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ローズマリーの育て方・栽培方法|手入れ、剪定の仕方、増やし方も紹介

ローズマリーは、地中海沿岸を原産とする常緑性の低木です。爽やかに香り、小さな花をたくさん付けます。古くから親しまれているハーブの一つですが、インテリアや料理などに活用でき、幅広く楽しめる植物です。初心者は、苗から育て始めるとよいでしょう。

ローズマリーの特徴

ローズマリーはどんな植物?

ローズマリーはハーブとして使われることが多いため、身近でなじみのある植物といえるでしょう。花の色や種類だけでなく、木の形も豊富です。どんな植物なのか、詳しく見ていきましょう。

古くから親しまれるハーブの一種

ハーブとは、一般的に『香草』『薬草』のことを指します。ローズマリーの葉もハーブの一つとして、古くからさまざまな用途に用いられてきました。ローズマリーの爽やかな香りは、料理に入れるスパイスやアロマオイルとしても人気の香りといえるでしょう。

薬草としては、古代ギリシアの時代から使われていたそうです。古くは『魔除け』の力もあるとされ、花嫁の冠に編み込む風習もありました。

生え方は3タイプ

ローズマリーは、草ではなく『木』です。生え方には、以下のような3タイプがあります。

立性(たちせい)

垂直に枝が伸びていくタイプです。2mを越える高さになることもありますが、小まめな剪定を行えば大きさを調整できます。高さを活かして、目隠し用の生垣としても活用が可能です。

匍匐性(ほふくせい)

地面を這うように、横へと枝が伸びていくタイプです。高さは30cmくらいで止まりますが、横幅をとりますので、生育後の形を想定してスペースを確保しておきましょう。立性よりも香りが強く、小さなものはハンギングでも育てられます。

半匍匐性(はんほふくせい)

『立性』と『匍匐性』を合わせたタイプです。横へと地面を這うように1~2m伸びた後で、上へと伸びていく特徴があります。葉のサイズが大きく、料理に使いやすいのも特徴です。

花の色はさまざま

ローズマリーの花の色は『青』『ピンク』『白』『紫』などがあり、色の濃淡まで合わせるとバリエーションが豊富です。主な品種には、以下のようなものがあります。

マリンブルー

立性で、青もしくは濃い紫の花を付けます。2m近くの高さまで伸びることもあり、大きく生長しやすい品種です。香りがとても良く、料理やアロマに使われます。

マジョルカピンク

立性で、ピンクの花を付けます。葉の色が濃い緑色なので、花の色とのコントラストが鮮やかな印象です。50cm~150cmくらいの高さに生長するので、比較的育てやすい大きさだといえるでしょう。その香りは、ジャガイモ料理によく合うといわれています。

ローズマリー・ホワイト

立性で、ローズマリーにはあまり見られない白色の花を咲かせます。背丈は2mくらいにまで伸び、寒さに弱いのが特徴です。ハーブティーに向いた、爽やかな香りをしています。

プロストラータス

匍匐性で淡いブルーの花が特徴の、1m近くにまで伸びる品種です。料理にも使えますが、枝の絡めやすさを活かしてクラフト材料によく使われます。湿気に弱いので、風通しの良い環境で育てましょう。

サンタバーバラ

匍匐性で、淡いブルーもしくは淡い紫の花を咲かせます。大きく生長しても60cmくらいの、小ぶりサイズな品種です。細かい葉をたくさん付け、花もたくさん咲きやすいといわれています。料理にもリース作りにもおすすめの種類です。

ローズマリーの育て方・栽培方法

自宅でローズマリーを栽培しよう

ローズマリーを自宅で育てる場合には、いくつかのポイントを押さえる必要があります。ここでは、『苗選び』『種まき』のコツについて見ていきましょう。

初心者は苗から栽培がおすすめ

ローズマリーは、他の植物に比べて発芽率が低めです。そのため、種から育てるよりも苗からのスタートをおすすめします。種から育てる場合は、発芽までの期間が1カ月ほどかかってしまうこともあります。

苗は、園芸店やホームセンターなどで購入しましょう。さまざまな種類の花がありますので、『立性』『匍匐性』『半匍匐性』のタイプも考慮に入れて選ぶのがおすすめです。

苗選びのポイント

できるだけ元気な苗を選ぶには、しっかりと根付いたものをピックアップしましょう。葉にハリがあり、色ツヤの良いものがベストです。虫やカビが付いていないかも必ず確認します。茎や葉が細い苗は、栄養状態や根に問題を抱えていることが考えられますので避けましょう。

さらに、苗選びにおいて大切なのが耐寒性の確認です。寒冷地での栽培や寒い時期から育て始める場合は、寒さに弱い品種は向いていません。耐寒性のある品種を選びましょう。

ローズマリーは、基本的には暑さにも寒さにも強い植物です。しかし、寒い地域で育てるのであれば『マジョルカピンク』や『ローズマリー・ホワイト』などの種類が無難だといえます。

種から育てる方法

ローズマリーの種を発芽させるには、『光』が必要です。種にかぶせる土が多いと、発芽に至らないケースがあります。種まきの際には、かぶせる土の量や日当たり具合にも注意を払いましょう。

種まきの方法には、種を地面に直接植える方法と、苗ポットを使った方法があります。苗ポットを使う場合は、発芽してしっかり根付くまでポット内で管理しましょう。

また、ローズマリーの種はとても細かいです。大切な種を失くさないように、ピンセットでつかむか、厚紙などの上に乗せてばらまくなどの工夫が必要となります。発芽までは時間を要するので、忘れずに水やりをし続けましょう。

ローズマリーの育て方のコツ・ポイント

育て方のポイント三つ

ローズマリーを元気に育てるためには、いくつかの育て方のポイントがあります。『肥料』『水やり』『剪定』の三つに分けて、それぞれのコツをチェックしましょう。

肥料の与え方

ローズマリーは、基本的には肥料を与えなくても元気に育ちます。栽培の環境次第では肥料を使うケースもありますので、与え方のコツを押さえておきましょう。

特に、鉢植えで育てる場合は、ある程度の栄養補給が必要です。地植えの植物であれば、根が届く範囲で必要な栄養素を土から吸収できるでしょう。一方、鉢植えは土の範囲が限られています。根を張れるスペースも限られてしまうので、栄養不足になりやすいのです。

苗から育てる場合は、植え替えのタイミングで最初の肥料を与えましょう。種から育てる場合は、種まきの前に、土に肥料を仕込んでおきます。

枝や葉が生育し始めてからの肥料は、必須ではありません。むしろ、与え過ぎによる『肥料焼け』に注意が必要です。花付きが芳しくない、枝や葉に元気がないなど、具体的な症状が出ていたら肥料切れとみなします。このタイミングで肥料を与えるのがベターです。

適切な水やりの仕方

地中海沿岸を原産とするローズマリーは、湿気を嫌い、乾燥した環境を好みます。そのため、基本的には水やりの必要がほとんどありません。水分を与えるという意味では、定期的な水やりは鉢植えの場合に限ります。

水やりのタイミングは『土が完全に乾燥している状態』が目安で、『鉢の底から水が流れ出るほどたっぷりと』与えるのがポイントです。与え過ぎは根が弱る原因となりますので、注意しましょう。

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