サルスベリの花を毎年楽しむための剪定方法。時期と方法を徹底解説

2020 11/13
サルスベリの花を毎年楽しむための剪定方法。時期と方法を徹底解説

サルスベリは生育がとても盛んな樹木であるため、剪定方法について学んでおくことはとても大切です。どのタイミングで、どのように剪定するか、また世話をする際のポイントやおすすめの道具についても一挙に紹介します。

目次

サルスベリの基礎知識

サルスベリの基礎知識

サルスベリは、公園・街路樹・庭など、多くの場所で見られるポピュラーな樹木です。夏から初秋にかけて、白やピンクなどの可憐な花を咲かせ、見る人の心を和ませます。

まずは基本情報をチェックしましょう。

生育旺盛な落葉樹

ミソハギ科・サルスベリ属に分類される中高木植物です。幹肌が白くツルツルとしており、猿も木登りの際に滑りそうということから、『猿滑(サルスベリ)』と名付けられました。

花の色はピンク・赤・白・紫などがあり、開花時期は7~10月ごろです。秋には、紅葉・落葉し、実がなり種子を作ります。冬は休眠期となり、4~5月にまた新芽や枝が生えるという年間サイクルです。

開花が長いことも魅力

サルスベリは、別名『百日紅(ひゃくじつこう)』とも呼ばれます。これは、年間約100日にもわたって開花し続けるためです。

ブラックパール・ナツマツリ・カントリーレッド・ペチートサンシャインなど30種類以上の品種があり、樹高も品種によって3~7mと幅広いです。

大きくならないよう改良された『矮性品種』は、花壇や鉢植えで自宅のワンポイントとして、背が高い品種なら、庭の中心的存在ともいえる『シンボルツリー』としてなど、さまざまな楽しみ方ができます。

剪定は年に2回

剪定は年に2回

サルスベリは生育が早いので、年に2回の剪定が必要です。木が成長しすぎることを防ぐだけでなく、樹形を美しく保ったり開花時期を長くしたりする効果も期待できます。

夏と冬の適切な時期に1回ずつ行いますが、それぞれ剪定方法も異なるため注意が必要です。

夏の剪定

8月初旬~中旬ごろに軽めの剪定を行います。人間に例えれば『伸びた髪をきれいに切りそろえる』といった感覚です。

方法は、開花している花房の枝を、付け根から2~3節目で切っていきます。

「せっかくきれいに咲いているのに、花を切るのはもったいない」と思うかもしれません。しかし、この作業によって、切った枝先からさらに新しい枝が伸び花を咲かせるため、より長い期間で開花を楽しめるのです。

不要な枝や葉についても、軽く剪定します。全体の樹形を整えると同時に、日当たりのよさと通気性を確保しましょう。

冬の剪定

落葉し、枝の形が判別しやすい冬こそが、本格的な剪定タイムです。12~3月の休眠期間に、枝を根元から剪定する『切り戻し』を行うことで、翌シーズンの新しい枝・芽の成長を促します。

人間で例えるならば『切りそろえるだけでなく、不要だったり傷んだりしている毛髪をバッサリと切り、より健康な状態を作るプロセス』あるいは『ヘアスタイルそのものを変える時期』といえるかもしれません。

不要な枝を剪定し、全体をバランスよく仕上げましょう。また、夏同様に日当たりと通気性をよくすることも大切です。

剪定後には、枝の切り口に『癒合材(ゆごうざい)』を塗っておくと、傷を癒すだけでなく菌が侵入することも防げます。

剪定するときのポイント

剪定するときのポイント

剪定は、適当に枝を切り落とせばよいというわけではありません。どんな箇所を切るのか、注意するポイントはどんな点かなどを知った上で作業しましょう。

ここでは、夏と冬どちらにも共通するポイントにフォーカスして説明します。

不要枝を切り取る

まず、枯れ枝や枯れ葉を取り除き、その後に不要枝を根元から切っていきます。不要枝とは、具体的には次のようなものです。

  • 逆さ枝:内側へ伸びている
  • 下がり枝:下向きに成長している
  • 交差枝:ほかの枝と交差しており、通気性を悪くする
  • ひこばえ:木の根元から生えてきた若芽や枝
  • 胴吹き(どうぶき)枝:幹や枝の途中から生えてきた枝
  • 徒長枝:以前剪定した枝の切り口付近からまっすぐ生える発育のよい枝
  • 平行枝:ほかの枝と同方向に平行に伸びる枝

これ以外でも、樹形を乱す枝は切り取りましょう。特に込み合っている箇所は、枝を間引いて日当たり・風通しをよくすることが大切です。

同じ場所を切るとこぶができる

サルスベリの枝は、同じ箇所を何度も繰り返し切ると、切り口が肥大してゴツゴツした『こぶ』ができてしまいます。

「こぶがある方が好き」という人には、あえてこぶを肥大化させる『こぶ仕立て』という剪定方法がおすすめです。

逆に「こぶがあると見苦しい」「もっと自然な樹形がよい」という人は、肥大したこぶの下から枝ごと切り取りましょう。その後、切り口には『癒合剤』を塗布して保護をします。

また、なるべくこぶを発生させないためには、毎回少しずつ位置をずらして剪定することがコツです。

基本の育て方とコツ

基本の育て方とコツ

サルスベリは、比較的育てやすい樹木だといわれますが、やはり生き物である限りは基本的な特徴や世話の方法を知った上で対応することが大切です。

『地植え』か『鉢植え』かによっても異なるので、それぞれに適した方法をとりましょう。

育てる場所

まず『地植え』の場合です。夏の暑さや直射日光にも強いので、とにかく年間を通じて日当たり・水はけのよい場所に植えることが大切です。

日当たりが悪いと、花が咲きづらくなります。カビの発生を防ぐため、通気性のよい場所であることもポイントです。

『鉢植え』の場合も、地植えと同様に日当たりのよい場所に置きますが、水切れには注意します。

水やり方法

『地植え』の場合は、植え付け後の期間によって世話の仕方が変わります。

植え付けてから1年未満の若い木は、まだ根の張りも吸水力も弱いものです。そのため、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。

植え付け後1年以上になると、自然な降雨のみで事足りるので基本的に水やりは不要です。猛暑時など高温で乾燥が激しいときにのみ、朝夕の涼しい時間帯を見計らって水やりしましょう。

『鉢植え』の場合は、春~秋の間は土が乾いたらたっぷりと水やりをします。夏は特に水切れしやすいので、朝夕2回与えましょう。冬は生育ペースが落ちるので、土が乾いて数日後といった水やりペースでOKです。

肥料の与え方

『地植え』と『鉢植え』では頻度や方法が異なります。鉢植えは、より頻繁な追肥が必要です。

『地植え』の場合は、『緩効性化成肥料』か、油粕・鶏糞などの『有機肥料』を使いましょう。植え付けの際に元肥として土に混ぜ込みます。

追肥は年に2回です。1~2月ごろの『寒肥(かんごえ)』は、1年間の健康維持と翌年の生育を促します。9月ごろの『お礼肥』は、開花後の疲労回復が主な目的です。

『鉢植え』の場合は、4~9月の生育期には1~2カ月に1回の頻度で『化成肥料』を与えるか、2週間に1回の頻度で『液体肥料』を与えます。

気を付けたい病害虫は?

気を付けたい病害虫は?

病気・害虫は、早期対応がカギです。放置、あるいは不適切な対応をしてしまうと、被害が広がったり樹木そのものをだめにしてしまったりすることも起こり得ます。見つけ次第すぐ対応できるよう、心づもりしておきましょう。

うどんこ病

葉や花首にカビが生え、うどん粉をまぶしたように白くなる病気です。菌による光合成の阻害や養分の搾取で、花が咲かなくなったり枯れてしまったりします。

防止策としては、不要な枝を間引きして風通しと日当たりをよくすること、また周辺の雑草からの感染を防ぐため、木の周りも除草してきれいに保つことが挙げられます。

発症してしまった場合は、それ以上の被害を防ぐため早急に処置しましょう。重曹スプレーや殺菌剤などを噴射する、症状のある箇所を切り取り焼却するなどが主な方法です。

サルスベリフクロカイガラムシ

カイガラムシは、体長約3mmの白い楕円の形をした虫です。樹木の幹や枝から養分を吸汁します。

寄生されると、樹木の景観を損なうだけでなく、枝や葉の生育を妨げられ、枝枯れもしかねません。また、排泄物が『すす病』を引き起こしたり、葉の光合成を妨げたりする恐れもあります。

駆除方法は、幼虫か成虫かで変わります。幼虫は毎年5~7月に多く羽化するとされ、この時期であれば殺虫剤・牛乳・木酢液(もくさくえき)などの噴射が効果的です。

成虫は、殻やロウ物質に覆われ薬剤が効きにくくなります。歯ブラシやへらで虫をこそげ取るか、可能であれば被害の大きな部分を切除・焼却して対処しましょう。

おすすめの剪定鋏

おすすめの剪定鋏

剪定道具は、目的に合ったものを選ぶことが大切です。特に刃物は、きちんと剪定用・園芸用のものをそろえましょう。用途が異なると、効率が悪いだけでなくケガにいたることもあるため注意が必要です。

具体的には、直径2cm以内の枝を切るなら『剪定鋏』、それより太い枝は『剪定鋸』、また高所を切るなら『脚立』や『高枝切り鋏』を使用します。

参考として、おすすめ商品三つを紹介します。

鋸造り100年の老舗 神沢精工株式会社「サムライ 騎士 FC-240-LH」

鋸メーカーとして100年の歴史を持つ神沢精工製です。日本刀のような切れ味を誇り、直径20~50mmの太い枝を切る際にも、切り口を傷めずスムーズに切れるでしょう。

特許技術により、『曲刀鋸』の持つパワフルさと『直刀鋸』並みの滑らかさの両立を実現しています。

握りやすく滑らないグリップ、安全ロック式のストッパー、折りたたんでコンパクトに持ち運びができる仕様など、使い勝手のよさが随所に盛り込まれたアイテムです。

  • 商品名:神沢精工株式会社「サムライ 騎士 FC-240-LH」
  • Amazon:商品ページ

少しの力で切れる 藤原産業「千吉 切替式ラチェット剪定鋏 SGP-22R」

『ラチェット式』とは、鋸状の歯車と逆転止めの爪を組み合わせた構造のことです。

千吉の切替式ラチェット剪定鋏は、直径20mmまでの花・草・小枝の剪定向きです。『ギア』と『てこ』の力を利用し、切断時には従来の約1/3の力で切断できるとされます。

軽量かつ丈夫なアルミボディで小回りが利くとともに、樹脂付きグリップにより、滑りにくく切断時の衝撃も少ない工夫がされています。

サビ・ヤニなどで汚れにくいフッ素コート加工の刃に加え、お手入れツールも付いているので、楽な手入れで長く愛用できるでしょう。

  • 商品名:藤原産業「千吉 切替式ラチェット剪定鋏 SGP-22R」
  • Amazon:商品ページ

滑りにくい樹脂グリップ付 五十嵐刃物工業「PRUMAN ラクぎり ミニ 太枝切鋏 OM-450」

直径30mmまでの、太い枝剪定用の鋏です。鋸よりも素早く簡単に枝を切り落とせる上に、鋭利な刃で樹木の切り口も傷めにくくなっています。ハンドルが長いので、高い位置や奥の方の枝を切るにも便利です。

アルミパイプ製のハンドルは楕円形をしており、丸形と比べて約4倍以上の強度があるため、しっかりと切断する感覚を実感できるでしょう。

グリップにはエラストマ樹脂が使われており、滑りにくい仕様となっています。また、ハードクロームメッキ加工された刃は、さびにくく樹液も付きにくいため、手入れも楽ちんです。

  • 商品名:五十嵐刃物工業「PRUMAN ラクぎり ミニ 太枝切鋏 OM-450」
  • Amazon:商品ページ

まとめ

サルスベリは生育が旺盛なため、年に2回の剪定が必要です。樹形を整えるだけでなく、開花時期を延長すること、日当たり・通気性を確保することも目的とします。

樹木の健康維持と病気の予防にもつながる作業です。正しい方法に則りながら、美しいサルスベリの木を長く楽しみましょう。

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