カランコエの育て方・栽培方法|植え替え時期や増やし方、注意点も
カランコエは高温多湿に弱く、風通しが悪い環境では土が蒸れて腐ることがあります。また、水のやりすぎで土が湿った状態が続くと、カビが発生するので注意しましょう。基本的には鉢土が十分に乾いてから水やりをし、乾燥気味に育てるのがポイントです。
カランコエを育てる前に知っておきたいこと
カランコエは原産地のアフリカとマダカスカル島のほか、東南アジアや中近東、西南諸島などの広い範囲に分布している植物です。マダカスカル島にあったのをフランスの探検隊が発見し、ドイツで品種改良されました。
カランコエは、その草姿から風水では「子宝草」とも呼ばれています。葉に小さな芽をたくさんつける様が、子孫繁栄の象徴とされているのです。子宝草を育てつつ出産を終えた人から子宝草を譲り受けると、運気がアップするといいます。
カランコエの基本情報
カランコエの基本情報は以下の通りです。
科・属 | ベンケイソウ科、カランコエ属(リュウキュウベンケイ属) |
和名 | ベニベンケイ(紅弁慶) |
英名 | Kalanchoe |
学名 | Kalanchoe |
花の色 | 赤、ピンク、黄、オレンジ、白など |
原産地 | アフリカなどの熱帯、マダカスカル島 |
開花期 | 10〜6月 |
カランコエの特徴
カランコエには日照時間が短くなると花が咲く「短日性」があるため、本来の開花期は秋から春です。日に当たる時間が12時間以下になると花芽をつけ、花を咲かせます。
葉の先端に新しい芽の「鋸歯」をたくさんつけ、葉が落ちた後にはそこから繁殖します。肉厚の葉と茎を持つ多肉植物で、乾燥に強いのが特徴。草丈が大きくならず寒さに弱いので、鉢植えを室内に入れて育てるのに向いています。
カランコエの種類と選び方
カランコエの原種は110種ほどあり、園芸品種を加えると200種以上はあるといいます。班入りや産毛が生えている葉や草丈の高さ、花色や花の形などのバリエーションが豊富で、さまざまな見た目のものがあります。
・カランコエ・ブロスフェルディアナ:現在日本で流通しているカランコエの園芸品種の多くは、この品種を改良したものです。「ベニベンケイ」の和名が付いています。 ・カランコエ・クイーンローズ(カランコエ・パリ):八重咲きの花が美しい品種で、赤やピンク、白など花色が豊富。草丈と幅が20cmほどでおさまるので、鉢花のプレゼントに向いています。 ・カランコエ・ミリオンスター:2号ほどの鉢がホームセンターなどで多く流通している品種です。小さな星型の花が塊状に咲き、ピンクやオレンジなどポップな花色も魅力。 ・カランコエ・胡蝶の舞:冬になると花茎を伸ばし、赤くベルのような形の花をたくさん咲かせる品種。ギザギザのついた葉はロゼッタ状になっており、花の時期には葉も紅葉して鮮やかです。
カランコエを育てる時に必要な準備
カランコエを育てるときにはカランコエの苗と水やり用のジョウロや霧吹き、剪定ばさみを用意しましょう。秋〜冬に出回る花付きの鉢物を購入すると、かんたんに栽培を始められます。
日当たり・置き場所
カランコエは日当たりと風通しが良く、乾燥気味の環境で育てます。真夏は直射日光で葉焼けしないよう明るい日陰で、寒さに弱いので冬は屋内で管理します。高温多湿は苦手なので、春から秋は屋外に置き、雨に当たらないようにしてあげましょう。
用土・土作り
カランコエには水はけの良い土が適しています。市販の多肉植物やサボテン用の培養土を使うのが、手軽でおすすめです。
苗の準備
カランコエは鉢植えを買って育て始めるのが、手間もかからずかんたんです。花色の良い鉢が販売されている秋〜冬の時期に購入するとよいでしょう。育苗ポットに入った苗は春または秋ごろに購入しましょう。
カランコエの育て方・栽培方法
カランコエは日に当たる時間が短くなると花が咲くため、蛍光灯の当たる屋内で育てていると花が咲きにくくなります。30〜40日ほどダンボールなどで鉢を覆い、暗くしてやる「短日処理」をすると、いつでも花を咲かせられます。
カランコエの苗の植え付け時期と方法
カランコエのポット苗を購入した場合は、すぐに植え付け作業をしましょう。植え付けの適期は5〜6月と9月ごろです。
用意した鉢の底に鉢底ネットと鉢底石を敷き、土を鉢の1/3ほどの高さまで入れます。ポットから苗を抜いて土を落とし、鉢の中心に据えてから土を足しましょう。植え付け後は水をたっぷりとあげます。
カランコエの水やり・肥料の与え方
春〜秋の生長期は土の表面が白っぽく乾燥したのを確認してから、たっぷりの水をやりましょう。乾燥を好むカランコエは、土が湿った状態が続くと根腐れしたり、土にカビが生えてしまったりすることがあります。秋になったら少しずつ水やりを減らし、冬は土の表面が乾いた後2〜3日経ってから水をあげましょう。
カランコエが新しい芽を出す5〜10月ごろは、10日に1回液体肥料を施します。花が咲き始めたら、肥料はストップして大丈夫です。
カランコエの植え替え・鉢替えの時期と方法
カランコエは生長すると鉢の中で根が窮屈になってしまうので、1〜2年に1度、5〜6月か9月ごろの花が終わった後に植え替えをしましょう。植え替えの方法は植え付けと同様で、今よりもひと回り大きな鉢を新しく用意します。
カランコエの手入れ・剪定・切り戻しの時期と方法
カランコエは次から次へと花を咲かせるので、咲き終わった枯れた花と新しい花とが混在します。落ちた花びらを取り、枯れた花が3割ほどついた茎は生え際から切り取りましょう。放置すると土の日当たりが悪くなり、蒸れて枯れる可能性があります。
数年経ったカランコエは葉と茎が茂り、花付きが悪くなってしまうので、1〜2年に1度切り戻しをしましょう。5〜6月か9月ごろ、株元から10cmほどを残して上を切り取ると、1カ月ほどで新しい芽が出ます。
カランコエの増やし方
カランコエは挿し木で増やせます。枝の先端部を10cmほど切り、切り口は給水面が増えるようにV字にします。葉は上端の2〜3枚以外はすべて取り、残った葉が大きいなら半分の大きさに切りましょう。
水を入れた容器に枝を数時間浸けたあと、植え替え同様に用意した土入りの鉢に挿します。その後は日陰に置き、土が乾かないように管理していると1カ月ほどで発根、6カ月ほどでしっかりと根付きます。
カランコエの土にカビが生えてしまったら
カランコエの鉢に、カビが生えてしまうことがあります。換気が不十分な屋内などで土が蒸れてしまう、表土は乾いているが土の内部が湿気っているときに水やりをすると、カビが発生する原因になるので気をつけましょう。
カランコエを植え替えして土を新しく
カランコエの土にカビが生えてしまったら、ティッシュや歯ブラシなどでカビを取りましょう。そしてカビが生えていた部分の土をかき出し、新しい土を入れます。
土の中にまでカビが生えているようなら、土全体を交換します。根に傷がつかないようにカランコエを抜き出し、土を払いましょう。そのまま2〜3日ほど風通しがよく明るい場所に置き、カランコエを完全に乾かしてやると、根についてしまったカビの胞子を枯らせます。
鉢の底に鉢底ネットと鉢底石を1/4の高さまで敷き、中心にカランコエを据えて土を入れます。カランコエの根を傷つけないよう、割り箸を土に挿しながら行うと土が鉢内に均等に入ります。植え替え後はすぐに水やりはせず、1週間くらい経過してからにしましょう。
カランコエの土にカビが生えないようにするには
カランコエの土にカビが生えないようにするには、鉢の表土が乾いたのを確認してから水やりをしましょう。カランコエは葉に水分を貯められる多肉植物ですから、土が乾いてから数日放置してもすぐにしおれることはありません。
鉢の土に竹串を刺して引き抜いたときに、串に土がついてこない、鉢を持ち上げたときに軽く感じるときは水やりをして大丈夫です。カランコエの鉢を日当たりと風通しの良い場所に置き、蒸れないように管理することも大切です。
カランコエを育てるときの注意点
カランコエは気温が10℃以下になると花付きが悪くなり、5℃くらいまで下がると生長が止まってしまいます。気温が5℃以下になりそうなときは屋外から屋内に入れ、11〜15℃ほどの場所で管理するとよいでしょう。