クレマチスとはどんな花?育て方からお手入れ方法。植え替えや寄せ植えも紹介

2020 11/13
クレマチスとはどんな花?育て方からお手入れ方法。植え替えや寄せ植えも紹介

クレマチスは鮮やかな色の花を咲かせる『つる植物』で、品種によって開花時期を選べることからガーデニング用として人気があります。挿し木によって増やすことも可能です。クレマチスに関する基本情報をはじめ、育てるときのポイントまで詳しく紹介します。

目次

クレマチスとはどんな花?

クレマチスとはどんな花?

クレマチスといえば、イングリッシュガーデンに咲き誇っているようなイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。実際、イギリスをはじめとするヨーロッパでは、昔からクレマチスの栽培が盛んに行われてきました。

しかし実は、約300種類あるクレマチスの3分の1は中国に自生するといわれています。さらに日本にも『カザグルマ』などクレマチスの原種が約20種類存在することを知っているでしょうか?

クレマチスとはどのような花なのか、意外と知られていない魅力について紹介します。

『つる植物の女王』の異名を持つ

クレマチスは、キンポウゲ科センニンソウ属のつる植物の一つです。花の色やサイズが豊富にあるため、観賞価値が高く日本に限らず世界でも人気の植物といえます。

ガーデニングが盛んなイギリスでは、バラを『つる植物の王』、クレマチスを『つる植物の女王』と呼んでいます。クレマチスはバラのパートナープランツとして親しまれているのです。

女王のような華やかさと存在感を持つことから、このような異名がついたと考えられます。

クレマチスの花言葉と由来

クレマチスは茎が細いため弱々しく見えますが、実は折れにくく大輪を咲かせることから『精神の美』という花言葉を持っています。ほかにも『旅人の喜び』『策略』が代表的な花言葉として知られ、それぞれに由来があります。

『旅人の喜び』は、旅人が気持ちよく泊まれるよう宿の玄関にクレマチスを植えていたというヨーロッパの風習が由来しています。『策略』は、クレマチスの葉や茎に毒性があることを知ったフランスの物乞いが、わざと自分の皮膚につけて通行人の同情を買おうとしたことからきているようです。

クレマチスの種類・品種タイプ

クレマチスの種類・品種

クレマチスには、たくさんの種類やタイプがあります。花を咲かせる回数や剪定の仕方が異なるため、まずはそれぞれの特徴を知っておきましょう。

ここでは、『新枝咲き』『旧枝咲き』『新旧両枝咲き』の3タイプに分けて紹介します。

長く花を楽しめる『新枝咲き』

新枝咲きは、新しく伸びたつるから花が咲くタイプです。具体的には『ビチセラ系』『テキセンシス系』があります。どちらも四季咲きで一年のうちに何度も花を咲かせるため、長期的に楽しみたい人におすすめといえます。

ビチセラ系はつるが細めで花のサイズも小~中サイズ、目立ちすぎずバラとの相性もよいです。代表的な品種は『クイーンマザー』『エトワール・ドーズ』『マダム・ジュリア・コレボン』などがあります。

テキセンシス系は、つぼ型やベル形などとよばれる大きくて存在感のある花を咲かせます。暑さや寒さに強いため、ガーデニング初心者でも扱いやすいといえそうです。代表的な品種には『プリンセスダイアナ』『ベルテッセン』『クリオネ』などがあります。

春の訪れを告げる『旧枝咲き』

旧枝咲きは、前年に伸びたつるから花が咲くタイプです。具体的には『モンタナ系』『フォステリ系』などがあります。

モンタナ系は数多くあるクレマチスの中でも多くの花を咲かせ、さらに香りがよいのが特徴です。開花期間は比較的短いですが、その分咲き誇る様子は圧巻です。代表的な品種には『スターライト』『スノーフレイク』『ルーベンス』『エリザベス』などがあります。

フォステリ系はつるがあまり伸びないため、鉢植えで育てることも可能です。花つきがよく、年々成長していくと見事な仕上がりになるでしょう。『アバランチェ』『カートマニージョー』などの品種がありますが、どれも比較的淡い色合いが多いため他の花との相性もよいのが特徴です。

よいとこ取りの『新旧両枝咲き』

新旧両枝咲きは、新枝咲きと旧枝咲き両方の性質を持つタイプです。前年に伸びたつるからはもちろん、新しく伸びたつるからも花が咲くため、よいとこ取りのタイプといえるかもしれません。

上向きに大きな花を咲かせるのが特徴で『フロリダ系』がこのタイプに入ります。四季咲きで開花期間が長いため、クレマチスならではの華やかさを長期的に楽しみたい人におすすめです。

代表的な品種は『テッセン』『カルセドニー』で、個性的な花を好む人に人気が高いです。

クレマチスの育て方【準備編】

クレマチスの育て方【準備編】

クレマチスを自宅で育てる場合、どのような準備が必要なのでしょうか?あらかじめ準備しておきたいアイテムや土、そして苗の選び方をチェックしておきましょう。

必要になるアイテム

クレマチスを育てるにあたり、まずは以下のアイテムを準備しましょう。地植え・鉢植えどちらにも共通するアイテムです。

  • クレマチスの苗
  • 支柱
  • ラベル
  • じょうろ

支柱は、アサガオを育てるときのような『あんどん仕立て用』がおすすめです。成長してつるが四方八方に伸びてきても、あんどん仕立て用の支柱があれば全体に日が当たり花が綺麗に咲きやすいからです。

鉢植えの場合は、さらに『鉢もしくはプランター』『鉢底ネット』『鉢底石』も用意しましょう。鉢もしくはプランターは、苗より一回り大きめのものを用意するのがポイントです。

植物を育てる土台、土について

植物がすくすく育つ上で、土台となる土はとても重要です。クレマチスの場合、栄養分が多く含まれたふかふかした土を選ぶようにしましょう。具体的には、赤玉土40%、ピートモス40%、バーミキュライト20%という割合がおすすめです。

さらに定期的に肥料を与えることも忘れてはいけません。液体肥料と緩効性肥料どちらも用意しておきましょう。土の配合に自信がない人やガーデニング初心者の場合は、あらかじめクレマチス専用培養土を選ぶと安心かもしれません。

元気に育つ苗の選び方

一般的にクレマチスは種まきから始めるのではなく、苗を利用します。クレマチスの苗には1年苗と2年苗がありますが、茎がしっかりと太く葉の色が濃い2年苗を選びましょう。

チェックポイントは「葉の色やツヤがよいか?」「株元から枝が多く出ているか?」です。品種によって育て方が異なるため、苗についたラベルは捨てないよう注意しましょう。

クレマチスの育て方【実践編】

クレマチスの育て方【実践編】

必要なものが揃ったら、いよいよクレマチスの苗を植え付けていきます。その際、どのような手順で行えばよいのでしょうか?三つのポイントに分けて解説します。

植え付けの手順

クレマチスは基本的に1年中植え付け可能ですが、最も適しているのは12~翌2月中旬頃です。ただし寒い地域の場合、厳冬期は避けたほうが賢明といえます。

地植えするときは、日当たりがよく風が通る場所を選ぶのがポイントです。クレマチスの根は回復するまでに時間がかかるため植え替えはおすすめできません。場所選びは事前にしっかり行うようにしましょう。

地植えの場合、直径と深さともに40cm以上になるよう掘り、その穴の半分くらいまで用意した土を流し込みます。苗を根鉢からゆっくり取り出し、根元から2番目の葉が出ているところが隠れるくらいに土をかけましょう。あとは、水をたっぷりやれば植え付け完了です。

鉢植えの場合も工程はほぼ同じですが、土を流し込んだら先に支柱を差しておくことをおすすめします。

量が気になる水やりのタイミング

クレマチスは乾燥を苦手とするため、こまめな水やりが大切です。特につぼみをつけてから開花するまでの時期は、たっぷり水やりしましょう。真夏は朝夕2回、冬は土が乾いたタイミングで水をあげます。

地植えの場合、根が張ってしまえばこまめに水やりする必要はありません。雨が降らない日が1週間半~2週間以上続いた場合のみ水やりします。

鉢植えの場合、受け皿に水が溜まると根腐れを起こす可能性があります。水やりをしたら、毎回必ず受け皿に溜まった水を捨てるようにしましょう。

肥料をあげる頻度、タイミング

地植えの場合、元肥(もとごえ)をする必要があります。9月下旬~10月下旬の秋頃に、有機肥料と馬ふん堆肥をあげると春に新芽が見られるでしょう。

その後の肥料をあげる頻度は、液体肥料を月2~3回、緩効性肥料を1~2ヶ月に1回程度です。ただし真夏は肥料をあげる必要はありません。

クレマチスの花が咲かない?剪定のコツ

クレマチスの花が咲かない?剪定のコツ

クレマチスは比較的育てやすい植物ですが、剪定(せんてい)の仕方を間違えると稀に花が咲かないケースがあります。開花時期にガッカリしてしまわないよう、3タイプそれぞれの剪定のコツをおさえておきましょう。

新枝咲きタイプの場合

新枝咲きタイプは、前年に伸びた古いつるから新しい花が咲くことはありません。新しいつるから花を咲かせるには、枯れたところをバッサリ切ることが大切です。このタイプは、剪定の時期さえ間違えなければ多めに剪定してしまっても大丈夫です。

剪定する時期は、まず冬から春先にかけての『2~3月頃』です。生え際から2~3節程度を切り整えておくと、新しいつるが伸びるようになります。

次に一番花が咲き終わった『5月頃』には、つるを半分くらい切り落とします。ここできちんと剪定しておくと、二番花や三番花がつきやすくなるでしょう。

開花時期を終えた『8月頃』になったら、地表から何節か残して剪定します。剪定の度に新しく生えてくる喜びを感じられるのは、新枝咲きタイプの魅力といえるかもしれません。

旧枝咲きタイプの場合

旧枝咲きタイプは、前年に伸びたつるが休眠した後、そこからまた新しい花を咲かせます。冬になると枯れたように見えるかもしれませんが、枯れたわけではないためバッサリ切ってしまわないよう注意しましょう。

剪定する時期は、花が咲き終わった『4~5月頃』です。ツルを切り戻すようにするのがポイントです。花から1~2節程度下あたりを切るとよいでしょう。

新旧枝咲きタイプの場合

新旧枝咲きタイプは、冬から春先にかけての『2~3月頃』と一番花が咲き終わった『5~8月頃』の2回剪定を行います。特に『5~8月頃』の剪定を怠ると翌年花が咲かなくなってしまう可能性が高いため、十分に注意しましょう。

2~3月頃は、花から1~2節残して切ります。その後の5~8月頃は新芽が出ていないつるを切り、同じタイミングで支柱やフェンスなどに絡まったつるも外しておきましょう。

クレマチスの増やし方『挿し木』とは

クレマチスの増やし方『挿し木』とは

クレマチスの増やし方として、挿し木という方法があります。剪定した枝を利用して新たな苗を作ることで増やしていく方法のため、剪定と同時に行えば一石二鳥です。

最適な時期は、5~9月頃です。具体的にどのような手順で行うのか、その方法を詳しく紹介します。まずは挿し木に必要な道具をチェックしましょう。

挿し木に必要な道具

クレマチスの挿し木には『土に挿す方法』と『水に挿す方法』があります。

一般的には、土に挿すケースが多いようです。しかし、水に挿す方法にも『発根したか目できちんと確認できる』『必要な道具が少ない』というメリットがあるため、お好みに合わせてどちらかの方法を選んではいかがでしょうか。

土に挿す場合は、以下のような道具を用意します。

  • 挿し穂
  • 空きビンもしくはペットボトル
  • 切れのよいハサミもしくはカッター
  • 割り箸
  • 植木鉢
  • 赤玉土もしくは鹿沼土(小粒)
  • 鉢底ネット
  • 鉢底石

水に挿す場合は、割り箸・植木鉢・赤玉土または鹿沼土(小粒)の代わりに『水(適量)』を準備します。

クレマチスを増やす挿し木のやり方

まず、切れのよいハサミかカッターを使ってクレマチスの枝を2~3節切ります。このとき、柔らかい部分や硬すぎる部分を避け、程よい硬さの部分を切るよう心がけましょう。切った枝を挿し穂といいますが、挿し穂を水の入ったた空きビンもしくはペットボトルに入れて30~60分程度おきます。

この間に、土を準備しましょう。植木鉢に鉢底ネットと鉢底石をセットしたら、赤玉土もしくは鹿沼土を入れます。このとき、土を湿らせておくのがポイントです。さらに、割り箸で挿し穂用に穴をあけておきましょう。

吸水が終わったら、挿し穂を穴に入れまわりから土を寄せてぐらつかないよう整えます。しっかり固定させてたっぷり水をあげたら挿し木完了です。

まとめ

クレマチスは花のサイズや色はもちろん、花の向きや香りに至るまでさまざまな種類があります。育てる楽しみだけでなく、選ぶ楽しみもあるのです。

その上、比較的育てやすく、剪定や挿し木によって増やしていくことも可能です。開花時期はもちろんですが、つるが育っていくことで自宅の庭が緑に包まれていく様子も楽しめるでしょう。

バラなどほかの植物と一緒に植えて全体に馴染ませたい場合は目立ちすぎない『ビチセラ系』、大きくインパクトのある花がお好みの場合は『モンタナ系』『テキセンシス系』がおすすめです。

そのほかにもさまざまなタイプ・品種があるため、自分好みのクレマチスを見つけましょう。

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