
胡蝶蘭の育て方入門!お手入れのすべてが5分で分かる!

「幸せを運んでくる」という素敵な花言葉があるとおり、いつまでも優雅な姿で生活を心豊かにしてほしいですよね。とはいえ高価な胡蝶蘭てお手入れも難しそう・・・そんな印象はありませんか?これさえ読めば胡蝶蘭の育て方について基本的なことからやってはいけないこと更には2度楽しめる方法まですべてお伝えします!
胡蝶蘭の育て方!基本の「キ」環境とお手入れ

胡蝶蘭は東南アジアの熱帯地域生まれの植物です。土壌ではなく樹や岩盤に着生して、木々に囲まれ差し込む木漏れ日で光合成をして成長する原種です。できる限り、生まれ育ってきた環境に近い状態で胡蝶蘭を生活させてあげることが一番です。熱帯地域のジャングルの環境を自宅やオフィスに…と難しく考えなくて大丈夫!順番に胡蝶蘭の育て方を学んでいきましょう!
ラッピングは外す
お祝いでもらった場合、ラッピングされていることが多いと思います。この状態のままですと通気性が悪く、蒸れてしまい「根腐れ(根が腐ること)」の原因にもなりますのでラッピングは速やかに外しましょう。
直射日光と水やりで胡蝶蘭のすべてが決まる!
胡蝶蘭が枯れてしまう多くの場合「直射日光による葉焼け」か「水のやりすぎによる根腐れ」です。実はこれだけしっかり知っていればほとんど枯れることはないといわれています。
水やりのポイントは「植え込み材が乾いてから水をあげること」これだけです。もちろん季節による頻度や量の目安もありますので詳しく説明しますね!
そして、胡蝶蘭は直射日光が苦手。浴びちゃうと葉焼けしてしまいます。とはいえ、暗いところも得意じゃありません。明るい部屋で直射日光の当たらないところに置いてあげてください。さらに風通しが良ければとっても喜びます。自宅であればキッチンなどは適度に暖かく、湿度もあるので相性がいいんですよ!
肥料は必要?土の種類は?
肥料
肥料を与えるタイミングとしては3〜9月までの間といわれています。花が咲いているときと、冬は必要がありません。特に冬は株が成長しない休眠期のため根腐れの原因にもなりますので控えてください。
液体肥料をあたえる際は水やりを一緒にする必要はありません。あたえた後は水分同様、植え込み材が乾いたら水やりをしてあげましょう。
土
胡蝶蘭には一般的な園芸用の培養土は使いません。樹や岩盤に根を張り生息する植物のため、普通の土では根が覆われてしまい腐る原因ともなってします。土に植え替えたり、入れるのは絶対に控えましょう。
水苔:胡蝶蘭の植え替え用土として最も長く使われているもの。流通量もお手入れ方法も豊富に実績があり安心。保水力が高いことが魅力の反面、根腐れにつながってしまうことも。
バーク:樹の皮のことで、胡蝶蘭に合わせたPH値(植物の成長に大切なもの)のため根の成長に最適。水苔と比較して腐りにくいということから最近人気が高い。流通量がまだ少なめのため入手はやや苦労。
ベラボン:ヤシの実チップ。腐食しやすいイメージがあり、改良はされたもののまだ管理が難しい。
炭:植え込み材としての評価は高いものの、一般の人では管理が難しい。
胡蝶蘭の好む温度と湿度
温度
胡蝶蘭の好きな温度は15〜25℃程度です。冬は10℃、夏は35℃まで大丈夫ですがそれ以下・以上になる場合は気をつけましょう。
気温が著しくなる季節には、冷暖房などで室温が安定しているところがよいでしょう。ただし直接風があたるところは避けてあげてくださいね。
冬の寒さ対策として身近なものが役に立ちます。特に夜間などは室内でも冷え込んだりしますので新聞紙、発泡スチロールやダンボールで囲ってあげるのもいいですよ!試してみてくださいね。
湿度
胡蝶蘭は熱帯地域のジメジメした蒸し暑い地域に生息していたので乾燥とは無縁でした。そのため、乾燥は苦手です。
目安としては40%以上ですが、冬場以外はあまり気にしなくて大丈夫です。冬場は加湿器を利用しましょう。こちらも冷暖房と同様、風が直接当たらないよう気をつけてあげてください。自分自身も乾燥し始めたな、と思ったら使い始めると良いでしょう。
こんなことも気をつけよう!
胡蝶蘭は香りや花粉が少ないことも人気の理由のひとつといわれています。そのためつい花を触ってしまう方もいるのですが、雄しべには気をつけてください。雄しべをうかつに触ってしまうとしぼんでしまうのです。
春・梅雨(6月)・夏・秋・冬の最適な育て方

それでは季節ごとにもう少し詳しく見てみましょう。サイズや品種によって量などは変わりますのであくまで目安として考えてくださいね。
春に気をつけてほしいこと
春は日差しもほどよくお手入れもしやすい時期です。
レースのカーテン越しで窓辺に置いてあげると良いでしょう。適度な日差しの差し込みとあたたかさで胡蝶蘭も喜びます。
水やりの頻度は10日に一度、コップ一杯程度の常温のお水(200ml)を根本にあげると良いでしょう。
花が終わっている、または2年以上植え替えをしていない方はこの時期に植え替えをしてみましょう。
梅雨(6月)に気をつけてほしいこと
6月から梅雨が始まりますね。このころ気をつけたいことは「湿気」です。
水やりの頻度は2〜3週間に一度が目安にはなります。春よりすこし期間が長いのは湿気が多く植え込み材が水分を蓄えている状態がつづくためです。他の季節もそうですが、特にこの時期は植え込み材がしっかり乾燥してるのを確認してからコップ一杯程度の常温のお水(200ml)をあげてください。
そして、梅雨は曇り空が多いですよね。胡蝶蘭は直射日光に弱いですがまったく暗い状態というのもよくありません。曇りの日にはカーテンをあけた窓際に置いてあげてください。少しでも光をあててあげるのが良いでしょう。
あとは風通しに気をつけましょう。加湿状態で蒸れてしまって根腐れを起こしてしまいます。この時期、室外に胡蝶蘭を出すのは控えたいですね。雨を吸水して同じく根腐れにつながります。
「水分は乾燥してから」「曇空なら窓際で少しでも日をあてる」「風通し」この3つがポイントです。
夏に気をつけてほしいこと
日差しが強い夏は「直射日光」に気をつけましょう。窓辺に置くなら遮光性の高いカーテン越しにおくなどして「葉焼け」を防ぎます。
水やりは1週間に一度を目安にしてください。エアコンを使う時期ですので、直接風が当たらないよう配置を考えてあげてくださいね。あわせて気にしたいのが「風通し」です。窓を締め切ることが多いとおもいますが、空気の入れ替えを意識して通気性をよくすると胡蝶蘭の株がずっと健康でいられますよ。
秋に気をつけてほしいこと
最近は秋もまだまだ残暑がありますよね。直射日光に気をつけることは忘れずカーテン越しの窓辺で適度に日差しとあたたかさをあたえましょう。水やりの頻度は1週間に一度を目安としてください。
この時期はだんだん昼夜の気温差が開いてくるため花芽をつけるタイミングです。休眠期といわれる冬に向けて準備をしていきますので肥料はあげなくて大丈夫です。
一番大変!冬に気をつけてほしいこと
暑さには強いですが寒さには弱い胡蝶蘭。この時期気をつけたいのが「水やり」と「乾燥」です。繰り返しになりますが、植え込み材が乾燥していることを確認して2〜3週間に一度を目安にあげてください。乾燥した時期なので表面が乾燥していることはありますが中は湿ってることもあるのでしっかり指で押して中を確認してあげてください。
水がとても冷たいためぬるま湯程度のお水でもよいでしょう。基本的には晴れている日の午前中にあげてください。夕方に冷水を与えると凍ってしまい根腐れをおこしますので気をつけましょうね。
室内が10℃以下にならないようにしてあげてください。暖房の風が直接あたらないところで、また夜はなるべく窓側から離して新聞やダンボール、発泡スチロールなどで囲ってあげると寒さ対策になります。
加湿器を使って湿度を調整してあげることも大切です。
寒い時期は株が弱りやすいので、肥料は絶対にあげないでくださいね。
葉をみてわかる!胡蝶蘭の健康と病気、その対処法まで

胡蝶蘭の健康な葉の状態
胡蝶蘭の葉は健康なとき、深い緑色をしています。肉厚で張りがありつややかさがあります。向きは上をむいており横に広がりません。
株にしっかりと光が適度にあたっている健康な胡蝶蘭の葉はこのような状態になります。葉が4枚でも残っていればしっかり株も成長できるんですよ!
ちなみに直接胡蝶蘭を購入しに行く場合にそなえて良い株の見分け方をお伝えします!根がしっかりと張っており、葉がたくさんあるもので、中心部が太いのを選んであげてくださいね。
葉の出すサインとは
葉が黄色くなったら:「寿命による葉落ち」
根本に近い葉から黄色くなっていったら寿命です。手でつまむとかんたんに外れます。病気ではありませんのでご安心ください。
葉が黒や白色に変色したら:「葉焼け」
直射日光が原因で日焼けした葉になります。一度葉焼けしてしまうと戻らないので切ってください。また、速やかかに置き場所を変えてあげてください。
葉がシワシワ、ふにゃふにゃになったら:水分が原因!「根腐れ」か「水不足」
株を持ち上げてみましょう。根が赤褐色になっていたら水のやりすぎによる根腐れが原因です。根腐れをしてしまったら、腐った根を丁寧に切り落とし植え替えをしてあげましょう。ちなみに、根が元気なのに葉がシワシワになっていたら「水不足」です。胡蝶蘭は葉にも水分を蓄えて使います。葉の水分まで使い果たしてるということなので水をあげましょう。葉に霧吹きで水分をかけてあげるのもよいでしょう。ちなみにシワシワになったら、もうその葉は蘇りません。
胡蝶蘭の代表的な病気と原因・対処法
症状:葉がぶよぶよします
梅雨から夏にかけての高温多湿な時期になりやすく、葉焼けなどの箇所から病気が入りやすいといわれています
対処法:患部を大きめに切り落としてください。そして殺菌効果のある専用の薬を塗布すると良いでしょう
感染力が非常に強い病気です。ハサミなどの消毒を忘れないようにしましょう
葉焼けなどの箇所からカビが入ることが原因
対処法:患部を大きめに切り落としてください。そして殺菌効果のある薬を塗布すると良いでしょう
梅雨明けの高温、乾燥状態で害虫の葉ダニが発生した
対処法:葉ダニは水に弱いことから、霧吹きで葉の裏表に水を吹きかけてあげると良いでしょう。
コナカイガラムシは葉や花の養分を吸い取ります
対処法:市販の害虫駆除用の殺虫剤を使用してください。
1匹でもいると、他にも周囲に寄生していることが多いので必ず周辺の葉を確認してください
花が落ちた後はどうする?!捨てるのはまだ早い

花が全部落ちたら次は?!
2度咲きさせる方法とは
必要なもの:消毒したハサミ
1.支柱を抜きます
2.茎を切ります
下から4節目までを残しその上をカットしましょう。
3.最適な室温下で様子を見ると1〜2ヶ月後に芽が出て、数カ月後に開花するでしょう。珍しい品種の場合はタイミングが異なるかも知れません。インターネットの検索などを利用して確認することをおすすめします。
一般的に胡蝶蘭は年に一度しか咲かないといわれていますが、うまくいけば2回楽しめるかもしれませんね。
植え替えで来年も楽しもう
必要なもの:新しい鉢、植え込み材(バークか水苔)、消毒したハサミ、肥料
植え込み材がバークのときはポリポット鉢、水苔の場合は素焼き鉢を用意しましょう。株ひとつにつき、鉢がひとつ必要です。サイズは少し小さめの4〜5号サイズが目安です。
1.支柱を抜きます
2.茎を切ります
3.根を鉢から抜きます。このとき、根が鉢にくっついている場合もあるので水分をたくさんあげて柔らかくしてからやさしく剥がしてください。無理やり引き剥がすのは根が傷むのでおすすめしません
4.新しい鉢に株を入れ替えます。
5.植え替え後、2週間は水をあげないこと
その後は乾燥状況によって水やりをはじめてください。
もっと詳しく植え替えを見たい!という方はこちらの記事を参考にしてくださいね。
支柱の意味と立て方のポイント!
茎がある程度伸びてきたら支柱を立てましょう!
支柱を立てる意味は、光の当たる方へ花の向きをそろえてあげるためなんですよ!咲いたときに並び方も映えますよね!
立て方のポイントとしては「茎が折れないよう優しく行うこと」「葉っぱのじゃまにならない場所にさす」です。
胡蝶蘭の代表的な種類とは

それでは代表的な胡蝶蘭の種類をご紹介しましょう!
ヴィーナスポット
中輪の胡蝶蘭です。中心がほんのりピンクで、花束などにもおすすめです
ファレノプシス・アマビリス(小輪)
フィリピン・台湾原産の小型の原種。白花の交配母種のひとつです。実はインドネシアの国花にもなっているんですよ!ミディサイズでプレゼントにも最適!白くて小さな花びらはとてもかわいく、小さくてもとっても華やかなんです。
セミアルバ
白リップ(紅白)の品種の中でも最も有名な品種です。セミアルバを元に作られた品種もたくさんあるそうです。縁起がいい色味で人気なんです。
用途別!人気の胡蝶蘭とは

ギフトに人気!母の日・開店祝いなどに選ばれる胡蝶蘭
「幸福が飛んでくる」という幸せな花言葉をもつ胡蝶蘭。法人向けのギフトだけではなく、プライベートでも人気です。
たとえば、母の日はカーネーションだけではなくミディ胡蝶蘭もよく選ばれるんです。白はもちろんのこと、ピンクの人気も高いです。ピンクの胡蝶蘭の花言葉は「あなたを愛しています」意味もしっかり合いますよね!柔らかくて優しい雰囲気のピンクは男女問わずこころを豊かにしてくれます。
また、花粉や香りがあることからお店の開店祝いにはお花は避けられがちですが胡蝶蘭は人気です!花粉も香りも少ないため、場所も人もよりごのまないことから選ばれているようです。お店もとっても華やかになりますよね。飲食店でもOKです!お店のテーマカラーにあわせた胡蝶蘭を選んであげたり、縁起よく紅白もいいですね!また特別な花言葉はないですが、金運カラーである黄色の胡蝶蘭もおすすめです。
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まとめ
胡蝶蘭の育て方について、光加減や水やり・置き場所・温度・湿度・代表的な病気と対処法・・などなどすべてお伝えさせていただきましたが胡蝶蘭のことわかってもらえましたか。
のどが渇いたらお水を飲む、乾燥したら加湿器を使う、空気の入れ替えや風通し、人が好むことを胡蝶蘭も好むということを感じました。難しいことはなにもない、ちょっとしたポイントだけでかんたんに長く育てられることがよくわかっていただけたら嬉しいです。長く楽しんであげてくださいね!