オリーブの剪定方法を解説。樹形を整えるコツと注意ポイントも

2020 10/09
オリーブの剪定方法を解説。樹形を整えるコツと注意ポイントも

オリーブは地植えだけでなく鉢でも育てやすく、庭木やシンボルツリーとして多くの人に親しまれています。しかし、放っておくと背が高くなるため、美しい姿を楽しむには剪定が欠かせません。オリーブを美しく丈夫に育てるための剪定方法を見ていきましょう。

目次

オリーブの木を剪定しよう

オリーブの木を剪定しよう

オリーブは温暖な気候でよく育ち、寒さにも耐える常緑高木(じょうりょくこうぼく)です。5~6月に白い花を咲かせ、秋に実を付けます。

銀色の葉が美しく、庭のシンボルツリーとして選ばれることが多いですが、見栄えよく丈夫に育てるには剪定が必要です。

剪定は樹木の枝を切って、形を整えることを意味します。植物の見栄えをよくするだけでなく、健やかな成長のためにも、必要な時期に剪定をして樹形を整えることが大事です。

成長すると10mを超えるので、放っておくと手が付けられなくなってしまうこともあります。剪定のメリットやおすすめの時期を紹介します。

どんなメリットがあるの?

剪定にはたくさんのメリットがあります。オリーブは剪定をしないと枝が伸び放題で、サイズがどんどん大きくなってしまいますが、剪定をすれば『高さや形をコントロールできる』のです。

あまりにも樹高が高くなってしまうと、長いハシゴの上に乗って手入れすることになりますし、そもそも大きな樹木を育てるスペースが確保できない場合も考えられます。

高くても3mくらいの段階で整えると、手入れしやすいでしょう。剪定すればコンパクトに育てられるので、限られたスペースでも栽培を楽しめます。

不要な枝を切り取ると風通しがよくなり、病虫害の発生を防ぐことにもできますし、病気の枝や枯れた枝を取り除き健康的に育てられるところもメリットです。

いつ剪定するべき?

剪定する時期は、オリーブの生育が穏やかな頃です。暖かくなると勢いよく成長し始めるので、『2月中旬~3月頃』までには済ませるとよいでしょう。

3月頃に行う剪定を春剪定といい、古くなった枝やいらない枝を整理するために行います。5~10月も、必要があれば見た目を保つために伸びすぎた枝を切りそろえて構いません。

ただし、花を付けた枝を切ると実がならないので注意しましょう。伸びた枝を切って樹形の乱れを防ぐことを「切り戻し」といいます。

また、植え替えをする際も根の成長に合わせて枝を切り落とすことがあるでしょう。余分な根を取り除いたら、枝も切って根と枝の成長をそろえることが基本です。

避けた方がいい時期はある?

オリーブは寒さに強い植物ですが、1~2月の厳寒期は休眠しています。休眠中に剪定すると、弱って枯れてしまうことがあるので切らない方がよいでしょう。

また、盛んに生育している時期に剪定すると切り口が塞がりにくく、枯れる心配があります。

切り口の近くから新しく伸びた枝が、早いスピードで成長してしまうこともあるので、盛んに生育している最中の剪定は避けましょう。

どんな枝を切ったらいいの?

どんな枝を切ったらいいの?

剪定と聞くと難しそうと感じる人もいるでしょう。しかし、基本はいらなくなった枝を切り落とすという、シンプルな作業となります。

剪定の経験がないと、どんな枝がいらなくなるのか分からないかもしれません。まずは不要な枝の見分け方を見ていきましょう。

逆さ枝や徒長枝などじゃまな枝

木をよく見て、じゃまになっている枝がないか探しましょう。樹形を乱す余分な枝や、健やかな成長を妨げる枝を切り落とすことが剪定の基本です。

例えば、内側に向かって伸びてしまう逆さ枝のような、幹やほかの枝と交差する枝があると風通しが悪くなるので切り落としましょう。

徒長枝は勢いよく伸びる太い枝のことです。ヒョロヒョロと1本だけ長く伸びている枝を見つけたら切りましょう。

ほかにも、上にまっすぐ伸びて、横に伸びる枝のじゃまをする枝があれば剪定します。

根元から生えているヒコバエ

ヒコバエは木の根元から伸びる枝のことです。養分や水分などを取られ、主幹の成長を妨げることがあるので切り落とします。

ヒコバエを放っておくと巨大な木に成長してしまうため、家庭でオリーブを育てるときは剪定することがおすすめです。

ただし、樹木を若返らせたいときに、あえてヒコバエを残し、ヒコバエが十分に成長したら主幹の方を切るやり方もあるので場合によっては残すこともあります。

平行枝や絡み枝などの不要枝

平行枝はほかの枝と平行に伸びる枝のことです。こちらは一方は不要な枝なので、どちらか一方は切り落として構いません。

絡み枝はほかの枝と絡んでしまっている状態の枝のことで、放っておくと風通しが悪くなってしまうので取り除きます。風通しが悪いと病虫害が発生することがあるので、枝が茂りすぎないように整えましょう。

余計な枝がなくなれば、光がまんべんなく行き届きやすくなり、健やかに成長してくれるはずです。

基本の剪定に必要なものと手順

基本の剪定に必要なものと手順

オリーブの剪定をするには、道具が必要です。一般的なハサミでは上手に木の枝を切れないので、特別なハサミを用意する必要があります。剪定に必要な道具や、基本的な手順を見ていきましょう。

用意するもの

切れ味がよい『剪定バサミ』と、『癒合剤』を用意しましょう。細い枝はガーデニングバサミで切ってもよいですが、太い枝は上手に切れません。

使う人の手の大きさにあったサイズのハサミを選ぶと、剪定しやすいです。さまざまな大きさのものがありますが、手のひらに乗せたとき、手首から中指の先くらいまでの大きさのものが扱いやすいでしょう。

手が届かないほど高く成長したオリーブを剪定するには、高枝を切れる長さの柄が付いた剪定ハサミが必要となります。

癒合剤は樹木の切り口を保護し、傷口を早く治すためにつくられた薬剤のことです。ペースト状になっているものが多く、殺菌成分が含まれています。

基本の剪定手順

整えたい樹形によって細かい剪定のやり方は変わりますが、基本となる手順を押さえていきましょう。

  1. ヒコバエや枯れた枝などのじゃまな枝を根元から切る
  2. 風通しをよくするために、絡み枝や交差している枝を切る
  3. 不要な枝がなくなったら、全体を見てはみ出ている枝を切りそろえる
  4. 理想的な樹形になったら、切った部分に癒合剤を塗布する

剪定を始める前に、目指す樹形をイメージすると切りやすくなります。近くで木を見ていると全体像をつかみにくいので、少し離れた位置から見るとじゃまな枝が見つかりやすいでしょう。

また、正面からだけでなく、ときどき、木を真上から見ると枝がバランスよく広がるように切れるはずです。

若木の剪定ポイント

1~4年目くらいまでのオリーブの若木は、樹形の基本をつくる時期です。主枝を伸ばしたい部分まで主幹を切り戻し、枝がバランスよく伸びるように配慮しながら調整します。

小さな若木の場合は、『全体の10%くらいまで』を刈り込むようにすると失敗が少ないでしょう。

オリーブの若木といっても、大きさはさまざまです。幹が細く頼りない苗は切りすぎると弱ってしまいやすいので、心配な場合は大胆に切り戻しせず、翌年以降に様子を見ながら剪定することをおすすめします。

樹形は好みや楽しみ方に合わせて

樹形は好みや楽しみ方に合わせて

理想の樹形に仕立てることも、オリーブを育てる楽しみの一つです。さまざまな形に仕立てられるので迷ってしまいますが、最初に仕立てたい形をしっかりとイメージすると、剪定しやすくなります。

鉢植えと地植え、それぞれにおすすめの樹形を見ていきましょう。

鉢植えにおすすめな形

鉢植えで育てる場合、コンパクトな樹形がおすすめです。地植えに比べると小さく育ちますが、大きな鉢に植える場合は高く伸びるので注意しましょう。

鉢を含めて『ひし形』になるような樹形にすると、樹木らしいナチュラルな雰囲気を味わえます。主枝が4~6本くらいになるように剪定し、左右交互になるように枝を残していきましょう。

また、根元に近い部分の枝を思い切って切り落とし、上の方を茂らせて丸くボリュームを出した、トピアリーのようなスタイルもおすすめです。デザイン性が高く、印象的な樹形にできるので、ベランダや庭の主役になるでしょう。

地植えなら?

地植えにするとたくさんの根を伸ばせるので、鉢植えよりもはるかに大きく育ちます。あまり大きくしたくない場合、主幹を約60~90cm程度になるように切り戻し、高さを抑えると扱いやすいです。

樹形は『ひし形』や『細長い卵型』にすると、庭のシンボルツリーとして見栄えがよいでしょう。地面に近い位置で枝を分岐させる逆三角形もおすすめです。

逆三角形にしたいときは、1年目の若木のときに約30cm程度のところで主幹を切り戻し、根元に近い枝を短く切り、上に行くにつれて長くなるように枝を整えます。

地面の近くに枝があるので、実ができたときに採取しやすいところが魅力です。

上手に樹形を整えるコツと注意ポイント

上手に樹形を整えるコツと注意ポイント

オリーブの樹形を整えるときに、単に枝を切り落としただけでは、思い描いた姿にならないことがあります。切りすぎて中身がスカスカになってしまうことも心配です。

上手に樹形を整えるコツや、注意したいポイントを紹介します。

切る場所や量、間隔が大切

徒長枝や絡み枝などの不要な枝は根元から切ってしまって構いませんが、残して形を整えたい枝の場合、『芽が出ている部分の5mm上あたり』を切ります。

切った部分のすぐ下から新しい枝が出てくることをイメージしながら切りましょう。

切り取る量は『全体の10~30%まで』にしておきます。あまりにも切りすぎると、翌年以降に不要な枝が多く伸びやすくなることがあるのです。枝を残しすぎてもよくないので、バランスを見て切るとよいでしょう。

オリーブは左右が対になるように、枝を広げながら成長します。枝と枝の間隔が近すぎる部分は間引いて、形を整えましょう。

剪定後は切り口に癒合剤を塗ろう

剪定を終えたら、切り口に癒合剤を塗りましょう。癒合剤には切り口から病原菌が入り込むのを防ぐだけでなく、雨や風から傷口を守る役目もあります。

太い枝ほど切り口が大きくなり、治るまでに時間がかかるので、病気になる確率が上がってしまうでしょう。

剪定した全ての枝に塗ることがおすすめですが、難しい場合は『直径が2cm以上の太い枝』だけでも使用すると、木が弱るのを防げます。

まとめ

剪定をするとオリーブの樹形を整え、コンパクトに育てられるだけでなく、風通しをよくしたり、手入れをしやすくしたりといったメリットがあります。休眠期や生育期を避け、2~3月頃に剪定をしましょう。

基本は、じゃまな枝やヒコバエを切ることです。あらかじめ、剪定バサミと癒合剤を用意しておくとスムーズに剪定できるでしょう。

手間はかかりますが、好みの樹形に仕上がったときの達成感も大きいです。ひし形・細長い卵型・トピアリー風など、さまざまな樹形の中から目指す樹形を決め、剪定を始めましょう。

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