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ウコン(鬱金/ターメリック)の育て方・栽培方法|特徴と利用法も解説

ウコンは生薬として健康食品やサプリでおなじみ。別名はターメリック、家庭ではスパイスや染料などに用いられます。花は同じショウガ科のクルクマに似ていて、白やピンク、ピンクがかった紫色の花を咲かせます。栽培したウコンを用いた利用法も紹介します。

ウコン(鬱金/ターメリック)とは?特徴と種類

ウコン(鬱金/ターメリック)とは?特徴と種類

ウコンは鬱金(うこん)と書き、秋ウコン、ターメリックともいいます。原産は東南アジア、インドであることは有名ですね。国内では沖縄が最大の産地です。沖縄の気候が亜熱帯植物のウコンの生育に適しているのでしょう。琉球語ではウコンを「ウッチン」といいます。他にも、種子島や石垣島、奄美大島、鹿児島でも栽培されています。本州では長野県でも温室栽培されているそうです。

ウコンの花はクルクマの花と似ていますがクルクマは観賞用の花です。葉はバショウの葉に似ていて大きな楕円形、大きいものでは100cmくらいにもなり特徴があります。

ウコン(鬱金)の根茎は生薬に使われますが、黄色い色素がクルクミンです。そのほかに精油成分も含まれ、ウコンの特有の香りと風味となっています。カレーには欠かせないスパイスです。

色素は天然色素として利用され、食品では沢庵の色付けに使用されています。衣料では、沖縄の伝統的な染め物「ウチャン染め」にクルクミンが使われています。ウコン(鬱金)にはビサクロンという稀少物質が含まれており、二日酔い改善作用、肝障害抑制作用、過度の飲酒による抗炎症作用、飲酒によるグルタチオン低下を抑える働きが発見されています。

体に良くて料理にも使えるウコン、自宅でも育てられます。育てながらクルクマとは違った「花を観賞」し、「根茎を食す」のもいいですね。

ウコン(鬱金)の基本情報

ウコン(鬱金・アキウコン)の基本情報は以下のとおりです。

科・属ショウガ科ウコン属
和名鬱金(ウコン)
別名ターメリック、 アキウコン
英名turmeric,Indian saffron
学名Curcuma longa
原産地インド、インドネシア、タイなどの東南アジア

ウコン(鬱金/ターメリック)の園芸情報

ウコン(鬱金)は草花、多年草の植物です。草丈は50~150cmくらい、葉がバショウに似て大きく、細長い楕円形で50~100cmくらいあります。花の色は白や薄いピンクです。ウコンの花の開花時期は7~9月です。花の形にも特徴があり、空に向かって花弁を伸ばします。その下には仮雄蕊(かゆうずい)という、黄色の雄しべがあります。花は茎の下の方に咲いているので、きれいな花を大きな葉で守っているかのようです。

暑さには強いですが、耐寒性はありません。冬越しの仕方に工夫が必要になります。地植えでしたら霜に当たらないように、ワラなどで地面を覆います。プランターでしたら冷たい雨風にさらされないよう、大きな木の根元に避難しておくワラなどでプランターを覆う方法もあります。

ウコン(鬱金/ターメリック)の特徴

ウコンは根茎をゆでてから乾燥させ、すりおろして生薬やスパイス、染料に使います。ウコンは一般的には秋(アキ)ウコンのことをいいます。

秋ウコンは秋に白い花を咲かせます。秋ウコンの球根の断面はオレンジ色、苦みが無く、ウコンの中でもクルクミンの含有量が高いのが特徴です。体を温める作用があります。

ウコンの種類

ウコンには、秋ウコン、春ウコン、紫ウコンがあり、大きな違いはクルクミンの含有量です。ウコン(秋ウコン)と同属で別種は以下のとおりです。

春ウコン

学名はC. aromatica、生薬名は姜黄(キョウオウ)、ワイルドターメリックとも言います。秋ウコンに比べると花は小さめ、夏にピンク色の花を咲かせます。春ウコンの球根の断面は薄い黄色、苦みが強い特徴があります。春ウコンは体を冷やす作用があり、胃腸を健康に保つとされています。

紫ウコン

学名はC. zedoaria、生薬名は莪朮(ガジュツ)、夏に紫がかった薄いピンクの花を咲かせます。球根の断面は青紫がかった白い色で、苦みが強いのが特徴です。漢方では古くから胃腸系の病気に使われ、抗酸化力が高いといわれています。紫ウコンにはクルクミンの色素が無く、秋ウコンと春ウコンとの大きな違いです。

ジャワウコン

インドネシア原産。学名はJavanese turmeric, Curcuma xanthorrhiza、現地名ではクリッツ。クルクミンの含有量が多いのが特徴で、薬効が強いといわれています。日本でも流通しており、別名はクスリウコンです。

ウコンの生薬としての効能はウコンの種類によって違います。

ウコン(鬱金/ターメリック)の栽培に適した環境

ウコン(鬱金/ターメリック)の栽培に適した環境

ウコンは大きいと150cmにもなりますので、地植えがおすすめです。鉢に植えるときは根茎が発達しますので、鉢の深さは60cmくらい必要になります。60cmのプランターだと2~3個植えるといいでしょう。

ウコン(鬱金/ターメリック)の日当たり・置き場所

ウコンは日当たりの良い場所が好きです。ウコンは葉が大きくなりますので、日当たりや風通しが良い広めの場所を確保しましょう。

ウコン(鬱金/ターメリック)の栽培温度

ウコンは東南アジアの熱い地域が原産、高温が大好きです。日本では関東以南が栽培に適しているようです。霜の降りる地域では対策が必要です。温室栽培も考えましょう。

ウコン(鬱金)の用土

ウコンの用土は、水はけがよく保水性があり肥沃な土が最適です。

地植えの場合には、植え付けの2~3週間前までに土づくりをします。植える場所の土を掘り起こし、苦土石灰と堆肥をまき、混ぜ合わせておきます。植え付けの1週間前には、元肥でチッソ:リン:カリを肥料を同比で1㎡につき100gを目安に混ぜます。

プランターに植えるときの用土は、市販の培養土に腐葉土を混ぜます。自分で作るときは、腐葉土3に対して赤玉土7の割合で混ぜて作ります。肥料は地植えのときと同じ割合で、プランター1個につき30gほど混ぜ合わせます。

ウコン(鬱金/ターメリック)の育て方のポイント

ウコン(鬱金/ターメリック)の育て方のポイント

ウコンは暑い時期に生育が旺盛になりますので、水やりなどの日常の管理が大切です。

土が乾燥しやすいようでしたら、ビニールマルチやワラを敷いたりするのもいいでしょう。

地上の部分が枯れたあと、冬になってもそのままにしておくと、根茎が死んでしまうことがあります。球根を掘り上げて保存するか、ワラなどをかけて寒さ対策をするといいでしょう。

ウコン(鬱金/ターメリック)の水やり

ウコンは乾燥が苦手で、葉が大きいので水の蒸散も多くなります。ウコンの葉は楕円形で大きくて100cmにもなります。それだけ水分を蒸散させますので、水やりは毎日しっかりをあげましょう。夏の乾燥期は朝晩の2回です。

ウコン(鬱金/ターメリック)の肥料

ウコンの肥料はチッソ:リン:カリの割合を同等にします。地植え1㎡に100gくらい、8~9号の鉢の場合は30gくらいを元肥にします。

7~9月の間は月に1回、置き肥をします。固形の油かすや骨粉、化成肥料を茎の根元に施します。このとき根茎が見えてないか確かめ、見えている時は土をかぶせましょう。

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