アベリアとは?花の特徴・花言葉・育て方・手入れ方法を紹介!
アベリアは、大変丈夫で初心者にも育てやすい花木です。庭木に用いられるケースはあまり多くありませんが、公園や道路沿いの植え込み、生垣などでよく見かけます。この記事では、アベリアの育て方や増やし方について、花言葉などの情報と合わせて解説します。
アベリアの基本情報や特徴
アベリアがどのような花なのかを知るために、基本情報や特徴、花名の由来についてチェックしておきましょう。
基本情報
アベリアの基本情報は、以下のようになります。 科・属:スカズラ科・ツクバネウツギ属 和名:ハナツクバネウツギ(花衝羽空木) 英名:Abelia 学名:Abelia × grandiflora 花色:白、ピンク 原産地:園芸品種 開花時期:5月~11月頃
アベリアの特徴
アベリアは、19世紀後半にイタリアの育苗会社Rovelliで初めて育成された園芸品種です。タイワンツクバネウツギと、同属のユニフローラを交雑して作られました。樹高は1~2mほどの低木で、春~秋の長期に渡り小さい鐘形の花をたくさん咲かせます。花の香りは強く、花後にガクが残る状態でも観賞価値のある花木です。耐寒性や耐暑性に富み、強い剪定にも耐える丈夫さも兼ね備えています。開花期の長さや耐寒性などは、育成の元になった親の長所を受け継いだものです。庭木としての利用は多くはありませんが初心者にも育てやすく、好みの大きさに剪定できるので鉢植えでも栽培できます。
野生種のアベリアは常緑あるいは落葉の低木で15種類あり、そのうちの4種が日本に自生しています。
花名の由来
アベリアの花名は、ツクバネウツギ属のラテン名からきています。また、ハネツクバネウツギという和名は、アベリアの姿がウツギに似ていることと、花後に残るプロペラのようなガクが、羽根つきに用いる羽根のようであることが由来です。
アベリアの開花時期や見頃の季節
アベリアは開花期間が非常に長く、5~10月いっぱい頃まで花を咲かせます。品種により花筒の細いものやふっくらとしたもの、小ぶりな花などがあります。また、季節によって葉色が変化する品種もあり、近年では花を楽しむ以外にカラーリーフとしても人気です。
アベリアの花言葉と由来
低木として扱われるアベリアの花にも、花言葉があります。どのような言葉なのか、その由来も含めて紹介します。
花言葉
アベリアには、「強運」のほか、「気品」「謙虚」「謙譲」などの花言葉がついています。
花言葉の由来
「強運」の花言葉は、勢いよく伸びる枝の先に多くの花をつけ、花期が長いアベリアの姿や性質が由来です。また、白やピンクの小さな花がつつましく可憐に咲く姿から、「気品」「謙虚」「謙譲」の花言葉がついたとされています。
アベリアの種類・品種
アベリアには、花色を楽しむものや葉色に特徴があるものなど、いくつかの種類があります。異なる種類でも、基本的な育て方に違いはありません。 ここでは、比較的によく知られ人気の高いグランディフローラとエドワードゴーチャ、コンフェティの3種について、それぞれの特徴などを紹介します。
グランディフローラ
ラテン語で「豊かな花」を意味するグランディフローラは、キネンシス種とユニフローラ種をかけ合わせたアベリアの代表的な品種です。日本には大正時代に入ってきました。花色は白~淡いピンクで葉は緑色、花と赤いガクとのコントラストが特徴的です。丈夫で栽培土質を選ばず、花も長く楽しめます。大気汚染にも強いので、生垣にも人気があります。花びらの色と赤いガクとの対比が美しい品種です。
エドワードゴーチャ
エドワードゴーチャは葉の緑色が濃く、淡いピンク~赤色のややふっくらとした花をつけます。花後の秋~冬には花柄(花序を支える茎)がピンクに色づき、葉は褐色に染まります。また、寒冷地では落葉します。全体的にコンパクトに育ち、葉の大きさもグランディフローラと比べて小さ目なため、背が高い木の添え木にも適した品種です。
コンフェティ
コンフェティは矮性のアベリアで、樹高は1m前後です。狭い場所や鉢植えでも育てやすく、他の品種に比べて成長が遅い傾向にあります。花色は白、緑色の葉は縁にクリーム色の斑が入りまが、新葉の斑は濃桃色です。また、冬の低温にあたると斑の部分が紅葉し、やはり濃桃色に変化 します。葉色の変化が楽しめる反面、花は小さく葉にまぎれるように咲きます。シンボルツリーの足元など、グラウンドカバーにも利用できる品種です。
アベリアの栽培方法・手入れや増やし方
アベリアの栽培方法について、植え付け方や普段の手入れ、増やし方などについて詳しく解説していきます。初心者でも育てやすい花木ですが、水はけなどの土壌の状態や日照条件次第では、株を弱めたり花付きが悪くなる場合もあります。きちんと確認して、アベリアに適した環境を整えてあげましょう。
用土
アベリアはあまり土質を選びませんが、水はけ水もち共によく腐植質に富む土を好みます。鉢植えで育てる場合には市販の庭木用培養土を用いるか、細粒赤玉土5:細粒鹿沼土2:腐葉土3程度の割合で配合したものを用意しましょう。
庭植えにする場合、日あたりや水はけがよい場所を選んで植えるようにします。あらかじめ、植え付け場所に堆肥や腐葉土をすき込んでおくのもよいでしょう。
植え付け時期と方法
アベリアの植え付けは真夏(7~9月頃)と真冬(12~2月)の時期を除いていつでもできますが、できるだけ気候が穏やかな時期を選びましょう。鉢植えと庭植えそれぞれの方法を解説していきます。
鉢植えの場合:植木鉢は、苗木のひと回り~ふた回り大き目を用意します。鉢に鉢底ネットや鉢底石を敷き、株は根鉢を軽く崩してから植え付けます。このとき、ウオータースペースを確保するために、鉢の縁よりも土表面が下になるように調整しましょう。植え付け後は、鉢底から流れ出るようにたっぷりと水を与えます。花付きをよくするために、管理は日当たりのよい場所で行います。
庭植えの場合:植え付け場所は日当たりがよく、冬に乾燥した冷たい風があたらない場所を選びます。根鉢の2倍程度の大きさと深さに穴を掘り、掘り上げた土の1/3量の腐葉土を混ぜて植え付けます。株元が地表と同じ高さになるようにしましょう。植え付け終えたら根鉢のまわりにたっぷりと水を与え、細い棒などで優しくつついて土と根をなじませてください。
肥料と水やり
アベリアの肥料は、植え付けの際の元肥として緩効性化成肥料を施します。また、開花中盤となる9月中旬頃や2~3月の間の寒肥にも、緩効性の化成肥料を与えるとよいでしょう。
普段の水やりは、庭植えの場合は降雨に任せます。ただし、夏の高温期など極端な乾燥が見られる場合には、朝もしくは夕方に水やりをしましょう。鉢植えの場合には、表土が乾いたら水を与えます。
植え替えや鉢替え
アベリアの鉢植えで根詰まりを起こすような場合には、鉢替えを兼ねて植え替えが必要です。植え付けの適期と同じ時期に行いましょう。植え付け時と同じ用土を用い、根鉢の1/3ほどを崩してひと回り~ふた回り大きな鉢に植え替えます。根鉢を崩す際に黒く変色した根がある場合は、ハサミで切り落としましょう。植えつけ後は、水をたっぷりと与えます。
庭植えのアベリアで移植が必要な場合にも、植え付けの適期と同時期に行います。アベリアの株を掘り起こす際には、必要以上に根を傷つけないように注意しましょう。
剪定方法や適した時期
丈夫な性質のアベリアは、真冬を除けばいつでも剪定できます。ただし、開花期は強い剪定をしてしまうと花付きが悪くなることもあるので、避けた方が無難です。枝がどんどん伸びる春~夏は、伸びすぎた枝を切って整えるようにしましょう。枝が混みあうと風通しが悪くなり、株が弱ることがあります。