
フリージアとは?花の特徴・花言葉・育て方・手入れ方法を紹介!

鮮やかな色と肉厚の花びらがゴージャスな雰囲気を醸し出すフリージアは、春の訪れを知らせてくれるお花です。果物の様な爽やかさのある甘酸っぱい香りは香水の原料としても使われています。多年草なのでガーデニングにもおすすめです。切り花としても人気のフリージアの育て方や花言葉などを紹介します。
フリージアの特徴と基本情報

切り花として人気のフリージア。開花時期は3~4月ですが、温室栽培で育てられていることから一年中切り花が流通しています。20~50cm程の草丈の球根草花で多年草です。耐寒性はあまり高くありませんが、暖かい年であれば関東以西でも屋外で冬越しができます。香りもよいことからフラワーアレンジメントの花材としても人気です。
科・属 | アヤメ科フリージア属 |
和名 | 浅黄水仙(アサギスイセン) |
英名 | Freesia |
学名 | Freesia refracta |
花の色 | 赤、白、ピンク、黄色、紫、オレンジ |
原産地 | 南アフリカ |
開花期 | 3~4月 |
フリージアはデンマークの植物学者エクロンによって、南アフリカで発見され、親友であるドイツ人医師フリーゼにちなんでフリージアと名付けられました。自分の名前ではなく、友人の名前を花につけるなんて、よっぽど尊敬している方だったと想像できますね!
和名は浅黄水仙(アサギスイセン)で、日本に伝わった当時、薄黄色のフリージアがスイセンに似ていたことからつけられましたが、最近ではあまり使われていないようです。浅黄水仙という和名以外にも次のような和名もつけられています。
- 菖蒲水仙:アヤメとスイセン両方に似ていることに由来
- 香雪蘭(コウセツラン):香りが蘭に似ていることに由来
フリージアの開花時期や見頃の季節

フリージアの開花時期は3~4月です。
ちなみに八丈島ではフリージア毎年3~4月にフリージア祭りが開催されています!30万本以上ものフリージアは圧巻です!
公式サイト:八丈島フリージアまつり
フリージアの花言葉と由来

フリージア全般の花言葉
フリージア全体の花言葉は「純情」「潔白」「無邪気」「優雅」「天真爛漫」「親愛の情」「感謝」「友情」です。
フリージアの花言葉の由来
今では黄色、ピンク、オレンジ、紫と彩り豊かなフリージアですが、かつては白色のフリージアのみでした。白色はウェディングドレスにも使われていることからもわかるように、純白や純情を表す色とされています。この白色のイメージから「純情」「潔白」「無邪気」「優雅」「天真爛漫」という花言葉がつけられました。
フリージアはデンマークの植物学者エクロンによって、南アフリカで発見されました。エクロンは親友であるドイツ人医師フリーゼにちなんでフリージアと名付けました。このことから、「親愛の情」「感謝」「友情」という花言葉がつけられたと言います。
フリージアの色別の花言葉
ちなみに、ピンク、オレンジ色のフリージアの花言葉はまだつけられていないようです。フリージア全体の花言葉を当てはめるとよいでしょう。
黄色のフリージアの花言葉
黄色のフリージアの花言葉は「無邪気」です。
黄色の花にはネガティブな花言葉がつくことがあるのですが、フリージアは違いましたね!
強い香りを漂わせながら、上を向くように自信満々に咲く様子から「無邪気」とつけられました。
白色のフリージアの花言葉
白色のフリージアの花言葉は「あどけなさ」です。
純白のフリージアは結婚式のブーケにもよく使われています。あどけなさとは無邪気でかわいらしい様子ですから、花嫁にぴったりの言葉でもありますね!
赤色のフリージアの花言葉
赤色のフリージアの花言葉は「純潔」「情熱」です。
情熱の色である赤に「純潔」という花言葉がついたのはちょっと意外な感じがしますね!フリージア全般の花言葉から派生してつけられた、純粋な乙女が頬を赤らめている様子に見えるといったことが由来と言われています。
紫色のフリージアの花言葉
紫色のフリージアの花言葉は「あこがれ」です。
神秘的で凛とした美しさからつけられました。年上の方へのプレゼントにぴったりの花言葉ですね。
フリージアの種類、品種
フリージア・ムイリー

フリージアの原種です。草丈5〜15cmほどで寄せ植えなどにぴったりです。白い花びらにほんのりと黄色のスポットが入ります。
アラジン

フリージアの代表的な品種で濃い黄色の花が特徴です。
レッドリバー

濃い赤色の花びらに中心に黄色が入る一重咲きの品種です。
ハネムーン

ハネムーンの名前にぴったりの、やさしい雰囲気の品種です。薄いピンク色の花を八重咲きに咲かせます。オランダで2005年に開かれたフリージアコンテスト優勝品種です!
ブルームーン

しっとりとした薄紫色の品種です。寄せ植えで少し落ち着きを持たせたいときに重宝します。
フリージアの育て方・栽培方法

フリージアを育てるときのポイント
南アフリカが原産のフリージアは温暖な気候を好みます。フリージアを育てる際は日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。日当たりが悪いと徒長し、花付きが悪くなります。また、冬は3度以下にならない場所に移動させるか、地植えの場合は腐葉土で防寒対策を施しましょう。
フリージアの球根の選び方
夏を過ぎたあたりから園芸店、ホームセンターなどでフリージアの球根が販売され始めます。インターネット経由でも購入できますが、できれば自分の目で球根を確かめた方がよいでしょう。よい球根は大きくて重みがあり、先端が太いものです。球根がふにゃふにゃと柔らかかったり、皮にキズがついているもの、カビが生えているものは避けましょう。
ちなみに、フリージアの球根は22~25℃位で発芽しますが、約30℃に保つと発芽しないという性質があります。
フリージアの育て方
地植えとプランター・鉢植えの場合で少し植え付けの時期が変わります。球根は先が細くなっている方が上に来るように植え付けましょう。
地植えの場合
11月上旬から中旬にかけてが植え付けの適期です。鉢植えのように9月など早い時期に植え付けると茎が伸びすぎてしまい、寒い時期に動かすことができないので、寒さで葉が黒くなるなどの被害を受けやすいのでやや遅めに植え付けます。
フリージアは連作を嫌うので、フリージアやアヤメ科の草花を植えた場所は避けましょう。植え付けの1週間ほど前に土づくりを行います。川砂やパーライトを混ぜて水はけのよい土壌を作り、元肥として緩効性肥料を混ぜておきます。
植え付けの際は、球根の上に4~5cm程の土がかぶさる程度の深で、15cm程間隔をあけて植えていきます。植え付け後はたっぷりと水をあげましょう。
プランター、鉢植えの場合
9月下旬から11月中旬にかけてが植え付けの適期です。鉢植え、プランターは寒くなった際に場所を変えることができるので9月下旬に植え付けても大丈夫です。
土は市販の草花用の培養土か、赤玉土6:腐葉土4でブレンドした土を使います。地植え同様、元肥として緩効性肥料を混ぜておきましょう。
鉢、プランターの底にネットを敷き、鉢底石を敷きます。排水を良くするために鉢底石は多めに置きましょう。プランターの上部10cm程残るようにして土を入れ、球根を並べ土をかぶせます。植え付け後は、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水をあげましょう。
フリージアの水やり
芽が出るまではしっかり水やりをしましょう。発芽後は乾燥気味に育てて大丈夫です。水をあげすぎてしまうとかえって徒長しやすいためです。
鉢植えは土の表面が白っぽく乾いていたら水やりをします。こうすることで、水のあげすぎ、土の表面に苔が生えるのを防ぐことができます。水やりは午前中に終わらせるようにしましょう。夕方や夜間は気温が下がり土が凍ってしまうことがあるためです。
地植えの場合は基本的には自然の雨のみで大丈夫です。乾燥が激しい場合は水やりをしてください。
水やりは5月中旬まで続けます。
フリージアの剪定方法
フリージアは切り戻しなどは必要ありませんが、花がら摘みは必ず行って下さい。
フリージアは茎に近い方から、花茎の先端に向かって順番に花が咲いていきます。枯れるときも同じように茎に近い方から順に枯れていきますので、枯れた花はこまめに摘むようにしましょう。
先端の花まで咲き終わったら、花穂を切り取ります。この時、茎と葉は生長のために必要ですので切らないでください。フリージアの花は香りがよく、虫を呼びよせてしまいます。また種をたくさん作るので、花後そのままにすると養分が球根に届きません。多年草のフリージアを翌年も楽しみたい場合は、花後速やかに切り取りましょう。
フリージアの肥料のやり方
元肥のほかに、花が咲く前の2~3月に液体肥料か即効性の化成肥料を与えましょう。肥料のあげすぎは根腐れや徒長の原因になりますので、やや控えめで大丈夫です。
球根を大きく生長させたい場合は、花がらを積み終わったあとにカリウムを多く含んだ化成肥料をあたえましょう。
注意すべき害虫、病気
モザイク病
葉にモザイク柄がかかったように見えるウイルス性の病気で、株や葉が縮む、黄色くなるなどの症状が出ます。残念ながら発生した後の対応は株を引き抜くことしかありません。予防としてウイルスを媒介する原因となるアブラムシがつかないようにしましょう。
アブラムシ
モザイク病の原因となる害虫です。春から秋の高温で乾燥した時期に発生しやすくなります。テープを使って取り除くか薬剤を使って駆除しましょう。
球根腐敗病、首腐病
フリージアに発生しやすい病気です。球根が腐って発芽しない、または発芽後も根元近くが腐るなどの症状で、発生した後は対処法がありません。原因は連作や排水が悪いことなどなので、これらを予防しましょう。
フリージアの植え替え・鉢替え
フリージアは多年草ですが、連作を嫌いますので植えっぱなしには向かない植物です。
地植えの場合は、2~3年に一度球根を掘り上げて植え替えを行いましょう。掘り上げは葉が黄色くしおれてくる6月頃が適期です。
鉢植えの場合、植え付けと同じ9月下旬~10月中旬頃に行います。生長に合わせて一回り大きな鉢に新しい土を入れて植え替えを行ってください。植え付け後にはたっぷり水を与えましょう。
フリージアの増やし方
球根草花であるフリージアは「分球」で増やすことができます。分球とは掘り上げた際に球根にできた新しい球根(子球)を切り離して増やしていく方法です。
分球は6月頃に行いますが分球のために、まずは花後に茎や葉を残すことから始めましょう。葉を残すことで光合成をして球根に養分が送られ、分球も進みます。水やりは5月中旬まで行います。5月下旬の気温が25度前後の日が2~3日続くと根が吸水をやめ、休眠の準備に入ります。6月頃になると葉が黄色く枯れ始めるので球根を掘り上げます。
球根を掘り上げたら陰干しして乾かします。乾燥したら茎等を取り除き、手で割るようにして子球を切り離します。球根はネットなど入れ通気性の良い冷暗所で保管します。
球根を秋に植え付けることでフリージアを増やすことができます。
フリージアが倒れないようにする方法
フリージアはすらりとした優雅な姿が人気ですが、お家で育てる際には倒れてしまうことが悩みの一つでもあります。これは茎が細く弱いわりに葉が大きいためです。
フリージアが倒れないようにするには、支柱を立てて支えるか、茎の周りに土を寄せて高めにし、茎を支えることです。また、葉が伸びてきた後の水、肥料のあげすぎは茎が伸びやすくなる原因の一つでもありますので注意しましょう。
フリージアと同じアヤメ科の花

フリージアと同じアヤメ科の花とその花言葉を紹介します。
アヤメ(アイリス)
アヤメ(アイリス)の花言葉は、「よい便り」「メッセージ」「希望」です。
グラジオラス
グラジオラスの花言葉は、「密会」「用心」「思い出」「忘却」「勝利」です。
クロッカス
クロッカスの花言葉は、「青春の喜び」「切望」です。
サフラン
サフランの花言葉は、「歓喜」「過度をつつしめ」「濫用するな」です。
モントブレチア
モントブレチアの花言葉は、「謙譲の美」「陽気」です。
まとめ
フリージアの花言葉は美しいものが多く、カラフルな花姿も春の訪れを知らせてくれるのにぴったりですね!お家で育てる際は日当たりが良いこと、水はけのよい場所で育てるようにしましょう。ポイントは水、肥料をあげすぎないことです。フリージアは多年草で長く楽しめるほか、分球で増やす楽しみも感じられるでしょう。