カトレアにはどんな種類がある?花の色や人気の品種を紹介
紫色のカトレアは少ないですが、個性的で印象の強い品種がそろっています。育てやすい種類も多く、珍しい色のカトレアを求める人に向いているでしょう。
カトレアの人気品種
人気の品種には育てやすく、花を咲かせやすいものがそろっています。できるだけ手軽に育てたい場合や、多年草として長期間維持したい場合に適しているでしょう。育てやすいだけでなく、花の美しさや大きさも人気の理由です。家庭でもよく見掛ける、三つの品種を見ていきましょう。
カトレア コクシネア
『カトレア コクネシア』はブラジル原産の品種で、元々はブラジル高地に自生していた野生種です。長い歴史を持ち、品種改良にも利用されています。以前は『ソフロニティス・コクネシア』の名前で知られていましたが、現在はカトレア属として分類されています。
多くは鮮やかな朱色の花弁を持ち、10cm程度のミニサイズで育てやすい品種です。高地で育つ花であることから、暑さに弱く、開花時期は冬~春となっています。極端な寒さも苦手で、夏や冬は室内での温度管理が必要となるでしょう。多年草であり、夏を越すと再度冬~春に花を咲かせます。
同じコクネシアでも、品種によって雰囲気が変わるのも特徴です。黄色の花弁を持つものや、花弁の形が丸みを帯びているものなど少しずつ見た目が変わります。
イエンコロナ グリーンベイル
冬咲きのミニカトレアは全長が10~20cm程度と小さく、狭いスペースでも育てられる品種です。花が少ない秋~冬の時期に美しい姿を堪能できます。リンコソフロカトレアの『イエンコロナ 』は、『グリーンベイル』や『リトルスピリット』などの品種が有名です。
花弁が緑・紫・白に分かれており、一つの株で3色を楽しめます。10℃以下の涼しい室内で育ち、温室なども必要ありません。サイズが大きくなると、複数の花が咲きます。ミニサイズでも、多くの花を楽しみたいときに最適です。
カトレアミニパープル セルレア ブルースカイ
ミニカトレアの品種としてよく知られる『ミニパープル』は、名前のとおり紫色の花弁を持つカトレアです。カトレアの原種でもあるワルケリアナとプミラを交配させ、生み出された品種です。
交配を重ねることで、『ブルースカイ』や『ブルーハワイ』のように、薄い青紫系の花弁と濃いめの紫のリップを持つ品種も生まれています。それぞれ少しずつ花弁の形や色合いが異なり、ブルースカイは柔らかく丸みのある花弁が特徴です。
ミニパープルのカトレアを複数組み合わせれば、同じ品種でさまざまなカラーを楽しめるでしょう。他のミニカトレアと同様に温度管理がしやすく、育て方によっては春と秋の年2回花を咲かせることもできます。
基本の育て方とコツ
カトレアを育てる前に、注意点や育て方のコツを知っておきましょう。生育環境や水やりの方法、病気などの対処法を知っておくと慌てずに済みます。品種によって変わることもあり、植え付けや開花の時期に合わせて育て方を変えるのも大切です。
日の当たる場所に置く
カトレアは、他の植物と同じように生育に日光の力が必要です。暑過ぎる場所や湿度が高い場所は好みませんが、適度な日当たりが確保できる場所で育てましょう。
室内であれば窓に近く、風通しがよい場所が最適です。気温が下がり過ぎない春の終わり頃~秋までは外に出して、ある程度日光を遮るのもよいでしょう。夏は日差しが強くなるため、6~7割の日光をカットします。
真夏の暑い時期や冬などは、室内で育てるのもおすすめです。強過ぎる日差しや低温は、カトレアの生育を妨げます。
水やりと肥料を与えるタイミング
カトレアには、『水を必要とする時期』と『水を必要としない時期』があります。原産地では春~秋に雨が多く、冬は乾燥しがちです。
生育環境に合わせて、水やりの量を変えると育ちやすくなります。湿気に弱い植物でもあるため、多めに水やりをする季節でもいったん乾いてから水を追加するのが基本です。
肥料は開花に合わせて育つ時期に使用します。春~秋が一般的です。固形肥料、液体肥料どちらも使えますが、液体肥料の場合は肥料がなくなるタイミングで追加しましょう。
病気や害虫から守る方法
根腐れや水不足によるトラブルの他に、最近やウイルスなどが原因でカトレアが病気になることがあります。病原菌の寄生が原因となる『ウイルス病』などは葉や花に斑点ができ、枯れてしまう病気です。
刃物類を使う場合、十分な熱や煮沸による消毒が予防に役立ちます。害虫が原因で病原菌が寄生することもあり、害虫対策も効果的です。
カトレアにつきやすい『カイガラムシ』などの害虫は、成虫になると薬剤が効きにくくなります。幼虫のうちに対策が必要です。成虫はブラシなどを使って駆除しましょう。一見して姿が見えなくても、葉の裏などに付いていることがあります。
まとめ
カトレアは種類の多い花です。10cm程度のミニサイズから90cm程度の大型まで、品種によって変わります。開花時期も品種によって異なるため、1年中カトレアを楽しみたいときは、異なる季節に開花する品種をいくつか用意しましょう。
人気の高い品種としては、鮮やかな色合いが特徴のコクネシアや育てやすくカラーが豊富なミニパープルなどがあります。どのカトレアも適度な日光と成長期の水やりが欠かせません。病気や害虫予防なども合わせて行い、花の開花を楽しみましょう。