エバーフレッシュの挿し木の方法|手入れの仕方や育て方の注意点も
エバーフレッシュは、中南米などに自生する常緑樹です。日本にも自生しているネムノキの仲間で、夜になると葉が閉じる性質があります。エバーフレッシュは種だけでなく、挿し木で増やすことも。枝を切って挿し穂にし、発根させてから土に挿しましょう。
エバーフレッシュを育てる前に知っておきたいこと
エバーフレッシュは南米が原産の常緑高木で、自生している木は30m以上の高さになります。日本では観葉植物として流通しており、華奢な樹形と明るいグリーンの葉がインテリアになると人気です。観葉植物としては、10〜200cmほどのエバーフレッシュが流通しています。
春〜夏頃にはネムノキの花を小さくしたような、直径2〜3cmほどのポンポン状の薄黄緑色の花が咲きます。そして花が終わると、赤いサヤに黒い種が入った実ができます。和名の「アカサヤネムノキ」は、この実の外観が由来になっています。また、「エバーグリーン」や「ピテケロビウム」、「エバフレッシュ」の別名もあります。
エバーフレッシュの基本情報
エバーフレッシュの基本情報は以下の通りです。
科・属 | マメ科、ピテケロビウム属(コヨバ属) |
和名 | アカサヤネムノキ |
英名 | Calliandra eriophylla |
学名 | Cojoba arborea var. angustifolia |
花の色 | 薄黄緑 |
原産地 | ブラジル、ボリビア、南米 |
開花時期 | 4月~9月頃ごろ |
エバーフレッシュの特徴
エバーフレッシュは同じマメ科のオジギソウやネムノキのように、夜間は葉を閉じて眠る習性があります。昼の明るい時間には葉が生き生きとピンとしているのに対し、夜は葉を閉じ、枝も下に少し垂れ下がります。
この就眠運動は、夜の間に葉から水分が蒸発しないようにするためといわれています。もしもエバーフレッシュが昼間も葉を閉じていたら、水が足りていないのかも。土の乾き具合を確認し、水を足してあげましょう。
エバーフレッシュを育てる時に必要な準備
エバーフレッシュは直射日光の当たらない、明るい場所に置いてあげましょう。急に置き場所を変えると枯れてしまうので、基本的には動かさずに育てます。
栄養分豊富で水はけの良い土を用意し、化成肥料を混ぜてから育て始めましょう。園芸初心者でも種と苗の両方で育てられる木です。
日当たり・置き場所
春〜秋ごろの暖かい時期には、エバーフレッシュを明るい窓辺や直射日光が当たらない屋外に出しましょう。葉が焼けてしまわないよう、直射日光には当てないように注意します。日陰でもある程度は育つ耐陰性があるものの、長期間日の当たらない場所に置き続けると葉が落ちて枯れてしまうかもしれません。
当たっている日光の量が急に減る、または増えた場合でも枯れてしまうことも。環境の変化に敏感な植物なので、どうしても場所を移動したいときには1週間ごとに少しずつなど、ゆっくりと移動させるとよいでしょう。葉が落ちたときは、環境に適応できていないサインです。
用土・土作り
エバーフレッシュが好むのは、栄養分が豊富で水はけの良い土です。自分で作るなら小粒の赤玉土6〜7:腐葉土3〜4の割合で配合し、化成肥料を混ぜましょう。また、市販の観葉植物用の培養土でも十分に育ちます。
種・苗の準備
9月ごろ、花が終わった後には赤いサヤができ、中に黒い種が入っています。採取しておくと、種からエバーフレッシュを増やせます。サヤから黒い種を取り出し、種の周りのぬめりを洗い流して乾かしてから保存しておきましょう。
エバーフレッシュは、苗を購入して育ててもよいでしょう。苗を選ぶときは害虫がついていないか、葉が元気で黄色くなっていないかをチェックしましょう。
エバーフレッシュの育て方・栽培方法
エバーフレッシュの種まきや苗付けは、暖かい時期に行いましょう。水不足になると枯れてしまいますが、常に土が湿っていても根腐れになってしまいます。
生長の早い木なので、様子を見て植え替えや剪定のお世話をしましょう。生育期には肥料をあげると、元気に育ってくれます。
エバーフレッシュの種まき、苗木の植え付け時期と方法
エバーフレッシュの種まきは、暖かい春〜初夏が適期です。育苗ポットに赤玉土を入れ、穴を掘って種を一つずつ入れてから土を被せます。日陰に置いて管理し、土が乾かないように水やりをしましょう。5〜10日ほどで新芽が出てくるので、小葉が完全に開いてから鉢に植え替えます。
エバーフレッシュの苗木の植え付けは、5〜9月がおすすめです。鉢の底に鉢底ネットと鉢底石や軽石を敷き、下から1/3の高さまで土を入れます。苗木の根についている土を揉みほぐし、1/3くらいを落としましょう。
鉢の中心に苗木を配置し、安定するように周りに土を足します。その後たっぷりと水をあげて、土と根がなじむようにしましょう。
エバーフレッシュの水やり・肥料の与え方
乾燥に弱いエバーフレッシュは、水不足になるとすぐに枯れてしまいます。土の表面が乾いていたらたっぷりの水をあげるのに加え、霧吹きで毎日葉に水を吹いてあげましょう。
逆に常に土が湿った状態が続くと、根が呼吸できずに酸素不足になり、根腐れして枯れてしまいます。土から掘り出して黒ずんだ根を清潔なハサミで切り取ってやり、枝や葉も根とバランスが取れるように剪定します。そして清潔な土に植え直してやれば、徐々に回復していくでしょう。
4〜10月のエバーフレッシュの生育期には、液体肥料を10〜15日に1回か、化成肥料を1〜2カ月に1回あげましょう。花を多く咲かせたいならリン酸(P)を多めに、葉を茂らせたいならチッソ(N)を多めにするとよいでしょう。
エバーフレッシュの植え替え・鉢替えの時期と方法
エバーフレッシュは生育の早い木で、鉢の中で根がいっぱいになる根詰まりを起こすと枯れてしまいます。2〜3年に1回を目安に、一回り大きな鉢に植え替えましょう。鉢の底から根が飛び出している、水をあげても土に染み込まないときも根詰まりのサインです。
植え替えをするなら、5〜9月の苗の植え付けと同じ時期がおすすめです。植え替えと同じ手順で行い、ついでに傷んだ根を切り取ってあげるとよいでしょう。
エバーフレッシュの手入れ・剪定の時期と方法
エバーフレッシュを大きく剪定するのは、暖かくなった4〜5月にします。生長が早く、切ってもすぐに新しい枝を伸ばしますから、細かい剪定ならいつでもできます。
理想の樹形よりもひと回り小さいくらいに剪定すると、すぐに生長してうまくまとまってくれるでしょう。剪定であまりにも葉が少なくなると枯れてしまいますから、不安なら少しずつ切るのをおすすめします。
エバーフレッシュを挿し木で増やす方法
エバーフレッシュは、挿し木で増やすこともできます。剪定した枝を挿し穂にすると、作業の手間が減るのでおすすめです。挿し木をしてからは土が乾かないように管理し、発根したら植え替えましょう。
エバーフレッシュの挿し木に用意するもの
エバーフレッシュの挿し木には、剪定用ハサミと挿し床にする赤玉土を用意します。そしてエバーフレッシュの枝を10〜15cmほど切り取り、挿し穂としましょう。枝は節のすぐ下を、切り口が斜めになるように切ってやると根が早く出やすくなります。
エバーフレッシュの挿し木の時期と方法
エバーフレッシュの挿し木の適期は生育期の5〜9月で、とくに湿度と気温が高い梅雨時期が向いています。挿し穂の上の方についている葉を3〜4枚は残し、ほかの葉はすべて取ってしまいましょう。蒸散で根にかかる負担を軽くするため、残した葉は半分の大きさに切っておきます。
挿し穂の切り口を水に10〜20分ほどつけておき、その後挿し床に半分ほど挿します。