ガジュマルの特徴まとめ|品種や育て方、増やし方まで徹底解説
観葉植物の代表・ガジュマルは、丈夫で初心者でも簡単に育成ができます。特徴的なフォルムで、インテリアとしても注目を集めています。一方で、精霊が宿る木として人々に知られ、神秘的な一面もあります。そんなガジュマルの魅力から育て方までを紹介します。
ガジュマルの特徴・魅力とは?
ガジュマルは観葉植物の中でも身近な存在で、花屋さんやホームセンターではもちろんのこと、最近では100円ショップでも手軽に購入できます。
独特な丸みのある幹がユニークな印象で、インテリアの一部として室内に置く人も多いです。たくさんの人に親しまれるガジュマルの魅力を、細かく紐解いてみます。
生命力に溢れた植物
ガジュマルは沖縄や屋久島、東南アジア・オーストラリア北部などの熱帯から亜熱帯で自生しています。自生するガジュマルは樹高が20メートルほどまで達するものもあり、観賞植物の中でも生命力が特に強いです。
幹の途中から気根という根を出し、地中に付くと太くなって木全体を支える支柱根となります。その根の威力はコンクリートを突き破るくらい強いともいわれています。
風水効果も期待大
ガジュマルが自生している沖縄では、『ガジュマルにはキジムナーという精霊が宿っている』という説が有名です。このキジムナーは人間の暮らしに密接する精霊で、気に入られると家が栄えるなど、いわゆる座敷わらしのような存在です。
バリでは御神木として崇められるほど縁起のよい植物なので、風水効果も期待されています。他の木や建物を巻き込みながら生育していく生命力の強さから、運気を引き込む効果や金運アップ、魔除けの効果があるといわれています。
置き場所のおすすめは、西・東北東・北が相性がよいといわれ、この三方向は特に金運アップに期待できます。ただし、寒さに弱いため、北側の玄関には置かないようにしましょう。
ガジュマルの人気の4品種と特徴
ガジュマルはゴムの木(フィカス属)の一つで、世界中に800種類の仲間が存在しているといわれています。品種改良によるもの、生産過程で突然変異が起こり生み出されたものまで様々あり、日本国内では約20種の原種や園芸品種があります。
中でも人気の品種の四つを見てみましょう。
ニンジンガジュマル
ニンジンガジュマルは、よくお店で売られている小さいサイズのガジュマルのことです。名前は正式な品種名ではなく、通称(商品名)です。幹の根元がニンジンのようにぷっくりと太っている特徴的な見た目から、このような呼び名が付き、一般的になったと考えられます。
ガジュマルは種から育てると幹が膨らんで成長します。数年かけて膨らんだ根元を掘り上げて、その幹をより多く見せるように植え付けたものが、ニンジンガジュマルとして流通しています。
センカクガジュマル
センカクガジュマルは、その名のとおり尖閣諸島に自生している希少な品種です。通常のガジュマルと比べると、葉の形に丸みがあり厚さもあります。成長していくと、上に向かって伸びるのではなく横に広がってきます。
この特徴は、風が強い尖閣諸島で生きるうえで、強風の影響を受けにくいように進化したあらわれといえます。耐寒性や耐陰性も普通のものより強いので、より育てやすいガジュマルです。
オウゴンガジュマル
オウゴンガジュマルは、日本ではあまり見かけない品種で、海外では街路樹や生け垣として多く使用されている品種です。明るい黄緑色の葉の色が特徴的で、日当たりのよい場所で育てることで葉の色が美しく色づきます。成長していくと緑葉が増えるので、刈り込んで黄緑の新芽を出させます。
日が当たらないと葉の色が悪く出るので、生育期には外に出すなどして日光が当たるようにするとよいでしょう。しかし、真夏の直射日光に当たると葉焼けを起こすので注意が必要です。
パンダガジュマル
パンダガジュマルは、センカクガジュマルの生産過程で突然変異が起き生み出された、とても珍しい品種です。それゆえに高価な観葉植物として流通しています。一番の特徴は、ほかのガジュマルよりも葉の形が丸いところです。
温室育ちのため寒さに弱いので、室内の暖かい場所で育てるのが適しています。また、エアコンの風が当たるのも避けるようにします。
ガジュマルの育て方と上手に育てる3つのポイント
ガジュマルは生命力の強い植物なので、生育をコントロールしやすく、初心者でも育てやすい品種です。しかし、定期的かつ適切なお手入れは必要です。
上手にキレイな状態を保てる、簡単な手入れ方法を紹介します。
日当たりがよい場所に置く
ガジュマルは日光不足になると葉の色が悪くなってしまいます。ベランダや日が射す窓際に置いておくことで、がっしりと丈夫な木に育っていきます。
ただし、真夏の直射日光に当たると葉焼けしてしまいます。日陰かつ明るい場所に置いておくとよいでしょう。春から秋にかけてが生育期となり、耐寒温度は約5℃までなので、晩秋も窓際などに置いて日が当たるようにします。
耐陰性もあるので、多少日の当たりが悪い場所でも育てることは可能です、しかし、健康に美しく育てるためには、たくさん日光を浴びさせてあげることが大切になります。
水やりは土の表面が乾いてから
ガジュマルは土の表面が乾いているときが水やりのサインです。鉢底から流れ出るくらいたっぷりの水分を与えます。
湿気のある状態を好む植物ですが、土が常に湿っていると根腐れしてしまいます。根に水をあげるだけでなく、葉や茎・幹に水分を吹きかけるようにし(葉水)、空気中の湿度を保ってあげましょう。
春から秋の生育期は水をよく吸収するので、土の表面が乾いて白っぽくなっていたらたっぷり水やりをします。特に夏場は気温が高く蒸発しやすいので、毎日、必要であれば朝夕2回行うとよいでしょう。
気温が下がってくると、水を吸い上げる力が弱まってきます。冬場は水をあげすぎると根腐れしてしまう恐れがあるので、土全体が完全に乾燥しているときに水やりをします。土への水やりは控えめにしますが、葉水は引き続き行います。
肥料は生育期間中だけ与える
ガジュマルは生命力が強いため、基本的には肥料が無くても育ちます。肥料が多いと枝葉が伸びすぎて独特の樹形が崩れてしまうので、与えすぎないように注意しましょう。
また、肥料が多すぎることで肥料やけ(人間でいう食あたり)を起こし、根元が傷む原因になります。あげる際は根に直接触れないようにすることも大切です。
冬場の成長が緩やかになる時期は控え、春から秋の生育期に、適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回か、ゆっくりと効果を発揮する置き肥を与えます。化学肥料を使用することで、コバエの発生を予防できます。
ガジュマルのよくある育て方の疑問
初心者でも手軽に育てられるガジュマルですが、お世話をしていくとさまざまな疑問や心配事が出てくることでしょう。ここで、よくある生育方法の疑問についてお答えします。
定期的に剪定した方がよい?
魅力的な樹形を保つためにも、長く生育していくうえでも剪定は必要です。剪定方法はいくつかありますが、ガジュマルの場合は切り戻しを丸坊主の2種類を行います。
切り戻しは、伸びすぎた枝葉を切りそろえて樹形を整えるときに行います。元のフォルムに戻すだけでなく、勢いのある枝を切ることで枝葉全体の生長を促進させます。