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アザミの種類・品種まとめ|種類別の特徴や見分け方を紹介

アザミとはどんな花?

アザミとはどんな花?
アザミは、初夏から夏にかけて白や紫、ピンクの花を咲かせる、古くより日本でも親しまれてきた多年草。世界中に300種以上のアザミが生息していますが、日本で自生するアザミの大部分はノアザミです。ノアザミの改良種であるハナアザミとも呼ばれるドイツアザミは、園芸品種として出回っている種類。アザミの開花時期は品種によって若干異なりますが、おおむね春から秋頃が見頃の時期になります。

アザミの基本情報

アザミの基本情報は以下の通りです。
科・属キク科アザミ属
和名薊(アザミ)
英名Japanese thistle
学名Cirsium japonicum
花の色紫、色、ピンク
原産地日本、北半球
開花時期初夏~秋頃(4~7月頃)

アザミの特徴

アザミは、葉が鋭利な棘状になっているため、毒はありませんが、素手で触るのは気をつけた方がよい植物のひとつです。またアザミは昔から山菜として食されてきた歴史があり、現在も東北地方や長野の一部の地域で食用のアザミが販売されています。 日当たりと風通しのよい適湿地を好み、暑さや寒さ、乾燥に比較的強いので、初心者にとっても育てやすい植物です。アザミは日本でもなじみの植物ですが、スコットランドでは、ヴァイキングの侵入を防いだ花として、王家の紋章や国花にアザミを制定しています。

アザミの種類の見分け方

アザミの種類の見分け方
日本だけでも150種を超えるアザミが生息していますが、アザミの種類を厳密に識別することは難しいため、それぞれの品種の特徴を注意深く観察する必要があります。アザミの種類を見分けるには、花の大きさやつき方、総苞や総苞片の形、根出葉の有無などを確認します。ほかにも、クモ毛の有無と量、腺体の有無と形、葉の形なども観察する際のチェックポイントになります。

花の大きさ

アザミは種類によって花の大きさがそれぞれ異なります。直径数cmのものから直径1mの大きさにまで成長する品種もあります。花が上向きに咲くか下向きに咲くかでも種類を分類することが可能です。

花のつき方

植物の種類ごとに変わる花のつき方を花序(花の配列状態)といい、花序を見ることでアザミの種類が見分けられます。花の中には花茎に単独で花を咲かせる種類もありますが、アザミはキク科の花序の特徴である多数の小花が集まって一つのように見える頭状花序を持ち、これらの花頭のつき方によって種類が分類されます。

総苞や総苞片の形

花頭を覆うつけ根辺りに位置する総苞、総苞を構成する総苞片の形やつき方でも、アザミの種類を見分けることが可能です。総苞は釣鐘型、筒型、椀型などがあり、総苞片の状態は開出、圧着、反曲、斜上などで見分けます。また総苞片の列数にもそれぞれ特徴があって、総苞の基部を基点にらせん状に数えて列数を確認します。

根出葉の有無

アザミは開花時期になると、根出葉と呼ばれる根から直接葉が生じているように見える根元の葉が残るものと、枯れてしまうものがあります。その根出葉の有無も、どの種類のアザミなのか判断するうえで大切な要素となります。

アザミの品種と種類

アザミの品種と種類
アザミは、本州から四国、九州と日本全国に分布する植物です。日本で最も栽培されているのはノアザミで、日本列島の海岸沿いや山間の日当たりのよい草原、道端に多く生息しています。 アザミと名前がついたキツネアザミやヒレアザミ、チョウセンアザミ(アーティチョーク)、花が似ているヒメザミ(タムラソウ)などは、アザミと間違えられることがありますが、アザミの種類に分類されません。アザミは花を楽めるのはもちろん、料理の食材として、薬草やハーブとしても広く活用されています。

フジアザミ

フジアザミアザミは、夏の終わりから秋にかけて、日本で最も大きな花を咲かせるアザミです。草丈は50~150cmほどで、本州中部地方の山地や富士山周辺に多く生息しています。花は大きくなると、直径60cmの大きさまで成長し、根出葉が残った状態では1mもの大きさに広がることもあります。ほかのアザミと比べても、華やかで存在感のある種類なので、観賞用や園芸にも人気があるアザミです。フジアザミの根は食用になり、漬物や味噌漬けにしたヤマゴボウが販売されています。

ナンブアザミ

ナンブアザミは、北海道から東北地方、中部地方以北に広く分布するアザミです。各地によってさまざまな変種が見られ、関東地方に多いタイアザミ(トネアザミ)や本州や四国の一部に生息するヨシノアザミなどがあります。雪が多い地方に生育することが多く、中部や関東南部では見かけることが少ないアザミです。草丈は1~2mほどになり、秋になると直径2cmの花が横向きか斜め下向きにたくさん咲きます。総苞は球形で、総苞片は反り返ることが多く、開花時には根出葉がないのが特徴です。

キセルアザミ

キセルアザミは、別称マアザミ、サワアザミとも呼ばれる、本州から九州まで広範囲に生息するアザミです。湿原の水の流れのある場所や山間の穏やかな流れの渓流に主に生育しています。煙管(キセル)の姿に似ていることから、キセルアザミと名づけられました。草丈は50~100cmほどになり、秋に直径3cmの花を1~2輪、横向きから下向きに咲かせます。秋に湿地内で咲くアザミがあれば、ほぼキセルアザミといってよいでしょう。キセルアザミも食用として用いられるアザミのひとつで、春先の新芽や若菜はよく食されています。

タイアザミ

タイアザミは、関東地方の野山に見られるナンブアザミの変種で、トネアザミと別名がつけられているアザミです。タイアザミのタイとは、大きいアザミを意味します。山間部や日当たりのよい草原、丘陵地などに生息しています。草丈は50~150cmほどまで成長し、直径2~3cmほどの花を横向きか斜め下向きにつけます。ナンブアザミよりも葉の切れ込みが深く、葉や総苞片のトゲも太くて長いといった特徴があります。似たような種類には、東北のナンブアザミのほかに、九州のツクシアザミなどもあります。

マリアアザミ

マリアアザミは、地中海沿岸、北アフリカ原産のアザミで、オオアザミやミルクシスルとしても知られる二年草です。ヨーロッパでは古くより肝障害に効果があるとされてきたハーブでもあり、近年ではサプリメントとしても利用されています。草丈は1~2mほどで、花は直径10cmの大きさになる大型種です。トゲのある葉はミルクがこぼれたような白いまだら模様があり、聖母マリアがこぼしたミルクのあととの言い伝えが名前の由来になっています。

アザミの食べ方と処理方法

アザミの食べ方と処理方法
日本に生息するアザミは、毒を持つものがほとんどないため、野草独特の苦みがありながらも、安心して食せます。アザミはどの種類でも食べられますが、特に食用として利用されることが多いアザミは、サワアザミ(キセルアザミ・マアザミ)やノアザミ、若い根をゴボウのように食すフジアザミやモリアザミなど。春先の新芽と秋頃に収穫された根が主に食されています。アザミは葉の先にトゲがあるので、軍手は必ず着用し、根を引き抜かないようにはさみやナイフ、鎌で切り取るとよいでしょう。

重曹でアク抜きをしておく

アザミは、アクがある山菜なので、重曹を入れてアク抜きをしておきます。新芽や若い葉はアクが少ないですが、茎や根はアクが強いため、鍋いっぱいのお湯に小さじ1杯の重曹を入れて茹でます。アクが強いからと茹ですぎると、山菜の風味や香りが損なわれてしまうので、ひと茹ですれば十分です。その後半日から一晩水にさらしておきます。重曹の代わりに、水に浸す際に米のとぎ汁を使うのも効果的です。

アザミのおすすめの食べ方

アザミの新芽や若い葉は、天ぷらやみそ汁、胡麻和えやからし和え、おひたし、炒め物にすると美味しく食べられます。若い根はゴボウのように食べられるので、味噌漬けやしょうゆ漬けなどの漬物、キンピラにして食べるのがおすすめです。高熱で料理する天ぷらや塩漬け保存する際は、アク抜きをする必要はありません。

アメリカオニアザミには要注意

アメリカオニアザミには要注意
アメリカオニアザミは、もともと日本に生息する在来種とは異なり、北アメリカからの輸入物に混入して持ち込まれたといわれる、ヨーロッパ原産の外来種です。日本に以前から分布するアザミと見た目がよく似ていますが、葉に大きく堅いトゲがあるため、安易に触るのは危険です。またアメリカオニアザミは繁殖力が強く、一度その場所に根づくと爆発的に数を増やしていく性質があるため、生態系に被害を及ぼす要注意外来生物に指定される植物。ほかの花をも枯らす力があるので、日本固有の植物を守るためにも、積極的に駆除していく必要があります。

まとめ

日本に生息する150種以上のアザミの中でも、80種ほどが日本固有種といわれています。開花時期が比較的長い植物であり、初心者でも手入れがしやすく手間がかからないので、ガーデニング植物として育ててみてもいいかもしれません。アザミはさまざまな種類があり、厳密に見分けるのは難しいですが、種類別の特徴や見分け方を参考に、それぞれの花の特徴を楽しみましょう。
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