ミニトマトを栽培しよう。家庭で美味しく育てるためのポイント
摘芯は主枝の先端を切る作業のことで、その主枝で最後になったミニトマトの花が咲く『8月頃を目安に実施』します。
最終果房の花の上に2~3枚葉を残し、消毒したハサミで主枝を切り取りましょう。晴天の日に実施すると、切り口が乾きやすくミニトマトのダメージを防げます。
また、摘芯は必ずしも実施する必要はありません。主枝をそのまま伸ばし、頭を下げるように下ろしながら栽培する方法もあります。
収穫の目安
ミニトマトを収穫するタイミングの目安は『ヘタの周りまで赤く、枝から簡単に取れるようになったとき』です。
スーパーで販売されているミニトマトは、ヘタの周りが緑や黄色でかたいものもあります。これは完熟のトマトを出荷してしまうと、店頭に並ぶ頃にはブヨブヨした状態になり、食べ頃を逃してしまうからです。
そのため、自宅で楽しむときは、真っ赤になった食べ頃を収穫するとよいでしょう。収穫仕立ての味を楽しめるのは、家庭栽培ならではの特権です。
美味しく育てるために
せっかく育てるのであれば、美味しいミニトマトを味わいたいものです。美味しく育てるためには、どのようなことに気をつけるとよいのでしょうか?
ここではミニトマトを美味しく育てるためのポイントを紹介します。
土づくりのポイント
ミニトマトを初めて育てる人は、園芸店やホームセンターで販売されている『トマト用の培養土』がおすすめです。あらかじめ必要な肥料や腐葉土が配合されており、気軽に家庭栽培をスタートできるでしょう。
本格的に土づくりからチャレンジしたい人は、赤玉土・腐葉土・バーミキュライトを『6:3:1』の比率で配合したものを用意します。
プランターに土を入れるときは、たっぷり入れすぎないようにしましょう。水を入れたときに溢れる可能性があります。根をしっかり埋めつつも、水が溢れない高さに調整しておきましょう。
また、土を入れる前に『鉢底石』を敷いておくと、通気性や排水性がよくなり、根腐れを予防する効果が期待できます。
肥料のポイント
ミニトマトを育てる中でよくある失敗が『肥料の与えすぎ』です。元々水や肥料のない地で育っていたトマトは、肥料をたっぷり与えてしまうと、育ちすぎてしまいます。
結果として茎や葉ばかりが成長してしまい花がつかず、実が育たなくなってしまうこともあるのです。実がつくまでは肥料は与えずに待ちます。
そして『1段目の実が大きくなったタイミング』で、初めて追肥をしましょう。化学肥料は1株あたり15gを目安に、液体肥料は規定の量に薄めて与えます。
その後もミニトマトの様子を見ながら1~2週間おきに肥料を施しましょう。葉の状態や実の成長がよければ、無理に肥料を与えなくてもOKです。
水やりのポイント
肥料と同じく『水やりの頻度』もミニトマトを元気に育てるために大切なポイントです。元々は高原地帯で自生する野菜であり、多くの水分を必要としていません。
基本的には『やや乾燥させて育てる』ことが、甘くて美味しいミニトマトを育てるコツです。とはいえ水分が不足すると必要な養分を吸収できません。
根がつくまでの2週間はしっかりを水をやり、その後は土の中が乾燥しない程度に水をやりましょう。水やりの時間帯は植物の活動が活発になる『朝9~10時頃』が目安です。
トラブルへの対処
ミニトマトを育てる過程で「実が赤くならない」「葉が虫食いにあう」など、トラブルに悩まされる可能性も考えられます。
突然のトラブルに焦らないように、あらかじめ対処方法をチェックしておきましょう。
赤くならない場合
トマトが赤くならない原因は、以下のものが考えられます。
- 栽培温度が低すぎる
- 水分が少なすぎる
- 反対に水分が多く加湿状態にある
- 肥料を与えすぎて成長バランスが乱れている
この中でも特に大事なポイントが『温度』です。ミニトマトは最高温度の累計が1200℃にならなければ赤くならず、最高温度が20℃であれば60日必要な計算になります。
ミニトマトが赤くならないようであれば、日当たりのよい場所に移動する・ビニールで囲うなど、温度をプラスしてあげましょう。
腐る場合
ミニトマトのお尻部分が黒く腐るのは『尻腐れ症』によるものです。ウィルスやバクテリアが原因のように思えますが、実は以下の理由で腐ってしまいます。
- 土が乾燥しすぎた
- カルシウムの吸収が足りなかった
- 肥料が多くチッ素過多になった
一度発症してしまったミニトマトを治すことはできません。見つけたら取り除いてしまいましょう。
また、尻腐れ症はカルシウム不足が原因の場合が多く、カルシウムが多い肥料をまくことで対処できます。さらにチッ素を多く含む肥料を控えてみましょう。
気を付けたい病気や害虫
ミニトマトをかかる病気は、以下のものが考えられます。
- 青枯病(急にしおれる)
- 疫病(白いカビが発生)
- 黄化葉巻病(葉が黄色に変色)
- モザイク病(葉にモザイク模様が現れ奇形化)
葉の状態を見れば病気の状態を把握できます。病気を発症していると考えられる葉は取り除き、必要な対処をしましょう。
また、ミニトマトはカメムシ・オオタバコガ・コナジラミなどの害虫が好む野菜です。トマト専用の防虫・殺虫剤や防虫ネットを使用し、害虫が寄りつかないようにしましょう。
まとめ
丈夫で育てやすいミニトマトは、初めて家庭栽培する人におすすめの野菜です。5月頃に植え付ければ、7~8月の間は定期的にミニトマトを味わえるでしょう。
また、甘くて美味しいミニトマトに育てるためには、温度管理が大切です。気温が低い日が続いた場合は、ビニールで囲う・日なたに移動させるなどミニトマトを保温しましょう。