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カンナの種類・品種|品種別の特徴は?花名の由来と花言葉、育て方も紹介

カンナの園芸品種は「ハナカンナ」とも呼ばれています。華やかな花色と濃い緑の葉のコントラストがトロピカルな雰囲気で、夏の花壇を彩ってくれる花です。カンナ科にはカンナ属しかなく、原種のダンドクを改良して園芸品種が作られました。

カンナとはどんな花?

カンナとはどんな花?

カンナはコロンブスが新大陸を発見したとき、ヨーロッパに持ち込んだといわれています。1850年ごろからフランスやイタリア、アメリカなどで複数の原種間の交配が繰り返され、園芸品種が作られました。現在の園芸品種は「ハナカンナ」とも総称されます。

カンナが日本にやってきたのは江戸時代で、俳句では秋の季語となっています。

カンナの基本情報

カンナの基本情報は以下の通りです。

科・属シソ科、ハナハッカ属
和名ハナハッカ(花薄荷)
英名Oregano、wild marjoram
学名Origanum vulgare
花の色ピンク、白、紫
原産地地中海沿岸
開花期6〜9月

カンナの特徴

カンナは球根植物であり、地下に生姜に似た根茎を形成します。熱帯アメリカ原産で暑さには強いのですが、寒さには弱く5℃以下になると生育がストップ。凍結すると枯れてしまうため、冬は根茎を掘り出して貯蔵し、冬越しします。

カンナは楕円形の大きな葉があり、カラフルな花色とあいまってトロピカルな印象の花です。雄しべが大きく変化して花びら状になっており、本来の花は小さく目立ちません。葉は濃い緑色のほか、葉脈にそって縞模様の班が入ったもの、ブロンズ色などの品種もあり、カラーリーフプランツとしても人気です。

カンナの花名の由来

カンナの花名は学名の「Canna」が由来です。ラテン語で「葦」を意味する言葉で、カンナの茎が管状をしており、葦のようであることからきています。

カンナの花言葉

カンナの花言葉は「妄想」と「情熱」、「快活」、「永遠」です。「妄想」は魅力的なカンナの花が見る人の心を惑わせるようであることから、「情熱」と「快活」、「永遠」はカンナの華やかな花姿からきています。

カンナの原種ってなに?

カンナの原種ってなに?

園芸品種としてのカンナ(ハナカンナ)の原種のうちの一つは、インド・マライ半島を原産地とする「ダンドク」です。

6本ある雄しべのうち花粉を出すものは1つだけで、残り5つは花びら状に変化しているのが特徴。カンナと比較すると花びら状の雄しべは細く、すらっとした花姿に見えます。根茎は食用として、デンプンの原料にも用いられます。

ダンドクの名はサンスクリット語から音をとったものであり、漢字表記の「壇特」は当て字とされています。

人気のあるカンナの種類、品種が知りたい

人気のあるカンナの種類、品種が知りたい

カンナは、草丈40〜50cmほどで鉢栽培向けの矮性種と草丈100〜200cmほどの高性種、それらの中間にあたる中間種の3つに分かれます。観賞用として流通しているカンナは「ハナカンナ」と総称される園芸品種群で、現在は1,000種ほどはあるといわれています。

カノーバ

カノーバは従来種よりも分枝性が良く、花立ちが多いのが特徴の品種です。湿度に強く、根が水に浸かる場所でも育ちます。そのため鉢を水につける腰水灌水や、ビオトープでも栽培可能です。 ・レッド、イエロー、オレンジ:カラフルで豪華な花と緑の葉をつける品種。 ・ブロンズスカーレット:鮮やかな赤色の花と、ブロンズ色の葉が特徴の品種。

トロピカル

トロピカルは草丈40cmほどで開花する矮性品種です。タネが販売されており、種まきからは75日ほどで開花します。 ・レッド:赤色の花でやや分枝少なめの品種。 ・イエロー:花は黄色く、淡い赤班が入ります。トロピカルの中で開花がもっとも早く、分枝性が良いのが特徴。 ・コーラル:サーモンがかった桃色の花をつける品種。よく分枝し、草丈はやや高めです。 ・ブロンズスカーレット:ブロンズ色の葉が特徴で、赤色の花を付けます。トロピカルの中では開花が遅めです。

F1サウスパシフィック

F1サウスパシフィックは分枝性と花立ちに優れた品種で、花壇を華やかにしてくれます。12cm鉢で育てた場合は草丈40cmほど、地植えの場合は草丈50cmほどで開花します。 ・オレンジ、スカーレット:AAS(オール・アメリカ・セレクションズ)入賞、大輪の花を付ける品種。 ・アイボリー:乳白色の花を付ける品種で、基部の分枝性が良く、草姿はやや細身なのが特徴。 ・ローズ:花は鮮やかなローズ色で同品種の中ではやや小さめ、花びら状の雄しべはやや丸みを帯びています。

カンナの育て方・栽培方法

カンナの育て方・栽培方法

カンナは、風通しと日当たりが良い場所を選んで植え付けましょう。弱酸性〜中性でふかふかの肥沃な土壌を好みます。暖かくなった5月くらいに根茎を植え付け、しっかりと根付くまでは乾燥しないように水やりをしましょう。

カンナの日当たり・置き場所

カンナは日当たりが良い場所に植えると、花つきが良くなります。熱帯原産の植物のため暑さに強く、日本の酷暑の中でも問題なく屋外栽培できる花です。耐寒温度は4〜5℃ほどで、寒さにはやや弱いため、霜が降りない場所で管理する必要があります。

暖地で地植えにするときは、パークチップなどとマルチングをして冬越しさせましょう。または枯れた地上部を刈り取ってから、20〜30cmほど盛り土をしておくと凍結防止になります。

カンナの土作り・水やり・肥料の与え方

カンナは弱酸性〜中性で、水はけの良い土を好みます。地植えにする場合は植え付けの1〜2週間前くらいには土を50cmほど耕し、堆肥や腐葉土などの有機質と元肥になる緩効性肥料を混ぜ込んでおきましょう。事前に土作りをしておくと有機質が分解されて土が熟成し、植え付けた株の根張りが良くなります。カンナを鉢植えにする場合は、園芸用培養土を使うのが手軽でおすすめです。

水やりはカンナの株全体に水をかけるのではなく、株元あたりの土を狙って株が蒸れないようにします。真夏は株を弱らせないよう、朝夕の涼しい時間帯に水やりをしましょう。

地植えの場合は、植え付け後にしっかりと根付くまでは乾燥しすぎないように注意します。根付いた後はほぼ水やり不要ですが、雨がない日が続いたときは水をあげるとよいでしょう。鉢植えの場合は土の表面が乾いたら、鉢底から水が出るまでたっぷりと水やりをします。とくに生長期、たくさんのつぼみができてくると多くの水を欲しがるようになります。

肥料は植え付けをしたら、株元からやや離れた場所に緩効性肥料を1カ月に1回のタイミングで撒きます。チッ素が多すぎると葉が茂るばかりで、花つきが悪くなるので気をつけましょう。肥料は9月まで、それ以降はストップして大丈夫です。

カンナの根茎の植え付け時期と方法

カンナの根茎の植え付けの適期は5月ごろです。根茎のとがった部分から芽が伸びるため、地植えの場合はとがった方を南向きにして植えるとよいでしょう。株の間隔は60〜100cmほど、根茎の大きさに合わせた穴を掘って根茎を入れ、5〜6cmほど土を被せます。

鉢植えの場合は、8〜10号鉢に根茎1つが目安になります。鉢底に鉢底ネットと鉢底石を敷き、土を8割ほど入れます。根茎のとがった方に空間ができるよう、鉢の端に根茎を置きましょう。根茎に4〜5cmほど土を被せたときに、土の上端が鉢の縁から2〜3cmほど下になるようにします。植え付けしたら、たっぷりと水やりをしましょう。

カンナの手入れの時期と方法

草丈100cm以上になる高性種のカンナを育てる場合は、早めに支柱を立てて茎を誘引し、風で倒れてしまうのを防ぎましょう。支柱は土中に深く差し込んでおくと、カンナをしっかり支えられます。

カンナの花がら摘みをこまめにしてやると次々と花をつけてくれ、病害虫を予防できます。根茎が凍結すると枯れてしまうので、5℃以下になる場所では根茎を掘り上げて翌春まで貯蔵しておきます。そしてまた春になったら、根茎を植え付けて栽培しましょう。

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