胡蝶蘭の栽培は難しい?胡蝶蘭の栽培方法と栽培農家について知ろう!
店頭に並ぶ美しい胡蝶蘭、実はキレイなが花が咲くまでに4年もかかることを知っていますか?ギフトの定番である胡蝶蘭ですが、最近では自分で栽培することへの関心も高まっています。今回は胡蝶蘭のキホンの栽培方法や栽培農家が花を咲かせるまでについてなど、胡蝶蘭の栽培にまつわる「イロハ」をお伝えします。
胡蝶蘭の基本を知ろう
胡蝶蘭は開店祝いや栄転祝いなど、お祝いごとに贈られるお花の定番ですよね。胡蝶蘭の華やかで上品な花姿は、世代を問わず愛されています。そんな胡蝶蘭の特徴やお祝いごとに選ばれている理由をご紹介します。
もともとは亜熱帯原産の胡蝶蘭
胡蝶蘭はインドネシアやマレーシアといった東南アジアを中心とする熱帯から亜熱帯地方生まれの植物です。その他パプアニューギニア、台湾、フィリピン、スリランカ、オーストラリアなど、熱帯の広い地域に存在しています。熱帯生まれのため、乾燥に強く、根や葉に養分や水分を蓄えられますが、寒さにはとても弱いです。
胡蝶蘭の特徴は?
1. 土の中に根を張らない着生植物 胡蝶蘭は樹木などに根を這わせて成長する着生植物なので、土の中に植えても成長することができません。そのため、土ではなくバークや水ゴケといった植え込み材料を使って栽培します。 2. 色や種類が豊富 胡蝶蘭の原種は約50種類もあるといわれていて、定番の白やピンクの他に黄色や赤リップ(花びらの中心が赤いもの)など、バリエーション豊かなお花を楽しめます。花びらの形もさまざまな種類があります。 3. 寿命が長い 胡蝶蘭の株は病気や根腐れを起こさない限り、50年以上も生き続けるといわれています。お花が全部落ちてしまっても、株さえ生きていれば翌年以降もお花を咲かせ続けてくれるのです。胡蝶蘭のお花は一般的には1カ月程度、環境によっては3カ月ほど楽しめるといわれています。
胡蝶蘭がギフトの定番である理由
胡蝶蘭がギフトに選ばれる理由の一つに、縁起の良い花言葉があります。胡蝶蘭の花言葉は「幸福が飛んでくる」です。お祝いごとにはぴったりですよね。また鉢植えは「根付く」という意味があるので、「幸福が定着しますように」という思いを込めて贈ることができます。
また、胡蝶蘭は花粉や香りが少ないため、贈るシーンを選ばないことや、季節を問わず一年中入手できることも胡蝶蘭がギフトに選ばれている理由です。
自分で胡蝶蘭を育てたい!胡蝶蘭は栽培できる?
胡蝶蘭はお店で買うもの、というイメージが強いですが、自分で胡蝶蘭を栽培することは可能なのでしょうか。
発芽から開花まで4年かかる!胡蝶蘭を種から栽培するのは難しい?
胡蝶蘭は発芽から開花までなんと4年もかかります。胡蝶蘭を種から栽培するにはガラス製のフラスコを使い、胡蝶蘭が栄養分をとれるよう無菌状態にして発芽させる必要がありますが、とても簡単にできることではありません。このフラスコ内の培養期間だけで2年かかるそうです。
その後、開花可能な苗になったら胡蝶蘭が成長しやすい地域(台湾など)に一度輸出し、2年弱もの期間をかけて育成栽培されます。その後、再び生産農家で栽培が続けられ、5カ月かけて開花の調整が行われます。この工程を個人でやるなんて考えられませんよね。胡蝶蘭を種から栽培するのはとても難しいといえるでしょう。
個人の胡蝶蘭栽培は苗からスタートしてみよう
そもそも胡蝶蘭の種はほとんど販売されていません。もし種が入手できたとしても、胡蝶蘭を種から育てることは非常に難しく、おすすめできません。苗であれば1株1,600円〜2,000円台で購入できるので、自分で胡蝶蘭を栽培する場合は苗から育ててみましょう。
胡蝶蘭の苗の種類
胡蝶蘭の苗にはいくつか種類がありますが、一般的にはフラスコ苗を購入することがおすすめです。フラスコ苗はフラスコ内部が無菌状態になっている苗で、一般家庭で栽培しやすいようにセット販売している場合もあるようです。他には花同士をかけ合わせて種を取った実生苗、良い個体をバイオ技術で増殖させたメリクロン苗などがあります。
胡蝶蘭の育て方
それでは、胡蝶蘭の育て方のポイントをご紹介していきます。
胡蝶蘭の苗の育て方
フラスコ苗の場合、直射日光には絶対に当てないように注意してください。 これで苗を育てる準備は完了です。苗は約10カ月ほどかけてぎっしり根を張ります。その後の置き場所や環境、水やりについて確認していきましょう。
胡蝶蘭の置き場所はどこが良い?
胡蝶蘭は風通しの良い、暖かい場所に置くようにしましょう。なるべく原産地に近い環境を作ることが大切です。光合成のために光は必要ですが、直射日光はNGです。窓際に置く場合はレースのカーテン越しが良いですね。屋外に置くこともできますが、気候の影響を受けやすいので室内がおすすめです。
胡蝶蘭を育てる温度と湿度は?
胡蝶蘭を置いた場所の温度は20度前後を保つようにしましょう。季節に合わせて置き場所を移動して極端な温度変化がないようにしてください。とくに胡蝶蘭は寒さに弱いので、冬は温度が下がりすぎないように鉢を段ボールや毛布で囲って工夫しましょう。また、エアコンの風が直接当たるとお花が傷むので注意してくださいね。
湿度は、冬以外はほとんど調整する必要はありません。冬場は暖房の使用で乾燥しすぎてしまうことがあるので、湿度40%以上を保つようにしてください。霧吹きなどを使って花びらや葉に水分を与えましょう。加湿器などを使う場合は、蒸気が直接お花に当たらないように注意してくださいね。
胡蝶蘭の水はどのくらいあげれば良い?
胡蝶蘭の水やりは季節によっても変わってきますが、基本的には植え込み材料の表面を触って完全に乾いていたら水をあげるようにします。根腐れを起こしてしまうため、こまめな水やりは厳禁です。1株ごとにたっぷり、常温の水をあげましょう。水の量は、気温の高い時期は多めに、低い時期は少なめにというように気温に合わせて変えましょう。また、受け皿に溜まった水は必ず捨ててくださいね。
詳しい育て方についてはこの記事が参考になりますよ!
胡蝶蘭栽培のキホン!花が終わったら植え替えを
胡蝶蘭は花持ちが良く、1カ月前後は綺麗なお花を楽しめるといわれています。では、お花が終わったあとの胡蝶蘭はどうすれば良いのでしょうか?
胡蝶蘭は何度も花を咲かせることができる
胡蝶蘭は生命力が強く、株が生きている限り何度でもお花を咲かせてくれます。お花が終わった胡蝶蘭の支柱のテープを外し、支柱を抜きます。次に茎を斜めにカットします。根元からカットすると翌年以降にお花が咲き、根元から2〜3節のところでカットすると数カ月でお花が咲きます。
根元からカットするとお花が咲くまでに時間はかかりますが、株に与えるダメージが少なく、力を蓄えることができます。長く胡蝶蘭を楽しみたい場合は、根元からカットする方法をおすすめします。
胡蝶蘭の花が終わったら植え替えしよう
お祝いなどでいただいた胡蝶蘭はいくつかの株が寄せ植えされていることが多いので、お花が終わったらまずは植え替えをしましょう。1株ずつ、1つの鉢に植え替えます。植え込み材料は元々水ゴケが使われていたなら水ゴケに植え替えるといったように、元の環境を引き継いで植え替えましょう。
腐った根などを見つけた場合はカットしてください。また、植え替えはお花が終わった4月〜6月頃が適しています。胡蝶蘭が弱ってしまうため、植え替えの頻度は2年に一度が目安です。
植え替えについて詳しい方法はこの記事が参考になります。
胡蝶蘭の栽培農家について知りたい!
私たちが目にする胡蝶蘭は美しく、整っているものがほとんどですよね。また、最近ではミディ胡蝶蘭など色々な種類の胡蝶蘭が並んでいます。そんな胡蝶蘭をつくっている栽培農家について知っていますか?栽培農家が胡蝶蘭を咲かせるまでの流れや、お店に並ぶまでの流れなど、胡蝶蘭の栽培農家についてご紹介します。