クリスマスローズの育て方と手入れ方法|種まき・増やし方・注意点も

2020 11/13
クリスマスローズの育て方と手入れ方法|種まき・増やし方・注意点も

クリスマスローズは初心者でも育てやすい上に、寂しい冬の庭を華やかに彩ってくれることから、ガーデニング好きの間でとても人気のある花です。苗の選び方や花が咲いた後のケア方法、病害虫対策まで、クリスマスローズを長く楽しむポイントを紹介します。

目次

クリスマスローズとは?

クリスマスローズとは?

クリスマスローズは、ヨーロッパ原産の多年草です。寒い季節でも長く花を楽しめるため、栽培にチャレンジする人が多く、品種改良も盛んに行われています。クリスマスローズの特徴と種類、花言葉を紹介します。

『冬の貴婦人』の愛称を持つ花の特徴

12~3月にかけて開花するクリスマスローズは、冬枯れのシーズンに欠かせない存在です。『ニゲル』という原種がクリスマスの時期に咲くことから、『クリスマスローズ』と呼ばれています。

オフホワイトやくすんだピンク色など、落ち着いた色合いの花がうつむきがちに咲く姿が、クリスマスローズの大きな魅力です。その清楚な様子から日本では『冬の貴婦人』の愛称でも親しまれています。手を広げたような形の、濃い緑色の葉も、冬の庭に彩りを与えてくれます。

クリスマスローズの種類

クリスマスローズは本来、キンポウゲ科ヘレボルス属の『ヘレボルス・ニゲル』という品種を指す名称です。しかし日本では『ヘレボルス・オリエンタリス』『ヘレボルス・フェチダス』などのヘレボルス属の植物を全て、クリスマスローズと呼んでいます。

また、クリスマスローズは種から育てた場合、元の花と同じ色や形になりません。このため交配による品種改良が盛んで、新しい色柄の花が次々に登場しています。どのような花が咲くのか、育ててみなければ分からない点もクリスマスローズの魅力といえるでしょう。

また、クリスマスローズは生え方によって大きく『有茎種』と『無茎種』の2種類に分けられます。有茎種は立ち上がった茎に葉が出て、その一番上に花が咲きますが、無茎種は『葉がら』と『花がら』が別々に根茎から直接出てくるのが特徴です。

由来もチェック!花言葉

クリスマスローズの花言葉は『追憶』『私を忘れないで』『私の不安を和らげて』『慰め』『中傷』などが有名です。

原種のクリスマスローズは香りが強く、古代ギリシャでは精神安定剤として使われていたことから『私の不安を和らげて』や『慰め』といった花言葉が生まれたとされています。

『追憶』や『私を忘れないで』は、戦場に向かう騎士が恋人にクリスマスローズを贈ったという、中世ヨーロッパの逸話が元になっています。また『中傷』の花言葉は、クリスマスローズの毒性に由来しているそうです。

クリスマスローズの育て方【準備編】

クリスマスローズの育て方【準備編】

クリスマスローズを育てるなら、生育に適した用土や鉢、置き場所を確保する必要があります。事前準備のやり方を見ていきましょう。

用土について

クリスマスローズは多湿を嫌うため、水はけのよい土を用意します。

自分でブレンドするなら『赤玉土5:腐葉土3:バーミキュライト2』または『赤玉土4:腐葉土3:鹿沼土(軽石)3』の割合で混ぜ合わせた土に、緩効性の化成肥料を少し混ぜ1~2週間寝かせます。

よく分からない場合はホームセンターやネット通販サイトで、クリスマスローズ専用の土を買うとよいでしょう。鉢植えで育てる人は根腐れを防止するために土にゼオライトを混ぜ、鉢の底にネットと軽石を敷きます。

クリスマスローズの置き場所

クリスマスローズは基本的に屋外で育てます。秋から春にかけては成長が活発になるので、日当たりのよい場所に置いてあげましょう。寒さに強く積雪にも耐えられますが、葉や花が傷むことがあるため、雪や霜が直接当たらないように注意します。

また、クリスマスローズは乾燥した地域の原産なので、日本の夏のような蒸し暑い気候は苦手です。強い日差しも葉焼けの原因になるため、夏は直射日光が当たらない、風通しのよい場所に移しましょう。

苗から育てる際の選び方

クリスマスローズの苗は、主に以下の3種類に分けられます。

  • 開花株:既に開花しているもの
  • 開花見込み株:今シーズン咲く予定のもの
  • ポット苗:来シーズン以降に咲くもの

早く花を見たいなら開花株や開花見込み株を、育てる過程を楽しむならポット苗を選ぶとよいでしょう。

また、苗には種から育てた『実生苗』と株から育てた『メリクロン苗』があります。クリスマスローズは種によって花の咲き方が変わるため、実生苗は開花するまでどのような花を咲かせるのかが分かりません。

一方のメリクロン苗は、必ず元の株と同じ花が咲きます。花の色柄を指定して開花見込み株やポット苗を選びたい人には、メリクロン苗がおすすめです。

苗を選ぶときは、葉の色ツヤや芽の太さ、根の張り具合をチェックしましょう。花芽や葉がたくさんついているものよりも、根茎がしっかりとしていて芽が太いものの方が、花を咲かせやすいとされています。

クリスマスローズの育て方【実践編】

クリスマスローズの育て方【実践編】

クリスマスローズは、種まきと苗のどちらでも栽培可能です。クリスマスローズの植え方や育て方を、具体的に見ていきましょう。

乾燥に注意したい「種まき」

種から育てる場合は、花をつけるまで2~3年待たなければなりません。しかし自分で種から育てたクリスマスローズには愛着がわき、開花したときの喜びもひとしおでしょう。

種まきに適した時期は9~10月です。種は花が咲き終わった5月頃に採取できますが、すぐにまいても発芽はしません。9月までは、乾燥に注意して日陰で保管しておきましょう。

種をまくときは、必ず新しい土を用意します。市販の培養土や『赤玉土8:バーミキュライト2』などの割合でブレンドした土を使いましょう。

種同士が重ならないように均等にまいたら、やさしく土をかぶせてたっぷりと水やりをすれば完了です。

苗から育てるなら「植え付け」

クリスマスローズの苗は、成長が始まる10~12月または花が終わる3月頃に購入し、鉢や庭に植え付けます。

植え付けの手順は以下の通りです。

  • 根を軽くほぐし、水に浸けて古い土を全て落とす
  • 傷んで黒く変色した根を取り除く
  • 芽が隠れないよう、浅めに植え付ける

鉢植えにする場合は苗のポットよりもふた回り大きなサイズの鉢を用意します。根が伸びやすいように、深さのあるものを選びましょう。

水やりと肥料の頻度

水や肥料を与える頻度は、季節によって変わります。10~5月までは成長が盛んな時期なので、水切れや肥料不足に注意が必要です。

水は基本的に、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。鉢植えの場合は鉢底から流れてくるまで与え、受け皿の水は捨てておきましょう。冬は根が凍るのを避けるため、晴れて暖かい日の午前中に水やりを済ませます。

肥料を与える時期は、10月と4月の2回です。緩効性の化成肥料を植替え用の土に混ぜておくか、株の周りに適量まきます。

鉢植えは水やりのときに肥料分が流れてしまうため、肥料不足になりがちです。このため、成長期(10~5月)に肥料が不足しているようなら、週に一度を目安に液体肥料で補うとよいでしょう。

6~9月はクリスマスローズの休眠期です。肥料は与えず、水やり回数も少なめにします。

育てていく際のコツや注意点

育てていく際のコツや注意点

クリスマスローズは上手に育てれば、毎年かわいい花を咲かせてくれます。シーズン毎のお手入れのコツや注意点を見ていきましょう。

花数を増やす「花切り」

クリスマスローズにはシーズン終盤の『花切り』作業が欠かせません。花を早めに切り取ることで新しい葉の成長が促され、翌年も花をたくさんつけるようになります。

色褪せたり、オシベが落ちたりしてきたらそろそろ終わりですので、残らず切り落としましょう。有茎種は地面から4~5cmの部分で茎ごと切り取ります。

また、種を作るとクリスマスローズに負担がかかります。種を採取したい場合は別として、できるだけ種を作る前に切るようにしましょう。花切りの後は、株元に殺虫剤を散布しておくと害虫を防げます。

秋ごろのお手入れ「葉切り」

クリスマスローズは冬が来る少し前に花芽がふくらんで、葉が倒れてきます。無茎種の場合、倒れた古い葉は生育の邪魔になるのでこの時期に切り取ってしまいましょう。

有茎種は茶色くなった枯れ葉だけを取り除き、花が咲き終わった後に古い茎を切り取ります。古い葉を切るのは、株の日当たりや風通しをよくして病気から守り、丈夫に育てるために欠かせない作業です。

切り口を早く乾かすために晴れた日を選び、病原菌が侵入しないように、株ごとにハサミを消毒しながら行いましょう。

毒性がある植物だと知っておく

クリスマスローズには毒があり、葉や茎を切ったときに汁に触れると肌がかぶれることがあります。植え替えや花切り・葉切りのときは、素手で触らずに必ず手袋を着用しましょう。もしひどくただれたり、激しい痒みが出たりしたら、すぐに皮膚科を受診します。

また、クリスマスローズの根にはヘレブリンという心臓の収縮を促進する成分が含まれているので、ペットなどが誤って口に入れないように注意しましょう。

気を付けるべき病気・害虫について

気を付けるべき病気・害虫について

クリスマスローズは丈夫で育てやすい植物ですが、病害虫には注意が必要です。特に気を付けたい病気と害虫について、具体例と予防策を見ていきましょう。

定期的な予防策を、かかりやすい病気

クリスマスローズがかかりやすい病気の代表例は、下記の通りです。

  • ブラックデス
  • 灰色カビ病
  • 苗立枯病(なえたちがれびょう)
  • 軟腐病(なんぷびょう)
  • ベト病

ブラックデスはウィルス性で感染力が強い、非常に厄介な病気です。アブラムシなどの汁を吸う害虫がウィルスを媒介したり、ハサミにウィルスが付いていたりすることで感染します。

芽や葉、花に黒いシミができて、最後は焦げたようになって枯れてしまいます。予防のために、ハサミは使用の度に消毒し、2カ月に1度はオルトラン粒剤などの殺菌剤を散布しましょう。万が一感染した場合は、他の植物にうつさないように、株だけでなく土や鉢も全て処分します。

灰色カビ病・苗立枯病・ベト病はカビが原因です。高温多湿を避け、風通しのよい場所で育てることを心がけましょう。

軟腐病は土の中にいる細菌が、傷口から侵入することで発生します。台風などの豪雨の後は、土中の細菌が水に溶けて流れ出し、広範囲に広がるため特に注意が必要です。鉢植えで育てている人は、地面から離れた台の上などに移動させましょう。

温かい時期に注意!主な害虫

クリスマスローズには『ヨトウムシ』『エカキムシ』『ハマキムシ』『スリップス』の他、ダニやナメクジが付きます。見つけ次第ピンセットで取り除くか、殺虫剤をまいて駆除しましょう。

また、水やりのときに、葉の裏側まで丁寧に水をかけておくと小さな虫や卵を洗い流せます。

害虫やダニは4~11月に、ナメクジは6月や9月の雨が多い時期に発生しやすくなります。高温多湿な環境は害虫はもちろん、クリスマスローズの成長にもよくないため、温かい時期はできるだけ風通しがよく涼しい環境を作ってあげるとよいでしょう。

クリスマスローズに夏は辛い!乗り切る方法

クリスマスローズに夏は辛い!乗り切る方法

クリスマスローズは寒さに強い反面、暑い夏は苦手です。夏は休眠期に入ることもあり、夏の過ごし方次第で秋以降の成長が決まるともいえます。辛い夏を乗り切る方法を見ていきましょう。

キツイ直射日光を当てない

クリスマスローズは日当たりのよい場所を好みますが、夏の直射日光のような厳しい日差しにさらすと葉焼けしてしまいます。夏は日除けネットを立てたり鉢を移動させたりして、直射日光や西日が当たらないように工夫しましょう。

ただしあまりにも日を遮ると株がしっかりと育たず、花も咲きにくくなります。また日除けネットが近過ぎると風通しが悪くなり、株が蒸れてしまいます。その日の天候や気温を考慮して、適宜日の当たり具合を調整しましょう。

株元、地面の注意点

夏は気温だけでなく、地面の温度も上昇します。庭に植えている場合は地面が露出しないように、株の周りにカバープランツを植えたり、バークチップを敷いたりすると効果的です。

鉢植えはコンクリート床などに直置きすると、輻射熱(ふくしゃねつ)で鉢の中が高温になるので要注意です。スノコ台など、鉢の下にも風が通る場所にのせて置きましょう。

また株の周りに雑草や苔、切り取った葉などが散らかったままになっていると、蒸れてカビによる病気の元になります。全て取り除いて、風が通るようにしましょう。

水の管理も慎重に

クリスマスローズが夏を無事に越せるかどうかは、水の管理にかかっているともいえます。夏に水をやり過ぎると土の中が蒸れた状態になり、高温多湿が苦手なクリスマスローズは根腐れを起こしやすいのです。

一方で、夏は葉や土から水分がたくさん蒸発します。乾燥気味に管理しようとしてあまり水を与えないでいると、すぐに水不足になってしまうでしょう。

夏は表面の土が乾いてからたっぷりと水を与え、すぐに排水できるようにするのがポイントです。庭植えなら、株の周りに溝を掘って水はけをよくしておきます。鉢植えの場合は、受皿に流れ出た水はすぐに捨てましょう。

また暑い季節は日が高くなってから水やりをすると、鉢の中で水があたたまり、根にダメージを与えます。必ず気温が低い早朝や夕方に水やりをしましょう。

クリスマスローズを増やす方法もチェック

クリスマスローズを増やす方法もチェック

クリスマスローズが大きくなったら、次は増やす楽しみがでてきます。一般的な増やし方について見ていきましょう。

挿し木、挿し芽は難しい

植物を増やす方法の一つに『挿し木』『挿し芽』がありますが、クリスマスローズには向いていないようです。失敗する可能性が高く、成功しても花を咲かせるまで非常に時間がかかるので、基本的には種や株分けで増やすことをおすすめします。

もし折れた茎などがあって、手間や時間をかけられる状況なら、試してみてもよいかもしれません。

種から増やす方法

クリスマスローズの花から種を採取すれば、一度にたくさんの苗を作れます。花が枯れた後に、通気性のよい素材でできた袋をかぶせておくと、こぼれた種を効率的に回収できます。

種は日陰で保管し、9月下旬から10月に種まきをしましょう。種をまいたポットは通気性がよく、雨の当たらない日陰に置き土が乾燥しないように霧吹きなどで水やりをします。

発芽したら週に1度薄めた液肥を与え、本葉が伸びてきたら3号鉢に植え替えます。

株分けで増やす方法

株分けは大きくなった根を分割して、それぞれ別の場所に植え直す方法です。初めての開花から数年ほど経過し、クリスマスローズが大きく成長したら、株分けができるようになります。

株分けで増やすと元の株と同じ花が咲くので、お気に入りの花色や花の柄を、より長く楽しめるでしょう。

株分けの方法は、苗の植え付け方法とほぼ同じです。分ける数だけ、鉢と用土を準備しておきましょう。

  • 株を土から取り出し、根に付いた土を落とす
  • 一つの株に2~3個芽が付くように、ハサミで切り分ける
  • それぞれ違う鉢に植え付ける

まとめ

丈夫で寒さに強いクリスマスローズは、ガーデニング初心者でも比較的簡単に育てられます。大きく育てておけば、種まきや株分けで増やして、長く楽しめるのも魅力です。

水やりや肥料、病害虫などのポイントを押さえて、冬枯れの庭やベランダに可憐な花を咲かせましょう。

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