サルスベリを苗から育てる方法は?土作りから植え付けまで解説

2020 12/01
サルスベリを苗から育てる方法は?土作りから植え付けまで解説

夏から秋にかけて華麗な花を咲かせるサルスベリは、比較的育てやすく園芸初心者向きといわれます。「苗から育ててみたい」人のために、土作りと植え付け、水やり・肥料・病害虫対策・剪定など基本のお世話方法をそれぞれ紹介します。

目次

サルスベリとは

サルスベリとは

サルスベリは、公園や街路、また個人の庭などによく見られるポピュラーな木です。夏から秋にかけ、白やピンクなどの花が房になり、華やかに乱れ咲く様子は見る人の心を癒してくれるでしょう。

まずは基本情報を確認してみましょう。

中国が原産の落葉樹

サルスベリは、ミソハギ科に属する落葉樹です。中国南部が原産で、日本へは江戸時代に伝わったとされます。

4月下旬ごろから新芽が生えだし、7~10月ごろまでが開花期、その後11月ごろから紅葉・落葉をし、12~4月半ばごろまでは休眠期というサイクルです。

樹高は2~10mと品種によって幅広く、近年では背が高くならないように品種改良をした『矮性品種』なども多く出回っています。

比較的丈夫で育てやすい反面、生育が旺盛なので定期的な剪定が必要です。

漢字で書くと「百日紅」

『サルスベリ』という名前は、樹肌がツルツルと滑らかで『猿も滑って落ちそう』という特徴から名付けられました。

『百日紅(ひゃくじつこう)』という別名もあり、これはサルスベリの開花時期が長く、年間約100日にもわたることから来ています。

花の色は赤だけでなく、品種などによって白・ピンク・紫色などさまざまです。開花する植物が少ない夏の盛りにも可憐な花々を咲かせるため、周囲に清涼感をもたらすでしょう。

花言葉

サルスベリには、次のような花言葉があります。

  • 『雄弁』:真夏にも堂々と咲き誇る姿が雄弁であることから。また、花が揺れる様子が雄弁におしゃべりをしているように見えるからという説もあり
  • 『愛嬌』『不用意』:樹肌がツルツルして猿も滑るほどなので、そのイメージから
  • 『あなたを信じる』『潔白』:ある若者が、恋人と100日後の再会を約束して旅に出たが、帰京すると恋人が病で亡くなっていたという伝説に由来

『不用意』などネガティブな意味も含まれるため、誰かに贈る際には注意が必要です。しかし、逆に『あなたを信じる』などの言葉は、ケンカした恋人への仲直りのメッセージなどに効果的かもしれません。

苗から上手に育てる方法

苗から上手に育てる方法

サルスベリの植え付けに適した時期は、新芽が出る前の3~4月、もしくは落葉する10~11月です。ここでは具体的な作業方法について、三つのプロセスに分けて紹介します。

土作り

まずは『地植え』の場合です。サルスベリは、水はけがよく肥沃な土地を好みます。日当たり・通気性のよさも意識しましょう。

植え付ける2~3週間前に、まず土作りを行います。土を寝かせ熟成させることで、苗の根張りがよくなるのです。苗を植える場所が決まったら、直径・深さ各50cmほどの穴を掘り、掘り出した土に3割ほどの腐葉土や堆肥を混ぜ込みます。

なお、後日行う植え付けの際には『緩効性化成肥料』も必要です。この段階で用意しておくと便利でしょう。鉢植えする場合や、初心者で上記の作業が難しいという人は、市販の培養土を使うのも一つの手です。

植え付け方法

植え付けも、『地植え』と『鉢植え』では作業が異なります。まずは『地植え』です。土作りで掘った穴の底に、緩効性化成肥料、寝かせた土を穴の半分ぐらい、苗の順に入れましょう。

その後、残りの土は棒や足で踏み固めながら入れていくと根が張りやすくなります。最後に水をたっぷりあげて完了です。しっかり根付くまでは、苗を支柱でサポートしましょう。

『鉢植え』の場合は、8~10号鉢を使用します。まず、鉢の底穴を網でふさぎ、軽石を2~3cm入れ、用土の半分、苗を順番に入れます。

鉢を揺らすと隙間ができるので、その隙間にさらに土で埋める作業を繰り返しましょう。そして、鉢底から水が流れるまで十分に水やりして終了です。

水やりと肥料

『地植え』の場合は、植え付け後1年以内は水切れしないようにすることが大切です。1年が過ぎ、しっかりと根が張ったら、ほぼ降雨だけでOKですが、真夏日など乾燥が激しいときには水やりをしましょう。

『追肥』は2月と9月の年2回です。緩効性化成肥料・油粕・鶏糞のいずれかを与えます。

『鉢植え』の場合は、水切れしたり肥料が流れたりすることが多いため、より高い頻度での世話が必要です。水やりは、土が乾燥したら与えます。特に夏は水切れしやすいので、毎日朝夕2回行いましょう。

『追肥』が必要な時期は、3~9月の生育期です。1~2カ月に1回の頻度で化成肥料を与えるか、2週間に1回液体肥料を与えましょう。

病気や害虫には注意しよう

病気や害虫には注意しよう

植物を育てる上で起きがちな問題は、やはり病気や害虫です。一般的に、サルスベリによく見られる二つの症状について紹介します。

発見しても慌てず、早急に対応できるよう心づもりをしておきましょう。

うどんこ病

糸状菌のカビの一種が引き起こす病気です。葉がうどん粉をまぶしたように白くなり、葉の養分を奪ったり、光合成を妨げたりします。

乾燥・高温な環境で発生しやすいとされますが、日光・肥料が不足していたり、逆に肥料を与えすぎたり、連作障害だったりで、サルスベリが弱ってしまうことも原因となり得ます。

予防策は、根元だけでなく葉にも水をやって乾燥を防ぐ、枝葉を間引いて日当たり・通気性をアップさせるなどです。

もし感染を発見したら、被害を広めないため早急に対応しましょう。発症した部分を切除し焼却します。焼却が難しいなら、袋に入れてゴミに出すこともOKです。

サルスベリフクロカイガラムシ

カイガラムシは、楕円形をした白く小さな虫です。開花の時期など、年に2~3回発生します。

樹液を吸って木の養分を搾取したり、葉を覆って光合成を阻害したりするため、枝枯れすることもあります。また、ふんによる『すす病』にも注意が必要です。見つけ次第、迅速に対処しましょう。

薬剤が効きやすい幼虫のうちは、市販の殺虫剤などで駆除します。成虫になると、薬剤はあまり効きません。代わりに、歯ブラシやへらなどで枝や幹からこそげ落としましょう。

剪定も花を咲かせるための大事な作業

剪定も花を咲かせるための大事な作業

『剪定』は、樹形を整えたり大きくなりすぎることを防いだりするほか、開花時期をより長くする目的もあります。また、不要な枝葉を除去することで日当たり・通気性がアップするため、病気・害虫予防にも有効です。

剪定の時期は夏と冬に1回ずつ行います。それぞれの方法と、剪定の際のコツについても紹介します。

夏の剪定方法

夏の剪定は、開花真っ盛りの8月上旬ごろに行います。枯れた枝や葉、不要な枝、また込み合っている箇所を中心に、軽めに切って樹形を整えましょう。見た目がスッキリするとともに、日当たり・通気性がよくなるように調整します。

また、開花期間をより長くするため、花が咲いている枝の2~3節目も剪定します。枝先を切ることで、そこからさらに新しい枝が伸び花を咲かせるのです。

冬の剪定方法

冬の選定は12~3月ごろに行います。休眠期である冬は、本格的な剪定に適した時期であり、樹形を整えることに加えて太い枝をバッサリ切って樹形を変えることも可能です。

木への負担が少ないだけでなく、落葉して枝の形がはっきり分かるので、作業もしやすいでしょう。

不要枝とは、具体的には木の根元から生える『ひこばえ』、幹や枝の途中から生える『胴吹き枝』、枝の切り口からひょろりと伸びる『徒長枝(とちょうし)』などが挙げられます。

ほかの枝と交差したり平行に伸びたりしている、内側や下向きに生えているなど、樹形を乱す原因となる枝も切り取りましょう。

剪定のコツと注意点

適切な道具を選ぶことは、剪定を上手に行うコツの一つです。2cm以下の枝などは園芸用の『剪定鋏』、それ以上の太い枝は『剪定ノコギリ』を使います。

高いところを切る場合は、『脚立』を使うか『高枝切り用』の鋏などが便利です。手を切らないよう園芸用の『軍手』なども用意しましょう。

また、何度も同じところを剪定すると切り口が肥大して『こぶ』になるのですが、こぶを生かす『こぶ仕立て』と、こぶがない自然な姿を好む人とに分かれるようです。

こぶを取りたいという場合は、こぶの下から枝を切除しましょう。その際には、切り口の保護として『癒合材』を塗布することも大切です。

まとめ

サルスベリの植え付けは、日当たり・風通しのよい肥沃な場所を選びます。

根が張るまでの期間は、水やりが欠かせません。それ以降は、真夏以外は自然の降雨だけでOKです。鉢植えの場合は、地植えと比べてより頻繁な水やりが必要です。

年に2回の剪定作業は、美観だけでなく木の健康を維持するためにも必要です。適切な世話で、美しい花々を長く楽しみましょう。

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