アルストロメリアの育て方と栽培方法|手入れ方法や増やし方、注意点も
アルストロメリアは、ユリズイセン科の球根植物です。品種が多く、さまざまな色の美しい花を咲かせます。南アメリカが原産で、別名「インカ帝国のユリ」とも呼ばれます。アルストロメリアの特徴や花言葉、誕生花の日や育て方を紹介します。
アルストロメリアとは?
アルストロメリアは、主に切り花として利用されることが多い人気の花です。年間を通して流通していて手に入れやすく、花もちがよいのが特徴です。フラワーアレンジメントやブーケで見かけた人も多いかもしれません。カラーバリエーションが豊富なので、アレンジメントを華やかにしたいときにもおすすめの花です。アルストロメリアの基本情報や特徴、花言葉や誕生花の日などを紹介します。
アルストロメリアの基本情報
アルストロメリアは、ユリズイセン科ユリズイセン属の球根植物で、学名は「Alstromeria」です。英名では「Lily of the Incas」と呼ばれます。南アメリカが原産の植物なので、「インカ帝国のユリ」との呼び名にも納得ですね。日本には大正時代に伝来した花だといわれています。和名は「ユリズイセン」で、「ユメユリソウ」とも呼ばれます。ユリやスイセンに花の形状が似ているのが特徴ですよ。
アルストロメリアの特徴
アルストロメリアは、品種が多いのが特徴の植物です。原種は50種程度あるとされています。オランダで品種改良がさかんに行われたため、現在流通している品種は100種類程度。アルストロメリアは、品種によって花色が豊富なことでも知られていますよ。カラーバリエーションが豊富なので、好みの花色のアルストロメリアを選ぶ楽しみがありますね。
アルストロメリアの花
アルストロメリアの花は、花弁が6枚です。花弁の一部にはまだらの模様が入っているのがアルストロメリアの最大の特徴。ただし、一部の品種では、まだら模様がないものも存在します。アルストロメリアは、1本の茎に対して複数の花がつくスプレー咲きですよ。開花時期は、1季咲きでは5〜7月頃です。四季咲きでは5月~7月頃と9月~10月頃の年に2度開花します。
アルストロメリアの花言葉・由来
アルストロメリアの花言葉には、エキゾチック、未来への憧れ、持続などがあります。花色によっても花言葉が異なりますよ。ブルーは知性、オレンジは友情、ピンクは気配り、ホワイトは凛々しさです。南アメリカ原産であり、花弁の独特の模様があることから、エキゾリックなどの花言葉が連想されたようですね。
アルストロメリアが誕生花の日
アルストロメリアが誕生花の日は、2月18日、3月13日、3月25日、4月18日です。この誕生日の人にブーケやフラワーアレンジメントをプレゼントするなら、ぜひアルストロメリアをメインにしたいですね。贈る相手のイメージに合わせて、豊富なカラーの中からぴったりの色味のアルストロメリアを選ぶと、きっと喜んでもらえるでしょう。
アルストロメリアの種類と選び方
アルストロメリアは原種が多く、近年は、品種改良でさらに多くの品種が作られているのが特徴の植物です。品種によって花の形状や色味が異なるため、たくさんあるアルストロメリアの品種の中から、お気に入りを見つけるのも楽しみたいですね。アルストロメリアの品種と選び方を紹介します。
アルストロメリア・インディアンサマー
「アルストロメリア・インディアンサマー」は、アルストロメリアの中でもメジャーな園芸品種です。華やかなオレンジの花弁を持っていて、年に2回開花するのが特徴です。エキゾチックなアルストロメリアが好きな人におすすめの品種ですよ。パープルがかった葉の色が珍しいのも特徴で、花のない時期にも楽しめそうです。切り花としても楽しめます。
アルストロメリア・サマーブリーズ
「アルストロメリア・サマーブリーズ」は、インディアンサマーよりも明るいオレンジの花いろが特徴のアルストロメリアです。新しく流通しはじめた品種ですので、めずらしいアルストロメリアを探している人にぴったりです。花期がが長いのが特徴ですので、庭を華やかにしたい人にもおすすめですよ。耐暑性に優れているため、温暖な地域でも育てやすいのが特徴の品種です。
アルストロメリアのその他の品種
アルストロメリアには、ほかにも数多くの品種が存在します。南米のチリを原産とする「リグツ系」の品種を原産とした園芸品種は、草丈も高く花弁の模様も鮮やかで人気が高いのが特徴です。現在では、異なる系統のアルストロメリアを掛け合わせて品種改良した、ハイブリッド品種が増えています。多くの品種の中から、自分だけのお気に入りのアルストロメリアを見つけてくださいね。
選び方
アルストロメリアの選び方は、豊富なカラーバリエーションを誇る、花色からの選び方が最もスタンダードです。また、栽培する地域の気候に合わせて、耐寒性や耐暑性を重視して品種を選ぶのもおすすめです。切花や鉢植えをプレゼントするなら、贈り先の人のイメージの花色を選ぶ方法もありますよ。花色によって異なる花言葉を参考にして、最適なアルストロメリアを選んでみてください。
アルストロメリアを育てる時に必要な準備
アルストロメリアの栽培を検討するなら、育てるときに必要な環境を準備することからはじめましょう。アルストロメリアは比較的強い植物ですので、ガーデニング初心者にもおすすめですよ。ただし、いくつかのポイントに気をつける必要がありますので、事前に確認しておくことが大切です。アルストロメリアを育てるときに、必要な準備を紹介します。
日当たり・置き場所
アルストロメリアの原種は、南アメリカの高地などに自生していました。そのためアルストロメリアは、乾燥して涼しい環境を好む植物です。日当たりがよすぎ、湿気が多い場所では根腐れを起こす可能性がありますよ。また、霜にあたると枯れる危険性もあります。冬季は鉢植えなら室内に移動し、地植えならマルチでおおうなどの対策が必要です。
用土・土作り
湿度が高い環境が苦手なアルストロメリアを植えるなら、水はけのよい土の環境を整えるのがおすすめです。赤玉土に少量のピートモスと腐葉土を配合することで、アルストロメリアに最適な環境を整えられます。市販の草花用土を利用する際には、川砂を少し混ぜ込むことで、水はけをよくできますよ。
種の準備
アルストロメリアは種からでも栽培可能ですが、ガーデニング初心者は、市販されている苗や球根を使うのがおすすめです。苗を購入する場合には、茎が太く、葉付きがよい苗を選ぶのがポイントです。自分で栽培したアルストロメリアから種が取れたら、種をまいて発芽させるところから挑戦してみましょう。
アルストロメリアの育て方・栽培方法
アルストロメリアは、市場に流通している品種が多く、品種によって性質や管理方法が異なります。市販の苗や球根を購入した場合には、植え付けの時期や水やりなどに関する注意事項を事前にしっかりと確認することをおすすめします。アルストロメリアの育て方や栽培方法を、それぞれ紹介します。
アルストロメリアの種まき、苗木の植え付け時期と方法
アルストロメリアの種まきや植え付ける時期は、品種によって異なる場合があります。また、四季咲きかどうかでも時期が異なりますので、品種ごとに最適な時期を確認するのがおすすめです。一般的には、3月~4月、9月~10月の年2回が植え付けに適しています。球根を植え付ける場合には、深さは5cm程度に植え付けましょう。深すぎると芽が出ない可能性があるので、注意が必要です。球根同士の間隔は、30cmほど確保するのが最適ですよ。
アルストロメリアの土作り・水やり・肥料の与え方
アルストロメリアの発芽から開花時期までは、土の表面が乾いたら水やりをしましょう。水をやりすぎると根腐れするので気をつけたいですね。開花時期が終わったら水を控えめにし、休眠期に入ったら水やりを中止します。水やりの中止は、葉が枯れたことで判断できますよ。肥料はあまり必要としませんが、し王する場合には、植え付けの際に元肥専用の緩効性肥料がおすすめです。
アルストロメリアの植え替え・鉢替えの時期と方法
アルストロメリアは根詰まりしやすい植物です。地植えの場合には2年に1回、鉢植えの場合には1年に1回の植え替えをするのがおすすめですよ。植え替え時期は3月~5月か、9月~10月がよいでしょう。アルストロメリアの球根を触る場合には、素手で触れないように、ゴム手袋を着用するのをお忘れなく。肌に球根が触れると、かぶれる可能性がありますよ。
アルストロメリアの手入れ・剪定・切り戻しの時期と方法
アルストロメリアが開花したら、咲き終わった花がらはこまめにとってあげましょう。花の根本からハサミで切るのがおすすめです。種ができる前に花を除去することで、球根を肥やす効果があります。花が全て終わったら、茎を根本からすべて切り取ってください。完全に枯れたアルストロメリアは、手でかんたんに引き抜くことも可能です。
アルストロメリアの収穫時期と方法
アルストロメリアを種から育てたい場合には、種を収穫してみましょう。種の収穫時期は、花期が終了したあとです。通常は花が終わったら根本からカットしますが、種をとる場合には花を残して、種ができるのを待ちます。全ての花を残す必要はありませんので、いくつかの花だけ残して、種を収穫してみましょう。
アルストロメリアの増やし方
アルストロメリアは、通常、株分けで増やします。植え替えをするタイミングで株分けをすることで、かんたんに増やせますよ。アルストロメリアの根茎に芽が出ている部分があれば、いくつかの芽で1株になるよう切り分けてくださいね。
アルストロメリアを育てる時に気をつける病気や害虫
アルストロメリアは育てやすく、繁殖力もある丈夫な植物です。栽培はそれほど難しくはありませんが、アブラムシとハダニには注意が必要です。見つけたら駆除専用の薬剤を使用して、できるだけ早めに除去しましょう。また、湿潤な環境に置かれたアルストロメリアは、灰色カビ病や根腐れが起こりやすくなります。水はけがよい土に植え付け、鉢植えであれば、風通しのよい場所におくのがおすすめですよ。
まとめ
アルストロメリアは、多彩な花色が魅力の花です。お気に入りのアルストロメリアを見つけたら、ぜひガーデニングで栽培してみてくださいね。開花したアルストロメリアは、室内で切り花としても楽しめます。アルストロメリアでブーケを作れば、親しい人へのちょっとした贈りものとしても喜ばれるでしょう。アルストロメリアのある生活を楽しんでみてくださいね。