマトを育てたい人が気になるのが、挿し木でおいしく育つのかどうかではないでしょうか。
トマトは挿し木でも育てやすく、穫れるトマトの質も安定しています。トマトを挿し木で増やす方法としては、脇芽を使う方法がおすすめです。
ここでは、トマトの脇芽とはそもそも何か、おいしく育つのかどうかについて解説します。
脇芽ってなに?どこにあるの?
脇芽とは、葉の付け根のすぐ上に生える小さな芽のことです。この脇芽はトマトの品質確保や、病気の予防を目的に取り除かれます。
脇芽を取り除くことで、一株あたりに実をつける量が少なくなり、一つの実あたりの栄養分が多くなります。その結果、トマトの実の質が向上するのです。また、風通しがよくなることから、病気の予防にも効果があります。
脇芽は成長前に取り除くことがほとんどですが、捨てずに挿し木として別の場所で増やすこともできます。そのため、トマトをより多く収穫したい場合は、捨てることなく脇芽を再使用するのもよいでしょう。
おいしく育つの?
挿し木で育てたトマトはその元となった親株よりもおいしく育たないのではないか、と思う人もいるのではないでしょうか。
脇芽は親株と同じ遺伝子を持っています。そのため、同様の環境で育てられた物であれば、味や実の大きさなどは親株とほぼ変わりません。
同じ特徴を持った苗として育てられるため、同様の特徴をもつトマトを増やしやすくなるでしょう。収穫の時期も自然にずれるため、長期間トマトを楽しみやすいことも魅力です。
ただし、病気になっている苗を挿し木で増やそうとするのは避けた方がよいでしょう。
脇芽を使うメリット
トマトの脇芽を使うメリットは、新しく苗を買わずに済ませられるだけではありません。生育上のメリットもあります。その反面、デメリットは作業に手間がかかること以外はほぼありません。
トマトの脇芽を使って育てるメリットを詳しく紹介します。
余計なお金が掛からない利点も
トマトを多く育てたい場合、苗を多く買うという方法もあります。しかし、苗は1,000円近くかかるものもあり、それほど安いものではありません。そのため、大量に買うのは抵抗がある人も多いでしょう。
挿し木であれば、苗一つからでもトマトを増やせることができます。挿し木したトマトからさらに挿し木もできるため、苗が一つでもあれば、どれだけでも増やせます。「苗を増やしたいけれど、苗が高くて買いにくい」という人でも安心して買えるのではないでしょうか。
病気の予防にもなる
脇芽を取り除かない場合、脇芽が成長し葉をつけることで、風通しが悪くなります。その結果、有害な病原菌が繁殖しやすくなり、トマトに悪影響を与えかねません。
病気の予防として取り除いた脇芽を、挿し木として再利用できるのは、うれしいポイントです。
ただし、親株が病気をもっている場合、脇芽も同じ病気をもってしまいます。そのため、親株に病気が確認できる場合は、挿し木を避けた方がよいでしょう。
脇芽の選び方と挿し穂を作る手順
トマトを脇芽で増やすためには適切な脇芽を選び、正しい手順で育てることが大切です。しかし、実際どうするのがよいか、分からない人も多いでしょう。
挿し穂(挿し木に使う脇芽)作りに適した手順や脇芽の選び方、手順について解説します。
挿し穂作りに適した時期
挿し穂作りに適しているのは6月ごろです。本格的に暑くなり始める前のため、挿し穂作りにちょうどよいといわれています。
暑い環境は挿し穂が枯れてしまうことがあり、失敗しやすいです。6月に挿し穂を作っておくことで、8月ごろにトマトが収穫できるでしょう。
15センチ程度の脇芽を選ぼう
脇芽は15センチ程度のものがよく、大き過ぎても小さ過ぎてもよくありません。
脇芽が大きい場合、脇芽が根をつけるより早く、水分が不足してしまい、枯れてしまうことがあります。脇芽が小さい場合は成長が遅れてしまい、思うように収穫できない可能性があるでしょう。
挿し木した苗から出た脇芽も挿し木に使えます。そのため、冬を迎える前までの長い期間トマトを栽培し続けることが可能です。
挿し穂を作る手順
挿し穂を作る場合は、適切な長さの脇芽をハサミでカットします。カットに使うハサミが清潔でなければ、親株や挿し穂が病気にかかる可能性があるため、殺菌したものを使ってください。
カットするときには、水平に切ると根の数が多くなり失敗しにくいです。ななめに切ると、早く発根しますが、根の数が少なくなりがちです。その結果失敗しやすくなるため、水平に切るのがベターです。
切った挿し穂は水がないとあっという間にしおれてしまいます。そのため、早めに水につけるか土に植えて水をあげるか、どちらかの方法で対処しましょう。
挿し木する方法は三つ
挿し木する方法としては土にそのまま挿す方法、水上げしてから土に挿す方法、根が張るまで水に挿す方法があります。それぞれに特徴があり、違いを知っておくことが大切です。
土にそのまま挿す方法
挿し穂を直接土に挿す方法は、上記二つと比べると、難易度が高い方法です。作業自体は簡単ですが、しおれて枯れる可能性もあります。次に紹介する方法の方が失敗する可能性は低く、初心者向きなので、そちらも検討してみてください。
直接土に挿す方法は上級者向けではありますが環境さえしっかりと整っていれば、問題なく苗を育てられます。この方法の場合、土を乾燥させないことが大切です。挿し穂は根が生えるまでは水分を補給しにくく簡単にしおれてしまいます。
土が乾燥しないよう、根を張る前まではこまめに水を与えましょう。また、根を張る前までは明るめの日陰に置くようにします。日が当たる場所に置くとすぐにしおれてしまうため、避けてください。
水上げをしてから土に挿す方法
1時間から1日程度挿し穂を水につけてから、土に挿す方法もあります。