ラベンダーの特徴と魅力とは?名所や種類、育て方も紹介
上品な香りと紫色の花が美しいラベンダーは、ハーブの女王として名高い植物です。品種ごとの魅力や特徴を知り、自宅栽培に挑戦してみましょう。ラベンダーの名所や、切り花やドライフラワーの楽しみ方もあわせて紹介します。
ラベンダーの特徴と魅力
ラベンダーは、目で見ても香りを嗅いでも楽しめるハーブとして人気があります。エレガントな雰囲気を感じさせる紫の花や、心を落ち着かせてくれる香りは、人の心を魅了してやみません。
なぜラベンダーがこんなにも人気なのか、多くの人に愛される理由を紹介します。まずは、ラベンダーの特徴を知り、その魅力について詳しく見ていきましょう。
ラベンダーは、美しい紫色の花と香りを持つハーブ
ラベンダーは心地良い香りと鮮やかな紫色が美しい人気のハーブです。本来は茎が木のように何年も生長し続ける木性植物ですが、草花として広く知られています。
ラベンダーパープルと聞くとすぐにイメージが湧くように、紫色の上品な花は見る人をうっとりさせるほど魅力的です。一面に紫の花が広がるラベンダー畑は、観光名所としても人気があります。
また、美しい花だけではなく、心を落ち着かせてくれる芳香も特徴です。特に香りが強く、花が美しいといわれている『イングリッシュラベンダー(コモンラベンダー)』は、数あるラベンダーの中でも人気の品種でしょう。
ラベンダーは、古代ローマから世界中で愛される植物
ラベンダーの名前にはさまざまな由来がありますが、特に有名なのが『洗う』という言葉を意味するラテン語の『lavare』です。古代ローマ時代から、ラベンダーの香料を入浴や洗濯に使用していたことから名づけられたと考えられています。
ラベンダーは、17~18世紀ごろのイギリスでは虫よけとしても使われたそうです。近代医学が発展するまでは、ラベンダーを薬としても活用していました。
その深い歴史から、長らく世界中で愛されてきた植物であることがうかがえます。
ラベンダーは「ハーブの女王」とも呼ばれる
ハーブに詳しくなくても、ラベンダーを知っているという人は多いでしょう。ハーブの中でも、強い芳香で知られるラベンダーは『ハーブの女王』とも呼ばれています。
爽やかで上品な香りがするだけでなく、その香りは心や体をリラックスさせるものとして愛されてきました。ラベンダーは虫よけや疫病よけの薬として、古くから人々に癒しを与えていた植物です。
ハーブ大国といわれるほどハーブ栽培やガーデニングが盛んなイギリスでは、セージやローズマリーと並んで欠かせない植物とされています。
ラベンダーの花言葉
エレガントな魅力を持つラベンダーには、さまざまな意味の花言葉があります。古くから殺菌効果や鎮静効果があると重宝されてきたラベンダーには、『清潔』や『沈黙』といった花言葉がつけられました。
その他にも、『あなたを待ち続けます』というロマンチックな言葉があります。ラベンダーという名の気の弱い少女がある美しい少年に恋をしたものの、思いを告げられないまま待ち続けた結果、1輪の花になってしまったという、ヨーロッパのエピソードが元となった花言葉です。
また、その強い芳香が『なぜこんなにも香るのだろうか』と疑問を抱かせることから、『疑惑』というミステリアスな花言葉もつけられています。
ラベンダーの品種・種類と特徴
ラベンダーの品種は、それぞれ花姿が異なるだけではなく、耐暑性・耐寒性の違いや開花時期、香りの強さなどさまざまな違いがあります。基本的に暑さには弱い植物ですが、好む生育環境が種類によって変化するため、育てる地域によって適した品種が異なるのです。
ラベンダーにどのような品種があるのか、それぞれの特徴を知っておくとより深く楽しめるでしょう。品種ごとの特徴や違いについて紹介します。
ラベンダーの品種は5系統
ラベンダーには、大きく分けて五つの系統があります。代表的な5系統は、最も一般的で香りが強い『イングリッシュ系』、比較的栽培しやすいとされている『フレンチ系』、香りの良さと育てやすさを兼ね備えた『ラバンディン(ラバンジン)系』、ぎざぎざとした葉が特徴の『デンタータ系』、繊細で美しい花姿を持ちながら栽培が難しい『プテロストエカス系』の五つです。
5系統はさらに細かく分類されますが、自分好みのラベンダーを探したい時は、この5種類の品種の特徴を知っておくと良いでしょう。
品種ごとの特徴
イングリッシュ系
耐寒性に優れた品種です。乾燥や寒い気候には強い品種ですが、暑さに弱いため暖かい気候の地域で栽培するのは難しいでしょう。
フレンチ系
耐暑性に優れた品種です。香りはやや弱い印象ですが、温暖な気候や乾燥した環境でも比較的に栽培しやすい品種といえます。
ラバンディン系
耐寒性・耐暑性に優れ、初心者でも育てやすいラベンダーです。デンタータ系も同様に育てやすい品種で、寒さにやや弱いものの、関東では冬も咲かせられます。
プテロストエカス系
数あるラベンダーの中でも、特に気温の影響を受けやすい品種です。栽培が難しい品種といわれているため、上級者の人におすすめのラベンダーといえます。
絶景のラベンダー畑の名所3選
一面に広がるラベンダー畑はうっとりしてしまうほど美しく、見る人の心を癒してくれる場所です。紫色のじゅうたんのように広がる絶景と、かぐわしい花の香りが訪れた人を楽しませてくれます。
一度は行きたいラベンダーの名所について、人気のスポットを見ていきましょう。ラベンダーが好きな人は、ぜひ参考にして訪れてみてはいかがでしょうか。
ラベンダー畑といえば「北海道美瑛町」
ラベンダーの花の名所としてまず思い浮かべる人が多いのが、北海道ではないでしょうか。中でも富良野・美瑛は、ラベンダーの名所として毎年多くの観光客が足を運んでいます。
6月下旬から7月下旬までラベンダー畑を楽しめて、7月中旬ごろが見ごろです。ラベンダーの聖地とも呼ばれている『ファーム富田』や、日本最大級のラベンダー畑が広がる『ラベンダーイースト』など、北海道に行けば美しいラベンダー畑をめいっぱい満喫できます。
首都圏から好アクセス「佐倉ラベンダーランド」
首都圏からラベンダーを目当てに出かけるなら千葉県にある『佐倉ラベンダーランド』がおすすめです。佐倉ラベンダーランドでは、濃紫早咲・おかむらさき・グロッソといった、千葉県の気候に合わせた3種類のラベンダーが栽培されています。
7000平方mもの農園に5500株のラベンダーが咲く景色は、北海道に行かなくてもラベンダー畑を堪能できるでしょう。のどかな雰囲気に癒されたい人におすすめのスポットです。
西日本最大級「ラベンダーパーク多可」
関西方面の人がラベンダーを見に行くなら、西日本最大級のラベンダーの名所である『ラベンダーパーク多可』が人気です。3.5haのラベンダー畑には、ストエカスラベンダー・イングリッシュラベンダー・ラバンディンラベンダーの3種類が揃っています。
淡いラベンダーパープルの色合いがインスタ映え間違いなしの『ラベンダークリームソーダ』など、ラベンダーグルメも注目のスポットです。
ラベンダーの自宅栽培の始め方
ラベンダーの栽培は、初心者にとっては思っていた以上に難しいと感じるケースが多いものです。基本的には暑い場所を嫌うラベンダーですが、好む生育環境が品種ごとに異なり、開花時期も違います。