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椿の種類とおすすめ5選。上手な育て方のポイントや注意点も

日本原産の花である椿は、寒く暗くなりがちな冬の景色に彩りを添えてくれます。その花の美しさから、海外でもガーデンプランツとして人気が高いようです。庭木としてだけでなく、食用や化粧品としても親しまれている椿の魅力と育て方を紹介します。

椿とは?椿の基本情報

椿とは

椿は日本生まれの花木です。縄文時代の遺跡からも椿の種が発見されており、日本人にとっては古くから親しみのある花といえます。

人々を魅了し続けている椿について、名前の由来・種類を見てみましょう。

名前の由来

『椿』という名前が付けられた由来は諸説あります。

古語で『光沢があること』を『ツバ』といわれていたことから、葉に光沢のある木=つばき、という説があります。このほか、艶のある葉の木=艶葉木(ツヤハキ)、強い葉の木=ツヨハキ、厚みのある葉の木=アツバキ、という説もあります。いずれも椿の葉に人々が注目し、呼び名が付けられたようです。

また『椿』という字は、まだ寒い早春に花を付け『春を知らせる木』ということから、『木』と『春』を合わせ日本で生まれた国字といわれています。

椿(ツバキ)の花言葉と由来

椿(ツバキ)の花言葉は「誇り」「控えめな優しさ」です。

椿はその美しさから「日本のバラ」とも呼ばれています。そんな美しさから「誇り」という花言葉がつけられました。

椿の花言葉詳しくはこちらの記事

どんな種類があるの?

万葉集にも登場するほど、長く親しまれている椿は、日本国内で2,200種以上の品種があるといわれています。海外へと渡ってからは各国で品種改良がされ、日本人でもあまり知らない品種が存在するほどです。

椿の原種(野生種)には、ヤブツバキとユキツバキの2種類が挙げられます。

日本原産のヤブツバキとユキツバキ

日本原産のヤブツバキとユキツバキ

日本だけでなく世界で庭木として愛される椿は、その学名を『Camellia japonica(カメリアジャポニカ)』といい、日本で生まれた誇るべき花の一つです。

暑さにも寒さにも強く日陰でも育つ椿は、1年を通して気候の変動が激しい日本の環境でも問題なく育ち、東北から九州にかけて自生しています。

そんな強く美しい花木の元になった、日本生まれの原種を紹介します。

ヤブツバキの特徴と開花時期

ヤブツバキは多くの椿の原型です。海岸や山地に自生し、およそ10~15mの高さまで到達します。支えともなる幹はなめらかで白く、生育とともにしっかり堅くなり、磨くと表面に光沢が出ます。古代では武器の材料となり、邪気を払う不老長寿の霊木とされていました。現代では将棋の駒として使われています。

ヤブツバキの葉は長さ4~8cmほどの長さで、縁がギザギザとしていて、厚みのある楕円形が特徴的です。表面には光沢があり、濃い緑色で花とのコントラストを強め、その美しさをより際立たせます。

開花の時期は11~2月、または2~4月で、直径5~7cmほどの花を付けます。基本的に花の色は濃紅か紅色ですが、まれに淡紅色や白色の花を付ける木もあります。

ユキツバキの特徴と開花時期

ユキツバキは、東北から北陸・山陰地方の積雪量の多い日本海沿いのみで自生します。温暖な気候を好むヤブツバキが、厳しい寒さと豪雪に耐え抜くために変化して生まれたともいわれています。積雪に押されながら生育するため樹高は低く、1~2mほどです。雪の重みに耐えられるよう、枝はやわらかくしなやかなのが特徴です。

葉はヤブツバキと同じく楕円形で、表面に光沢があり濃い緑色をしていますが、光を当てると葉脈が見えます。ヤブツバキの葉と比べると薄く、また縁のギザギザがより鋭いです。

開花の時期は4~6月で、濃いピンクに近い紅色の花を付けます。ヤブツバキの花は筒状に開きますが、ユキツバキは平たく咲くのが特徴的です。

椿は花色や咲き方で選ぼう おすすめ5選

椿は花色や咲き方で選ぼう おすすめ5選

椿の種類は数多くあり、また品種によってその特徴は様々です。お気に入りの種類が見つけられれば、育てるのがより楽しくなるはずです。おすすめの5種を紹介します。

ピンク色の一重咲き 太郎冠者

太郎冠者(タロウカジャ)は古典椿の一種で、江戸時代から茶花として親しまれている品種です。

開花時期が12~4月と長く、その花の色は紫を帯びたピンク色をしています。花びらの数は少なく、雄しべが退化したことで花粉が出ない筒咲き(またはラッパ咲き)という開き方をします。花粉が落ちないため、花びらが黄色く汚れることがありません。

赤に白の覆輪が美しい一重咲き 玉之浦

『幻の椿』ともいわれる玉之浦(タマノウラ)は、長崎県五島で生まれたヤブツバキの一種です。

開花時期は1~4月で、鮮やかな濃い紅色に白い縁どりされた、コントラストの美しい花を付けます。一重で筒咲きの姿は清楚かつ可憐な印象です。日本国内のみならず、海外でも人気の品種です。

バラのように華やかな赤の千重咲き 紅乙女

紅乙女(コウオトメ)は古い園芸品種で、江戸時代から人々に愛され続けています。

開花時期は2~5月で、丸い花びらが重なり合うように咲く千重(センエ)咲きと呼ばれる開き方をします。また、黄色い雄しべが見えないのも特徴の一つです。華やかな咲き方に加え、目を惹く濃い紅色の花は、多くの人々を魅了しています。

花弁が細長い黄色の八重咲き 黄蓮華

椿の中でも希少とされる品種が、黄蓮華(キレンゲ)です。

椿の中では珍しい黄色系で、八重咲きの花を付けます。咲き始めから色がだんだん白へと変化するので、毎日眺めても飽きないことでしょう。開花時期が3~4月と短いのも、この品種の珍しさを助長させています。寒さに弱いので、冬季は室内で管理します。

白地に紅の小絞りが入る一重玉咲き 玉霞

玉霞(タマガスミ)は、花びらが雄しべを包み込むような『抱え咲き』という咲き方をする希少種です。

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