すずらんの特徴や育て方。日本ですずらんを見られる場所も紹介

2020 11/17
すずらんの特徴や育て方。日本ですずらんを見られる場所も紹介

白くて小さな花弁を付ける『すずらん』は、見ているだけで幸せな気分にさせてくれる植物です。初心者でも育てやすい植物で、ポイントさえ押さえれば毎年きれいな花を咲かせてくれるでしょう。育て方と合わせて、日本ですずらんを見られる場所も紹介します。

目次

すずらんの基本知識

すずらんの基本知識

春になると街の花屋や観光地で見かけることも多いすずらんですが、どのような花かご存知でしょうか?

すずらんの栽培にチャレンジする前に、まずは基本的な知識を身に付けておきましょう。すずらんの特徴や開花時期を紹介します。

特徴

すずらんは『鈴のような白く小さな花弁』を付ける花です。地面に向くように直径約1cmの花弁が付いており、風に揺れるとリンリンと美しい音色が聞こえてきそうです。

また、白い花弁を飾るように緑の葉が2~3枚生えています。長さは約10cmで、葉同士の間から茎が伸び、約10個の花を咲かせます。

そんな可憐な印象を持つすずらんですが『寒い環境に強い』という特徴があります。日本では北海道や東北、本州北部の鉱山地域に自生しており、寒さに負けずに育つ逞しさがあります。

反対に暑さには弱いものの、環境さえ整えてあげれば、基本的には育てやすい植物といえるでしょう。

開花時期

すずらんの開花時期は『4~6月』です。春の始まりに咲き始めることから、春を告げる花としても親しまれています。

その年の天候や気温にも左右されますが『5月頃にピークを迎える』ことが一般的です。このタイミングに合わせて、観光地では5月頃にイベントを開催することもあるでしょう。

すずらんの見頃は、あっという間に過ぎてしまいます。観光地で鑑賞を楽しむ場合は、事前に自治体や観光地の公式サイト、SNSなどをチェックして、見頃を確認しておくと安心です。

花言葉

すずらんの花言葉はいくつか存在しますが、代表的なものは以下の三つです。小さな花弁を付ける健気な姿に合わせて、ピュアな印象の花言葉が付られています。

  • 純粋
  • 謙虚
  • 幸福の再来

すずらんは日本だけでなく、世界中で親しまれている花です。特にフランスでは「小さな幸福」という花言葉が付いていることから、愛する人にすずらんをプレゼントする習慣があります。

また、下向きに白い花弁を咲かせる姿が、花嫁のベールに見えることから、結婚式のブーケや贈り物に使われることもあります。大切な人にすずらんを贈ることで、小さな幸せを届けてみてはいかがでしょうか?

種類や毒性について

種類や毒性について

すずらんには、日本を含むアジア原産の『ニホンスズラン』とヨーロッパ原産の『ドイツスズラン』の2種類があります。

それぞれの特徴と合わせて、すずらんを扱う際に注意したい『毒性』についてもチェックしましょう。

ニホンスズランとドイツスズラン

『ニホンスズラン』は、葉の下にひっそりと花を咲かせることが特徴です。奥ゆかしい印象を与え、頭を下げて愛しい人を思う姿に似ていることから『君影草』とも呼ばれます。また、育てにくいことからほとんど流通されません。

一方、『ドイツスズラン』は、花が葉より高い位置に咲くことが特徴です。ニホンスズランよりも大きく育てやすいことから、日本で広く流通するほとんどの品種がドイツスズランになります。

二つの品種を見分ける方法は、サイズの違いや育てやすさだけでなく『花の中』にも存在します。ニホンスズランはおしべが赤く色付いており、ドイツスズランは色が付いていません。

葉・花・根に毒がある

かわいらしい姿とは反対に、すずらんの葉・花・根には『毒』があります。特に花や根に多く含まれていて、誤って口にすると吐き気や頭痛などの体調不良を引き起こす恐れがあるのです。

口にしてから症状が発症するまでは約1時間といわれており、多量に摂取してしまうと、最悪の場合、命に関わる危険性もあります。

すずらんを扱う際は、手袋や軍手をするなど『素手で触らないように注意が必要』です。加えて、子どもやペットが口にしてしまうことがないように、手の届かない場所に保管する・植えるときは柵で囲うなど対処しましょう。

さらに、すずらんの毒は水にも溶出します。水が手に付いたら洗う・花瓶の水はすぐ処分するようにしましょう。

育てるときのポイント

育てるときのポイント

寒さに強く丈夫なすずらんは、環境さえ整えてあげれば育てやすい植物です。育てるポイントをチェックして、元気なすずらんを育てましょう。

適した環境

すずらんが好む環境は『適度に湿気のある日陰』です。直射日光が当たると枯れてしまう可能性があるため、風通しのよい日陰を選ぶとよいでしょう。

また、気温が高く湿度の多い場所が苦手な植物です。湿気が多い場所には植えない・日差しが強い日は日除けをするなど、環境を整えてあげましょう。

鉢植えで育てる場合は容易に移動ができますが、地植えの場合は難しいものです。あらかじめ植える環境が適しているかチェックしてから植えるようにしましょう。

さらに、植えた後に環境が変化することも考えられます。水やりのタイミングで地面の湿り気や日差しをチェックして、必要に合わせた対処をすることが、すずらんを元気に育てるポイントです。

水やり

水やりのタイミングは、季節によって変わります。日当たりがよい春・夏は、地面が乾燥しやすいため『乾燥する前に』水やりを行い、地面の湿り気をキープできるようにしましょう。

一方、秋・冬にかけてのすずらんは、休眠期に入ります。この時期のすずらんは、ほとんど水やりを必要としません。ただし、地面が乾燥してしまうことがないように『週1回~2週間に1回のペース』で水やりをするとよいでしょう。

とはいえ、水をやりすぎると枯れるリスクが高まります。地面が乾燥しているときを水やりのタイミングとして、適度に水分を与えるようにしましょう。

用土や肥料

すずらんは水はけがよい土壌を好みます。鉢植えの場合は、赤玉土・腐葉土・軽石を6:3:1で配合し、土に混ぜるとよいでしょう。

配合の仕方に悩んだ場合は、市販の『ガーデニング用の培養土』を用いることがおすすめです。あらかじめ肥料などを混ぜて調整してあり、初めてすずらんを育てる人の土づくりに向いています。

地植えの場合は、植え付けるときに骨粉や牛糞など『有機質の肥料』を土に混ぜておきましょう。また、地植え・鉢植えどちらのパターンでも、肥料を与えすぎると枯れる原因になります。

肥料がなくとも元気に育つ植物のため、植え付けと花の咲き終わりのタイミングに与えるだけでOKです。

病気、害虫

すずらんは毒性があることから害虫が寄りつく心配がありません。特別な害虫対策を施す必要はないでしょう。

また、目立った病気にかかることもありません。水やりのペース・土の湿り気・日当たりなどに配慮していれば、枯れてしまうこともないでしょう。

定期的なお手入れも必要

定期的なお手入れも必要

美しいすずらんを育てるためには、定期的なお手入れを忘れずに行いましょう。では、すずらんはどのようなお手入れが必要なのでしょうか?基本的な方法を解説します。

植え替えは1年から2年に1回

植物は根から老廃物を排出しています。同じ土の中に植え続けると、老廃物がたまり続け、成長を妨げる原因になることがあるのです。

また、成長した根が土の中いっぱいに広がり『根詰まり』を起こすことで、根が伸びるスペースがなくなり、成長に影響することもあります。

そのため、すずらんのダメージを抑えるためにも『定期的に植え替えすることが大切』です。休眠期にあたる10~12月に行うとよいでしょう。

鉢植えの場合は、成長のスペースに余裕がないため『1~2年に1回』のペースで実施します。地植えの場合は、比較的スペースがあることから『3~5年に1回』の植え替えが望ましいでしょう。

増やしたいときは株分けする

すずらんを増やしたいときは、成長した株を複数個に分ける『株分け』を実施しましょう。地植えの場合は、株分けをすることで1株を小さくすれば、十分な成長スぺースが確保できます。

すずらんの株分けは、植え替えと同じ『10~12月』に実施すると効率がよいでしょう。土の中から地下茎を掘り出し、軽く土を落とします。

根から出ている突起の内、大きく膨らんでいるものが花芽です。地下茎を切り分けるときは『一つの茎に4~5個の花芽が付くようにする』ことを意識しましょう。

株分けで切り分けた根は、すずらんに適した土を用意して植えれば作業完了です。

春になったらすずらんを見に行こう

春になったらすずらんを見に行こう

春は可憐に咲くすずらんを楽しめる季節です。自宅で育てるのもすてきですが、一面に広がる花畑の鑑賞も楽しんでみませんか?ここでは日本国内にあるすずらんの観光スポットを三つ紹介します。

北海道『芽生すずらん群生地』

すずらんの代表的な観光スポットといえば北海道です。札幌から車で約3時間の距離にある『芽生すずらん群生地』では、5月下旬~6月中旬の約1カ月、すずらんで埋め尽くされた光景を楽しめます。

こちらの群生地は、多くの人が足を踏み入れたことで、一時期すずらんが絶滅の危機に陥ったことがありました。しかし、約10年の歳月をかけ自然に咲く状態にまで回復させ、現在では元気に咲く姿を鑑賞できます。

6月には『すずらん鑑賞会』も開催され、鑑賞用道路からすずらんが風に揺れる可憐な姿を楽しめるでしょう。

  • スポット名:芽生すずらん群生地
  • 住所:北海道沙流郡平取町字芽生
  • 電話番号:01457-3-7703
  • 公式HP

長野県『入笠すずらん山野草公園』

長野県にある『入笠すずらん山野草公園』は、東京から約90分と関東エリアからアクセスしやすいすずらんの鑑賞スポットです。

標高1780mの位置にスポットがあり、すずらんの鑑賞を楽しめる時期は澄んだ空気も味わえるでしょう。シーズン中はエリア内を約20万株のすずらんが埋め尽くします。

また、公園から徒歩約10分の位置には『入笠湿原』があり、約100万株のニホンスズランを鑑賞できることも魅力です。

このほかにも公園付近には、季節の花々を楽しめるスポットが点在しているため、一度にさまざまな景色を楽しめるでしょう。

  • スポット名:入笠すずらん山野草公園
  • 住所:長野県諏訪郡富士見町富士見6666-703
  • 電話番号:0266-62-5666
  • 公式HP

広島県『男鹿山すずらん群生地』

すずらんの鑑賞スポットは、北海道や本州北部など寒いエリアに目立ちます。『男鹿山すずらん群生地』は、本州西部では珍しいすずらんの鑑賞スポットです。

5月上旬~中旬にかけて一般公開が実施されます。群生地があるのは、男鹿山の頂上近くの北斜面です。標高634mと東京スカイツリーと同じ高さの山で、標高差もあまり大きくありません。

麓から徒歩約15分で群生地にたどり着くため、比較的楽に登れる山といえるでしょう。麓までは車で行くことも可能ですが、駐車場が整備されていません。できるだけ乗り合わせていく・長時間車を停めないなど配慮が必要です。

  • スポット名:男鹿山すずらん群生地
  • 住所:広島県世羅郡世羅町大字青近
  • 電話番号:0847-22-5304
  • 公式HP

まとめ

可憐な印象を持つすずらんですが、とても丈夫な植物でもあります。

適切な環境さえ整えれば、大きな手間がかかることなく育ってくれるでしょう。ただし、毒性を持つ植物のため、素手で触らないように注意が必要です。

また、国内には鉱山地域を中心にすずらんを鑑賞できるスポットも存在します。鑑賞できる時期は限られているため、事前に開花情報をチェックしておくとよいでしょう。

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