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かぼちゃの水やりと栽培方法|手入れの時期と仕方、注意点も

かぼちゃへの水やりは基本的には植え付け時のみで大丈夫で、乾燥気味に育てます。乾燥が激しい時期だけは、水やりを適宜行いましょう。おいしいかぼちゃの実ができるようにするには花への人工授粉と、余分なツルを切り取る剪枝・誘引が必要です。

かぼちゃを育てる前に知っておきたいこと

かぼちゃを育てる前に知っておきたいこと

かぼちゃはコロンブスの新大陸発見のとき、原産地の南アメリカからヨーロッパに渡りました。その後中国やカンボジアなどから16世紀に日本へと入ってきたのが「日本かぼちゃ」です。カンボジアから来たので「かぼちゃ(南瓜)」の名がついたといいます。

近年多く栽培されているのは「日本かぼちゃ」ではなく「西洋かぼちゃ」です。西洋かぼちゃは日本かぼちゃのように溝がなく、甘みが強いのが特徴です。

関東地方のかぼちゃの収穫期は夏ですが、正反対の時期の冬至にもかぼちゃを食べる習わしがあります。これは夏に収穫したかぼちゃが冬まで保存できるため、ほかの緑黄色野菜が少なくなった時期にかぼちゃを食べるようになったからといわれています。

かぼちゃの基本情報

かぼちゃの基本情報は以下の通りです。

科・属ウリ科、カボチャ属
和名カボチャ(南瓜)
英名Pumpkin
学名Cucurbita maxima Duch.(西洋カボチャ)、 Cucurbita moschata Duch.(日本カボチャ)、 Cucurbita pepo L.(ペポカボチャ)
花の色
原産地南アメリカ大陸
開花期6月中旬〜7月中旬

かぼちゃの特徴

かぼちゃはつるを地面に這わせるように生長し、大きく丸い葉をつけます。かぼちゃには雄花と雌花とがあり、虫が飛んできて雌花に受粉させない限り実がなりません。

カボチャの実の果肉の黄色が濃いほどカロテンが多く含まれており、ほかにはビタミンCと食物繊維、たんぱく質とカリウムなどのミネラル類を豊富に含んでいます。

かぼちゃの種類と選び方

かぼちゃの種類と選び方

かぼちゃを分類すると大きくは「日本かぼちゃ」と「西洋かぼちゃ」、「ペポかぼちゃ」の3種類に分かれます。日本では昔から栽培されていた日本かぼちゃには多くの地方品種がありますが、現在の栽培品種の主流は西洋かぼちゃとなっています。ペポかぼちゃは変わった見た目の品種が多いので、観賞用としてもおすすめです。

日本かぼちゃ

最初に日本に入ってきた「日本かぼちゃ」が古くから栽培されていましたが、現在は西洋かぼちゃが栽培品種の主流です。現在は高級食材として、日本料理店で出されることかあります。日本かぼちゃの実の表面はゴツゴツとしており、ねっとりとした食感と淡白な味わいが特徴。煮崩れしないため、煮物に向いています。

西洋かぼちゃ

現在最も多く栽培されているのが「西洋かぼちゃ」です。実の表面はつるっとしていて、甘みが強くほくほくとした食感から「栗かぼちゃ」の別名もあります。日本かぼちゃよりもビタミンEとβカロテンが豊富。冷涼かつ乾燥した気候に向いているため、高冷地で多く栽培されています。

ペポかぼちゃ

「ペポかぼちゃ」にはズッキーニやバターナッツ、そうめん南瓜などの変わり種の品種が多くあります。大きさや形がさまざまなので、観賞用の品種も作られています。耐暑性に優れているため、園芸初心者でも育てやすいでしょう。

かぼちゃを育てる時に必要な準備

かぼちゃを育てる時に必要な準備

かぼちゃは涼しく風通しの良い場所で育てるのに向いており、地を這うようにツルを伸ばして重い実をつけるため、ある程度の広さが必要です。どうしても広い場所が確保できない方は、「ミニカボチャ」の品種を選び、支柱に誘引して宙づりにする立体栽培がよいでしょう。

かぼちゃは苗から育てるのがかんたんです。葉が大きく厚みがある、茎が太く丈夫な苗を選びましょう。

かぼちゃの育て方・栽培方法

かぼちゃの育て方・栽培方法

かぼちゃは、日当たりが良い場所でならすくすくと育ってくれる野菜です。根を広げていくのでよく肥料を取り込みますが、チッ素分が多いとつると枝葉ばかりが生長する「つるぼけ」になってしまうので注意しましょう。

かぼちゃの種・苗の植え付け時期と方法

かぼちゃの種まきは4月上旬〜5月上旬が適期です。3号ポットに土を入れ、指で深さ1cmの穴を3つ空けます。穴1つにつき種を1粒入れ、土を1cmほどかぶせて軽く押さえましょう。たっぷりの水をあげてからホットキャップを被せ、25〜30℃に保温します。

または地面の直径4〜5センチの範囲に深さ1cmの穴を3つ開けて種を植える、「地まき」でも大丈夫です。3〜5日で発芽し、本葉が1〜2枚になったら間引きして2本だけにします。そして本葉が4〜5枚になったら、植え付けをしましょう。

かぼちゃの苗の植え付けの適期は5月中旬〜6月中旬です。ポットの中に根がしっかりと回っており、苗を引き抜いても土が崩れない状態が植え付けのタイミング。地植えのときは、60cm間隔で畝の中央に植え付けます。

根鉢が入るサイズの穴を掘り、苗を入れてから土を寄せて密着させます。そして水をたっぷりとあげてから、株元を敷きわらかマルチシートで覆いましょう。雨のはね返りによる病気予防と、雑草の予防になります。

かぼちゃの土作り・肥料の与え方

地植えの場合、種の直まきや苗の植え付けをする2週間前までには苦土石灰を撒き、深く耕しておきましょう。かぼちゃが好むのは、中性に近い弱酸性(pH6.0〜6.5)の土です。

床1つにつき、かぼちゃの苗を1つ植えます。植え付けの1週間前になったら、直径と深さともに30cmほどの穴を掘り、底に堆肥を1kg入れます。掘り出した土は、過リン酸石灰20g(軽く一握り)と化成肥料50g(一握り)を混ぜてから穴に戻しましょう。周りの土を寄せ、縦横ともに60cm、高さ10cmの床を作ったらマルチシートをしておきます。

6月中旬〜7月中旬ごろに1回目、7月上旬〜下旬に2回目の追肥をします。マルチシートを持ち上げ、床の脇に溝を掘ります。1㎡あたり20〜30gの化成肥料を入れてから土を寄せて溝を埋め、マルチシートは元に戻しておきます。実がテニスボール大になったときを2回目の追肥の目安にし、1回目と同様に行いましょう。

かぼちゃの手入れの時期と方法

かぼちゃにしっかりとした実がつくようにするには、人工授粉と剪枝・誘引のお手入れが必要です。広い場所が確保できない方は、プランターと空中栽培でのかぼちゃ栽培にトライしてみてはいかがでしょうか。

かぼちゃの人工授粉の時期と方法

かぼちゃは虫などの助けを借りないと受粉できず、実ができません。そのため6月中旬〜7月中旬ごろの花が咲く時期に人工授粉をしましょう。花の付け根が膨らんでいるのが雌花、そうでないのが雄花です。

雄花を切り取り、花びらも外してしまいます。むき出しになった雄しべを雌花の雌しべにこすり付け、花粉をつけて受粉させましょう。

かぼちゃの剪枝・誘引の時期と方法

かぼちゃに大きな実がなるようにするためには、剪枝・誘引の作業を2回行います。西洋かぼちゃは親づるに実をつけますから、栄養がほかに取られないように余計なつるはなくしてしまいましょう。

1回目の「剪枝」は6月中旬〜下旬ごろが適期で、親づるの節から出ている子づるを1本だけ残してすべて摘み取ります。2本残ったつるはそれぞれ床の脇に直角に「誘引」し、U字金具で地面に固定してしまいましょう。

2回目の剪枝は、7月上旬〜下旬が適期です。1回目の剪枝後に出た子づると、前回残した子づるから出た孫づるをすべて摘み取りましょう。

かぼちゃの収穫時期と方法

かぼちゃの収穫時期は花が咲いてから約40〜50日経過後で、おおよそ8月ごろです。かぼちゃの実のへたが茶色く変色し、枯れてコルク化していたら、へたをハサミで切って収穫しましょう。地植えのときは、1株から10個くらいのかぼちゃが収穫できます。

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