ブルーベリーの育て方を知って栽培を楽しもう。流れとポイント解説
ブルーベリーは、同じ品種の雄しべと雌しべで、受粉をすることができません。そのため、受粉させて実を実らせるためには、『同系統で異なる品種の二つ以上の苗』を選び、植える必要があります。こうすることで、品種の異なる雄しべと雌しべが交配することで、果実が実りやすくなるのです。
この性質を、『自家不和合性』と呼びます。ちなみに、リンゴやナシなども、自家不和合性の仕組みを有する果物の一種です。
育て方と流れ
ここからは、苗の状態から、健やかにブルーベリーを育てていく方法と流れについて、掘り下げていきましょう。
地植えやプランターなどへの植え付け
植え付けに使用する土は、腐葉土・ピートモス・赤玉土小粒を3:5:2の割合で混合します。この際、石灰などのアルカリ資材を用いてpH調整されているピートモスは、酸性改良しにくいため、使用を避けなければなりません。
苗をポリポットから出す際は、固まってしまった根鉢をしっかりと崩すことも重要です。そうすることで、新しい根が育ちやすくなります。
植え付けの前には、十分に吸水させたピートモスで苗の根を包み、混合した土に埋めてあげましょう。そして、支柱を添えて挿し、一株あたり3~4個の有機質固形肥料などをまいておくとベターです。
最後に、十分に水を与えて終了となります。なお、地植えでも鉢植えでも、日当たりと水はけがの良い場所を選ぶことが大切です。
収穫の目安
ブルーベリーの実が熟したタイミングは、果色全体が青く色づいてから5~7日経過した時が目安です。果実にピンクの部分が残っていると、糖分が足りていないサインです。まだ酸味が強い状態なので、収穫しないようにしましょう。
ブルーベリーの果実は、一粒ずつ熟していきます。そのため、一つの実が収穫適期となったからといって、全ての実が熟しているとは限りません。周辺の実を良く見ずに獲ってしまわず、一つずつ判断しながら収穫しましょう。
収穫の時期を迎えたら、できるだけ毎日収穫することが理想と言えます。少なくとも、5日おきには収穫するようにしたいものです。
剪定は簡単
ブルーベリーの剪定では、枯れている枝や、勢い良く伸びている細い枝を優先して、根元から切除します。これは、全ての枝に、バランス良く養分を行き渡らせるためです。
とはいえ、勢い良く伸びている細い枝が少ないと、木そのものの栄養状態が良くない可能性もあります。植え付けから5年以上経過しても発生しなければ、肥量を増やしたりして、樹勢の向上を図りましょう。
内側に向いた枝が増えると、日陰をたくさん生んでしまうため、間引いていくことも大切です。葉を落とし休眠する前に、日当たりと風通しが良くなるようにしておきます。
落葉期だと、一見、充分に手入れができていると感じるかもしれません。しかし、確実な剪定をして、全ての芽から新梢が生まれやすい状態にしておきたいものです。
栽培のポイント
最後に、ブルーベリーの栽培を成功させるポイントを、『水やり』『肥料の与え方』『冬場の水やりと剪定』の3点に絞って紹介しましょう。
水のやり方
ブルーベリー栽培では、乾燥は大敵です。特にプランターの場合、土の量が限られてしまい、与えられる水の量も少なくなってしまうため、注意が必要になります。
土の目に見える部分が乾燥しているのは、プランター内も乾き始めているサインです。そのような状態になったら、プランターから溢れるくらい、水をふんだんに与えます。
水やりに適した時間帯は、午前中です。気温が上がり、乾燥しやすい夏季は、午前中に加えて夕方にも水やりをすることが望まれます。
地植えでは、水やりに関してはさほど几帳面になる必要はありません。ただし、苗を植え付けた直後や気温が高い夏などは、乾燥を防ぐため、意識して多めに水やりをしましょう。
ブルーベリーは水を好むので、水を多くやりすぎてしまうという心配はしなくて良いでしょう。たっぷりと水やりすることが第一です。
肥料の与え方
ブルーベリーの成長に欠かせない成分に、肥料の三大要素である『窒素』『カリ』『リン酸』があります。『油かす』や『骨粉』にはこれらの要素が多く含まれており、ブルーベリーの栽培に効果的です。
肥料は、新芽が発生する3月までに与えておきます。若い木には少なめの量でもかまいませんが、木が成長してきたら、枝や葉が生い茂る広い範囲に、多めにまくことが必要です。
実が付き始める5〜6月、収穫後の8〜9月に追肥するのも良いでしょう。収穫後の施肥には、たくさんの果実を実らせたことによる栄養の消耗を回復させる効果があります。
冬場の水やりと剪定
冬は湿度も下がるため、乾燥しやすい状態になります。それゆえ、注意深く見守り、水やりを忘れないように心掛けたいものです。
冬場に、鉢植えの土が白っぽく変色することがあります。これは乾いてきたサインで、乾燥が大敵であるブルーベリーにとって良くない状況です。そのような場合は、10分間程、鉢ごとバケツに浸けて、水分を与えて回復させましょう。
11~2月になると、ブルーベリーは休眠期に入り、この時期が冬の剪定に適しています。ただし、寒さが厳しい地域においては、積雪で枝が折れてしまうかもしれません。雪が本格的になる前に、剪定を済ませておくのが良いでしょう。
まとめ
可憐な花を咲かせ、青紫の美味しい果実が実るブルーベリーは、初心者でも育てやすいため、とても人気があります。ポイントを押さえた育成方法を実践して、楽しく栽培しましょう。