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アロエ・ベラの育て方と栽培方法|手入れの仕方や増やし方、注意点も

アロエの一種であるアロエ・ベラは肉厚で大きな葉が特徴で、観賞用だけでなく食用としても栽培されています。鉢にはしっかりと日をあててやり、冬は防寒対策をしましょう。今回はアロエ・ベラの育て方と注意点を、まとめて紹介します。

アロエ・ベラを育てる前に知っておきたいこと

アロエ・ベラを育てる前に知っておきたいこと

アロエはアラビア半島から北アフリカ大陸あたりを原産とした多肉植物で、葉の中に水分を多く含んでいるのが特徴です。アロエは日本には鎌倉時代に伝来したといい、古くからやけどに塗るなど生薬として効能があるといわれてきました。アロエ・ベラはアロエの一種で、葉肉の分厚さとツルッとした食感が特徴です。

アロエ・ベラの基本情報

アロエは世界中に500種類ほど知られており、アロエ・ベラはその中の一種です。アロエのほとんどはマダカスカルとアフリカ大陸の南部に分布しており、ワシントン条約により輸出入が禁止されていますが、食用にもなるアロエ・ベラは例外となっています。

アロエは日本では沖縄と九州、瀬戸内海や伊豆などの地域に自生しており、よく見られるのはアロエ・ベラとキダチアロエです。アロエ・ベラはキダチアロエと違って寒さに弱く、日本では沖縄でしか露地栽培ができません。茎がとても短く、トゲのある分厚い葉を放射状につけて大きくなります。

アロエ・ベラの特徴

アロエ・ベラの葉の表面は硬く、表皮を向くと透明な葉肉「ゲル」が出てきます。表皮を傷つけるとにじみ出てくる黄色い液には薬効の強い成分が含まれており、日本の薬事法では医薬品として扱われます。そのためアロエ・ベラを加工食品にするには、緑色の表皮をすべて取る必要があります。日本国内では、愛知県産のアロエ・ベラが食用アロエとして多く流通しています。

アロエ・ベラを育てるときに必要な準備

アロエ・ベラを育てるときに必要な準備

アロエ・ベラを育てるなら、鉢植えの苗を購入して始めるのが手間がかからず、初心者向けです。あとは剪定バサミと水やり用のジョウロがあれば、かんたんに始められます。ポット苗を買った方は、植木鉢、鉢底ネットと鉢底石、用土を用意しましょう。

日当たり・置き場所

アロエ・ベラの鉢は、日光にしっかりと当たる場所に置きましょう。屋内で鉢植えを育てる場合は、晴れた日には外へ出し、日光浴をさせてあげます。

アロエ・ベラは多肉植物なので乾燥には強いのですが、真夏のような直射日光が強い日は葉焼けすることもあります。鉢を屋内に移動させる、路地植えなら遮光ネットをかけてあげるとよいでしょう。また、苗がきちんと発根する前に直射日光に晒されると茶色く変色する、外の葉が細くなってしまうことがあるので注意しましょう。

用土・土作り

アロエ・ベラの栽培には、水はけが良い土が適しています。石灰で中性から微酸性程度に調節しましょう。赤玉土7〜8:腐葉土2〜3の割合で配合した土を使う、または排水性に優れた多肉植物用の土を購入されるのをおすすめします。

苗の準備

アロエ・ベラは種ではなく、一般的には挿し木苗や子苗から育てます。アロエ・ベラの苗は茎が太く、全体的にがっしりとしたものを選びましょう。葉の色が濃い緑色か、葉に傷がないか、短くてかたく肉厚かも苗選びのときにチェックします。

アロエ・ベラの育て方・栽培方法

アロエ・ベラの育て方・栽培方法

アロエ・ベラの生育期は5〜9月で、暖かい時期に葉と根が伸びてぐんぐんと大きくなります。逆に冬の寒い時期は生育が停滞するので、水やりを控えて霜を避けましょう。11〜2月ごろには、暖色系の花を咲かせます。

アロエ・ベラの苗の植え付け時期と方法

アロエ・ベラの苗は、春頃の植え付けがおすすめです。植え付けを行う前に用土を均等に混ぜ、水を足して手がべとつかない程度に湿り気を与えましょう。鉢底数センチの高さまで大きめの鉢底石を入れておくと、水はけが良くなります。

小さな苗なら、底に穴がないココット皿やホーロー容器などに植えることもできますが、底に水が溜まって蒸れやすく、根腐れが起きやすくなります。水やりは土が湿る程度にし、控えめを心がけましょう。

アロエ・ベラの土作り・水やり・肥料の与え方

アロエ・ベラには牛糞や堆肥などの有機肥料がおすすめです。化学肥料は根を傷め、健康な葉が育ちにくくなるおそれがありますし、食用にするなら特に化学肥料は控えた方がよいでしょう。

アロエ・ベラに肥料をやり過ぎると、大きくはなるものの間延びしたような形になってしまいます。葉が黄色く変色しており、深緑色になっていないときは窒素肥料不足が考えられるので、追加してあげましょう。

アロエ・ベラの生育期である5〜7月、9〜10月を迎える前、4と8月には有機肥料を追肥します。追肥は根から離れた土の中に埋め込み、発酵が進むように土を被せておきましょう。追肥の効果は、おおよそ2週間程度です。

アロエ・ベラは乾燥に強い多肉植物なので、水をやり過ぎてはいけません。水やりを忘れてもすぐには枯れませんから、土が乾いたのを確認してから水やりをしましょう。夏は朝に水をあげると根がダメージを受けてしまうので、夕方から夜にやるのがおすすめです。

アロエ・ベラの植え替え・鉢替えの時期と方法

アロエ・ベラを同じ鉢で数年育てていると、伸びた根で鉢の中が窮屈になります。根腐れを防ぐため、2〜3年に1回、5〜9月に植え替えをしましょう。

植え替えには今の鉢よりも一回り大きな鉢と、育て始めにも用意した土と鉢底石、鉢底ネットを用意します。まずは植え替える1週間以上前から水やりを止め、土を十分に乾かしましょう。アロエ・ベラを土から抜き、根についた土を揉んでやさしく落とします。

もしも腐って黒くなった根があったら、剪定バサミで切り取っておきましょう。根を切ったときは直射日光を避けられる場所にアロエ・ベラを置き、3〜4日ほど根を乾燥させます。

新しい鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷き、土を深さ1/3ほど入れたら鉢の中心にアロエ・ベラを配置します。その後鉢の縁から2〜3cm下くらいまで土を足しましょう。根のすきままで土がなじむよう、土の表面を割り箸でつついておきます。

植え替え後は根の傷から雑菌が入るのを防ぐためにすぐに水をあげず、しばらく直射日光が当たらないようにしましょう。4〜5日後からはいつも通りの水やりを再開します。

アロエ・ベラの収穫時期と方法

乾燥と温暖な気候を好むアロエ・ベラは冬は休眠し、夏から秋、6〜11月にかけて活き活きと成長します。食べるのに適しているのは十分な厚みがあり、みずみずしくて張りと締まりがある葉です。アロエ・ベラは葉の根元から剪定ハサミでカットし、必要な分だけを収穫します。

アロエ・ベラの増やし方

アロエ・ベラは、子株で増やすのがおすすめです。育て始めからおおよそ3年目の秋ごろに子株の芽が出るので、翌年の春まで親株と一緒に育てます。春が来て子株が10〜15cmほどに生長したら、別の鉢や庭などに植え替えましょう。

アロエ・ベラを育てるときの注意点

アロエ・ベラを育てるときの注意点

アロエ・ベラは寒さに弱いので、冬に防寒対策が必要です。霜に当たらないようにし、日中でも10℃以下になったら鉢を屋内へ移してあげます。冬は水が必要ないので、夏とは水やりの頻度を変えるのも大切です。春から秋は害虫がつくことがあるので、お世話しながら株をチェックするようにしましょう。

注意点1.防寒対策が必要

アロエ・ベラの生育環境の適温は15〜25℃ほどです。5℃以下の環境では耐えられないので、防寒対策をしましょう。日中の気温が10℃前後に下がったのを目安に、戸外から室内へ鉢を移動させるとよいでしょう。とくに霜には弱いので、戸外でも軒下へ置くなど注意が必要です。

注意点2.夏と冬では水やりの方法を変えて

アロエ・ベラは冬には生長が緩やかになるので、水やりは土の状態を確認しつつ、2週間〜1カ月に1回程度に控えましょう。冬も暖かい季節同様に水やりをしてしまうと、根が凍ったり根腐れを起こしたりするおそれがあります。

アロエ・ベラを育てる時に気をつける害虫

アロエ・ベラは春から秋の生育期間中、アブラムシとカイガラムシに気をつけましょう。アブラムシは3〜5月に発生することが多く、茎や新芽、葉の裏や若い葉について汁を吸い、アロエ・ベラの株を弱らせてしまいます。日々のお世話のついでに、見つけ次第駆除しましょう。

カイガラムシも葉について汁を吸い、生育を阻害したり枯らしてしまう害虫です。被害が広がらないよう、見つけたら古い歯ブラシでこすり落としておきましょう。また、薬剤を使って防除するのも有効です。

アロエ・ベラの調理方法

アロエ・ベラの調理方法

アロエ・ベラの葉は切断面から酸化するので、断面をラップで隙間なく覆い、空気に触れないようにします。そのまま保存袋へ入れ、冷蔵庫の野菜室に置けば約3日間ほど保存できます。緑色の表皮を剥き、透明な葉肉だけにしたものを沸騰したお湯で2分ほど茹で、保存容器などに入れて冷蔵庫で1週間程度保存可能です。

アロエジュースやエキスにするなら、表皮を剥かずに適当な大きさに切ってから、保存袋に入れて冷凍しましょう。半解凍でミキサーにかけられ、便利に使えます。

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