インパチェンスとは?花の特徴・花言葉・育て方・手入れ方法を紹介!
夏に小さくて鮮やかな花をたくさん咲かせるインパチェンス。こんもりとした形が特徴で、庭に植えると株いっぱいに咲く美しい花を楽しめます。日陰でも育つので、初心者でも栽培しやすい花です。花の基本情報をはじめ、花言葉や育て方などを詳しく紹介します。
インパチェンスとはどんな花?
インパチェンスは3~4cmほどの小さな花をたくさん咲かせます。原産地が暑い国なので、夏の暑さに負けず元気いっぱいに咲く花です。草丈は10~40cmほどで、ドーム状に丸みを帯びて咲くため、一株でも豪華な花を楽しめます。花壇での地植えや鉢植え、ハンキングバスケットでの寄植えにもおすすめです。
花色は赤や白ピンクなどの他に、赤と白などバイカラーのタイプもあります。花びらの種類も一重咲きから八重咲き、バラ咲きまであるので、いろいろな花を楽しめるでしょう。葉のふちはギザギザの形になっていて、葉に斑が入った種類もあります。
インパチェンスの基本情報
インパチェンスは、ツリフネソウ科ツリフネソウ属に分類されます。和名は「アフリカホウセンカ」、英名は「Impatiens」や「Busy Lizzy」、学名は「Impatiens walleriana」です。原産地は熱帯アフリカで、高原地帯に自生しています。花の色は赤、白、ピンク、オレンジなどがあり、開花時期は5~11月です。
和名の「アフリカホウセンカ」の名前の由来は、熱帯アフリカを原産地とし、インパチェンスがホウセンカの仲間であることにちなんでいます。
英名の「Impatiens」は、ラテン語の「impatient」が由来で「我慢できない」という意味があります。インパチェンスの実が、触れただけでも弾けてしまうので名付けられました。もう一つの英名である「Busy Lizzy」は、次から次へと新しい花を咲かせ続ける様子が、忙しそうに見えることが名前の由来です。
インパチェンスの特徴
インパチェンスは高温多湿を好み、日陰や半日陰でも育つのが特徴です。日の当たらない場所でも色鮮やかに咲いてくれますので、暗いお庭でも明るい雰囲気になるでしょう。
本来は多年草ですが、寒さに弱いので日本では冬越しが難しく、一年草として扱われています。5℃を下回ると枯れてしまいますが、気温が10℃以上の場所なら冬越しが可能です。冬にも花を楽しみたい場合は鉢植えで育て、室内に移動させるとよいでしょう。なるべく日の当たる、明るい場所で管理してください。
インパチェンスは種も特徴的です。花が咲き終わると種の入った実がつき始めます。実がだんだん膨らんでくると、自然に弾けて1mmほどの小さな種がたくさん飛び出てきます。種はとても小さいので地面に落ちると拾い集めるのは難しいでしょう。また、実に少し触れただけでも弾けてしまいます。種を採取したい場合は、ビニール袋をかぶせておき、自然に実が弾けるのを待つと、かんたんに集められますよ。
インパチェンスの開花時期や見頃の季節
インパチェンスの開花時期は5~11月です。初夏から秋までと開花期間が長いのが特徴で、開花期間中は次々と花を咲かせます。ガーデニング以外でも、公園や街路樹の下、花壇の植え込みなど、さまざまな場所に植えられているので見る機会が多いでしょう。
インパチェンスの花言葉と由来
インパチェンスの花言葉は「豊かさ」、「鮮やかな人」、「私に触れないで」、「強い個性」、「短気」などです。
「豊かさ」や「鮮やかな人」の花言葉は、インパチェンスが色鮮やかな花を咲かせ、種類も豊富にあることが由来です。「私に触れないで」や「短気」は、実に触れると弾けて中の種が飛び出る特徴にちなんでいます。「強い個性」は、どんな場所に植えても長い期間、鮮やかな花を咲かせ続けることから名付けられました。
インパチェンスの種類・品種
インパチェンスはアジアやアフリカなどを中心に、500種類以上が分布しています。日本で主に流通されているのはインパチェンス・ワレリアナ種です。ワレリアナ種は19世紀にヨーロッパに広まり品種改良が進められ、現在では2000以上の品種があるといわれています。
次は、インパチェンスの人気品種と、おすすめの植え方を紹介します。
カリフォルニアローズ・フィエスタ
バラ咲きの品種で、インパチェンスの中で人気のある種類です。花びらが何枚も重なっており、小さいバラのような美しい花を咲かせるのが魅力。草丈は20~40cmほどに成長します。鉢植えやハンキングバスケットにおすすめです。
ニューギニアインパチェンス
ニューギニアで自生する原種を品種改良した種類です。花や葉が大きいのが特徴で、花色も豊富。草丈は20~50cmほどに成長します。暑さに弱い特性があるので、直射日光の当たらない涼しい環境で育てたほうがよいでしょう。寄植えや地植えがおすすめです。
アテナミックス
さまざまな色の花を咲かせる、八重咲きの混合種です。草丈は10~20cmほどに成長します。枝数が多くて花つきもよく、コンパクトで育てやすいのが特徴。鮮やかな花が次々と咲きます。地植えや鉢植え、寄植えにおすすめです。
サンパチェンス
「サカタのタネ」が開発した品種で、真夏の直射日光に強いのが特徴です。強い風や雨にあたっても回復する丈夫な性質なので、インパチェンスの中でも特に育てやすいでしょう。大きく育つのも特徴で、鉢植えでは約60cm、地植えでは1mほどに成長します。花径も6cmと大きめで見ごたえがあり、カラフルな色が揃っているのもポイント。鉢植えや地植えにおすすめです。
インパチェンスの育て方・栽培方法
インパチェンスは生育旺盛で丈夫なので育てやすく、ガーデニング初心者におすすめの花です。しかし、育て方を間違ってしまうと、色とりどりに咲くきれいな花を楽しめないことも。植える場所や置き場所、用土、植え付け、水やり方法など、適切な栽培方法について詳しく紹介していきます。
インパチェンスの日当たり・置き場所
インパチェンスは日陰でも育ちますが、最適な場所は半日陰になるところです。午前中に日が当たり、午後には明るい日陰になる場所がよいでしょう。ただし、全く日が当たらない暗い場所だと日照不足になり、花が咲かない場合があるので適度に明るい場所を探してくださいね。
本来は日当たりの良い場所が適しており、花つきもよくなります。しかし、強烈な日差しは苦手です。真夏の直射日光にあたると葉焼けを起こしたり、生育が悪くなったりするので注意してください。鉢植えの場合は半日陰の場所に移動させ、地植えで移動できない場合は、よしずなどで直射日光を遮る対策をするとよいでしょう。
インパチェンスの用土・土作り
インパチェンスは乾燥や過湿に弱い性質なので、土は水はけと保水性のあるものが適しています。鉢植えの場合は、市販の草花用培養土がよいでしょう。自分で土を作る場合は赤玉土6、腐葉土3、堆肥1の割合で混ぜたものがおすすめです。
地植えの場合は、庭の土に腐葉土や堆肥を混ぜ込み、ふかふかの土にしておきましょう。
インパチェンスの種まき・苗木の植え付け時期と方法
インパチェンスの発芽温度は20℃以上なので、5~6月が種まきに適した時期です。種まき用のトレイに種まき専用の土か、バーミキュライトやピートモスを混ぜた土を入れ、種をまきます。発芽するには光が必要なので、種が少し隠れる程度にうすく土をかぶせてください。
種はとても小さいので水で流れないようスプレーで水を与えるか、トレイを水の入った容器に入れ、トレイの下から給水させるようにしてください。日陰で管理し、10日前後で芽が出てきます。本葉が4~6枚ついたら、6cmのビニールポットに植え付けて育苗します。
苗の植え付け時期は5~7月頃です。種をまいて育苗した苗は、ポットの底まで根が回ってきた頃に植え付けしましょう。苗を購入した際は、なるべく早く植え付けしてください。苗を購入する時は、葉の色が濃く、蕾が多いものを選ぶのがポイントです。
インパチェンスの根は、傷つけてしまうと枯れる場合があります。ポットから取り出したら、根を傷つけないようになるべく触らないで植え付けしてください。地植えの場合は、15~20cm間隔で苗を植えます。移植を嫌うので、鉢植えの場合は植え替えしなくていいように、苗より一回り~二回り大きな鉢に植えましょう。
インパチェンスの水やり方法
インパチェンスは乾燥に弱いので、水切れすると枯れる場合があります。鉢植えは水切れを起こさないよう、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。真夏は朝夕の2回、水やりするといいでしょう。
地植えの場合は頻繁な水やりは不要で、長期間雨が降らない時に水やりをします。水やりの基本は、土が乾いてからです。過度な水やりは根腐れの原因になるので気をつけましょう。
水やりの時は、花に直接水がかからないようにしてください。花に水がかかってしまうと、花が散るので注意しましょう。
インパチェンスの肥料の与え方
インパチェンスを植え付ける時に緩効性肥料を土に混ぜ込んでおきます。開花期間中は次々と花を咲かせるので、肥料を切らせないようにするのがポイントです。肥料切れを起こすと、花つきが悪くなる場合があるので注意します。