ハイビスカスを育ててみよう。基本的な育て方やおすすめ品種も紹介

2020 11/18
ハイビスカスを育ててみよう。基本的な育て方やおすすめ品種も紹介

ハイビスカスという花の名は、花に詳しくなくても知っている人は多いのではないでしょうか。暑い時期によく見かけ、庭先で咲いていたり、ネイルアートとして描かれ指先を飾ったり、夏をより華やかにしてくれます。そんなハイビスカスの育て方について紹介します。

目次

ハイビスカスとは

ハイビスカスとは

ハイビスカス、と聞くと南国を連想することが多いことでしょう。それもそのはず、ハイビスカスはハワイの州花に指定されており、主に温暖な地域で自生しています。まずはハイビスカスの特徴や開花時期について見てみましょう。

花や葉の特徴

花の特徴としては、花を支えるガクが五つに割けていて、花びらは5枚(2段咲きのものは除く)、花の中央から花柱が突き出るように伸びている点が挙げられます。一つの花に雄しべと雌しべの両方を持っている、両性花に分類されます。花の大きさは品種により異なり、可憐な小さいサイズから、豪快な大輪のものまで様々です。

葉は茎に一枚ずつ交互に付き、茎と葉をつなげる棒状の部分・托葉(たくよう)があります。形は品種によって様々で、丸みを帯びたものや、切れ込みが入って手の平のような形をしているものがあります。葉の縁にはギザギザがあるものとないものがあるなど、細かい部分にまで違いがあります。

花の時期はいつごろ?

ハイビスカスは5~10月に花を咲かせ、最盛期は9~10月です。真夏のイメージが強いですが、実は開花する適温は15~25℃とされ、30℃を越えることが多い日本の夏においては弱りやすく、花が咲かないこともあります。そのため、日本で育てる場合は春や秋ごろが開花しやすい時期といえます。

開花時期だけ見ると長く花を楽しめるイメージですが、一つの花の寿命は一日限りです。しかし、つぼみを多く付けてくれるため、ハイビスカス全体を観察していると常に花が咲いているように感じます。

主な4つの原種と特徴

主な4つの原種と特徴

花にはそれぞれ『原種』という、自生していて、鑑賞用などの園芸品種を生み出す素となる品種が存在します。ハイビスカスにはだいたい250以上の原種があるといわれていますが、中かでも代表的なものを4つ紹介します。

ヒビスクス コキオ

『コキオ』は、ハワイ語でハイビスカスの原種を意味します。ハワイの様々な島で自生していますが、今は見かける機会が少なくなり、絶滅の可能性がある希少な品種です。

花の色は赤やオレンジが多いですが、まれに黄色のものもあるようです。雄しべ先端の花粉が入った袋を支えている糸状の部分(花糸)が、反り返るように伸びているところがこの品種の最大の特徴です。花の大きさは小さめか中くらいで、7~10cmほどです。

ヒビスクス アーノッティアヌス

ヒビスクス・アーノッティアヌスはオアフ島に自生する野生種で、現存している多くのハイビスカスの交配親になっています。『アーノッティアヌス』は、スコットランドの植物学者の名前が由来となっており、この他にホワイト・ハイビスカスと呼ばれることもあります。

ホワイトと付いていることからわかるように、花の色は白く、脈のように薄いピンク色が花びらに入っています。細長い5枚の花びらに囲まれ突き出ている花柱は赤く、白い花とのコントラストがなんとも魅力的です。花の大きさは10cmと中くらいで、香りのないハイビスカスの中では珍しく淡い芳香を漂わせます。

ブッソウゲ

ブッソウゲは『扶桑花』と漢字で記され、中国の野生種と見られていましたが、実はどこで生まれたのかわからない原産地不明の原種です。日本においては沖縄でよく見かけることができ、風に強く高潮を防ぐのに役立ってくれるので、庭木や生垣として活躍しています。

ハイビスカス特有の花柱が突き出ているのは他の品種と同じですが、5枚の花びらがラッパの形のように開くのが特徴的です。大きさは個体よって異なり5~20cmと幅広く、色も白や淡いピンクがあったり、鮮やかな黄色や赤もあったりと様々です。

フウリンブッソウゲ

フウリンブッソウゲの生まれは、東アフリカ・サンジバル島といわれています。別名『コーラル・ハイビスカス』とも呼ばれ、珊瑚の形や色に似ている花を付ける原種です。このことから、色味は赤やオレンジが多く見られます。一日しか咲かないはずのハイビスカスの中では珍しく、数日間花を楽しむことができます。

他のハイビスカス同様、花柱は突き出ていて、切り込みが深く入った5枚の花びらは反り返るようにして開きます。地面に向かって下向きに咲くのが特徴的で、その姿が日本の夏の風物詩・風鈴に似て見えることから、漢字では『風鈴仏桑華』と書かれます。

園芸品種は大きく3タイプ

園芸品種は大きく3タイプ

親ともなる原種から改良品種が盛んに行われ、現在ハイビスカスの園芸用の品種には1万種ほどあるといわれています。大別すると三つの系統に分けられるので、それぞれの特徴を見てみましょう。

オールドタイプ

オールドタイプは、三つの中でも一番古くから交配に活用された品種です。暑さや寒さに強いためよく育ち、花の付きもよいことから、一般的な流通も多く初心者でも育てやすいようです。しかし、30℃を越えてしまうと開花する花は減ってしまいます。

花の大きさは小さいものから中くらいが多く、花の色は赤やピンク、黄色などの単色で、模様が入ったり色が混ざり合ったりすることはなくシンプルな印象です。

ハワイアンタイプ

ハワイアンタイプはその多くがハワイで交配が行われ生み出され、ハイビスカスの中で一番種類が多い品種になります。しかし、暑さと寒さへの抵抗力が弱く成長が遅いため、流通する量は少なく希少です。

大輪の花を付け、花びらの間にすき間が無いため丸に近い形で咲き、その姿はまるで風で広がるロングスカートのようにエレガントです。花の色味には赤や青、オレンジと紫などがあり多彩で、豪快かつ華やかな印象は鑑賞用にもってこいといえます。

コーラルタイプ

コーラルタイプは、その名の通り形や色が珊瑚に似ていて、フウリンブッソウゲを親として交配が行われ生まれた品種のことを指します。寒さへの抵抗力は弱いですが、暑さには強い(ただし30℃以上は花付きがよくなくなる)ため、明るく楽しい夏の雰囲気をさらに格上げしてくれます。

垂れ下がった枝の先に花が付き、深い切り込みが入った花びらはフリルのようにヒラヒラ咲きます。親元でもあるフウリンブッソウゲと同じく下に向かって花は開き、花柱も地面に向かって突き出ています。小さめの花は赤系統のものが多く見られます。

ハイビスカスの育て方

ハイビスカスの育て方

南国や夏に咲き誇るイメージが強いハイビスカスですが、特徴を見てわかるように中には暑さに弱いものもありました。美しい花を楽しむためにはどのようなことに気をつければよいか、育て方のポイントを紹介します。

好む環境とは?

ハイビスカスは日光が大好きなので、陽の当たる場所に置くのがおすすめです。しかし、高温多湿の環境は好まず、気温30℃を超えると花の付きが悪くなります。夏に咲く印象ですが、蒸し暑い日本の夏では風通しのよい日陰で育てます。とくにハワイアンタイプは暑さが苦手なので、育てる際は梅雨が明けたら午前中以外は日陰に置いてあげましょう。

秋に入り涼しい気候になったら、室内の日がよく当たる窓辺などに移動させてあげます。寒い時期でも、暖かい日差しが差し込む場所や、暖房がよく効いた部屋だと花を咲かせる場合もあるようです。しかし、エアコンの風によって乾燥してしまうので、当たらないように対策が必要です。

日光に加えて、ハイビスカスは水と肥料も好みます。成長が盛んな春から秋にかけては、水やりや施肥は絶やさず行うことで、美しい花を楽しむことができます。

肥料の施し方

ハイビスカスの生育期にあたる5~11月にかけては新芽がよく伸びるため、肥料は絶やさず与えます。効き目が緩やかで持続性のある置くタイプの肥料を、規定量よりもやや多めにあげるのがポイントです。

花をたくさん付けるようになった株には、最初に置いた肥料だけでは足りないため、花付きをよくさせる養分を多く含んだ液体肥料を、規定量よりも薄めて7~10日ごとに1回与えてあげましょう。生育期中でも猛暑の時期は株自体が弱っているため、様子を見て必要でなければ、肥料やけさせないためにも追加で与えないようにします。

休眠期でもある11~4月ごろは肥料をあげる必要はありません。しかし、冬でも暖かい環境にあることで開花する株や、春の訪れと共に気温上昇を感じたことで新芽を付け始めた株には、花付きをよくしてくれるリン酸の配合が多い液体肥料を7~10日に1回の目安で与えてあげます。このときの液体肥料は、パッケージに記されている通りに希釈しましょう。

剪定のやり方

剪定=切る作業なので、育てている株を傷つけるような気がして抵抗があるという人もいるのではないでしょうか。しかし、不要な枝や咲き終えた花をそのままにしていると栄養が行き渡りにくくなり、株の成長や花付きに影響します。そのため園芸では必要な作業です。剪定の方法にはいくつかありますが、ハイビスカスにおいては『間引き剪定』と『強剪定(切り戻し)』という二通りの方法を行います。

5~11月の生育期は、成長が活発で枝がたくさん伸び葉も増えるため、株の中側に日が当たらなかったり、増えすぎたりした葉や枝同士で蒸れて害虫や病気が発生しやすくなります。この時に行うのが『間引き剪定』です。伸びすぎた枝や成育の悪い枝を付け根からハサミでカットします。こうすることで株の風通しがよくなり、栄養も行き渡りやすくなります。

生育期を終え涼しくなってきたらハイビスカスを室内へ入れますが、その前に『強剪定』を行います。枝の長さを全体の3分の1に切ってあげることで寒さの被害を受けにくくなり、弱ることなく冬を越すことができます。

しかし、気温12℃以上で日の当たる環境であれば、ハイビスカスは花を付けることがあります。そのため、冬でも花を楽しみたい場合は、室内などの好環境に置き、強剪定は行わないようにしましょう。一度強剪定をしてしまうと、花がなかなか咲かなくなってしまうためです。

日々のお手入れ方法

日々のお手入れ方法

ハイビスカスに限らず、花は日々のお手入れがその後の成長のカギを握っています。水やりなど適当に行うのではなく、株の状態を見て行うことでより成長を促します。適切なお手入れ方法を見てみましょう。

水やりのタイミング

植物によっては水分を多く好むものもあれば、あまり必要としないものもあります。ハイビスカスは水を多く必要とする花です。とくに花をたくさん咲かせている期間はより多くの水分を要するため、絶やさず与えてあげましょう。

生育期となる5~11月、鉢で育てている場合は土の表面が乾いたら水やりのサインです。鉢底から流れでるほどの量をたっぷり与えてあげます。ただし、鉢の下に敷いてある皿に水が溜まったままだと根が腐ってしまうので、必ず捨てるようにしましょう。株全体に水をあげ、葉にも水分がかかるようにすることで、葉に付く病害虫の予防もできます。

庭先に地植えして育てている場合は、土中の水分を根が吸い上げているため、基本的には水やりはしなくても大丈夫です。しかし、日照時間が長く空気が乾燥しやすい時期は土が乾きやすいため、水やりが必要になります。水不足になるとハイビスカスの葉は黄色くなるので、真夏はとくに注意して観察し、水分が絶えないようにしてあげましょう。

鉢植えも地植えも土が乾いたら水やりをしますが、気温の高い昼間は避けます。たっぷりと与えた水分が温まり、株が蒸れてしまうためです。水やりは早朝に行い、真夏は水が絶えやすいので涼しくなる夕方にも水をあげましょう。冬は土が乾いてから2〜3日後に水やりをしますが、暖かい環境でまだ開花し続けている場合は通常通りに行います。

花がら摘み

一部の品種を除き、ハイビスカスの花の寿命は1日限りです。咲き終えてしぼんでしまった花は、これから開花する他の花のためにもすぐに摘み取ってあげます。そうすることで、栄養が行き届きやすくなるためです。とくに生育期である5~10月は、開花を終えた花が無いかを欠かさずチェックするようにしましょう。

咲き終えたハイビスカスの花は、枯れるというよりも花びらを閉じしぼんだ状態です。そのためぱっと見ただけだとつぼみと区別がつきにくいです。見分け方のポイントは、雄しべが閉じている花から出ているかどうかです。つぼみは全体が閉じていますが、咲き終えたものは雄しべが突き出ています。

しぼんだ花をそのままにしておくと、ガクを残し花の部分だけ下に落ちます。落ちたものをそのままにしておくと、カビの元になってしまうのですぐに処理をします。そうならないためにも咲き終えた花は、花茎(花だけを付ける茎)を根元から切り落としてあげます。

病害虫のチェック

暖かくなり生育期を迎える少し前から、害虫が発生しやすくなります。ハイビスカスを育てるうえでとくに注意したいのが、『ハダニ』と『アブラムシ』です。ハダニは風通しが悪くなると発生しやすく、葉の裏側について養分を吸い取り、アブラムシは茎や花から養分を吸い取り、共にハイビスカスの成長を妨げてしまいます。

水に弱いハダニは、水やりついでに葉にも水分を吹きかけることで予防が可能です。しかし大量に発生してしまった場合は専用の殺虫剤を散布しましょう。暖かくなったら浸透性の殺虫剤を株元に置くことでアブラムシを予防できますが、発生してしまった場合はすぐに効果を発揮する殺虫剤で駆除します。

またハイビスカスは年間を通して『すす病』という病気に注意が必要です。症状はその名の通り、葉や枝にすすがついたように黒く変色します。黒くなった葉や枝は土に落下し、株を枯らせてしまうため、剪定を行います。すす病の発生源はアブラムシやハダニといった害虫によるものなので、見落とさないように駆除が必要です。

育てる上での注意ポイント

育てる上での注意ポイント

ハイビスカスに美しい花をたくさん咲かせ、長く育てていくためには、肥料や水分・病害虫以外にも気をつけなければいけないポイントはまだあります。どのようなことに注意が必要か確認しましょう。

根詰まりする前に植え替えしよう

ハイビスカスは根の成長スピードがとても早い植物なので、買ってきた苗をそのままの鉢で育てると根を伸ばすスペースが無くなり、根詰まりや根腐れを起こし成長を妨げてしまいます。購入後はすぐに一回り大きい鉢に植え替えてあげましょう。その後大きくなるにつれて、その都度鉢を大きくしてあげます。

大きくしたくない場合は、5~6月に植え替えをするのがポイントです。鉢から株全体を抜き、根鉢の下の方の土を3分の1ほど取り除きます。そして、新しい土を加え、また株を鉢にもどし、枝を半分以上剪定しておきます。すぐに肥料は与えずに、2週間経過した頃合いから通常通りのお世話をしてあげましょう。

冬の寒さに気を付けよう

南国の花でもあるハイビスカスは、当然寒さには弱く冬の管理は更に注意が必要です。

気温が下がってくる秋頃には、鉢植えの場合は室内に移動してあげます。庭に植えている場合は、株を掘り上げ根を切り、鉢に植え替えてから室内で管理します。どちらも室内に入れる前には強剪定をしてあげましょう。

寒さから遠ざけ、日の当たる窓辺に置くのがベストです。室内管理の際は、暖房の風が当たらないようしてあげます。

家の中が華やかになるおすすめ3選

家の中が華やかになるおすすめ3選

ハイビスカスは品種によって特徴も様々で、それぞれに個性と魅力が詰まっています。初めて育てるにあたってどれを選ぶとよいか、おすすめの3種類を紹介します。

ハイビスカスを代表する赤 サマーレッド

サマーレッドは、「ハイビスカスといえばこれ!」といっても過言ではない品種です。目が醒めるように鮮やかな赤色とヒラヒラとした花びらが魅力的です。オールドタイプなので、丈夫で育ちやすい品種です。

縁に向かって白くなる アイスピンク

アイスピンクもコーラルタイプなので、育てやすく花付きもよいです。魅惑的な濃いピンク色の花は、中央から縁に向かうにつれて白いグラデーションがかかり、花びらの先端は凍ったように白くなっています。

南国の雰囲気満載 ミセスユミ

ハワイアンタイプのミセスユミは、フリルのような花びらと丸いフォルムが特徴的な大きい花を付けます。花の中心は赤く、花びらの外側にむかってオレンジのグラデーションがかかり、華やかかつ南国気分を高めてくれる品種です。

まとめ

南国の花の代表ともいえるハイビスカスはとても魅力的で、とくに開花している間は空間を明るくすると共に、育てている人の心も明るくしてくれます。

育て方次第では真冬の時期も花が楽しめるので、お家の中や庭先を華やかにしたいと願っている人にはぴったりの花といえます。

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