バジルを挿し木で増やそう。土挿しや水挿しの方法、成功させるコツも
バジルは挿し木をすると意外と簡単に株を増やせます。株が増えれば収穫量も増えるため、栽培したバジルをたっぷり使いたい人にぴったりです。土挿しと水挿しという2種類を紹介するため、好みの方法でチャレンジしてみませんか?
バジルは挿し木で増やせる
生育旺盛なバジルは種まき以外に挿し木でも増やせます。挿し木とはどのような方法なのでしょうか?挿し木の基礎知識やコツを見ていきましょう。
挿し木とは?
元からある株から切り取った茎を『挿し穂』として使い、根を生やして株を増やしていく方法が『挿し木』です。
今あるバジルの一部を切り取り増やす方法のため、新しく増える苗は元の苗と全く同じ性質をしているのが特徴です。丈夫で育てやすい株をきちんと選んで挿し木をすると、元気に成長しやすい苗ができます。
増やし方のコツ
挿し木でバジルを増やすときは、成長のための十分な温度を保ちやすい『4~7月』が適しています。
比較的暑さに強いバジルですが、挿し木で増やすときには暑過ぎる真夏を避けましょう。暑さで葉が傷むことや水が腐ることがあるため、挿し木をしても失敗してしまう可能性があります。
上手な土挿しの方法
上手に挿し木をしてバジルを増やすには、必要な道具をそろえポイントを押さえつつ、正しい手順に沿った作業をすることが大切です。まずは土に茎を指して増やす土挿しの方法を見ていきましょう。
必要なもの
作業を始める前に、必要なものを一通り用意してから始めます。『鉢』は浅めのものが、『はさみ』は切れ味のよいものがぴったりです。挿し穂を土に挿すときの穴をあけるために、割り箸といった『細い棒』も用意します。
挿し穂を挿すための『土』も欠かせません。肥料分により挿し穂が腐ることを避けるため、肥料分を含まず水はけがよい土を選びます。赤玉土・鹿沼土・バーミキュライトなどがぴったりです。
また、『発根促進剤』があると挿し木を成功させやすくなります。なくてもできますが、使用すると根が出やすくなるのです。
挿し穂を準備しよう
丈夫で育てやすい株を選び、バジルの挿し穂を準備しましょう。切り戻した茎の中から、かたくしっかりした部分を選び、挿し穂にします。
まずは、茎を葉が出ている箇所の上でカットしましょう。細い先端は挿し穂に向いていないため、下の太い茎の部分を利用します。次に、大きい葉を半分にカットし、水分の蒸発を防ぎます。
準備ができたら、水を入れた容器に1時間ほど入れ、水あげすれば準備完了です。
挿し木の手順
道具や挿し穂の準備ができたら挿し木をします。まずは、鉢に用意した土を入れ、水をかけて十分に湿らせましょう。
細い棒で土に穴をあけ、水あげしていた挿し穂を入れます。バジルの茎は柔らかいため、穴をあけずに挿すと折れることや切り口にダメージを与えることがあるからです。
発根促進剤を用意している場合には、土に挿す前に付けます。
挿し穂の葉が触れ合わないように配置したら、ぐらつかないよう周りの土を押さえましょう。最後に、たっぷり水やりをして完了です。
成功させるポイント
土挿しを成功させるためには、日当たりと水やりがポイントです。
通常は日当たりのよい場所を好むバジルですが、挿し木した直後は日差しで傷むことがあります。そのため、直射日光の当たらない『明るい半日陰』での管理が適切です。
挿し木直後の『3日間は水やりを毎日』行うこともポイントといえます。ただし、常に水がたっぷりある状態では、挿し穂が腐ることがあるため、土が乾いたら水やりをしましょう。
約2週間後に根が出てくるまではこの管理を続けます。根が出て新芽が出たのを確認したら、肥料入りの培養土へ植え替え、日当たりのよい場所へ移動して管理するのです。
水挿し、水耕栽培の方法
より手軽にバジルを増やしたいなら水挿しが向いています。用意する道具が少なく、手軽で安価に始められる方法です。水挿しでバジルを増やす手順やメリットを紹介します。
水挿しの手順
水挿しは挿し穂を水に入れておくだけでできる手軽な方法です。バジルは生育旺盛な植物のため、3日間ほどつけておくと、それだけで根が出てきます。
まずは土挿しと同じように挿し穂を準備して、切り口を斜めに切っておきます。その後、透明な容器などに水を入れ、そこへ挿し穂を挿すだけです。
管理は直射日光が当たらない明るい日陰が向いています。室内なら、レースカーテン越しに日が当たる窓辺がぴったりです。
その後は、水を小まめに入れ替え、清潔をキープしながら育てます。根が出てきたら、鉢に植え付けてもよいですし、そのまま水耕栽培を続けることも可能です。
成功させるポイント
水挿しを成功させるためには、季節や日当たりなどの環境を意識することが大切です。
室内であればほぼ1年中挿し木できる方法ですが、水温が高くなりやすい夏場は藻が発生しやすくなったり、温まった水で挿し穂が腐ったりするため、ほかの季節に比べ注意が必要です。
日当たりについては、水挿しも土挿し同様、直射日光を避けて管理するのがよいでしょう。
また、収穫量を増やすための挿し木であれば、根が出てきた後は鉢への植え替えがおすすめです。水耕栽培を続けるより土へ植え付けた方が、たくさん葉が出てきやすくなります。
水耕栽培のメリット
収穫量を重視するなら、水挿しで根が生えたバジルは鉢への植え付けがおすすめです。しかし、水耕栽培として継続する方法にも『手軽さ』というメリットがあります。
水耕栽培ではバジルを水に入れて栽培するため、日常的な管理としては、水の交換と液体肥料を与えることがメインになります。水やりのために土の状態を確認する手間がありません。
また、空き瓶やペットボトルでも栽培できるため、園芸用品がなくても始められます。土も不要のため、その分費用を安く抑えられるのです。
水と液体肥料だけで栽培することによるメリットは他にもあります。室内で栽培しても土がこぼれませんし、土が媒介する病害虫のリスクを低く抑えやすいのです。