チューリップの水やりの頻度はどれくらい?やりすぎによる過湿に注意
チューリップの水やりが多すぎると、湿度過多になり球根を腐敗させてしまう可能性があります。適切な水分を与えることで、チューリップが美しい花を元気に咲かせるでしょう。チューリップの水やりの頻度や与える量、注意点まで解説します。
チューリップの水やりは毎日するべき?
花を育てていると、「水を毎日与えなければいけない」と思う人も多いのではないでしょうか。実はチューリップは水やりの回数が多すぎると、過湿になってしまうこともあるのです。ここでは水やりのタイミングや量について解説します。
水やりのしすぎは過湿の原因に
チューリップの水やりの頻度が多すぎると、過湿になり、球根が腐敗してしまう恐れがあります。水をあげすぎることで、球根が呼吸できなくなってしまうことが原因の一つです。
特に植え始めたばかりのときは球根が見えないため、球根の状態が把握しにくくなっています。水の与えすぎに気づかず腐らせてしまうのは、ガーデニング初心者のときにやってしまいがちな失敗です。
水はチューリップを育てるために欠かせません。しかし、鉢植えでも地植えでも、水を与えすぎないよう配慮することが大切です。
鉢植えなら土の状態を見て調節
鉢植えの場合は土の表面が乾いていたら、朝に1回水を与えるようにしましょう。水やりはじょうろを使い、鉢底から水が出るまでたっぷり与えます。春や夏は乾燥しやすいため水やりの頻度が多く、冬は逆に少なくなるでしょう。
植え付けから2週間は根っこが伸びやすいため、水を少し多めに与えてもOKです。表面が湿っている場合、水分がある状態なので、水を与える必要はありません。鉢底にたまった水も過湿の要因となるため、取り除いてください。
水を与えるときのポイントとして、多すぎるのはNGですが、水の量が少なすぎるのもよくありません。
地植えなら基本的には水やり不要
庭の花壇に地植えする場合は、最初に植えた段階で1回水をたっぷり与えます。それ以降のコンスタントな水やりは基本的に不要です。雨が降れば水分は満たされるので、からっと晴れて乾燥が数日以上続いている場合にのみ水を与えましょう。
地植えの場合は、鉢植えよりも土の量が多いため、地面からある程度必要な水分を確保できます。チューリップは湿気に弱いため、地植えでは特に水を与えすぎないよう注意が必要です。
水やりの際の注意点をチェック
チューリップは水やりの仕方を間違えると、枯らしてしまう原因となります。水の量やタイミング以外にも注意すべき点があり、正しいやり方を知っておくことが大切です。
適切な時間帯を選ぶ
チューリップの水やりは朝、午前中に済ませておきましょう。チューリップは寒い季節に植え付けを行うため、昼や夕方に水を与えると、夜に鉢内の水が凍結したり、球根を傷めたりする可能性があるのです。
水圧を強くしない
水やりのとき水圧を強くすると、土が十分に水分を吸収できずに水が流れてしまうというデメリットがあります。土の表面が濡れていても、土の中まで水が行き渡らないという状態になりやすいです。
水をあげるときはじょうろを使い、優しく時間をかけて行いましょう。そうすることで、水を与えるだけではなく、「土に酸素を供給する」「土の温度を下げ適温にする」というメリットもあります。
勢いよく水を当てることで、土や水がはねて葉っぱの裏に土が付くのもチューリップにとってよい状況とはいえません。葉っぱ周辺の湿度が上がり、チューリップが病気にかかる可能性もあります。葉っぱにもし汚れが付いていたら、じょうろで優しく洗うと、病気になりにくいです。
冬は水やりを忘れないよう注意
冬は春と比べると、必要な水やりの頻度が少なく球根が土の中で見えないため、水やりを忘れてしまいがちです。水やりを忘れて土を乾燥させてしまうのもチューリップが開花しない原因になります。
午前中にチューリップの土の状態を確認する習慣をつけ、水やりを忘れないようにしましょう。
ビオラなどと寄せ植えにすれば忘れにくい
チューリップの水やりを忘れないための対策として、ビオラと寄せ植えにするのもおすすめです。ビオラは冬から春に開花し、チューリップが開花していない期間に花を咲かせるため、水やりを忘れにくくなります。
またチューリップの花とビオラが一緒に咲いている姿は、それぞれの美しさを引き立ててくれるでしょう。寄せ植えする場合は、チューリップ単体の場合よりも鉢を深めにするのがポイントです。深めの鉢であれば、それぞれの根っこがきちんと張れます。
花が咲き終わったらどうする?
チューリップは翌年以降も球根を育てたい場合とそうではない場合で、花が咲き終わった後の水やりが変わります。目的に合わせていつまで、どのくらい水やりをしたらよいのか、詳しく見ていきましょう。
球根を育てたい場合は水やりを続ける
花が咲き終わった後も、チューリップに水やりをすることで、球根を育てられます。球根が大きくなれば、翌年以降もチューリップを楽しめるのです。
球根を育てていくなら、花が枯れた後も花が咲く前と同様の方法で水やりをしてください。枯れ始めた花は手で摘み取ると、花に届くはずだった栄養分を球根に届けられます。
水やりをするのはいつまで?
チューリップの花が枯れ、葉っぱが黄色く変色し始めたら、水やりはやめてもOKのサインです。
球根を土の中に入れたままでも開花することはありますが、確実に球根を保存したい場合は土から掘り起こしましょう。球根を傷つけないように掘り起こし、根っこと茎は手でねじ切ります。
その後風通しのよい場所に保管すると、翌年まで腐敗せずに球根を残せます。翌年以降、チューリップを育てるつもりがない場合は、花が枯れた後は水を与える必要がありません。
切り花のチューリップを長持ちさせるには
チューリップは丈夫な花のため、切り花としても楽しめます。ただし、切り花をきれいな状態で長持ちさせるためには、水切りの仕方や、水の量に気を配りましょう。
生ける前に水切りを忘れずに
水切りとは、切り花の下の部分を水中で切ることで、空気の侵入を防ぎ、切り口の乾燥を防いでくれます。水切りの際は、切れ味のよいハサミで切ることも大切です。水を吸い上げる導管が潰れずに済み、水をきちんと吸い上げます。
チューリップをカットする前に、多すぎる・不要な葉っぱは取り除き、全体のバランスを整えましょう。切り花は見た目の美しさも重要です。
花瓶の水は少なめにしてこまめに交換
水切りしたチューリップの場合、花瓶の水は少なめにしましょう。水に触れる部分が多くなってしまうと、茎が傷みやすくなるためです。
ただし、チューリップは水をよく吸うため、水をこまめに交換しましょう。定期的に水が入れ替わることで清潔な状態を維持でき、花が長持ちします。こまめな交換が難しい場合は切り花延命剤を利用します。
切り口が傷んだ場合は傷んだ部分の少し上の茎を水切りすれば、切り口が新鮮な状態を維持できます。茎は長い方が長持ちしやすいため、数ミリとほんのちょっと切り詰めれば問題ありません。
まとめ
チューリップの水やりは水をあげ過ぎると過湿になり、球根を腐らせる原因となるため、適切なタイミングで水やりすることが大切です。