アロエ栽培と増やし方|株分けや挿し木の方法と時期について
アロエは、見た目が愛らしい多肉植物です。食用・薬用・観賞用などバラエティー豊富です。アロエの増やし方の基本は2タイプ、挿し木と株分けです。種類によっても異なりますが、ポイントさえつかめば容易にできます。ガーデニングでも育てやすさが人気です。
アロエの基本情報
アロエは、薬用・食用にも利用される多肉植物です。ススキノキ科・アロエ属、学名をAloe(アロエ)といいますが、Alloch(アロッホ)という苦味を意味するアラビア語が由来とされています。薬用や美容に効能がある成分が含まれていることから「医者いらず」の別名を持っています。見た目も愛らしく観葉植物としても楽しめます。5cmほどの小さいものから高さ20cmにもなる大きいものまで、草丈以外にもさまざまな種類があります。初心者でも栽培しやすいのも人気のひとつです。 ・ 原産地 :アフリカ、アラビア半島、ソコトラ島、マダガスカル、マスカレン諸島 ・形態 :多年草、低木、つる植物(種類による) ・耐寒性:普通~やや弱い/耐暑性:強い~やや弱い ※いずれも種類による ・開花期 :12月~2月、種類により不定期 ・花色:赤、オレンジ、黄、複色
アロエの育て方
アロエは、原種に合った育て方をするのがポイントです。アロエは鉢植えで育てるの一般的ですが、小型種であれば小・中型の鉢を、幹立ちするような大型種であれば大型鉢を用意するなど、原種の特徴を理解しましょう。 アロエの栽培方法は2通りあります。 1) 苗から育て:ポットに苗を放置せず、購入したらすぐに植え付けしましょう。原種に合ったサイズの鉢・プランターを用意します。 2) 種から育てる:アロエの成長期よりも前に種まきをしましょう。一般的には秋の成長期よりも前、春のくらいが理想的です。 アロエを成長させていくには、日々の手入れを心がけましょう。水やりのタイミング・適量な肥料の与え方、そして植え替えや株分けは、アロエが大きく成長させるために重要な作業です。
アロエの増やし方
アロエを増やすには、株分けと挿し木、2つの方法があります。アロエを増やす時期は成長期に合わせ5~9月、中でも5~6月・9月はベストシーズンです。が食用・美容で利用するならば、アロエの繁殖を促し、いつまでも利用できるようにしたいはずです。また観賞用としても、もっとアロエを増やしたいと思う方も多いはずです。株分け・挿し木を覚えれば、アロエ以外の多肉植物にも応用できます。
株分け:方法と時期
株分けは、繁殖したアロエの株を切り分けて育てていく方法です。元々の親株とは別に、子株と呼ばれる新しい苗を切り離し育てます。子株は、小さな葉と茎が親株から出てきたものです。 【手順】:根っこの扱いに注意!切り離さない・乾かないうちに植えつけるのがポイント 1) 水やりをストップして鉢の土を乾燥させた後、アロエを鉢から抜き取る 2) 子株部分を根っこごとナイフで切り離し、古い土をきれいに落とす 3) 水はけをよくした鉢植えに、1/3ほど土を入れ子株を中心に置く 4) 残りの土を入れ、直射日光を避け風通しの良い場所へ ※土は鉢の縁から2cmが目安 5) 水やりは、株分けから4~5日後に
挿し木(挿し芽):方法と時期
挿し木は、アロエの「仕立て直し」などで、切り取った茎を育てていく方法です。アロエの仕立て直しは、草丈が高くなり、バランスの悪くなった株の上部を30cmほど茎から切り取る作業です。挿し木は、茎の長いアロエの品種に向いています。成功率も高いので、初めて繁殖作業を行う方向きです。 【手順】:茎の切り口に注意!雑菌が入らないよう根っこが出るまで水やりストップ 1) 茎2~3cmつけてアロエの葉を切り取り、日陰で風通しの良い場所でしっかり切り口を乾かす 2) 8割くらい土を入れた鉢を用意し、切り口が乾いているか確認 ※土に挿す部分の葉は切る 3) 鉢の中心に穴を開け、切り口をつぶさないようアロエの茎を挿し木 4) 直射日光を避け風通しの良い明るい場所へ 5) 根が出るまでの1~1.5か月は、葉がしおれてきたら霧吹きで水を与える
アロエの種類
アロエの種類は、500原種もあり、利用される用途や目的、特徴が異なります。また原産国の環境の違いから栽培方法も異なるります。見分け方は、葉の厚さや大きさ、斑点の形や模様、花の色など。代表的な種類で分けると、薬用や食用・美容に効能を発揮する成分が含まれているアロエ、観賞用の植物として親しまれるアロエの2タイプです。2タイプに分けアロエの種類を紹介します。
食用・薬用アロエ
代表的な食用アロエは、アロエ・ベラとキダチアロエです。食用として多くの人に知られているのがアロエ・ベラです。ゼラチン質の葉肉のシロップ漬けやヨーグルトやドリンクに使用され人気を得ています。皮膚を活性化せる成分、ビタミンC・E・B12、ベータカロテンなどの栄養素が多く含まれています。
アロエ・ベラ
茎がなく、地際から肉厚な葉をロゼッタ状に広げて成長します。耐寒・耐暑なな性質で、アロエの中でも育てやすい品種です。健康食品や化粧品の成分など、幅広く利用されています。ラテン語でベラは「真の」という意味をつことから、別名を本アロエ・本蘆薈(ほんろかい)と呼ばれています。
キダチアロエ
木の幹のように、茎から細い葉が広がり上に伸長します。木が立つ(キダチ)ように成長することが、キダチアロエの名前の由来とされています。医者いらずという別名を持つほど、昔から薬用として親しまれ、日本でも多く栽培されている品種です。食用・薬用にも利用されますが、真冬にきれいな花を咲かせるなど、観賞用としても人気です。
食用・薬用アロエの効能
アロエに含まれるさまざまな成分が効能を発揮します。 ・サルチル酸|傷の炎症を抑える効能:擦り傷や軽い火傷などの炎症を鎮静させ回復を早める作用がある ・アロエジン|チロシナーゼ(色素沈着の原因)の働きを抑制する効能:シミ・そばかす、日焼け対策用の化粧品などに多く利用されている ・アロイン・アロエエモジン・バルバロイン|腸や胃を整える効能:整腸作用で便秘対策として利用されるほか、意を整え解毒作用もあるので胃もたれや二日酔い対策にも利用される
観賞用アロエ
観賞用アロエは、多くの品種の中でも小型種であり、栽培しやすいことが特徴です。小型であれば部屋にも置きやすく、インテリアにもなじみます。そして、こまめなお手入れが苦手な方でも育てやすいことが挙げられます。葉の形状や厚み、斑点の模様、花の色なども観賞用アロエのポイントになります。
アロエ・不夜城
美しい斑点入り模様が特徴な品種です。流通名は不夜城ですが、アロエ・ノビリスとも呼ばれています。濃緑の葉に黄斑、葉の縁を囲む、白いとげ、これらのコントラストが印象的な外観です。縞斑の幅が広いものや緑の色合いが多いものなど、不夜城でのバリュエーションも多くなっています。
アロエ・千代田錦
白色の斑点と上を伸びる葉、春に咲くオレンジ色の花が特徴な品種です。別名をタイガーアロエと呼ばれています。葉の色は茎に近いほど白っぽく、葉先に向かって緑が濃くなるグラデーション効果も美しい外観です。愛らしい花が咲くことも、観賞用アロエの中では人気のひとつとなっています。