肥料で胡蝶蘭を元気に育てる!与え方のポイントやオススメ肥料は?
華やかな雰囲気を演出してくれるお花の代表、胡蝶蘭。胡蝶蘭を飾ったら、できるだけ元気に育てたいですよね。そのためにも胡蝶蘭の正しい育て方や肥料の与え方が大切。胡蝶蘭の基本の育て方や肥料を与えるタイミングや量、オススメ肥料などをご紹介します。
胡蝶蘭の基本を知ろう
胡蝶蘭は高温多湿の東南アジアが原産のお花、ということをご存知でしょうか?このことを覚えておくと、育て方に迷ったときに役立ちますので、ぜひ覚えておいてくださいね。肥料のあげ方の前に、まずは胡蝶蘭とはどんなお花なのか、基本的なことをご紹介します。
東南アジア原産の胡蝶蘭
胡蝶蘭はインドネシアやフィリピン、マレーシアなど、高温多湿の東南アジアが原産の植物です。胡蝶蘭の育て方では気温や湿度、水やりが大切、ということを聞いたことはありませんか?日本で育てる場合にも原産国と同じように、高温多湿の状態を作ってあげることで胡蝶蘭は元気に育つことができるのです。
胡蝶蘭の品種は数万種以上あるといわれています。お花はだいたい4~5月ごろに咲きますが、最近では栽培技術が進んだことでいつでもお花を咲かせることができるようになっています。
お花は大きさは、11~15㎝以上の大輪、3~6㎝ほどの中輪(ミディ)、2~4㎝ほどの小輪(マイクロ)の三種類があります。開店したばかりのお店や、移転した会社の前に胡蝶蘭が飾ってあるのをご覧になったことがあると思いますが、特に大輪の胡蝶蘭は、豪華なその見た目から、企業間でのお祝いなどで贈られることが多くあります。
胡蝶蘭は学名Phalaenopsisといい、お花の形が蛾に似ていることから、ギリシャ語のphalaina(蛾)、opsis(似ている)が由来であるといわれています。日本でも、蝶が飛んでいるような美しいお花のかたちであることから、「胡蝶蘭」と名付けられました。胡蝶蘭の花言葉は、「幸福が飛んでくる」であることからも、高級な贈答用のお花として人気があります。
胡蝶蘭の育て方
それでは次に、胡蝶蘭の基本的な育て方をご紹介します。ここでも、胡蝶蘭の原産国は東南アジアである、ということを思い出して読み進めてくださいね。
置き場所は?光は当たった方が良い?
まず置き場所ですが、レースのカーテン越しに光が届くような明るい日かげを選びましょう。「胡蝶蘭は東南アジアの植物なので、陽の光はたっぷり当たったほうがいいのでは?」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?確かに、温かい東南アジアであれば陽の光はたっぷり必要と考えたくなるのですが、胡蝶蘭は熱帯雨林の樹木に根を張って育つ「着生ラン」という植物です。
太陽の陽が直接当たるところではなく、木の葉などで少しかげができているところで育ちます。このことからも、直射日光は苦手で、日が当たりすぎると葉焼けを起こしてしまいます。お部屋の中で胡蝶蘭を育てる際は、明るい窓際などに置いてあげましょう。
温度や湿度は?
胡蝶蘭が好む環境として、温度は20℃前後、湿度は40%以上が理想です。これも、原産国である東南アジアに近い環境というイメージを持っていただくと、わかりやすいかと思います。胡蝶蘭は寒さと乾燥が特に苦手ですので、日本の冬場でも夜は15℃くらい、日中は25℃くらいの環境に胡蝶蘭を置いてあげるとよいでしょう。冷房や暖房の風が直接当たるところも避けてください。乾燥する際は一日に数回、霧吹きでお花や葉っぱに水やりをして潤いをあげましょう。
あげ過ぎに注意!水のあげ方
胡蝶蘭は乾燥が苦手とお伝えしましたが、水のあげ過ぎには注意が必要です。胡蝶蘭が枯れてしまう一番の理由は水のあげ過ぎで根腐れを起こしていること、とも言われています。先ほどお伝えした通り、胡蝶蘭は樹木に根を張るなどタフな場所で生きているお花なので、少し水が足らなくても枯れずに生き延びることができる、たくましいお花です。水やりはどのようなことに気をつければよいか、温かい環境と涼しい環境の場合に分けてご紹介します。
夏や冬の室内など暖かい環境の場合
胡蝶蘭の育成期(5~9月)は、1週間~10日ほどに1回、コップ一杯程度のお水をあげましょう。ポイントは、根腐れを起こさないために、植え込み材の表面が乾いてからお水をあげることです。冬の室内で暖房をつけている場合は乾燥しますので、水やりと合わせて霧吹きで葉っぱに水分をあげましょう。
冬の外など涼しい季節や環境の場合
涼しい季節は水のあげ過ぎに注意し、植え込み材が乾燥しきってから水をあげるようにしましょう。気温と乾燥の程度によっては、20日に1回程度の水やりで大丈夫な場合もあります。水をあげる際は冷たいお水ではなく、常温またはぬるま湯をあげてください。
胡蝶蘭の肥料のやり方
それでは本題の胡蝶蘭の肥料のやり方をご紹介します。適度に肥料をあげて、元気な胡蝶蘭を育てていきましょう!
実はあまり必要がない胡蝶蘭の肥料
肥料のあげ方をご紹介しますと意気込んだものの、実は胡蝶蘭はあまり肥料を必要としない植物です。野生の胡蝶蘭がどこで育つか覚えていらっしゃいますか?胡蝶蘭は栄養豊富な土に根付く植物ではなく、栄養があまり豊富でない樹木に根を張る植物です。優雅なお花からは想像がしにくいと思いますが、胡蝶蘭は普段から栄養がたっぷりなくても、たくましくいきていけるお花なので、あまり肥料が必要ではないのです。
胡蝶蘭に肥料をあげるタイミングや量は?
肥料はそこまで必要ではないとお伝えしましたが、もし肥料をあげる場合はどのような場合でしょうか?
- お花が咲く前の苗の場合 お花が咲く前は育成期ですから、肥料をあげることで成長を促進することができます。肥料をあげ過ぎて株を甘やかしてしまうと、株だけが大きく成長し、お花を咲かせないことがありますので、水やり同様メリハリをつけて肥料をあげましょう。
- お花が咲いた後の場合 肥料は育成期にあげる場合が多いとされていますが、お花が咲いた後に肥料をあげることもあります。お花を咲かせるためにすべてのエネルギーを費やした胡蝶蘭はとても疲れ切っています。きれいなお花を咲かせてくれた胡蝶蘭に感謝の気持ちと、次に新たなお花を咲かせるエネルギーとして、肥料をあげることがあります。この際の肥料は「お礼肥」と呼ばれることもあります。
肥料の量は、液体、固体どちらの肥料であっても説明書きに沿って適量を与えてほしいのですが、栄養過多にならないよう「少なめ」であげるよう心がけてください。液体の場合は、だいたい1,000~5,000倍に薄めてあげることが多いでしょう。
胡蝶蘭のおすすめ肥料は
胡蝶蘭の肥料は液体肥料、固体肥料の大きく二つあります。それぞれの違いと、おすすめの肥料をご紹介します。
液体と固体肥料の違いは?
液体肥料は水に溶かして使うため、もともとあまり肥料が必要でなく、水の力で栄養を作ることができる胡蝶蘭にとって、向いている肥料と言えるでしょう。固体肥料は植え込み材に埋める、混ぜるなどして使用します。場合によってはひと手間かかるかもしれませんね。固体肥料は油粕などが代表的なものですが、中には少しにおいがするものもあるようですので、使う場所によっては避けた方がよいでしょう。
胡蝶蘭にはハイポネックスなど液体肥料がオススメ
胡蝶蘭にあげる肥料は、液体肥料のハイポネックスなどをおススメします。洋ラン専用のものがあり、吸収が早く、直接植え込み材にまくだけですみますので、ご家庭や会社で胡蝶蘭を育てる場合には手間もかかりません。もともと胡蝶蘭は水の力で栄養をつくることができる植物ですから、その点からも液体肥料は胡蝶蘭に合っていそうですよね。
胡蝶蘭に肥料をあげるときの注意点
胡蝶蘭はあまり肥料を必要としませんが、より元気に育ってもらうために肥料をあげることもある、というのはご理解いただけたでしょうか?最後に、肥料をあげるときの注意点を3つ挙げます。これから肥料をあげようと思っている方はチェックしてみてくださいね。
花が咲いているときに肥料をあげるのはNG
胡蝶蘭のお花が咲いているタイミングでは、まだ胡蝶蘭が元気な証拠ですので肥料はあげなくて大丈夫です。お花が咲いているときは、明るい日かげに胡蝶蘭を置き、植え込み材が乾いてから水やりをする、といった基本的な管理だけで充分です。
温度が暖かいときに肥料をあげよう
胡蝶蘭に肥料をあげる際は気温が15℃以上を目安にしましょう。冬場で苗が弱っているときに肥料をあげてしまうと、かえって根腐れを起こすなど胡蝶蘭の寿命を縮める可能性があります。
肥料をあげるタイミングは間違えない
基本的に肥料は育成期に必要なものですので、お礼肥以外の場合は、春ごろから肥料を与えるとよいでしょう。その際、新しい根っこが生えているか確認してください。もし根っこが出ていない場合は早めに肥料をあげることで枯らせてしまう可能性がありますので、新たな根っこが生えるまで待ちましょう。肥料をあげる際も、少なめを心がけてくださいね。
まとめ
優雅な姿の胡蝶蘭ですが、原産国である東南アジアでは樹木に根を張って育つなど、たくましく生きることができるとは意外でしたね!そんな胡蝶蘭ですから、肥料は必ずしも必要ではありません。肥料のあげ過ぎはかえって胡蝶蘭を弱らせてしまいます。時期などを守り、効果的に肥料をあげて強い胡蝶蘭を育てていきましょう。