
朝顔の種類・品種13選!特徴と違いの見分け方や人気の品種も紹介

夏の花と言えば朝顔。小学生の夏休みに観察日記をつけたという方も多いのではないでしょうか?ラッパの様な形の爽やかな青色の花のイメージが強い朝顔ですが、変化朝顔という珍しい品種もあります。どんな品種が人気なのか見ていきましょう。
朝顔(アサガオ)の基本情報

朝顔の特徴
名前の通り夏の朝に咲く花、朝顔。日本で古くから親しまれているお花ですが、薬草として中国から伝わったのが始まりと言われています。江戸時代には愛好家によって品種改良が進み、観賞用として栽培されるようになりました。大輪朝顔などの人気はこのころから出始めました。鉢植えで育てることができる朝顔ですが、品種によってはグリーンカーテンとしてネットに這わせて楽しむこともできます。
朝に咲くことから朝顔という名前が付けられましたが、朝の何時ごろに咲くかご存知ですか?日の出が関係しているように思われますが、実は、朝顔が咲く時間は前日の日没の約10時間後と言われています。夏至のころには朝顔が咲く時間は遅くなり、冬至に近づくほど日没が早まるので、朝顔の開花時間も早まります。
さらに、朝顔をじっと観察すると、成長の仕方が一方向であることに気づきます。右巻きか左巻きか、ご存知でしょうか?
朝顔のツルは右巻きで生長していきます。右巻きか左巻きかは横から見て判断するので、ややこしいのですが、真上から見ると左回りに成長していきます。これは遺伝的に決まっているものだそうです。支柱にツルを這わせるときは右巻きであることを思い出してくださいね!
朝顔の基本情報
朝顔の基本情報は次の通りです。サツマイモと同じ仲間というのはちょっと意外ですね!
ちなみに、朝顔の他にも昼顔、夕顔、夜顔という植物がありますが、夕顔はウリ科なので仲間外れのお花と言えます。ウリ科に属していることからもわかるように、お花が咲いた後は大きな実をつけます。お寿司のかんぴょう巻などのかのぴょうは、実は夕顔の実から作られているんですよ!
科・属 | ヒルガオ科 / サツマイモ属 |
和名 | アサガオ(朝顔) |
英名 | Morning glory |
学名 | pomoea nil (アサガオ)、Ipomoea tricolor (ソライロアサガオ) |
花の色 | 青、赤、白、紫、ピンク、複色 |
原産地 | 熱帯から亜熱帯地域 |
開花期 | 7月中旬~10月上旬 |
朝顔の花言葉
朝顔の全体の花言葉は「愛情の絆」「固い絆」「明日もさわやかに」「あなたにからみつく」です。
朝顔の花言葉は、朝顔の特徴ともいえるツルが巻いている様子が由来になっています。「愛情の絆」「固い絆」はツルが支柱などにしっかりと結びついている様子から、絆やつながりといった意味の花言葉が生まれました。「あなたにからみつく」はこのツルの性質をネガティブにとらえたもので、支柱に絡みつく様子や、支柱など巻き付くものがないと朝顔が成長していかない性質から何かに頼る、依存する、といった意味合いで「あなたにからみつく」となりました。
朝顔は名前の通り朝に咲くお花で、ほとんどがお昼前にしおれてしまいます。寂しい気がしますが、次の日にはまた新たな花を咲かせることから「明日もさわやかに」という前向きな花言葉が生まれました。
朝顔(アサガオ)の原種ってなに?

約1600種類もあるという朝顔の品種。原種と言われるものは、丸咲きで早咲き、咲いた花がしおれるのも非常に早いものだったと言われています。北京天壇という、中国北京の天壇公園で採取された野生のアサガオが、現在日本にある朝顔の原種だったと言われています。
江戸時代には二度大きな朝顔のブームがあり、一回目は青色が多かった朝顔に赤、白、瑠璃色などが加わりました。二回目はさらに品種改良が進み、葉や花の大きさが違う変化朝顔が作られました。現在ではこうした変化朝顔は愛好家が楽しむためのものとなっており、街角で見かけることはあまり多くないでしょう。
東京入谷では毎年7月に「入谷朝顔まつり」が開催されています。
朝顔(アサガオ)の種類、品種別の特徴、見分け方は?
朝顔は日本朝顔と西洋朝顔の2種類に分けられます。特徴は次の通りです。
日本朝顔といっても原産は日本ではありません。西洋朝顔はツルの勢いが強いのでグリーンカーテンに向いています。
日本朝顔 | 西洋朝顔 | |
---|---|---|
葉 | 葉に毛がある | ハート形の葉で毛がない |
開花時期 | 7月 | 8月 |
ツルの様子 | 弱い | 強い |
人気のある朝顔(アサガオ)の種類、品種が知りたい
日本朝顔
平安の紅
花径(開花したときの花の大きさ)が20cm以上になる大型の朝顔で、もっとも大輪に改良された品種といえます。赤紫の花びらで、真ん中の筒の部分が白いのが特徴です。葉に斑が入ります。本葉が10数枚になるとつるが伸びる性質で、生育旺盛で育てがいがあります。
平安の香
平安の紅とは色の付き方が反対で、純白の花びらに、筒部分が赤紫になるちょっと変わった品種で人目を引く朝顔です。日の丸のようにも見えますね!こちらも平安の紅同様、葉には斑が入ります。7月中旬~8月中旬に咲き、あんどん作りに最適な品種です。平安の紅と同じ鉢に植えて、赤紫と純白の花が入り乱れて咲くのを楽しむのもよさそうですね。
団十郎

幻の朝顔とも呼ばれる品種です。江戸の人気歌舞伎役者、市川團十郎が歌舞伎内で着用した衣装が海老茶色だったことから名づけられました。夜間の温度が25度を超えると種の確保が難しいため、幻の品種と言われています。よく似た品種も出回っているそうですが、団十郎の特徴は葉は無地の黄緑色で蝉葉、花は中心が白で花びらは濃い茶色です。
暁の海
大輪朝顔を超える「超大輪朝顔」と呼ばれる品種です。迫力満点の花は競技大会用にもなっています。葉は涼し気な青斑入り蝉葉で、花は澄んだ濃青色です。海の静けさのある青とスケールの大きさから発想されたであろう「暁の海」という名前にぴったりですね!ほかにも暁シリーズとして次のような品種があります。
暁の紅
鮮やかな濃紅色
暁の光
純白地に紅の日の丸
暁の舞
ピンクの花びらに白いストライプ
暁の紫
濃い紫色
暁の露
薄紫色の花びらでふちは白く、花の中に白い星形
暁の夢
えんじ色の花びらでふちは白色
暁の雪
真っ白の花びら
黒王
朝顔の中でもっとも黒に近い色の花を咲かせます。大輪の朝顔で濃い紫色にも見えます。
西洋朝顔
ヘブンリーブルー

「ソライロアサガオ」とも呼ばれる爽やかな青色の朝顔です。葉は丸い形でサツマイモの葉に似ています。8~10月に咲く、遅咲きの品種です。花もちがよく、真夏でもお昼ごろまで、秋になると夕方または場合によては翌日まで花を咲かせます。花径は10cm程。生育旺盛でツルがよく伸びるので緑のカーテンや垣根に使われることも多く、日本でもっとも有名な朝顔の一つと言えます。丈夫で育てやすく、どんな土でもよく育ちますが、かえって栄養分の多い土だと葉ばかりが成長して花が咲かなくなる傾向があります。熱帯の植物なので、日本では種が採取しにくい場合もあるようです。
スカーレットオハラ
無地の鮮やかな赤紫色の花びらで、秋まで長く花を咲かせます。もともとは日本の品種でしたが、海外で品種改良されてできました。そのため、ツルの伸びはいいものの他の西洋朝顔ほどではなく、やや小ぶりで1~3m程です。昼顔ともいわれるほど長時間咲き続けます。種が採取しやすい品種ですので、翌年も美しい花を楽しめるでしょう。
ラビアンローズ

バラのように美しい、桃紅色の花を咲かせる品種です。8月下旬~9月より咲き始める遅咲きタイプで11月頃まで咲き続けます。花径は約5、6cmと小さめで可愛らしい印象です。花の中に濃い星模様が見えます。
フライングソーサー

直訳すると空飛ぶ円盤という、ちょっと面白い名前の品種です。花径は10cm程。青色が美しいヘブンリーブルーと白いぱーりーゲートの後輩によってできた改良品種で白地に、きれいなスカイブルーのストライプが入ります。多花性なので1つの花茎に3~5つの花をつけますが、白や青の単色の花を咲かせる場合もあります。
パーリーゲート

直訳すると真珠の門ですが、意味合いとしては天国の入口の門という名の如く、真珠の様な純白の花を付ける品種です。花径は10cm程。多花性で一カ所から一箇所から5-6輪 の花が咲きます。
変化朝顔
獅子咲牡丹(ししざきぼたん)
パッと見た感じでは、ツツジの変異種かな?と思うような細長い花弁を持つ品種です龍の爪に似合た葉と、花びらが筒状で先端が折り返すような形が特徴で、華やかな印象の朝顔です。
車咲牡丹(くるまざきぼたん)
江戸時代末期の朝顔ブームの図版に登場する品種です。おしべやめしべが花びらに変化し、花筒の中央から吹き上げるような花を付けます。
采咲牡丹(さいざきぼたん)
花びらが切り絵のように細かく切れ込んでいるのが特徴の朝顔です。戦場で武将が使った「采配」に似ていることから采咲という名前が付けられました。繊細な美しさを持つ品種です。
まとめ
朝顔と聞くと涼し気な青色のイメージでしたが、ストライプが入ったものや黒に近い色の品種があることがわかりましたね!西洋朝顔はツルの伸びもよく、比較的遅咲きなのでグリーンカーテンにおすすめです。鉢植えは落ち着いた美しさの日本朝顔を、グリーンカーテンは元気のいい色の西洋朝顔を、という使い分けもよさそうですね。