百日紅(サルスベリ)の花言葉|花名の由来や色・種類・英語の意味も
公園や庭によく植えられている百日紅(サルスベリ)は、その特徴的な名前が印象的です。夏に咲かせる花は鮮やかで美しく、昔から日本人に好まれています。この記事では、百日紅(サルスベリ)の花言葉や花名の由来、種類などについてご紹介します。
百日紅(サルスベリ)の花言葉
百日紅には花の咲き方や伝説をもとにしたいくつかの花言葉があります。
百日紅の花言葉
百日紅の花言葉は、「雄弁」、「愛嬌」、「不用意」、「貴方を信じる」、「潔白」です。
百日紅の花言葉の由来
百日紅は猿も滑ると言われることから、「愛嬌」や「不用意」という花言葉が生まれました。「雄弁」は次々と咲き誇る花の様子が由来です。「貴方を信じる」や「潔白」は百日紅にまつわる物語から生まれた花言葉です。
百日紅(サルスベリ)の花名の由来
百日紅(サルスベリ)の花名は、猿が登ると滑ってしまうと言われるほど幹が滑らかなことが由来です。しかし実のところ、猿は滑らず登れるのだそうです。また、夏の間ずっと花が咲き続けるため百日紅という名前になりました。
百日紅の海外での花名
百日紅は英語で「Crape-myrtle」です。
百日紅の海外での花名の由来
「Crape」とはちりめんを意味し、百日紅の花びらがちりめんのようになっていることを指しています。「myrtle」はギンバイカのことで、百日紅がギンバイカの花に似ていることが由来です。
百日紅(サルスベリ)が誕生花なのはいつ?
百日紅が誕生花の日は、7/18、7/24、7/31、8/5、8/27、8/29です。
百日紅(サルスベリ)ってどんな花?
百日紅の木は滑らかな樹皮が特徴ですが、花も美しく、夏の間咲き続けるため庭木や公園の木としても人気です。
百日紅の基本情報
科・属 | ミソハギ科・サルスベリ属 |
和名 | 猿滑 / 百日紅(サルスベリ) |
英名 | Crape-myrtle |
学名 | Lagerstroemia indica |
花の色 | 紅の濃淡色、白色など |
原産地 | 中国南部 |
開花時期 | 7~10月 |
百日紅の花の色
百日紅の花の色は紅の濃淡色や白色ですが、品種によっては紫色の花を咲かせるものもあります。
百日紅(サルスベリ)の種類・品種
百日紅には、様々な種類の品種が存在します。
オオバナサルスベリ
オオバナサルスベリは東南アジア原産で、普通の百日紅の倍近く大きな花を咲かせます。葉も大きく、長さ30cmほどのものもあります。フィリピンのタガログ語ではバナバとも呼ばれ、その葉を煎じてお茶にしたバナバ茶は昔から健康茶として飲まれています。バナバ茶には血糖値を下げる効果などがあります。開花時期は7〜10月です。
シマサルスベリ
シマサルスベリは中国中部や台湾、沖縄、奄美諸島などの亜熱帯に分布しています。落葉高木で、木の高さは最大20mです。6〜8月に白い花を咲かせます。花の大きさは百日紅より小さめです。
ムラサキサルスベリ
ムラサキサルスベリは百日紅とシマサルスベリの交配種です。花色は淡紫色で、枝は横に広がりやすく、木の高さは3m~5mほどになります。
ブラックパールレッド
ブラックパールレッドはアメリカで生まれた品種で、黒葉に赤い花を咲かせます。日当たりの良い場所で育てると花つきがよくなります。寒さにも強く、-17℃まで耐えられると言われています。また、うどんこ病にも耐性があります。
百日紅(サルスベリ)と同じ科の花
サルスベリはミソハギ科です。ミソハギ科は双子葉植物で、世界の熱帯から亜熱帯に広く存在します。ミソハギ科の植物には、ミソハギやザクロがあります。
ミソハギ
ミソハギ科には樹木として成長する木本と、草として成長する草本があります。サルスベリは木本ですが、ミソハギは草本です。ミソハギは湿った土壌でよく育ち、小川や用水路の縁、湿原などに生えています。葉は小さく細長い卵型で、花色は濃いピンク色や紫色です。お盆の時期にはお供えの花として用いられたり、花穂に水を含ませて水をまく風習もあります。
ザクロ
ザクロの実を果物として食べたことがある方も多いでしょう。ザクロの原産は西南アジアや中東といわれ、日本には平安時代に中国から伝来しました。観賞用に庭木として植えられたり、食用として栽培されたりします。ザクロといえば、鬼子母神像が持っていることでも有名ですね。鬼子母神は500人もの子どもを産み、人間の子どもを食べて栄養としていました。しかしお釈迦様に教えを説かれ、改心します。その後人間の子どもを食べる代わりに人肉の味がするザクロを食べるようになったという話が日本では有名ですが、これは俗説です。鬼子母神が持っている吉祥果をザクロで表現するのは中国文化の影響で、実際には吉祥果とザクロは別物なのだそうです。
百日紅(サルスベリ)の育て方
サルスベリは水はけがよく栄養が豊富な土壌を好みます。苗のときは鉢植えで育てても問題ありませんが、最終的には地植えにして育てる必要があります。地植えの場合基本的に水やりは不要で、日照りが続いたときに水をやる程度で十分です。サルスベリは病害虫にも強い植物ですが、うどんこ病やサルスベリフクロカイガラムシに注意しましょう。うどんこ病にかからないためには、茂った枝を間引きして風通しを良くし、菌を繁殖させないように予防します。サルスベリフクロカイガラムシは樹液を吸って木を弱らせるため、見かけたらたわしなどでこすって木から落とし、薬剤をまきましょう。
百日紅(サルスベリ)の逸話
百日紅には朝鮮のこんな伝説があります。ある漁村では、水難を逃れるため竜神に若い娘を生贄として捧げるという風習がありました。ある年、選ばれた長者の娘が竜神を待っていると、その国の王子が通りかかり、竜神を倒して娘を救いました。王子と娘は恋人同士になりましたが、王子には使命があったため、娘に100日後に戻ってくると言い渡して旅立ちました。娘は王子を待っていましたが、100日過ぎる前に亡くなってしまいました。100日後に戻ってきた王子は嘆き悲しみ、娘の墓には百日紅が100日間咲くようになったとのことです。 また、漁に出た父を待つ娘が丘の上で火を炊き続け、父が戻らないので娘は百日紅になってしまったという逸話もあります。
まとめ
百日紅の花言葉は、「雄弁」、「愛嬌」、「不用意」、「貴方を信じる」、「潔白」です。百日紅は樹皮が滑らかで、猿も滑ると言われることから、サルスベリという名前になりました。また、夏の間咲き続けることから百日紅とも呼ばれます。「愛嬌」や「不用意」という花言葉は、木に登った猿が滑ってしまうとわれることから生まれました。「雄弁」は次々と咲き誇る花の様子が由来で、「貴方を信じる」や「潔白」は百日紅にまつわる物語から生まれた花言葉です。花色は紅の濃淡色や白色、紫などです。古くから日本人に愛され続けている百日紅は、現在でも庭木や公園樹として見ることができます。夏のお出かけの際には、ぜひ百日紅の花を探してみてくださいね。