ハイビスカスを育ててみよう。基本的な育て方やおすすめ品種も紹介
生育期を終え涼しくなってきたらハイビスカスを室内へ入れますが、その前に『強剪定』を行います。枝の長さを全体の3分の1に切ってあげることで寒さの被害を受けにくくなり、弱ることなく冬を越すことができます。
しかし、気温12℃以上で日の当たる環境であれば、ハイビスカスは花を付けることがあります。そのため、冬でも花を楽しみたい場合は、室内などの好環境に置き、強剪定は行わないようにしましょう。一度強剪定をしてしまうと、花がなかなか咲かなくなってしまうためです。
日々のお手入れ方法
ハイビスカスに限らず、花は日々のお手入れがその後の成長のカギを握っています。水やりなど適当に行うのではなく、株の状態を見て行うことでより成長を促します。適切なお手入れ方法を見てみましょう。
水やりのタイミング
植物によっては水分を多く好むものもあれば、あまり必要としないものもあります。ハイビスカスは水を多く必要とする花です。とくに花をたくさん咲かせている期間はより多くの水分を要するため、絶やさず与えてあげましょう。
生育期となる5~11月、鉢で育てている場合は土の表面が乾いたら水やりのサインです。鉢底から流れでるほどの量をたっぷり与えてあげます。ただし、鉢の下に敷いてある皿に水が溜まったままだと根が腐ってしまうので、必ず捨てるようにしましょう。株全体に水をあげ、葉にも水分がかかるようにすることで、葉に付く病害虫の予防もできます。
庭先に地植えして育てている場合は、土中の水分を根が吸い上げているため、基本的には水やりはしなくても大丈夫です。しかし、日照時間が長く空気が乾燥しやすい時期は土が乾きやすいため、水やりが必要になります。水不足になるとハイビスカスの葉は黄色くなるので、真夏はとくに注意して観察し、水分が絶えないようにしてあげましょう。
鉢植えも地植えも土が乾いたら水やりをしますが、気温の高い昼間は避けます。たっぷりと与えた水分が温まり、株が蒸れてしまうためです。水やりは早朝に行い、真夏は水が絶えやすいので涼しくなる夕方にも水をあげましょう。冬は土が乾いてから2〜3日後に水やりをしますが、暖かい環境でまだ開花し続けている場合は通常通りに行います。
花がら摘み
一部の品種を除き、ハイビスカスの花の寿命は1日限りです。咲き終えてしぼんでしまった花は、これから開花する他の花のためにもすぐに摘み取ってあげます。そうすることで、栄養が行き届きやすくなるためです。とくに生育期である5~10月は、開花を終えた花が無いかを欠かさずチェックするようにしましょう。
咲き終えたハイビスカスの花は、枯れるというよりも花びらを閉じしぼんだ状態です。そのためぱっと見ただけだとつぼみと区別がつきにくいです。見分け方のポイントは、雄しべが閉じている花から出ているかどうかです。つぼみは全体が閉じていますが、咲き終えたものは雄しべが突き出ています。
しぼんだ花をそのままにしておくと、ガクを残し花の部分だけ下に落ちます。落ちたものをそのままにしておくと、カビの元になってしまうのですぐに処理をします。そうならないためにも咲き終えた花は、花茎(花だけを付ける茎)を根元から切り落としてあげます。
病害虫のチェック
暖かくなり生育期を迎える少し前から、害虫が発生しやすくなります。ハイビスカスを育てるうえでとくに注意したいのが、『ハダニ』と『アブラムシ』です。ハダニは風通しが悪くなると発生しやすく、葉の裏側について養分を吸い取り、アブラムシは茎や花から養分を吸い取り、共にハイビスカスの成長を妨げてしまいます。
水に弱いハダニは、水やりついでに葉にも水分を吹きかけることで予防が可能です。しかし大量に発生してしまった場合は専用の殺虫剤を散布しましょう。暖かくなったら浸透性の殺虫剤を株元に置くことでアブラムシを予防できますが、発生してしまった場合はすぐに効果を発揮する殺虫剤で駆除します。
またハイビスカスは年間を通して『すす病』という病気に注意が必要です。症状はその名の通り、葉や枝にすすがついたように黒く変色します。黒くなった葉や枝は土に落下し、株を枯らせてしまうため、剪定を行います。すす病の発生源はアブラムシやハダニといった害虫によるものなので、見落とさないように駆除が必要です。
育てる上での注意ポイント
ハイビスカスに美しい花をたくさん咲かせ、長く育てていくためには、肥料や水分・病害虫以外にも気をつけなければいけないポイントはまだあります。どのようなことに注意が必要か確認しましょう。
根詰まりする前に植え替えしよう
ハイビスカスは根の成長スピードがとても早い植物なので、買ってきた苗をそのままの鉢で育てると根を伸ばすスペースが無くなり、根詰まりや根腐れを起こし成長を妨げてしまいます。購入後はすぐに一回り大きい鉢に植え替えてあげましょう。その後大きくなるにつれて、その都度鉢を大きくしてあげます。
大きくしたくない場合は、5~6月に植え替えをするのがポイントです。鉢から株全体を抜き、根鉢の下の方の土を3分の1ほど取り除きます。そして、新しい土を加え、また株を鉢にもどし、枝を半分以上剪定しておきます。すぐに肥料は与えずに、2週間経過した頃合いから通常通りのお世話をしてあげましょう。
冬の寒さに気を付けよう
南国の花でもあるハイビスカスは、当然寒さには弱く冬の管理は更に注意が必要です。
気温が下がってくる秋頃には、鉢植えの場合は室内に移動してあげます。庭に植えている場合は、株を掘り上げ根を切り、鉢に植え替えてから室内で管理します。どちらも室内に入れる前には強剪定をしてあげましょう。
寒さから遠ざけ、日の当たる窓辺に置くのがベストです。室内管理の際は、暖房の風が当たらないようしてあげます。
家の中が華やかになるおすすめ3選
ハイビスカスは品種によって特徴も様々で、それぞれに個性と魅力が詰まっています。初めて育てるにあたってどれを選ぶとよいか、おすすめの3種類を紹介します。
ハイビスカスを代表する赤 サマーレッド
サマーレッドは、「ハイビスカスといえばこれ!」といっても過言ではない品種です。目が醒めるように鮮やかな赤色とヒラヒラとした花びらが魅力的です。オールドタイプなので、丈夫で育ちやすい品種です。
縁に向かって白くなる アイスピンク
アイスピンクもコーラルタイプなので、育てやすく花付きもよいです。魅惑的な濃いピンク色の花は、中央から縁に向かうにつれて白いグラデーションがかかり、花びらの先端は凍ったように白くなっています。
南国の雰囲気満載 ミセスユミ
ハワイアンタイプのミセスユミは、フリルのような花びらと丸いフォルムが特徴的な大きい花を付けます。花の中心は赤く、花びらの外側にむかってオレンジのグラデーションがかかり、華やかかつ南国気分を高めてくれる品種です。
まとめ
南国の花の代表ともいえるハイビスカスはとても魅力的で、とくに開花している間は空間を明るくすると共に、育てている人の心も明るくしてくれます。
育て方次第では真冬の時期も花が楽しめるので、お家の中や庭先を華やかにしたいと願っている人にはぴったりの花といえます。