クリスマスローズの花言葉と育て方|種まき・増やし方・注意点も
6~9月はクリスマスローズの休眠期です。肥料は与えず、水やり回数も少なめにします。
育てていく際のコツや注意点
クリスマスローズは上手に育てれば、毎年かわいい花を咲かせてくれます。シーズン毎のお手入れのコツや注意点を見ていきましょう。
花数を増やす「花切り」
クリスマスローズにはシーズン終盤の『花切り』作業が欠かせません。花を早めに切り取ることで新しい葉の成長が促され、翌年も花をたくさんつけるようになります。
色褪せたり、オシベが落ちたりしてきたらそろそろ終わりですので、残らず切り落としましょう。有茎種は地面から4~5cmの部分で茎ごと切り取ります。
また、種を作るとクリスマスローズに負担がかかります。種を採取したい場合は別として、できるだけ種を作る前に切るようにしましょう。花切りの後は、株元に殺虫剤を散布しておくと害虫を防げます。
秋ごろのお手入れ「葉切り」
クリスマスローズは冬が来る少し前に花芽がふくらんで、葉が倒れてきます。無茎種の場合、倒れた古い葉は生育の邪魔になるのでこの時期に切り取ってしまいましょう。
有茎種は茶色くなった枯れ葉だけを取り除き、花が咲き終わった後に古い茎を切り取ります。古い葉を切るのは、株の日当たりや風通しをよくして病気から守り、丈夫に育てるために欠かせない作業です。
切り口を早く乾かすために晴れた日を選び、病原菌が侵入しないように、株ごとにハサミを消毒しながら行いましょう。
毒性がある植物だと知っておく
クリスマスローズには毒があり、葉や茎を切ったときに汁に触れると肌がかぶれることがあります。植え替えや花切り・葉切りのときは、素手で触らずに必ず手袋を着用しましょう。もしひどくただれたり、激しい痒みが出たりしたら、すぐに皮膚科を受診します。
また、クリスマスローズの根にはヘレブリンという心臓の収縮を促進する成分が含まれているので、ペットなどが誤って口に入れないように注意しましょう。
気を付けるべき病気・害虫について
クリスマスローズは丈夫で育てやすい植物ですが、病害虫には注意が必要です。特に気を付けたい病気と害虫について、具体例と予防策を見ていきましょう。
定期的な予防策を、かかりやすい病気
クリスマスローズがかかりやすい病気の代表例は、下記の通りです。
- ブラックデス
- 灰色カビ病
- 苗立枯病(なえたちがれびょう)
- 軟腐病(なんぷびょう)
- ベト病
ブラックデスはウィルス性で感染力が強い、非常に厄介な病気です。アブラムシなどの汁を吸う害虫がウィルスを媒介したり、ハサミにウィルスが付いていたりすることで感染します。
芽や葉、花に黒いシミができて、最後は焦げたようになって枯れてしまいます。予防のために、ハサミは使用の度に消毒し、2カ月に1度はオルトラン粒剤などの殺菌剤を散布しましょう。万が一感染した場合は、他の植物にうつさないように、株だけでなく土や鉢も全て処分します。
灰色カビ病・苗立枯病・ベト病はカビが原因です。高温多湿を避け、風通しのよい場所で育てることを心がけましょう。
軟腐病は土の中にいる細菌が、傷口から侵入することで発生します。台風などの豪雨の後は、土中の細菌が水に溶けて流れ出し、広範囲に広がるため特に注意が必要です。鉢植えで育てている人は、地面から離れた台の上などに移動させましょう。
温かい時期に注意!主な害虫
クリスマスローズには『ヨトウムシ』『エカキムシ』『ハマキムシ』『スリップス』の他、ダニやナメクジが付きます。見つけ次第ピンセットで取り除くか、殺虫剤をまいて駆除しましょう。
また、水やりのときに、葉の裏側まで丁寧に水をかけておくと小さな虫や卵を洗い流せます。
害虫やダニは4~11月に、ナメクジは6月や9月の雨が多い時期に発生しやすくなります。高温多湿な環境は害虫はもちろん、クリスマスローズの成長にもよくないため、温かい時期はできるだけ風通しがよく涼しい環境を作ってあげるとよいでしょう。
クリスマスローズに夏は辛い!乗り切る方法
クリスマスローズは寒さに強い反面、暑い夏は苦手です。夏は休眠期に入ることもあり、夏の過ごし方次第で秋以降の成長が決まるともいえます。辛い夏を乗り切る方法を見ていきましょう。
キツイ直射日光を当てない
クリスマスローズは日当たりのよい場所を好みますが、夏の直射日光のような厳しい日差しにさらすと葉焼けしてしまいます。夏は日除けネットを立てたり鉢を移動させたりして、直射日光や西日が当たらないように工夫しましょう。
ただしあまりにも日を遮ると株がしっかりと育たず、花も咲きにくくなります。また日除けネットが近過ぎると風通しが悪くなり、株が蒸れてしまいます。その日の天候や気温を考慮して、適宜日の当たり具合を調整しましょう。
株元、地面の注意点
夏は気温だけでなく、地面の温度も上昇します。庭に植えている場合は地面が露出しないように、株の周りにカバープランツを植えたり、バークチップを敷いたりすると効果的です。
鉢植えはコンクリート床などに直置きすると、輻射熱(ふくしゃねつ)で鉢の中が高温になるので要注意です。スノコ台など、鉢の下にも風が通る場所にのせて置きましょう。
また株の周りに雑草や苔、切り取った葉などが散らかったままになっていると、蒸れてカビによる病気の元になります。全て取り除いて、風が通るようにしましょう。
水の管理も慎重に
クリスマスローズが夏を無事に越せるかどうかは、水の管理にかかっているともいえます。夏に水をやり過ぎると土の中が蒸れた状態になり、高温多湿が苦手なクリスマスローズは根腐れを起こしやすいのです。
一方で、夏は葉や土から水分がたくさん蒸発します。乾燥気味に管理しようとしてあまり水を与えないでいると、すぐに水不足になってしまうでしょう。
夏は表面の土が乾いてからたっぷりと水を与え、すぐに排水できるようにするのがポイントです。庭植えなら、株の周りに溝を掘って水はけをよくしておきます。鉢植えの場合は、受皿に流れ出た水はすぐに捨てましょう。
また暑い季節は日が高くなってから水やりをすると、鉢の中で水があたたまり、根にダメージを与えます。必ず気温が低い早朝や夕方に水やりをしましょう。
クリスマスローズを増やす方法もチェック
クリスマスローズが大きくなったら、次は増やす楽しみがでてきます。一般的な増やし方について見ていきましょう。
挿し木、挿し芽は難しい
植物を増やす方法の一つに『挿し木』『挿し芽』がありますが、クリスマスローズには向いていないようです。失敗する可能性が高く、成功しても花を咲かせるまで非常に時間がかかるので、基本的には種や株分けで増やすことをおすすめします。
もし折れた茎などがあって、手間や時間をかけられる状況なら、試してみてもよいかもしれません。
種から増やす方法
クリスマスローズの花から種を採取すれば、一度にたくさんの苗を作れます。花が枯れた後に、通気性のよい素材でできた袋をかぶせておくと、こぼれた種を効率的に回収できます。