オオデマリ(大手毬)とは?花の特徴・花言葉・育て方・手入れ方法を紹介!
初夏の頃に大きな丸い鞠のような花を咲かせる大手毬。日本の広い範囲で花を咲かせる植物です。大手毬の基本情報や育て方、増やし方、注意点などを詳しく紹介していきます。ぜひ華やかな花を咲かせて楽しみましょう。
オオデマリ(大手毬)とはどんな花?
オオデマリは、一見するとアジサイと見間違えるような丸い花を咲かせる植物です。またオオデマリに似た花でコデマリもあります。しかし3種類とも違いがあり、別の花。アジサイはさまざまな色の花があり形も丸い花ばかりではなく額アジサイなど数多くの種類がありますが、オオデマリやコデマリは白い花を咲かせるイメージがありますね。
オオデマリは、落葉の低木です。草丈は3~4mほどで、庭木によく植えられる木でもあります。耐寒性も耐暑性もあるので初心者でも育てやすい花。オオデマリの基本的な情報と比較して見ていきましょう。
オオデマリの科・属
オオデマリはスイカズラ科ガマズミ属の花です。スイカズラ科は、双子葉の葉を持った被子植物です。世界には17属あり、日本には8属90種類の植物があります。オオデマリは、レンプクソウ科に分類される場合もあります。
一方アジサイはアジサイ科アジサイ属の花。コデマリはバラ科シモツケ属の花です。見た目はオオデマリやアジサイ、コデマリも似ていますが科や属性はまったく違うんですね。
和名
オオデマリの和名は、「大手毬」です。読み方もオオデマリになります。白い花がたくさん集まって丸く咲く姿から手毬をイメージして付けられたんですね。オオデマリの和名はほかにも「手毬花(テマリバナ)」と呼ばれることもあります。
英名
オオデマリの英名は、「Japanese snow ball」。白い花が丸く集まって咲く姿からsnow ballとつけられたのでしょう。
学名
オオデマリの学名は、「Viburnum plicatum var. plicatum」です。Viburnum(ビバーナム)の意味は、ラテン語でガマズミの古名になります。
オオデマリに似た花の形で切り花によく使われるビバーナム・スノーボール(Viburnum opulus Roseum)という花がありますが、オオデマリとは別の植物です。葉の形が違うので葉で見分けるといいでしょう。
花の色
オオデマリの開花時期は5月~6月頃です。花が咲き始めたときは緑がかったライムグリーンのような色で、徐々に真っ白なボール状の花に変化していきます。小さい花が集まったボールは直径10cmほどになります。またピンク色のオオデマリもあります。オオデマリは秋に紅葉もするので、初夏と秋両方楽しめる植物です。
オオデマリの花は、主の枝から横に広がって伸びて、その枝からさらに短い枝が出て花が咲きます。梅雨入り前のよく晴れた青空に真っ白なボールのような花を咲かせる姿は、青と白の美しいコントラストで私たちを楽しませてくれます。
オオデマリの品種によっては、白だけでなくピンクや緑色などの花が楽しめます。ピンク・ビューティーは、咲き始めは白で徐々にピンクに変化してく品種です。ロサケは白とピンクが混ざった花、ローズエースは淡い紅色、カームズ・ピンクやメリーミルトンはピンクの花を咲かせます。また花をピンクと白に咲きわける品種はジェミニ(双子座)です。
原産地
オオデマリの原種のヤブデマリの原産地は、日本です。北海道を除く本州、九州に生息しています。また台湾や中国にもオオデマリは自生しています。
オオデマリと呼ばれる花は、原種のヤブデマリガク咲きの部分が、手毬咲きになっています。
オオデマリ(大手毬)の特徴
オオデマリの特徴を詳しく紹介します。オオデマリに似た花としてよく比較されるコデマリ(小手毬)やアジサイとの違いを見ると、オオデマリの特徴がよくわかります。
小手毬との違い
小手毬も落葉性の木ですがバラ科シモツケ属の花です。大手毬よりも小さく草丈は1〜1.5mほどにしか成長しません。原産地は中国。小さな花が集まって丸く形作り花を咲かせるのは大手毬と一緒ですが、花の大きさは小さく3cmほどです。
枝が長く伸びてその先に、手毬のような花をつけます。満開のときは枝がしなるように風に揺れるので、とても華やかで美しい姿を見られます。オオデマリは横に枝を伸ばしてその先に白い丸い花を咲かせます。
アジサイとの違い
アジサイはアジサイ科アジサイ族の花でさまざまな種類と色があり、草丈も種類によって30cm~3mほどになります。開花時期はオオデマリの方が少し早く咲き始めます。アジサイは、5月〜7月が花の時期です。オオデマリとアジサイの大きな違いは、花にあります。アジサイの花びらのように見える部分はガクですが、オオデマリは花びらです。また、アジサイのように花の中心部に雌しべと雄しべの両性花がないので実がなりません。
また葉の形も違います。オオデマリはギザギザした形で葉脈の部分がくっきりしていますが、アジサイは縦長の丸い葉で葉脈はそれほどはっきりしていません。
オオデマリ(大手毬)の花言葉と由来
オオデマリの花言葉や由来についてみていきましょう。オオデマリの全体の花言葉は華やかな恋、約束、天国、私は誓います、優雅なたしなみ、などがあります。華やかな恋の花言葉の由来は、丸い白い花をいっぱいに咲かせる姿からつけられたようです。
また、天国も青い空にたくさんの丸い白い花が咲き乱れている様子から天国をイメージしてつけられたのかもしれません。優雅なたしなみも、その花姿からつけられたのでしょう。
オオデマリの西洋の花言葉
オオデマリの西洋の花言葉は、特につけられていないようです。
オオデマリの誕生花
オオデマリが誕生花の日は、3月6日、5月27日、5月28日、6月3日です。ちょうど大手毬が華やかな花を咲かせる時期の誕生花に多く選ばれているようですね。
オオデマリの花言葉は、どれも悪い意味のものはありません。プレゼントにも最適な花です。誕生花の日に生まれた友人や恋人にオオデマリの花を花言葉を添えて贈ってもいいですね。
オオデマリ(大手毬)の育て方
オオデマリの育て方を解説します。オオデマリはどんどん成長していくので、鉢植えよりも地植えや庭植えの方が適しています。古い土だと根づきが悪くなることがあるので、植える前の冬の時期に土を掘り起こして腐葉土や堆肥を混ぜて土壌を整えておくといいでしょう。
育てやすい植物なので、初心者でも失敗は少ないですが、オオデマリの特徴や性質を知って適切な環境で育てて華やかな花をたくさん咲かせたいですね。
置き場
日当たりがよくて水はけのいい場所で育てましょう。暑さにも寒さにも耐性がありますが、乾燥が苦手なので直射日光が当たり土壌が乾きやすい場所や、西日が強いところなどは避けた方がいいでしょう。オオデマリは横に枝を伸ばして成長していくので、隣の木との間隔を十分に取って植えてください。
真冬の時期は、オオデマリの木の根本にワラや腐葉土を敷いて防寒対策しておくと安心です。2月くらいに、オオデマリの株のまわりにみぞを作って腐葉土や堆肥を入れておくと土がよく水を吸い込むようになるので、越冬したら開花する時期の前にひと手間かけて土壌の保水力をあげておくといいでしょう。