アネモネの育て方。特徴や手入れの仕方、上手に育てるコツも紹介

2020 10/07
アネモネの育て方。特徴や手入れの仕方、上手に育てるコツも紹介

アネモネの育て方は比較的難易度が低く、園芸初心者にもぴったりの花です。鉢植えでも地植えでも育てやすいため、自宅の環境に合った方法でチャレンジしてみませんか?特徴や日々のお手入れの仕方を紹介します。上手に育てて、花のある暮らしを楽しみましょう。

目次

アネモネの特徴

アネモネの特徴

ほかの花が咲き始める前、まだ寒い季節から咲き始めるアネモネは、寒さに強く丈夫です。アネモネ育てたいなら、まずは花の特徴を知り、参考にしましょう。歴史や花言葉についても紹介します。

冬から春が見頃、初心者にもおすすめ

アネモネの色とりどりの花が見頃を迎えるのは『2月下旬~5月頃』です。花の咲く時期がとても長いので、華やかな彩りを長い期間楽しめます。

栽培はコツさえつかめば比較的簡単にできるので、初心者が育てやすいのもポイントです。

育てるときは水はけ・日当たり・風通しがよい場所に植えて、肥料をあげ過ぎないようにしましょう。これだけのコツを押さえるだけで、きれいに花を咲かせられます。

暑さに弱く夏は地上部が枯れてしまいますが、寒さに強いため冬の間にだめになってしまう、という失敗が起こりにくいのも、管理がしやすく育てやすさにつながっている点です。

歴史と花言葉

ヨーロッパ南部や地中海沿岸地域が原産地のアネモネは、ギリシャ語で風を意味する『anemos』から名付けられたといわれています。春の始まりを感じる風が吹くと咲く花、ということが由来です。

アネモネは非常に古くから愛されてきた花で、ギリシャ神話にも登場しています。諸説ありますが、美しい青年アドニスの死を嘆き悲しんだ女神アフロディーテが、アドニスの体から流れる血にアネモネを咲かせた、という話が有名です。

日本へは、江戸時代末期から明治時代にやってきたといわれています。

花言葉は切ない恋に関連したものが多く、『はかない恋』『恋の苦しみ』『見捨てられた』『見放された』などがあります。また、アネモネの花の色ごとに違う意味もあり、赤は『君を愛す』、白は『真実』『期待』『希望』、紫は『あなたを信じて待つ』という言葉が当てられています。

種類は100品種以上

毎年のように新しい品種が発表されているアネモネには『100種類以上』の品種があります。かつて主流だった、はっきりとした色合いの赤・青・紫などはもちろん、淡いピンクや水色なども登場しているのです。

赤と白や紫と白など、複色系の品種もあります。また、サイズもさまざまです。かわいらしい小ぶりの花から、主役級の大輪まで、好みに合わせて選べます。

シンプルな一重の他に、八重や半八重といった華やかな品種も選べる花です。たくさんの品種の中から、きっとお気に入りが見つかります。

栽培に適した環境は?

栽培に適した環境は?

自宅でアネモネを育てる場合、どのような環境に植えるのがよいのでしょうか?アネモネの栽培に適した環境作りをすることで、きれいに花を咲かせましょう。

日当たりと置く場所

アネモネは『日当たりの良い場所』を好みます。球根を植えてから花が枯れる初夏までは、十分な日当たりがある場所かどうかを基準に置き場所を選ぶのです。

室内で育てる場合にも、窓辺といった日の当たる場所が向いています。

初夏頃に花や葉など地上部が枯れて休眠期に入ったら、雨の当たらない日陰に移動しましょう。このとき、球根を掘り上げて乾燥させてから保管しておくとよいです。

そのまま植えておく場合には、暑さが一段落する10月頃に、再び日の当たる場所に移動させます。

用土は初心者なら購入するのもあり

水はけのよい土壌と乾燥しやすい気候の、地中海沿岸部やヨーロッパ南部が原産のアネモネは、家庭で育てる場合にも水分がたまり過ぎないよう、用土は水はけに注意しましょう。

初めての園芸であれば、用土は市販の『草花用培養土』を購入すると手軽です。水はけのよいタイプの用土を選べば、必要な肥料も全て配合されています。

自分で用土を配合して作る場合には、赤玉土:腐葉土:酸度調整済みピートモス=5:3:2の比率で混ぜたところへ、緩効性化成肥料を混ぜ込みましょう。

アネモネは中性からアルカリ性の土壌を好む性質があります。地植えの場合には1~2週間前から苦土石灰をまき、火山灰や雨の影響で酸性に傾きやすい日本の土壌を整えましょう。

管理する温度

冬場の5~10℃が、アネモネにとって最も育ちやすい気温です。10~15℃までは緩やかに成長し、25℃以上になると生育はストップします。

基本的に寒さには強いため、特別な寒さ対策は必要ありません。ただし、霜には弱いため、霜が降りないように気を付けましょう。

だからといって、冬の間中室内に置いてしまうと、花が付かなくなる恐れがあります。5℃以下の空気に触れることで花を付けるという特徴があるため、寒くなり始めたら室外で管理する必要があるのです。

開花までは冷たい空気に触れさせながら外で育て、開花から枯れるまでは室内で育てるという方法もあります。アネモネが緩やかに成長する10~15℃に室温を保つことで、長く花を楽しめるのです。

どうやって植え付けるの?

どうやって植え付けるの?

球根から育てるアネモネは、どのように植え付けるのでしょうか?植え付けにぴったりの時期や、鉢植えと地植えの植え付け方法について紹介します。

球根を植え付ける時期

球根から芽が出ている状態のものをポット苗といいます。アネモネのポット苗は12~2月頃に出回るため、購入したらすぐに植え付けましょう。

乾燥させた球根を植え付ける場合には、暑さがおさまる10月以降が適期です。気温が高い日もある9月に植え付けると、球根が腐ることがあるため注意しましょう。

鉢植えする場合

鉢植えでアネモネを育てる場合には、まず鉢の準備をします。鉢底ネットと鉢底石を敷き、培養土を鉢の1/3まで入れましょう。球根の場合には、培養土を軽く湿らせておき、1~2cmかかる程度に浅く植え付けます。

苗の場合には、根を切らないよう注意しながらポットから引き抜き、土をほぐさずに鉢に置きましょう。鉢の縁3~4cm下くらいまで培養土を入れたら、鉢底から水が出るまでたっぷり水やりをして完了です。

地植えする場合

地植えでアネモネを育てる場合には、土壌を整えることから始めます。1~2週間前に苦土石灰をまき、土壌を中和させておくのです。また、牛ふんや腐葉土もまき、耕します。

球根は寒い地域なら7~8cm、その他の地域なら3~5cmくらいの深さに植えましょう。球根のとがっている先端部分を下に向けるのが正解です。また、複数の球根を植える場合には、間を15cm程あけて植えます。

水やりは土が乾燥しない程度でOKです。地植えしたことを忘れないよう、目印を用意するとよいでしょう。

日常のお手入れ方法

日常のお手入れ方法

植え付けをしたら、きれいな花が咲くよう、日々のお手入れをしましょう。その際、必要なお手入れにはどのようなものがあるのでしょうか?

水やり

乾燥に強いアネモネの水やりは、鉢植えでも地植えでも『水をあげ過ぎない』ことが大切です。

鉢に植え付けするときには、湿らせた用土を使用します。水やりをするのは、植え付け後4~5日たってからです。その後は、土の表面が白っぽくなるくらい乾いてから、たっぷり水を与えます。

このとき、花やつぼみがぬれると枯れる原因になるため、水がかからないよう、根元に与えるのがポイントです。

初夏に地上部が枯れたら、水やりをやめ、雨のかからない日陰に鉢を移動しましょう。水やりを再開するのは、10月になってからです。

地植えしたアネモネは、雨水のみで十分成長します。特別水やりをする必要はありません。

肥料の与え方

花付きをよくするためには、肥料を与えることも大切です。

特に、鉢植えの場合には、10~3月に葉が出始めたタイミングで、株元に緩効性化成肥料を施します。さらにつぼみができ始めたタイミングでも、緩効性化成肥料を追肥しましょう。

規定量に薄めた液体肥料(N-P-K=6-10-5)を、2週間に1度のペースで与える方法もあります。

ただし、晩春まで肥料を与え続けると、球根が大きく育ちません。翌年以降も球根を植えてアネモネを育てる場合には、与え過ぎに注意しましょう。

また、地植えの場合には、土にまいた元肥のみで十分花が咲くため、肥料を追加する必要はありません。

病気や害虫

病気や害虫による被害を受けることが少ないアネモネですが、下記の3種類の病気にかかることがあるため注意しましょう。

  • うどんこ病
  • 灰色かび病
  • 立ち枯れ病

うどん粉病は3~5月にかけてかかりやすく、葉が粉をまぶしたように白くなります。室内で育てている場合にかかりやすいのが、灰色かび病です。高温多湿の環境でかびにより腐敗します。

立ち枯れ病もかびの一種で、茎が褐色になり腐敗するのが特徴です。また、病気のほかに、新芽を狙ってアブラムシが発生することもあります。

ただし、どの病気や害虫も、水はけ・日当たり・風通しのよい環境が整っていれば、大きな被害を受けることはありません。

球根の堀り上げが翌年も楽しむためのコツ

球根の堀り上げが翌年も楽しむためのコツ

植えっ放しにしていても毎年咲くというくらい育てやすいアネモネですが、翌年もきれいな花を楽しみたいなら、球根を掘り上げることが大切です。掘り上げ方や大きく育てるポイントを紹介します。

球根の堀り上げ方

球根の掘り上げを行うときのポイントは『完全に枯れる前に行う』ことです。

目安は5~6月くらい、花が1/3程あり、葉が黄ばみ始めた頃を見計らって掘り上げます。掘り上げる前数日間は、土を乾かし気味にしましょう。

掘り上げるときには、球根から2~3cm茎を残した部分でアネモネの花を切り取ります。球根を掘り上げたら、土を落として通気性のよいネットのような袋に入れ、風通しの良い場所で陰干ししましょう。

1カ月程乾燥させ、カラカラになったら、枯れ葉や古い根を取り除き、湿気の少ない場所で保存します。

植え替えをして大きく育てよう

鉢植えのアネモネを大きく育てたい場合には、『植え替え』をしましょう。10月頃を目安に、一回り大きな鉢やプランターに植え替えるのです。

新しい鉢やプランターには、鉢底ネットと鉢底石を敷き、新しい土を1/3くらいの高さまで入れます。土は肥料を混ぜ込み自分で配合したものでも、市販の培養土でも構いません。

球根に土が1~2cmかかるくらい浅く植え付けます。その後、鉢底から水が出るくらいたっぷり水やりをしたら、植え替え完了です。

分球して増やそう

掘り上げた球根を『分球』して増やすこともできます。分球というのは、球根の周りに新しくできた子球を切り分けることです。保管していた球根を植える前に行います。

分球で球根を分割するときには、手やカッターを使って切り分けましょう。通気性の良い場所で切り口を乾かし、ネットやかごなどで保管します。

アネモネを上手に育てるコツ

アネモネを上手に育てるコツ

花の中でも比較的手間がかからず育てやすいアネモネですが、コツを知って育てると、上手に花を咲かせられます。毎年きれいな花を咲かせるためにも、コツを意識しながら育てましょう。

植え付け前の吸水処理

10月頃、球根を植え付けるときには、『吸水処理』をすることで、アネモネが成長しやすい状態を整えられます。

乾燥したままの球根を植え付けると、急激な吸水で球根がひび割れ腐ることや発芽しないことがありますが、事前に吸水処理をすることで、ひび割れを防ぎ、発芽しやすくできるのです。

吸水処理をするときには、湿らせたバーミキュライトを使います。バーミキュライトの中に球根を浅く埋め、1~2週間かけてゆっくり吸水させます。

花がらを摘もう

花がら摘みも大切なコツです。花の色がくすんだり花びら散ったりしたら、茎を地面の際から折り、花を摘みます。散った花びらがある場合には、それも取り除きましょう。

アネモネの花をそのまま咲かせておくと、綿毛の付いた種ができます。種ができると、球根が大きく成長しないため、翌年の植え付けができない可能性があるのです。

また、花がらは病気の原因になる可能性もあります。通気性を確保し、アネモネが成長しやすい環境を整えるためにも、小まめに取り除きましょう。

まとめ

アネモネの育て方は、比較的シンプルで、初心者でも気軽に挑戦できます。水はけ・日当たり・風通しの3点を整えれば、病気や害虫の被害を受けることも少ない植物です。

植え付けをするときは、球根の吸水処理をすると発芽しやすくなります。その上で鉢植えや地植えしましょう。また、5℃以下の冷たい空気に触れることで花が付きやすくなるため、寒い季節には外で管理します。

2~5月頃の花が咲く時期は、鉢植えなら室内で育てるのもおすすめです。初夏になり地上部が完全に枯れてしまう前に、球根を掘り上げることで、翌年もきれいに咲かせる準備ができます。

育て方のコツを押さえれば、アネモネは初心者でもきれいに咲かせやすい花です。

目次
閉じる