
サンスベリアの種類と育て方。花言葉や風水についてもチェック

『サンスベリア』はトラノオとも呼ばれる観葉植物です。真っ直ぐ伸びる尖った葉を持つものがポピュラーですが、これ以外にも多様な種類が存在します。サンスベリアの種類や育て方、さらにはサンスベリアの花言葉や風水的な魅力についても紹介します。
サンスベリアについて

サンスベリアは、初心者でも育てやすい観葉植物で、室内のシンボルツリーとして人気がありますが、実際のところどのような植物なのでしょうか。
サンスベリアの特徴や花言葉について、詳しく見ていきましょう。
尖った葉と縞模様が特徴の観葉植物
『サンスベリア』は、キジカクシ科チトセラン属の多年草です。平たく尖った葉が真っ直ぐ上に伸びていき、生育後は全体的にシャープなシルエットとなります。
また、『トラノオ』とも呼ばれる通り、葉にトラの尻尾のような縞模様があるのも特徴の一つで、かわいらしいというよりはスタイリッシュな印象を与え、モダンなデザインのインテリアとは特に相性がよいのも魅力です。
主な原産地は、アジアやアフリカの乾燥地帯です。そのため乾燥に強く、耐暑性・耐陰性も高いといわれます。初心者でも比較的育てやすいとされるのはこのためです。
ただし、耐寒性ではやや劣る上、湿気にも強くありません。冬の寒気や水のやり過ぎには注意しましょう。
贈り物にぴったりの花言葉
サンスベリアの花言葉は、『永久、不滅』です。非常に縁起のよい植物とされるため、結婚祝いや新築祝い、引越し祝いといったさまざまな贈り物に使われます。もちろん、長寿のお祝いとして贈るのもよいでしょう。
この花言葉は、サンスベリアの和名『千歳蘭(ちとせらん)』に由来するといわれます。『千歳』はそのまま解釈すれば『千年』という意味ですが、転じて『長い年月』を示す言葉として使われます。
つまり、サンスベリアを贈ることは「幸せが末永く続きますように」「長寿をお祈りします」という気持ちを贈ることに通じるのです。
サンスベリアの人気の種類

「サンスベリアを育ててみよう」と思った人がまず驚くのが、サンスベリアの種類の多さです。サンスベリアにはさまざまな種類があり、同じ品種でも形や特徴の異なるものが多数存在します。
実際の種類はおよそ60以上もあるといわれるので、形状や大きさなどよく確認して選ぶのがおすすめです。サンスベリアの中でも、特にポピュラーな種類を見ていきましょう。
サンスベリア・ローレンティー
サンスベリアの中では最も知名度が高く、サンスベリアの代表ともいえる品種です。一般に『サンスベリア』というときはこのローレンティーを指すことがほとんどでしょう。
葉は上に向かって垂直に伸び、育成後の樹高は1mほどになります。
サンスベリア・スタッキー
葉が内側に巻き込まれ、円筒状になっている品種です。根元から葉先までの太さがほぼ変わらないため、葉が広がったまま育成するローレンティーと比較するとよりシャープな印象を受けるでしょう。
また、葉に溝が入っているのもスタッキーならではの特徴です。この溝は成長とともに深くなり、1cmほどにもなります。
順調に成長すれば樹高が2mほどになることも珍しくはありません。特に個性的な品種を探している人におすすめです。
サンスベリア・ハニー
葉が中心部分から放射線状に伸びる品種です。成長しても20cm程度なので、コンパクトにサンスベリアを楽しみたい人に向いています。卓上や窓際に置くとインテリアのよいアクセントとなるでしょう。
また、サンスベリア・ハニーにも種類があり、葉に班の入ったものは「サンスベリア・ゴールデンハニー」と呼ばれます。種類違いをそろえて育成するのもおすすめです。
サンスベリア・ハニーは比較的流通が多く、安価で入手しやすいのもうれしいポイントといえます。
サンスベリア・ミカド
スタッキーとよく似た品種ですが、葉がより細くすっきりしているのが特徴です。生育すると樹高は1mほどになるため、それなりのスペースが必要でしょう。
もともとはあまり市場に出回っていない品種でしたが、近年は入手しやすくなりました。人気の高まりとともに流通量も増えたため、価格も比較的お手頃といえます。
一見するとほかのサンスベリアより頼りない印象ですが、育てやすさはさほど変わりません。ただし、日に当てないと細い葉がより細くなってしまうので、日当たりのよい場所で育てましょう。
元気に育てるポイント

耐暑性・耐陰性に優れているサンスベリアは、観葉植物の中でもさほど手がかからないため、忙しい人や初心者には特におすすめです。
とはいえ、サンスベリアを元気に生き生きと育てるには、いくつか気を付けておきたいポイントがあります。難しいことではないので、サンスベリアを育てるときは心に留めておきましょう。
サンスベリアを元気に育てるコツを紹介します。
日当たりのよい場所に置く
まず大切なのが、サンスベリアを育てるときは『日射量の多い場所に置く』ということです。日射量が不足すると、葉色が悪く弱々しい姿になります。
室内に置くなら基本的には窓際に配置し、時々屋外で日光浴させてあげましょう。
ただし、強い日差しを当てすぎると、葉が黒く焼けてしまう原因となります。『窓辺に置くときはレースのカーテンで日差しを和らげる』『屋外に出すのは午前中のみにする』などの配慮が必要です。
水やりは土が乾いてから
サンスベリアは『乾燥気味』に育てるのが望ましい植物です。そのため、水は頻繁にやらず、土が十分に乾いてからで十分です。
春や夏は、土の表面が乾燥しているのを確認したら、その日から4~5日後に水をやります。受け皿に水がたまるくらいたっぷりと注ぎましょう。
一方秋は、土の表面が乾燥してから7~10日後の水やりがベターです。このときも水をたっぷりと注ぎます。
ただし、いずれの季節でも受け皿にたまった水はすぐに捨てるようにしましょう。サンスベリアは湿気に弱いため、受け皿の水が原因で根腐れしてしまう恐れがあります。
肥料は成長期にだけ与える
サンスベリアの成長期は、春から秋にかけてです。この時期にしっかり肥料をやると、冬の寒さにも負けない強い株になります。
緩効性の固形肥料を月に1度の割合で与えたり、液体肥料を半月に1度の割合で与えたりするとよいでしょう。
冬の管理には要注意!
一般的に、サンスベリアは冬になると休眠状態になります。水や栄養を吸収しなくなるため、冬に水やりをしたり肥料を与えたりするのは避けるのがベターです。
屋外でサンスベリアを育てている場合、日中温度が15度以下になったら屋内に移動させる必要があります。日当たりのよい場所に置き、しっかりと日に当ててあげましょう。
ただし、窓際にサンスベリアを置くときは、置きっぱなしは厳禁です。夜になると、窓からの冷気でサンスベリアが冷えてしまいます。
日が沈んだらサンスベリアを窓辺から離し、暖かい場所に移動させましょう。
植え替えも必要な作業

鉢栽培を行っていれば、どんな植物でも植え替えは必要です。育てやすいといわれるサンスベリアについても、例外ではありません。
サンスベリアの植え替えはどのようなタイミング・手順で行うべきなのでしょうか。サンスベリアの植え替えについて紹介します。
2年に1度は行おう
観葉植物の中でも、サンスベリアは成長が早い植物です。鉢植えでサンスベリアを育てているなら、2年も経てば植え替えが必要となるでしょう。
植え替えが必要かどうかは、鉢の底穴を見ると分かります。もしも根が出ていれば根づまりしている可能性があります。このままでは栄養分や水分が十分に吸収できないため、早急な植え替えが必要です。
ただし、サンスベリアが休眠状態になる冬期の植え替えはおすすめできません。根のチェックは5~6月か10月ごろに行い、植え替えもこの時期にしましょう。
植え替えの手順
実際にサンスベリアを植え替える歳は、まず以下のものを準備しましょう。
- 使用中のものより一回り大きめの鉢
- 棒
- 土入れ
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- 土
必要なものがそろったら、サンスベリアを鉢から出して新しく植え替えます。
- 新しい鉢の底に鉢底ネットを敷く
- 1/5~1/6程度まで鉢底石を入れる
- 新しい土を1/3程度まで入れる
- 古い鉢からサンスベリアを引き抜く
- 根の周りをほぐして土を落とす
- サンスベリアを新しい鉢に入れる
- 新しい土をさらに足す
- 土に棒を入れて根を広げ、なじませる
サンスベリアを新しい鉢に植え替えたら、すぐにたっぷりと水をやりましょう。根に水を与える必要があるので、根をめがけて水やりするのがポイントです。
自宅で増やす方法2つ

観葉植物を増やしたいときは、葉から増やしたり根を切り分けて増やしたりする方法が一般的です。サンスベリアはどちらの方法でも増やせるので「もっと育ててみたい」と思ったらぜひチャレンジしてみましょう。
自宅でサンスベリアを増やせる『葉挿し』『株分け』の方法を紹介します。
葉挿しのやり方
葉挿しとは、切り取った葉っぱを土に植えて新しい苗を作る増やし方です。サンスベリアをこの方法で増やす場合は、サンスベリアがよく育つ5〜8月中に行いましょう。
葉挿しをするときは、まず長く伸びたサンスベリアの葉を数本取り、それをさらに5~10cm程度に切り分けておきます。切り口はしっかりと乾燥させ、上下が分かるようにしておきましょう。
そして次の手順で切り取った葉を土に挿していきます。
- 切り取った葉を、上下を確かめて川砂または赤玉土に挿し、日陰に置いておく
- 葉から2~3枚芽が出たら、鉢底ネットと鉢底石を入れた鉢に8分目まで土を入れる
- 土を水でたっぷりと湿らせ、葉を植える
このとき注意したいのが『切り取った葉から新しい芽が出るまで、土を乾燥させないようにすること』です。土が常に湿った状態になるよう、小まめに水をあげましょう。
株分けのやり方
一方、サンスベリアの株分けは、子株(こかぶ)と呼ばれる小さな細い根を切り分けて行うのが一般的です。
株分けするときはサンスベリアを鉢から引き抜き、子株をハサミなどで切り分けましょう。そしてそのまま半日程度置き、切り口を乾燥させます。実際に鉢に植えるのはこの後です。
- 新しい鉢に鉢底ネットと鉢底石を入れる
- 鉢の1/2〜2/3まで土を入れる
- サンスベリアの子株を入れる
- 支柱を立てて葉と結び付ける
- 新しく芽が生えてきたら植え替える
株分けをしたあとは、寒さを避けて日光によく当て、適度に水やりを行いましょう。
サンスベリアで運気アップ?

運気を上げるための方法の一つとしてよく紹介されるのが『部屋に観葉植物を置くこと』です。
観葉植物には、自然のエネルギーやパワーが備わっているといわれます。これを日々の生活環境に取り入れることが、よい気の流れにつながるのだそうです。
サンスベリアを置いた場合、風水的によい効果が期待できるのでしょうか。最後に、風水効果について見ていきましょう。
風水の効果
サンスベリアの特徴の一つである『尖った葉先』は風水的によいといわれています。
一般に、葉先の尖った観葉植物は『成長や成功につながる鋭い気を放っている』といわれ、加えて『悪い気の侵入を防ぐ効果も期待できる』ため、邪気払いや魔除けの効果があるとも考えられているのです。
開運・運気アップが気になっている人は、サンスベリアを積極的に家庭内に置いてみるとよいかもしれません。
置く場所
風水的な効果が気になる場合、サンスベリアのおすすめの設置場所は『玄関』『トイレ』『リビング』などです。
玄関は、風水上最も重要な場所といわれます。外からの気は玄関を通って入って家を巡ると考えられているため、悪い気はここでストップさせることが大切とされています。
また、トイレは家の中で最も『陰』の気がたまりやすいといわれます。サンスベリアを置くことで、陰の気が祓いやすくなるでしょう。
さらに、リビングは家族が集まる大切な場所です。ここを浄化しておけば心身共に健康に過ごしやすくなる効果が期待できます。
方角もチェックしよう
風水的に陰の気が停滞しやすいといわれるのは『北側』です。邪気払いや魔除の効果を期待するなら、サンスベリアは北側に配置するようにしましょう。
また、陰の気が入って来やすい『鬼門』の方角もサンスベリアの設置には最適です。陰の気の侵入を防ぎたいなら『北東(鬼門)』『南東(裏鬼門)』にサンスベリアを置くと、より効果が望めるかもしれません。
まとめ
サンスベリアは、尖った葉と縞模様が特徴的な観葉植物です。乾燥に強く耐暑性・耐陰性もあるため、非常に育てやすいでしょう。
ただし、健康に育てるには適度な日光浴と湿気を避けることが大切です。寒さにも弱いので、冬は暖かい場所に置いてあげましょう。
サンスベリアは種類が豊富で、選びがいがあるのがうれしいポイントです。品種によって見た目や大きさは異なるので、スペースやインテリアとのバランスを見ながら、好みのものを見つけましょう。
風水的にもよいといわれるサンスベリアを気軽に楽しんでくださいね。