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カブの育て方・栽培方法|種まきに適した時期や収穫も紹介

カブは大根に似ている野菜で、丸い形が特徴です。小カブから大カブまで種類が豊富にあり、小カブならプランターでも栽培できます。種まきから収穫まで、栽培期間が短いのも魅力。コツを押さえればかんたんに育てられるので、カブの栽培に挑戦してみませんか。

カブってどんな野菜?

カブってどんな野菜?

カブは春の七草の1つ「すずな」としても知られており、日本書紀にも記述されている歴史の古い野菜です。大根と同じアブラナ科で、見た目も大根が丸くなったような形です。大根は長い形のものがほとんどですが、カブに似た形もあります。カブと大根を見分けるには、ひげ根を見てみましょう。大根は先にある細長いひげ根だけでなく、側面の下の方にもひげ根が付いています。カブは、先の方にだけ細長いひげ根が付いているのが特徴です。

カブにはビタミン類や、でんぷん分解酵素のジアスターゼが含まれていますが、葉の部分のほうが多くの栄養を含んでいます。葉にはβカロテン、ビタミンC、E、カルシウム、鉄、カリウム、食物繊維が多く含まれているのが特徴です。

カブは葉付きで売られているのが多いので、葉も捨てずに食べるのがおすすめ。葉が付いたままだと根の水分が葉に奪われてしまうため、買ってきたらすぐに葉と根を切り離し、それぞれポリ袋などに入れて冷蔵庫の野菜室へ入れましょう。

カブの基本情報

カブはアブラナ科・アブラナ属に分類されている1年草です。原産地は中央アジアおよびヨーロッパ西南部で、英名は「Turnip」、学名が「Brassica campestris」といいます。和名では「蕪」と書き、「かぶら」や「かぶな」「すずな」「かぶらな」とも呼ばれています。

カブの品種・種類

カブの品種・種類

カブは大きさや形、色が豊富で、80種以上の品種があります。直径5~8cm程度のものを「小カブ」、直径13cm程度のものを「中カブ」、直径15cm以上のものを「大カブ」として分けられます。

色によっても白カブや赤カブなどに分けられ、また形も球形や長形など、種類が多いのが特徴です。初心者でも育てやすい品種は、小カブでは「金町小カブ」や「みやま小カブ」、小カブから中大カブまで成長するものでは「耐病ひかり」や「スワン」、大カブでは「京千舞」などが挙げられます。

カブは、全国各地にその土地に根付いた品種がたくさんあります。京都府の「聖護院大丸かぶ」、長野県の「木曽紫かぶ」、山形県の「温海かぶ」、滋賀県の「日野菜」、島根県の「津田かぶ」などが有名です。

カブの種まきをする前に必要な準備

カブの種まきをする前に必要な準備

カブの栽培に適した土壌酸度はPH5.5~6.5なので、事前に土作りをしておくのがポイントです。次は、地植えやプランターで栽培する前の土作りについて、詳しく紹介します。また、種は園芸店やインターネットでも購入できるので、好みの品種を用意しておきましょう。

地植えで栽培する場合

地植えで栽培する場合、種まきの2週間前までに1平方メートルあたり100gの苦土石灰と、2kgの堆肥を混ぜ込んでおきます。種まきの1週間前になったら化成肥料を2kg入れ、深く丁寧に耕してください。根割れの原因になるので、土の中にある小石や木の根などは取り除いておきましょう。

よく土を耕したら、高さ10~15cm、幅75cmほどの畝を作ります。水はけの悪い土壌の場合は、畝を高く作るとよいでしょう。

プランターで栽培する場合

小カブならプランターでも栽培が可能です。プランターはサイズが60cm以上、深さが15cm以上のものを用意してください。

プランターに鉢底石を敷き、用土を8割程度入れます。用土は市販の野菜用培養土がおすすめです。自分で土を配合する場合は赤玉土の小粒6、バーミキュライト3、川砂2の割合で混ぜておきます。そこに苦土石灰を用土10Lあたり10g、化成肥料を20g加えよく混ぜます。種まきの2週間前までに土を作っておきましょう。

カブの育て方・栽培方法

カブの育て方・栽培方法

カブは直根性なので移植してしまうと根割れなどの原因になります。カブの栽培はポット植えではなく、畑やプランターなどに直に種まきするのがポイントです。日当たりと風通しのよい場所で育てましょう。

カブの種まき時期や、育て方、収穫までを紹介します。

カブの種まきの時期と方法

カブの生育に適した気温は20~25℃前後で、3~4月頃の春まきと、9~10月頃の秋まきが可能です。涼しい気候を好む性質があるため、初心者は秋まきのほうが育てやすいでしょう。

種をまく前に、土に棒などで1cmほどの溝を作ります。プランターで2条の溝を作る場合は、10~15cmの間隔を空けるのがよいでしょう。地植えの場合、1つの畝に小カブは15cm、中カブは20~25cm、大カブは40~50cmの間隔で溝を作るといいです。

作った溝に1cm間隔で種をまきます。カブが発芽するには光が必要なので、土は5mmほどかぶせて、軽く押さえましょう。その後、種が流れ出ないように気をつけながら、ジョウロでたっぷりと水やりしてください。

種まき後、3~4日で発芽します。極度に乾燥すると発芽しない場合があるので、土が乾燥しないように注意しましょう。

カブの間引き

カブは収穫までに3回間引きをします

1回目は本葉が1~2枚出た頃、株間を子カブは2~3cm、中カブは3~5cm、大カブは5~10cm間隔にします。2回目は本葉が2~3枚出た頃で、株間を小カブは4~6cm、中カブは6~10cm、大カブは15~20cm間隔に。3回目は本葉が5~6枚出た頃で、小カブは10cm、中カブは15~20cm、大カブは30~40cm間隔にします。

間引きをする場合は、残したい株の根を傷めないように丁寧に引き抜きましょう。間引きをしたら、株が倒れないように土寄せします。株が密集している時は無理に抜かず、はさみで根本を切ります。最後の間引きの場合も株がしっかりと根付いているので、はさみで根本を切って間引きしてください。

間引きした葉は食べられますので、おひたし、漬物、炒めもの、味噌汁などで食べてみましょう。葉が柔らかいので、サラダにするのもおすすめです。

カブの土作り・水やり・肥料の与え方

種まきの事前準備でも紹介したように、2~3週間前には苦土石灰や堆肥などを混ぜ込み、土作りを行います。

水やりは、発芽するまで土を乾燥させないように注意し、発芽した後は、土の表面が乾燥した時に行いましょう。多湿を嫌うので夕方以降は水やりを控えてください。

根が肥大する頃に、水が足りないと裂根の原因になるため、肥大しているのを確認したら十分に水を与えるようにします。

2回目と3回目の間引きの後には追肥を行うとよいでしょう。地植えの場合は、1平方メートル当たり20gの化成肥料を株元にまき、土寄せします。プランターの場合は、1株当たり3~5g程の化成肥料を株の周りにまきましょう。

カブの収穫方法

カブの種まきから収穫までの日数は、小カブは40~50日、中カブは50~60日、大カブは60~90日が目安です。大きさでは、小カブは4~5cm、中カブは8~10cm、大カブは20~30cmほどになったら収穫しましょう。葉の根元を持ってゆっくりと上に引き上げると、かんたんに収穫できます。

収穫は早めに行うのがポイントです。収穫が遅れると「す」が入ったり、割れたりするので早めに収穫しましょう。早採りでも美味しいカブが味わえます。

カブを育てるときに気をつける病気や害虫

カブを育てるときに気をつける病気や害虫

カブを上手に育てるには、病気や害虫にも気をつけるのが大切です。どんな病気や害虫が発生しやすいのか、予防法などもあわせて紹介します。

カブに発生しやすい病気

カブに発生しやすい病気は、根こぶ病、白さび病、べと病などがあります。多湿が原因で病気になる場合が多いので、地植えなら畝を高くする、プランターなら鉢底石を入れて水はけをよくするなどの対策をしましょう。

根こぶ病はアブラナ科の野菜を連作すると発生しやすいので、1~2年の間隔を空けて栽培し、連作を避けるようにしてください。また、根こぶ病に強い品種や、病害に強い品種もあります。種を選ぶ時は抵抗性の付いた「CR」の表記がある品種にするとよいでしょう。

カブに発生しやすい害虫

カブに発生しやすい害虫は、アオムシ、アブラムシ、カブラハバチ、キスジノミハムシ、コナガ、ヨトウムシなどです。見つけたら捕殺し、殺虫剤を散布しましょう。種まき後に寒冷紗や防虫ネットなどをかぶせておくと、害虫が飛来するのを防げます。

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