
観葉植物をおしゃれに水槽で育てよう。アクアテラリウムに挑戦

アクアテラリウムは水槽の中に陸部分と水部分の両方がつくれるおしゃれな園芸方法です。100均のガラス瓶を使ってもOKで、アイデア次第で素敵なオリジナルの世界ができるでしょう。作り方とアクアテラリウム向けの観葉植物などを紹介します。
手軽に始められるテラリウム
『テラリウム(Terrarium)』とは、英語で『陸』を意味する『Terra』に『~の場所』という意味の『arium』を繋ぎ合わせた造語です。
19世紀のロンドンで生まれ、現在、新たな園芸スタイルとして注目を浴びているテラリウムにはどんな魅力があるのでしょうか?
小さな観葉植物を飾ってみよう
テラリウムの原型は、19世紀のイギリスで1人の医師によって発明されたガラスの容器で、もともとは植物や生物を長距離運搬する目的がありました。
小さなガラス容器の中でも、適量の水と土があれば問題なく育つことから、現在は、観葉植物を観賞するためのお洒落な園芸方法として親しまれています。
テラリウムに適しているのは、ミニサイズの観葉植物です。部屋のあちこちに観葉植物を散らばらせるのもいいですが、小さな植物を1カ所にまとめ、寄せ植え風にするとインテリアとして引き立ちます。
「1人暮らしの部屋で大きな観葉植物は置けない」という人でもはじめやすいででしょう。
ガラスの小さな温室もおしゃれ
小さな観葉植物の鉢植えがたくさんあるときは、大きめのガラスケースに入れるのがおすすめです。植え替えをしなくても、寄せ植え風が楽しめる上、気分によって、中のアイテムや配置が変えられるでしょう。
まるで家の中に小さな温室があるようで、見ているだけでワクワクしませんか?見た目だけでなく、蘭や多肉植物など、寒さに弱い観葉植物を入れておくのにも役立ちます。
フレームが付いたガラスケースはメリハリがあって、空間の素敵なアクセントになるでしょう。上部が三角屋根になっているものや、幾何学模様のように複雑な形など、多種多様なデザイン・サイズがあります。
アクアテラリウムの特徴

アクアテラリウム(aqua terrarium)とは、ひとことで言えば、水槽を使ったテラリウムのことです。水中部分と陸地部分の混在が可能で、自分だけの小さな世界を創造できるのが魅力でしょう。
アクアテラリウムは癒しのインテリア
テラリウムが陸の動植物に特化しているのに対し、アクアテラリウムは、水(アクア)と陸(テラ)の要素を持ち合わせているのが特徴でしょう。
流れる滝や山、木が生い茂るジャングルなど、大自然の一部を切り取ったかのような『自然の縮図』が表現できるので、癒し効果は抜群です。
ライトを照らしたり、水の中に熱帯魚を泳がせたりして、自分のセンスやクリエイティビティを存分に発揮しましょう。
動物の飼育に自信がない人は、まずは小さな水槽の中で、観葉植物や水草、苔などを育ててみてはいかがでしょうか。
風水では金運アップ効果も期待できる
風水において、流動する水は『金運』に例えられます。水が入った水槽は金運を向上させるためのアイテムとして用いられますが、置く場所や状態によって、運が大きく変わるのを知っていますか?
風水には玄関の位置を基点に決定される『財方(金運アップの方向)』があり、ここに水槽を置くことで、金運がよくなるといわれています。
さらに金運を呼ぶとされる金魚やメダカを飼うことで更なる開運が期待できるでしょう。ただし、水槽の水や環境が綺麗に保たれていることが前提です。
注意することは?
アクアテラリウムの水槽は物が入ると重いので、最初に設置位置を決めてしまいましょう。
- 直射日光が当たらない場所に置く
- 安定した場所に置き、地震対策を行う
- 電気製品から水槽を離す
直射日光が当たり温度が上昇すると、水槽の中が蒸し風呂状態になります。植物や魚が弱ってしまう上、雑菌が繁殖する原因にもなるでしょう。
また、強い地震があった際、水がこぼれたり、倒れたりする危険性は避けられません。固定する、耐震マットを使う、電源には漏電保護タップを使用するなど、できる限りの地震対策は必要です。
大きめの水槽を使いたいときは、フレームなしのガラス水槽よりも、強度の強いフレームありのアクリル水槽のほうが安心でしょう。
アクアテラリウムに使う水槽の選び方

水槽というと、ホームセンターやペットショップにある四角い水槽を思い浮かべる人は少なくないでしょう。実際、アクラテラリウムに使う水槽に決まりはなく、自分の世界が表現できるものであれば、何でもOKです。
選び方に迷ったら、以下のポイントを参考にしましょう。
サイズで選ぶ
まずは水槽のサイズを決めましょう。レイアウトを考えてから、適したサイズを選ぶか、または置く場所やスペースを考慮してサイズを選ぶのがおすすめです。
アクアテラリウム初心者の人は、小さめの水槽を選び、シンプルなレイアウトを考えるのがよいでしょう。
大きな水槽を選び、無駄な余白が目立ってしまうと、インテリアとしての見栄えがよくありません。手入れに手間がかかることも考慮すれば、ミニサイズからはじめるのがベターです。
たとえば、20~25cmのキューブ型や金魚鉢は、机の上に飾って眺めるのにぴったりです。小型の水槽は生物が飼えない可能性がありますが、観葉植物や岩、シダなどを組み合わせて滝や渓流を表現してみてはいかがでしょうか。
ダイソーなど100均の瓶でもOK
ダイソーなど100均で売っている容器や瓶でも、素敵なアクアテラリウムが作れます。3ⅼサイズの梅酒瓶やガラスのカップ、ガラス製の花瓶など、アイディア次第でさまざまなものが使えるでしょう。
『水槽』という入れ物にこだわらず、自由な発想で選ぶのがポイントです。
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品質、形状で選ぶ
水槽は、大きなものになるほど、丈夫さが求められます。ガラスの厚みや素材など、しっかりとした品質のものを選べば、安心して制作・観賞が楽しめるでしょう。
また、品質と並び、自分が考えたレイアウトが実現できる『形状』もしっかり見極めなければなりません。
プレココーポレーションが販売しているオールガラス水槽の『グラシアシリーズ』は、透明度の高い国産高級ガラス板が使われた高品質の水槽です。
水位10cmの浅底のものから、深めのものまでバリエーションが多く、あらゆるレイアウトにも対応できるのが魅力でしょう。
また、アクアシステムの『クリスタルテラ』は、前面がロータイプになっていて、緑が迫ってくるような開放的なレイアウトが楽しめます。
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材料や道具を用意しよう

水槽のサイズが決まったら、早速、アクアテラリウムをつくる準備をはじめましょう。アクアテラリウムに使う道具のいくつかは、専門店やホームセンターなどで購入する必要があります。
お好みの植物、流木、砂利など
まず、揃えておきたいのが、アクアテラリウムのメインとなるレイアウト素材です。好みの観葉植物のほか、流木・コケ・石・水草・床砂(砂利・砂・ソイル)などがあるよいでしょう。
拾ってきた流木は水につけて『あく抜き』を行います。この作業を怠ると水槽の中に入れたときに、水が茶色く濁る恐れがあるので要注意です。
陸部分と水部分をきっちりと分けるには、大きめの石があると便利でしょう。コケはホームセンターや通販などで購入できます。
水槽の下に敷く床砂はさまざまなものがありますが、水質を綺麗に保ってくれるソイルがおすすめです。
水温計などの道具
次に、アクアテラリウムを作るための道具を準備しましょう。
- 水温計
- 水質チェッカー
- 濾過装置(フィルター)
- 照明器具
- 水草用ピンセット・バケツ・はさみ・スコップ
植物と生物にとって適切な温度・水質をチェックする道具は必要です。大きめの水槽を使う場合は、照明器具があると素敵な演出ができるでしょう。
濾過装置は色々な種類があるので、後ほど詳しく説明します。
また、生き物の飼育をする場合は、水道水のカルキを抜く『カルキ抜き』や、冬の温度を保つための『ヒーター』があると便利です。
どんな植物が向いている?

日当たりや乾燥を好み、且つどんどん大きく成長する植物は、アクアテラリウムには不向きです。アクアテラリウムに使える植物の条件とおすすめの種類を紹介します。
人気の観葉植物 ポトス、ガジュマルなど
水槽内は常に湿気が多い状態になります。夏場は室内の気温が上昇すると、水槽内は高温多湿になるでしょう。
アクアテラリウムに適しているのは、亜熱帯や熱帯地域のジャングルなどに生息する観葉植物です。ガジュマルやポトスなど、耐陰性が高く、湿潤な環境を好むものを選びましょう。
沖縄や屋久島などに生息する『ガジュマル』は、絡まるように伸びる大きな気根が特徴的で、アクアテラリウムのメインオブジェとして高い人気があります。
東南アジアが原産の『ポトス』もアクアテラリウムとの相性は抜群で、陸部分に這わせたり、水部分で水耕栽培をしたりしてさまざまなレイアウトが楽しめるでしょう。ツルを伸ばすので、こまめな剪定が必要です。
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おすすめのコケ類
コケ類はアクアテラリウムに最も適する植物の1つです。バリエーションが豊富なので、コケ選びをするだけでも楽しいでしょう。
たとえば、水草の一種である『ウィローモス』は鮮やかな美しいグリーンが特徴的で、水槽内に安らぎをもたらしてくれるでしょう。細長く繊細な葉は、流木や石に活着させて水辺の風景をつくるのに重宝します。
また、コケの定番といわれる『スギゴケ』は、小さなスギの木のような形がユニークで、レイアウトに立体感を与えてくれます。乾燥に弱いので、湿潤な環境をキープしましょう。
おすすめのシダ類
湿気のある環境を好み、耐陰性の高いシダ類は、アクアテラリウムに欠かせない植物です。
『タマシダ』は、湿気にも乾燥にも強い丈夫な種類で、どんな環境でもすくすくと育つ生命力を持っています。
羽状に広がる繊細な葉が特徴的で、空間に涼しげで落ち着いた雰囲気をもたらしてくれるでしょう。葉水をするとより美しく育ちます。根が水に浸っていても問題はないですが、水切れには注意してください。
また、青々とした葉に銀色の毛に覆われた茎を持つ『トキワシノブ』はも、アクアテラリウムに人気のシダ類です。
盆栽にもよく用いられ、アイディア次第では和の雰囲気が演出できますよ。コルクやヘゴ板、流木などに活着させるのもおすすめです。
アクアテラリウムの作り方

素材や道具が揃ったら、アクアテラリウムの制作にとりかかりましょう。まず基礎となる土台を整えてから、陸部分、水中部分をつくっていきます。
土台作り
水槽の底に床砂やソイルを敷く前に、プラスチック製のダンボール板(プラダン)や薄型の発泡スチロール板、底面式フィルターなどを敷いて、水槽が割れるのを防ぎましょう。
ソイルや床砂は、綺麗に洗っておくと水の濁りが防げます。ソイルを敷いた後は、流木や石などの大きめのものから配置していきましょう。
素材同士の大きさやバランスなどを見ながらレイアウトし、動きやすいときはネジなどで固定してください。
植物を配置
土台組みが完成したら植物を配置します。水中に土が落ちると濁るので、用土には、ハイドロカルチャー用の植え込み材や、水洗いした赤玉土などを使うとよいでしょう。
植物は、生態環境が類似するものを近くに配置すると水やりや手入れの管理が楽です。一方、視覚的には、色や形が似たものを並べると、変化に乏しい単調な印象になるでしょう。
水槽から飛び出すように配置したり、小さなコケやシダを岩に付着させたりと、さまざまな見せ方を考えてみてください。垂れさがるツル植物を入れるのも面白いでしょう。
水中作り
陸部分が完成したら、水中作りを行います。
水草を植えるときは、砂の高さまで水を入れて、水の濁りがなくなってから作業をはじめましょう。土台となる石や流木の隙間などにも水草を配置し、できるだけ自然環境に近い形を作るのがポイントです。
植え付け後、水を注入する際はホースなどを使って静かに注いでいきます。生き物を入れる場合はカルキ抜きした水を使いましょう。
レイアウトが完成したら、生き物を入れる前に濾過装置を稼働した状態で様子を見ます。
濾過の仕方はさまざま
水槽内の水は停滞しているため、生き物を飼う場合はフンやエサで水が汚れていくでしょう。バクテリアが有機物を分解することを『生物濾過』といいますが、これだけでは浄化が不十分なこともあります。
水替えが頻繁にできないことを考え『濾過装置』を設置するのがベターです。
- 底面濾過器
- 外部濾過器
- 投げ込み式の濾過器
外部濾過器はメンテナンスが楽で、投げ込み式は使い方が簡単です。水中ポンプを配する底面濾過器は水に流れができるので大きな水槽に向いています。
小型容器を用いる場合は装置が設置できないので、必然的に生物濾過に頼ることになるでしょう。こまめに水換えをする、または生き物を入れないなどの工夫をしてください。
魚やエビを飼う場合は深めの水槽を

小さな水槽でも生き物は飼育できますが、濾過装置が十分でない環境下では、汚染が進む上、ストレスがかかってしまいます。魚やエビを飼う場合は、ある程度の大きさがある深めの水槽を選びましょう。
向いている生き物
アクアテラリウムでの飼育に向いている生き物は、以下のようなものが挙げられます。十分な水量が入る深めの水槽で飼育しましょう。
- メダカ(ヒメダカ・楊貴妃メダカなど)
- エビ(ミナミヌマエビ・ヤマトヌマエビ・レッドビーシュリンプなど)
- 熱帯魚(グッピー・アカヒレ・ネオンテトラなど)
魚を混泳させる際は、魚同士の相性を考える必要があります。分からないときは、ショップのスタッフに相談してみるとよいでしょう。
アクアポニックスで水槽の水が綺麗に?
近年は『アクアポニックス』という新たなテクノロジーが登場しています。簡単にいえば、プラントの水耕栽培と魚の飼育を同時に行うことで、互いにメリットを与え合う循環型システムのことです。
たとえば、魚のエサの残りや排泄物はプランクトンによって分解され硝酸になりますが、硝酸は植物の成長にとって欠かせない栄養素です。
この仕組みを利用すれば水槽内の水質が一定に保たれ、水換えの頻度がグッと減るでしょう。
アクアポニック向けの植物は、アイビー・ガジュマル・クワズイモなどで、魚はアカヒレ・グッピー・ラスボラ・プラティーなどが適しています。
ハイドロカルチャーの根腐れ対処法
ハイドロカルチャーの観葉植物にありがちな根腐れは、根が水に浸かったままで、酸素が供給されず、呼吸できないことが原因です。
アクアポニックスを導入すると、魚の水槽とハイドロカルチャーの間を水が循環することになります。すると、根に十分な水と酸素、栄養分が行き渡り、植物は元気に育つでしょう。
まとめ
アクアテラリウムには、観賞と飼育の2つの目的があります。はじめてで「ちょっと難しそうだな」と感じたら、まずは小さなサイズからはじめてみましょう。
金魚鉢や梅酒瓶などに、好きな観葉植物を配置して、陸部分と水部分を分けるだけで、素敵な癒しの空間が完成します。慣れてきたら、徐々にサイズを拡大し、メダカやエビなどを飼育してみましょう。