カキツバタ(燕子花)の特徴と育て方。アヤメやショウブとの見分け方は?

2020 10/07
カキツバタ(燕子花)の特徴と育て方。アヤメやショウブとの見分け方は?

カキツバタは、鮮やかな青紫色の花が特徴の植物です。花弁の形が特徴的ですが、アヤメやショウブと似ていることもあり、区別が難しいと考える人もいるでしょう。そこで、カキツバタの特徴や見分け方に加え、育て方のポイントも紹介していきます。

目次

カキツバタ(燕子花)の基本情報

カキツバタ(燕子花)の基本情報

はじめに、カキツバタの歴史や特徴など、基本的な情報をみていきましょう。また、カキツバタの花言葉についても、合わせて紹介します。

歴史や由来

カキツバタは日本古来の植物で、日本最古の和歌集である万葉集にも登場するなど、古くから親しまれてきました。江戸時代前半になると品種改良も盛んに行われるようになり、現在に至るまで鑑賞用として愛され続けてきた植物です。

古くは花の汁を用いて布を染めるのに利用されていたことから、「書き付け花(かきつけはな)」と呼ばれており、それが転じてカキツバタという名称になったといわれています。漢字表記は「燕子花」または「杜若」です。

特徴と開花時期

カキツバタは水生の植物で、池や沼地などの浅い水辺に花を咲かせます。草丈は50~70cmほどで、内側にある細い花弁が直立し、外側の花弁が外側に垂れ下がるようにして咲くのが特徴です。

色の種類はあまり多くなく、鮮やかな青紫や紫が一般的ですが、白い花を咲かせる品種もあります。開花時期は5~6月ごろで、複数年に渡って花を咲かせる多年草です。

花言葉

万葉集には、「住吉の浅沢小野のかきつはた 衣に摺りつけ着む日知らずも」という歌が登場します。これは、恋人を待ちわびる内容の歌です。そこから、待ち続けることで幸運は必ず訪れるという願いが込められ、カキツバタには「幸福が来る」という花言葉がつけられました。

また、カキツバタの花の形はツバメが飛んで幸せを運んでくることを連想させるとして、「幸せはあなたのもの」「贈り物」という花言葉もあります。

アヤメ、ショウブとの違いは?

アヤメ、ショウブとの違いは?


カキツバタによく似ている植物として、アヤメ・ショウブが挙げられます。ここでのショウブは、ショウブ湯などに使われるショウブではなく、ハナショウブと呼ばれるものです。

「いずれアヤメかカキツバタ」という慣用句がありますが、これはどちらも優れていて優劣がつけがたいことから生まれました。それほど似ているとされる花を見分けるには、どのような方法があるのでしょうか?

生息場所

カキツバタ・アヤメ・ハナショウブは3種ともアヤメ科アヤメ属に属しており、見た目はよく似ていますが、生息場所に違いがあります。

カキツバタは浅い水辺に咲く水生植物ですが、アヤメは陸生で、水はけのよい乾いた場所に育つのが特徴です。そしてハナショウブは湿地・乾燥した土地のどちらにも生息しています。

つまり、水辺に咲いていればアヤメではないこと、乾燥した陸地に咲いていればカキツバタではないことが分かるでしょう。しかし、ハナショウブはどちらでも育つため、生息場所のみでは区別が付けられません。

花、背丈の特徴

3種を正確に見分けるには、花や背丈など、見た目の特徴に注目してみましょう。

まず、パッと見て分かりやすいのが背丈の違いです。カキツバタの背丈は前述のとおり50~70cmですが、アヤメはそれよりも小さく30~50cmです。そして、ハナショウブはカキツバタよりも大きい80~100cmとなっています。

花の大きさも背丈と同じく、小さい方からアヤメ・カキツバタ・ハナショウブの順です。

さらに正確に見分けるには、花弁の模様に注目してみましょう。カキツバタは、花弁の根元に白い筋が入っていますが、アヤメは花弁の根元に網目状の模様があるのが特徴です。そしてハナショウブは、花弁の根元に黄色い目のような模様があります。

また、ハナショウブはアヤメやカキツバタに比べ、色の種類も豊富です。

カキツバタ(燕子花)の育て方

カキツバタ(燕子花)の育て方

カキツバタは比較的育てやすいといわれる植物ですが、どのような方法で栽培すればよいのでしょうか?育てる環境や、肥料の与え方などの管理方法を紹介します。

育てる環境

カキツバタを育てるときに環境面で注意したいのが、水・日当たり・風通しの三点です。

カキツバタは水辺で育つ植物ですが、水辺でなくても十分水をためられる鉢を使えば栽培できます。鉢はプラスチックでも陶器など、どんな材質でも構いません。

鉢の置き場所には、日当たりと風通しがよい場所を選びましょう。カキツバタは夏の暑さにも冬の寒さにも強く、雨などの影響もあまり受けないため、屋根のある場所にする必要はありません。

ただし、真夏など気温が高い時期には、鉢にたまった水の温度が上がってしまう可能性があります。水温が上昇しすぎると根が傷む可能性があるため、夏は半日陰に移動させるなどして管理しましょう。

水やりの方法

通常、鉢植えの植物は水やりをしますが、カキツバタの場合は、鉢にたまっている水の管理が重要です。株元が乾かないように、たっぷりと水が入っている状態を保ちましょう。

4~9月はカキツバタの成長期にあたり、水をよく吸います。この時期は鉢の水の減りが早くなるため、こまめに水を足すように注意しましょう。逆に冬場はあまり水を吸わないため、表面が湿っている状態であれば問題ありません。

鉢にたまっている水は、月に1回程度のペースで入れ替えましょう。水が汚れてしまったり、水温が上がってしまったりしたときには、月1回にこだわらず、早めに入れ替えるのがポイントです。

肥料の与え方

9~10月ごろの涼しい時期になったら、株元の周りの土に肥料を与えましょう。使用する肥料は、ゆっくりと溶けだして効果が持続する緩効性の固形肥料を選びます。

それ以外の時期には、特に肥料を与える必要はありません。

花を長く楽しむための管理のコツ

花を長く楽しむための管理のコツ

カキツバタには、日々のお手入れに加えて気を付けたいポイントがあります。花を長く楽しむための管理のコツを紹介しましょう。

花がらを摘み取る

開花時期である5~6月に必要となるのが、花がら摘みです。咲き終わった花がらを見つけたら、こまめに摘み取りましょう。

カキツバタは通常1茎に三つほどのつぼみをつけ、1番花、2番花…と順に開花します。1番花が咲き終わったら、早めに花がらを摘み取ることで、株が弱ることを防ぎ、2番目、3番目の花をきれいに咲かせられるのです。

一つの花は3日程度咲くため、3番花が咲き終わるまで10日間ほど楽しめます。また、花がらと同様に黄色くなってしまった葉も、早めに取り除くよう心がけましょう。

2年から3年に1回は植え替えをする

カキツバタは、2~3年に1回のペースで植え替えましょう。

植え替えを行うことで、育った根が鉢の中でいっぱいになることを防ぎ、根詰まりを防止できます。また、新しい土に替えれば、なくなってしまった土の栄養分を補給するためにも効果的です。

カキツバタの植え替えは、花が終わった6~7月ごろに行います。根をあまり崩さないように注意しながら、一回り大きな鉢に植え替えればOKです。

株分けで増やす

株分けをして増やすのも、花を長く楽しむコツです。株分けすると1株の大きさが小さくなることから、根詰まりを防止したり、生育をよくしたりする効果があります。

子株は親株から左右に伸びていくため、その子株を分けて植え付けるのが基本的な手順です。親株に対して新芽が2~3個ついた場所を切り離し、それを別の鉢に植え付けましょう。

株分けは2~3年に1回の植え替えに合わせて行うと、作業がまとめて済むため効率的です。

まとめ

カキツバタは、日本では鑑賞用として古くから親しまれてきました。鮮やかな色のカキツバタは気温や気象の影響を受けづらく、お手入れもそれほど難しくないため、比較的育てやすい植物です。

水の管理などカキツバタ特有のポイントや、花を長く楽しむコツを理解し、カキツバタの栽培を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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