バジルの種類・品種おすすめ3選|特徴の違いや育て方のポイントも解説
バジルは種類が豊富なハーブです。葉の形や色・香りなどに違いがあるため、利用したいシーンに合わせてぴったりの種類を選びましょう。ハーブ栽培初心者でも挑戦しやすいのも特徴といえます。代表的な品種と育て方のポイントを見ていきましょう。
バジルとは?バジルの基礎知識
シソ科の仲間であるバジルは、熱帯アジアやアフリカなど広い地域に分布しています。日本でも栽培可能で、和名では『めぼうき』と呼ばれる植物です。
イタリアやフランスでは料理に欠かせないハーブとされていますし、タイ料理に使われる品種もあります。世界中で利用されているバジルには、どのような特徴があるのでしょうか?
バジルの特徴は「香り」
バジルの特徴としてまず挙げられるのは香りです。ジェノベーゼソースにたっぷり使われているため、イタリア料理の香りをイメージする人も多いのではないでしょうか。
同じシソ科でも大葉とは異なり、爽やかさの中に甘みも感じられる香りで、ほのかな苦味があるのも特徴です。
この特徴的な香りには『リナロール』という成分が含まれていることが判明しています。心を落ち着け、リラックスしたいときにぴったりの香りです。
また、種類によっては、柑橘類やスパイスのような香りがするバジルもあります。
バジルの原産地はインド
イタリア料理に使われることが多いハーブのため、イタリア原産というイメージがあるかもしれません。しかし、実際のバジルの原産地は『インド』です。
ヨーロッパに伝えられたのは、アレキサンダー大王が持ち帰ったから、という説があります。その後、16世紀ごろにはイギリスに、17世紀ごろにはアメリカに伝わったそうです。
また、日本には江戸時代に漢方薬の一種としてやってきました。
使われていたのは、葉ではなく種です。種が水を吸水したときのゼリーが、目の中に入ったゴミを取る目薬として利用されていました。和名でめぼうきと呼ばれる理由です。
バジルの種類・品種は実はとても多い?
ピザやパスタに飾り付けられているバジルだけが、バジルの種類ではありません。シソ科の植物は他の品種と交雑しやすいという特徴を持っているため、バジルの種類は『150以上』もあるのです。
栽培がしやすいハーブのため、その分変種も登場しやすいといえます。葉が小さいタイプや紫色のタイプなど見た目が違うものや、香りの種類・強さが違うものなど、さまざまです。
代表的なバジルの種類・品種と特徴
さまざまな種類があるバジルですが、中でも代表的な品種を紹介します。それぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。
スイートバジル
最もよく知られていて、食用に用いられることも多いのが『スイートバジル』です。単にバジルというときには、ほとんどの場合、スイートバジルを意味しています。タイではホーラパーと呼ばれることもあります。
爽やかで甘みを感じさせる香りが、イタリアンといったヨーロッパの料理に合います。寒さに弱いため冬には枯れてしまいますが、丈夫で栽培しやすいため、初めて育てるハーブにもぴったりです。
ブッシュバジル
スイートバジルの変種で、全体的にコンパクトな作りをしているのが『ブッシュバジル』です。葉の大きさも草丈もこぢんまりしています。
枝分かれしやすく、こんもりと茂る見た目のかわいらしさから、ガーデニングのアクセントとしても人気です。省スペースで育てやすい点も魅力といえます。
小さな見た目ですが香りは強く、ハーブティーやスパイスとして利用されることが多い種類です。
紫バジル
紫バジルは、その名のとおり紫色の葉をしているバジルです。シソに青ジソと赤ジソがあるように、バジルにも緑だけでなく紫色をした種類があります。
アメリカで作られた『ダークオパールバジル』は、茎や葉が全体的に赤紫色をしているバジルです。花は淡いピンクで、香りはスイートバジルに似た優しい香りをしています。
『パープルラッフルバジル』は、紫バジルの中で最も濃い紫色の品種です。大きな葉は周囲が波打ち、花は穂のような形のピンクをしています。
インパクトのある鮮やかな色で、サラダのアクセントにもぴったりで、ベビーリーフとしても利用できます。
アジアでよく使われるバジルの種類・品種と特徴
イタリア料理のイメージが強いバジルですが、アジアでもよく使われるハーブです。スイートバジルの香りとは異なる、エスニックな雰囲気の香りが特徴的なバジルの種類を紹介します。
レモンバジル
シトラスバジルやメンラックと呼ばれることもある『レモンバジル』は、タイ料理によく使われる種類です。サラダやスープの薬味として、人気があります。
小さい葉は、スイートバジルのような味わいがした後、爽やかな柑橘系の香りが広がるのが特徴です。魚料理や鶏料理にプラスすることで、柑橘系の爽やかな風味がプラスされます。
ホーリーバジル
『ホーリーバジル』はタイではガパオと呼ばれます。人気のタイ料理ガパオライスは、ホーリーバジルを刻んで入れることから、ガパオライスという名前なのです。
縁がギザギザした葉は、果物とお香のような強い香りが特徴といえます。インドの伝統的な医学であるアーユルヴェーダでは、ホーリーバジルを不老不死の霊薬として使用してきたという一説もあります。
また、インドのヒンドゥー教では、寺院や家の周りに、神様へのささげものにするためのホーリーバジルが植えられていたそうです。そのため、神聖な植物とされています。
古くからアジアで親しまれてきたバジルの種類です。
タイバジル
タイではホーラパーという名前で親しまれている『タイバジル』は、グリーンカレーを始めとするタイカレーに欠かせないハーブです。クローブやアニスのような甘さとすっきり感のある香りがします。
ホーリーバジルとよく似た見た目の葉ですが、光沢があるのが特徴です。また、茎と花は紫色をしています。
育てるのにおすすめなバジルの種類・品種3選
紹介したバジルの種類の中から、自宅で栽培するのにぴったりの3種類を紹介します。使い勝手がよく、見た目もかわいらしいバジルを育て、日々の料理や寄せ植えのアクセントに役立てましょう。