ラベンダーが枯れる理由は?原因別の対策と育てやすい品種も紹介
香りのよいハーブとして人気のラベンダーですが、育てているうちに枯らしてしまうということも珍しくありません。ラベンダーが枯れる原因を知り、対処法や手入れのコツをチェックしてみましょう。
ラベンダーが枯れてしまう原因は?
紫色の繊細な花や、香りに癒されるラベンダーは家庭で栽培する人も多い多年草です。一度だけではなく何度も咲くラベンダーですが、せっかくラベンダーの栽培を始めたのに、枯らしてしまったという人は少なくありません。
意外と育てるのが難しいラベンダーですが、どのような原因で枯れてしまうことが多いのでしょうか。枯れてしまう原因について詳しく見ていきましょう。
よく見られる原因は根腐れ
ラベンダーが枯れる原因として多いのが、『根腐れ』です。生長した根が土中で増えることによって、空気が循環しにくくなり、水はけが悪くなることで根が腐ってしまいます。
枯れる原因は他にもありますが、せっかくのラベンダーが台無しにならないように、まずは枯れる原因について知っておくことが大切です。
植物が枯れてしまう原因はさまざま
植物が枯れてしまうのは、根腐れの他にもさまざまな原因があります。日当たりが悪いゆえの『日照不足』や、反対に直射日光で『葉焼け』を起こすなど、植物の種類に合わせた日照環境にできていないことも原因になります。
気温の急激な変化や植物を置く場所の温度、乾燥、水やりの頻度なども関係します。植物を育てる時は、どのような生育環境を好むのかをしっかりと把握しておくことが大切です。
原因に合わせた対策が必要
植物が枯れてしまった場合は、それぞれの原因に合わせた対策をとる必要があります。根腐れを起こして枯れたなら、まずは密集してしまった茎や葉を剪定し、水やりの仕方を見直しましょう。
植物の水やりは、土の中が乾いたらたっぷりと水を与えることが大切です。また、根詰まりを起こしている場合は植え替えを行った方がよいでしょう。
育てている植物をしっかりと観察して、どのような原因で枯れてしまったのかを考え、適切な対策を行う必要があります。
ラベンダーが枯れてしまう原因別の対処法
ラベンダーが枯れる原因は根腐れが多いですが、その他にもどのような原因があるのか知っておくことも大切です。ラベンダーが枯れてしまう原因と、その対処法を紹介します。
他の植物と同様になぜ枯れてしまったのかを観察し、原因に心当たりがないか確認してみましょう。
原因1:肥料を与えすぎた
大きく育ってほしい、花をたくさん咲かせてほしいと考えて肥料を多く与えてしまうのは逆効果です。ラベンダーは、肥料を与えすぎてしまうと『肥料焼け』を起こして枯れてしまいます。
肥料の成分がラベンダーの生長を阻害してしまい、葉のフチから焼けたように茶色く変色していくのが肥料焼けの特徴です。肥料の濃度が濃すぎると水の吸収がうまくできず、枯れてしまいます。
ラベンダーなどのハーブはあまり肥料を必要としないため、春と秋の2回に与える程度がよいでしょう。
原因2:水やりに失敗した
植物の水やりは、考えているほど単純なものではありません。1日1回水やりをすればよいというわけではなく、季節によって水を与える回数や頻度は異なります。
夏は気温や天候に合わせて1日2回与えなくてはならない日もありますし、冬は1週間以上間隔をあける場合もあるでしょう。春や秋も、湿度や気温に合わせて変える必要があります。
水を与えすぎても良くないため、土の中がしっかり乾いてからたっぷりと水を与えることが大切です。ラベンダーの鉢を持ち上げて、土の重さなどで中の水分量をチェックするのも良いでしょう。
原因3:虫がついた
ラベンダーは害虫がつきにくい植物ですが、まれにカイガラムシやハダニ、アブラムシなどがつく場合があります。灰色かび病やすす病などの原因になるため、害虫が発生したら早めに対処しましょう。
特に、『フレンチラベンダー』は他の品種に比べて香りが弱く、害虫が発生しやすいといわれています。茎や葉に傷をつけないように、柔らかい歯ブラシや濡らしたスポンジを使って落としましょう。
被害が出ている部分を取り除くことも有効です。幼虫の場合は薬剤を散布して駆除・予防するように早めに対処し、風通しの良い場所で育てるようにします。
ラベンダーを枯らさないお手入れ方法とコツ
せっかくの美しいラベンダーを枯らさずに楽しむためにも、正しい育て方を知っておくことが大切です。ラベンダーを枯らさないための手入れのコツを見ていきましょう。
ラベンダーは、手入れの仕方を間違えてしまうとうまく育たない植物です。上手に育てるためのポイントを確認して、長くラベンダーの花を楽しめるようにしましょう。
花の収穫は早めに
ラベンダーの収穫時期は種類によって異なり、それぞれの種類に合わせて花を収穫することが枯らさずに育てるコツです。フレンチラベンダーと呼ばれる『ストエカス系』や『デンタータ系』は、早めに収穫することで株の疲労を防げるでしょう。
5月下旬から7月上旬ごろ、花が咲き始めたら花のすぐ下の『わき芽』の上を切り取ります。ラベンダーは夏を苦手とするため、剪定を兼ねた収穫が必要です。
代表的なラベンダーである『アングスティフォリア系(イングリッシュラベンダー)』は、満開に咲くとその強い香りが揮発してしまいます。花が5輪程度開花したら、すぐに収穫するとドライフラワーにしても香りを楽しめるでしょう。
雨の時期には泥はね対策を
梅雨の時期になると気にしておきたいのが、雨の影響です。雨によって泥がラベンダーの株元にはねてしまうと、そこから枯れてしまうため注意しましょう。
ラベンダーの泥はね対策をするためには、株元に目の粗いバークチップやウッドチップなどの資材を置くことをおすすめします。ワラや麻袋などを使ってもよいでしょう。
肥料を適切に与える
ラベンダーなどのハーブは、あまり肥料を与えなくても育つ植物です。しかし、適切に肥料を与えることで花がつきやすく、根が強化されるなどの効果を期待できます。
植え付ける時に緩効性肥料を元肥として与えると良いでしょう。また、追肥として庭植えの場合は春、鉢植えの場合は夏と冬以外の時期に緩効性肥料を与えます。
固形の肥料を株元から離してちりばめ、元気のないラベンダーの場合は速効性の薄めた液体タイプを水やりの代わりに10日に1回程度を目安にして与えましょう。
ラベンダー栽培初心者は育てやすい品種を選ぼう
ラベンダーを育て始めたのに、枯らしてしまったという経験がある人は少なくありません。特に初心者は、ラベンダーの栽培が思っていたよりも難しいと感じることもあるようです。
ラベンダーの上品な香りや花は癒しを与えてくれます。まずは育てやすいといわれている品種から、栽培にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。