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ウメモドキとは?花の特徴・花言葉・育て方・手入れ方法を紹介

ウメモドキは、青々とした葉、赤や黄に熟す実が特徴の低木です。庭木や生垣など主に観賞用として栽培され、実の付いた枝は花材としても利用されます。ウメモドキには、どのような花が咲くのでしょうか?詳しい栽培方法とあわせて紹介します。

ウメモドキとはどんな花?

ウメモドキとはどんな花?

ウメモドキは、中国および日本の本州~九州にかけて分布する落葉低木です。自然界では、湿原の周辺や里山の中など湿った場所での生育が多く見られます。落葉後も美しい果実が残るため、寂しくなる冬の景色に明るさがプラスできるほか、果実つきの枝は生け花の材料にも利用されています。

近年では庭木としても人気が出ていますが、絶滅の危険がある野生生物としてレッドリストに名前があり、山形県では絶滅寸前、千葉県では危急種の指定を受けています。

ウメモドキの基本情報

ウメモドキの基本情報は、次のようになっています

科・属モチノキ科・モチノキ属
和名ウメモドキ(梅擬)
英名Japanese winterberry
学名Ilex serrata
原産地日本(本州、四国、九州)、中国
開花時期5~7月

ウメモドキの特徴

名前にウメと入りますが、ウメの仲間ではありません。モチノキ科に属するウメモドキの葉は2~7cmほどの大きさで、縁に小さく尖った鋸歯があるのが特徴です。葉の表面はわずかに毛があり、裏側は脈上に多くの短毛が生えています。同じモチノキ属に、樹姿や赤い果実などウメモドキとよく似たイヌウメモドキがありますが、イヌウメモドキは無毛です。

ウメモドキは耐暑性・耐寒性ともに強く、真夏の高温や-10℃以下の低温でも影響を受けません。病害虫もほとんどないので、容易に栽培できます。最近では果実の大きい品種の鉢植えが販売されていますが、本来の樹高は2~3mまで育ちます。また、雌雄異株なので果実がつくのは雌株のみです。鉢植えで育てる場合は定期的な水やりや植え替えが必要ですが、剪定が容易で置き場所を自由に移動できるメリットがあります。

花名の由来

ウメモドキという和名は、多くの枝を出す樹姿や、葉の形がウメに似ていることに由来しています。また、学名である「Ilex serrata」のIlexは古代ラテン語でヒイラギのことで、serrataは鋸歯があるという意味です。ウメモドキの葉の特徴を表していますね。

ウメモドキの開花時期や見頃の季節

ウメモドキの開花時期や見頃の季節

ウメモドキの開花時期は5~7月です。葉の付け根にできる花の直径は2~3mmと小さく、淡紫色の花弁が4枚あります。雄花は多数つきますが、雌花は1カ所に2~4個ほどです。

ウメモドキの花言葉と由来

ウメモドキの花言葉と由来

ウメモドキには、色鮮やかな果実にちなんだ花言葉がついています。ウメモドキを栽培する前に花言葉も確認しておけば、もっと身近に感じられますよ。言葉の由来と合わせて紹介します。

ウメモドキの花言葉

ウメモドキについている花言葉は、「知恵」と「明朗」、そして「深い愛情」です。3つとも素敵な花言葉ですね。

花言葉の由来

秋になると色づくウメモドキの果実には、発芽抑制物質が含まれています。そのため、ただ地面に落ちただけでは発芽しません。野鳥に食べられて別の場所に運ばれ、糞として排出されて初めて発芽するのです。子孫繁栄のためのこの仕組みから、「知恵」という花言葉がついています

また、「明朗」の花言葉は、冬に落葉した後も残る果実が、明るい印象を与えることに由来するとされています。

ウメモドキの品種・種類

ウメモドキの品種・種類

ウメモドキは、果実が熟すと赤く色づくものがよく知られていますが、黄色く色づく「キミノウメモドキ」や、白い「シロウメモドキ」があります。また、ウメモドキと同じ落葉種で赤い果実をつける「ミヤマウメモドキ」は、東北や中部、近畿地方に自生しています。

ウメモドキの園芸種として代表的なのは、葉が小さく直径1.5mmほどの実をたくさんつける「コショウバイ」や、実の大きな野生種を選んで繁殖・育成した「大納言」などです。また、枝から伸ばした長い柄の先に実をつけるユニークな姿の品種は、「フウリンウメモドキ」と呼ばれています。

ウメモドキの育て方・栽培方法

ウメモドキの育て方・栽培方法

ウメモドキの栽培に適しているのは、日なたや午前中に日があたる半日陰、夏にやや日陰になるような場所です。盆栽などの鉢植えは移動できますが、庭植えの場合は樹高も考慮して植え場所を選びましょう。

用土

ウメモドキを庭植えにする場合、水はけがよければ土質は特に選びません。鉢植えにする場合は、市販の樹木用の培養土か、赤玉土と腐葉土を混ぜて使います。肥沃でやや湿り気がある土を好むので、自分で配合する場合は赤玉土6:腐葉土4の割合で混ぜましょう。

植え付け時期と方法

ウメモドキの植え付けを行うのは、株の成長が止まる10月上旬~11月下旬、もしくは落葉中の2月下旬~3月の間です。厳冬期、および開花期には行いません。

庭植えの植え付け方法 根鉢の2倍の幅と深さに植穴を掘り、掘り上げた土の1/3~1/2量の腐葉土や完熟堆肥を混ぜて植え付けます。植え付けたら根鉢のまわりにたっぷりと水を与え、棒などでつついて根と用土をなじませてください。それでもぐらつく場合には、支柱を立てましょう。

鉢植えの場合 季節により移動させることもあるので、植木鉢は7号位(直径21cm)までの大きさがおすすめです。鉢底ネットを敷き、排水性をよくするために底石を2~3cm入れておきます。苗木を鉢に入れ、根がバランスよく広がっているように注意しながら植え付けます。苗木の根元が、元々土に埋まっていたのと同じ高さになるように用土を入れてください。植え付けが完了したら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと水やりをします。その後1週間~10日ほどは、明るい日陰で管理しましょう。

庭植え・鉢植えともに、植え付ける苗木の根がびっしりとつまっている場合には、ハサミで余分な根を剪定してから植え付けます。長い根や他の根と交差している根、黒く変色した根も根元から切り取りましょう。

肥料と水やり

肥料 ウメモドキの肥料は、2~3月に寒肥として緩効性の化成肥料や固形の油かすを与えます。

水やり 庭植えの場合、植え付けから間もなくは乾いたら与えますが、しっかりと根付いた後は特に必要ないので降雨にまかせましょう。ただし、夏の高温期など極端に乾くときには、朝か夕方に水やりをしてください。乾いたままにしておくと、果実のつきが悪くことがあります

鉢植えの場合は、適宜水やりをします。湿り気のある環境を好むので、乾燥させないように注意してください。

ウメモドキの手入れ方法や増やし方

ウメモドキの手入れ方法や増やし方

丈夫で育てやすいウメモドキは、あまり手がかかりません。しかし、栽培環境によっては害虫がつくこともあります。小さな花や色づく果実を確実に楽しむために、日々の手入れ方法を確認しておきましょう。植え替え方法やウメモドキの増やし方も紹介します。

植え替えや鉢替え

植え替えや鉢替えは、植え付けと同じ時期と方法で行います

鉢植えの場合、根が鉢いっぱいにまわってしまうと、外側の根のみが水を吸い、内側が根詰まり状態になることがあります。その場合には根を剪定してから植え替えます。根の剪定をした場合は水を吸い上げる力が弱まるため、直射光にあてると葉が枯れることがあります。植え付けと同じく、10日ほどは明るい日陰で管理しましょう。

また、移動などの目的で庭植えの株を植え替える際は、必要以上に根を傷めないように株元から余裕をもって掘り起こしてください。

剪定・切り戻し

ウメモドキは、その年に咲く花芽が春にできて初夏に開花するので、剪定は12~3月の間に行います

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